剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ   作:炎の剣製

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更新します。

まだ活動報告でこのかと刹那の仮契約のアーティファクトを考案中。
よかったら見に来てください。


047話 学園祭編・準備期間(03) 年齢詐称薬の悲劇

 

 

…相坂と使い魔の契約をしてから数日、

小太郎はランサーとよく訓練している光景を目にする。どうもやはり性格的にも戦い方も似ていることもあり俺より適任らしい。

だから俺も刹那との訓練に集中できる。…だがそれでも小太郎は俺とも模擬戦をするのが楽しいらしくよく挑まれたりするが…。

他にも依頼された武具をエヴァの別荘で作成したり、学園祭の準備を手伝ったりとなにかと忙しい日々を過ごしている中、とある夜のこと俺達はネギ君達が生活している寮室に呼ばれていた。

刹那も一緒にいるのだからなにか大事な話なのか?

 

「俺に相談? なにをだ、カモミールにネギ君?」

「あ、はい…それなんですけどカモ君、お願い」

「わかりやしたぜ。士郎の旦那、少し明日とある事情で手伝いをしてもらいたいんですけど」

「手伝い? 俺はなにをやればいいんだ?」

「また性懲りもない理由だったら怒るわよ?」

「いや、イリヤの姉さん…蒲焼は遠慮したいっす…」

 

カモミールはもう心の奥に埋め込まれたかのように姉さんにすぐに土下座をしていた。

そんなに怖いか? 怖いか…。

俺は即座に解を出してとりあえず今カモミールは当てにならないのでこのか達に話を聞いてみることにした。

 

「それであらためて俺になにを頼みたい?」

「それがなー、士郎さん。アスナがどうにも高畑先生とのデートに踏ん切りがつかないんで士郎さんに予行演習を頼みたいんやって…」

「ちょっ…! このか、私は何度も言ったけど頼んでいないでしょ!?」

「…デートの練習だと? しかし俺でいいのか? それでタカミチはどうかは知らんが変に見られても知らんぞ?」

「そうね…それでなにか作戦とかはあるの?」

「そこはこれっすよ。イリヤの姉さん!」

 

カモミールは復活したと思ったらなにやら赤と青のアメが入っているビンを取り出した。

しかし、どこかで見た事があるような…ああ、あれか。

 

「どこかで見たことがあると思ったら年齢詐称薬か…」

「士郎の旦那はご存知だったんっすか?」

「ああ。出張中に見せてもらった事があるからな。しかしやはり犯罪っぽい名だな…」

「それなら話は早いっす! とりあえず赤いアメ玉を試してくれないっすか? 士郎の旦那ならタカミチ風の男性になると俺は睨んでるっすけど?」

「言いたいことはわかったが…俺はこれ以上変化するのだろうか? なぁ姉さん?」

「大丈夫じゃないの? あくまで幻術の類なんだから…」

 

鞘の恩恵でそんなに変わらないだろうと思い姉さんに相談してみた。

このかや刹那はこの事は当然知っているが他の面々は知らないため理由を話すわけにもいかない。

とりあえず俺は言われたままにカモミールに渡された赤いアメを舐めてみた。

すると突然視界が真っ白に覆われて次に気づくとなにやら俺の体は変化しているようだった。

なんか視界が低い気がする。まぁそれはいいだろう。

今気になっている事は別にある。なにか大事なものを失ったような喪失感が…。

それになにか皆の注目する視線が想像より違うような?

 

「な、な、な……カモミール! あなたシロウに一体なにを飲ませたの!?」

「そうやでカモ君! 士郎さんに後でお仕置きされてまうで!?」

「お、おかしいっすね…? しかし、これはこれでいいんじゃないっすか…?」

「カモさん!」

 

なにか、反応が盛大だな。もっとこう「おおー…」という言葉が出ると思ったが、

それでなんでそんなに皆は顔を赤くしてアスナに至ってはカモミールをそんなに握っているのだろうか? 中身が出るぞ?

 

「みんな、一体どうし………ん? なんか声が高いような…どう考えても俺の声ではない…」

 

そう、なぜか声が高い…。それにより俺の警報が鳴り響きだす。そしてどっと嫌な汗が流れ出す。

誰か、なにか言ってくれ…。正直言って不安しかないのだが…。その悲痛な視線は止してくれ!

姉さん! アスナ! このか! 刹那! ついでになぜか視線を逸らしているネギ君!

なにか言ってくれ…!

そしてやっと俺の心情を理解してくれたのか騒いでいた一同は真剣な顔つきになって、

 

「…ねぇ、シロウ。あの薬を飲んでからなにか違和感を感じないかしら?」

「あ、ああ…正直に言えば今もなお感じている…まるで自分の体ではないような…というか、そのいつもより優しい声はなんだ、姉さん?」

「そうね…。まどろっこしい言葉じゃ余計不安にさせてしまうわね。コノカ、鏡台を用意!」

「はいな!」

「なぜに鏡台…?」

 

鏡台を用意する意味があるのだろうか? それほど変わって…いるのだろうな? なぜか涙腺が緩んできたのは嘘だと信じたい。

そして俺の前に鏡台が置かれようとしている。

なぜか置かしてはいけないと俺の危険予知センサーが訴えている。

だが現実は俺に鏡を見ろと強制してくる。

そしてついに見てしまった。

そこには銀髪のこのか達と同世代っぽい“少女”がぶっきらぼうな表情をしながら佇んでいた。

もう一度言おう。“少女”が鏡に映っていた。

まず髪だが今までの髪型と違いセミロング…。

肌はなぜか姉さんに近いくらい白くなっていた。

身長はなぜかアスナ達と同サイズ。それにより着ていた服が思い切りダボダボで半分以上脱げていた。

……そこまでは、まぁよくもないがどうでもいいとして今は保管。

だがどうしても放っておけないのが見た目は遠坂以上姉さん未満くらいの自己出張をしている胸…、代わりに感覚からしてなくなっている男の大切な場所。

 

「ほう…俺は女になったのか。そうか、そうか」

『………』

 

無機質ながらも女性の声が自覚させてくれる。

一同の痛々しい視線が相当堪える。

今、盛大に叫びたいがここは女子寮…今の俺なら多分問題ないがプライドが許してくれない。

よって、心の声で「なんでさーーーーーッ!?」と叫び、

次の瞬間には俺はカモミールをアスナから奪い取り力の限り握り締めた。

 

「カモミール…これは一体なんだ…? あ?! 返答次第によっては俺は貴様を葬らなければいけない…」

「ギブ! ギブッすよ! 俺っちもなにかなんだかわからないんっすから!」

「では速やかに調べろ! 説明書にでもなにか記入されているのではないか!?」

 

俺は息を荒くしながらもカモミールをどう尋問するかを考えていた。

そしてしばらく経過してカモミールは説明書を最後まで見終わると顔を青くしていた。

 

「わかったか? ほら、さっさと言ってみろ。酷くはしないから…」

 

優しく問いかけながらも反面いつでも投影できるようにスタンバイする。

それにカモミールは震えながらも、

 

「こ、これはっすね…」

「これは…?」

 

殺気もこめた視線を浴びせながら問いかける。

それにより他の一同も震えていたが今は思考外だ。

 

「これは『今回限定! 『もし自身が男性もしくは女性として生まれていたら?』というコンセプトを元に開発された貴重な一品。これであなたも性別反転と若返り…一粒限りの魔法薬! でもどれがそうかわからないから慎重になって使ってね! 効果は丸一日!』…だ、そうっすよ」

「なん、だと…?」

 

カモミールがそれを大量の汗を流しながら答えたら俺以外の一同も固まったらしい。

だがすぐに復活した俺は、カモミールにとてもいい笑顔を浮かべて、

 

「貴様! 説明書は最後まで読んだのか!? これは本当は知っていて飲ませたのではないか!?」

「あぶぶぶっ!? 士郎の旦那、落ちる! 落ちるっすよ!」

「ええい! このまま落ちてしまえ!!!」

 

カモミールをシェイクしまくる。この不条理で理不尽な怒りの発散場所はこいつ以外ありえない!

しばらくして…カモミールは本当に落ちた。

なので俺もやっと落ち着きを取り戻したので真面目に会話を始めた。

 

「………さて、この馬鹿は放っておくとして丸一日この姿というのは実に厄介だな」

「とりあえずシロウ。なにか変わりのモノを着たらどう? ネギにはさすがにきついものがあるみたいよ?」

「ん。そうだな…しかし俺の男のプライドとして女物は絶対に着ないからな?」

「え~? せっかく一日その姿のままなんだから楽しまなくちゃ!」

 

……どうやら“ギンノアクマ”を呼び起こしてしまったらしい。

あー…なんていうか気分はブルーだな。あ、別にあの人のことではないぞ?

しかし、ここにきて幸運Dが発動するとは思っても見なかった。

俺は姉さんに無理やり引きずられながらも助けの視線を求めたがその日は誰も助けてくれなかった。

おそらく姉さんが目を光らせて四人を凝視したのだろう。震えているようだ。

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

…翌日、

 

 

俺は、それはもうひどい辱めにあっていた。

誰が好き好んでスカートなどというものを穿かなければいけないのか? 最後の抵抗で下着だけは許してもらい男女両方で穿けるハーフパンツでその上に現在スパッツを穿いているがそれでも十分心もとない。ブラもさらしで許してもらった。というよりなぜにセイバーの服装をチョイスしたんだ?

学園長にも姉さんが代わりに今日は休みという報告はしてもらった。

…決してバレるのが恥ずかしいわけではないぞ?

昨晩、ランサーに見つかり大爆笑されたのはそれはもう苦い思い出だ。

そして現在このかと刹那、カモミールとともに見た目十五歳のネギ君とアスナがデートをしているところを尾行中だ。

 

「しっかし、本当に違和感ないぜ。士郎の旦那。いや、今はシホの姉さんと呼ぶべきか?」

「フフフ…面白いことをいいますね? これは一体誰のせいだと思っているのですか…?」

 

昨晩に姉さんにより暗示をかけられて身動きが出来ずに様々な辱めを受けて、もう吹っ切った…ことにしておいてくれ。

名前も今日限りで『シホ』と名乗ることになってしまい女性言葉も強制されてしまい俺はカモミールに現在女性言葉でにこやかに対応している。

イメージとしては喋り方はセイバーを基本にしているらしいと姉さん談。

 

「…士郎さん、無茶はあかんよ? 後で直すのが大変やろ?」

「そうです。いつもどおりの喋り方で別に構いませんから…」

「姉さんに強制魔術(ギアス)で無理に女性言葉を強要されているのです…だからお気になさらず」

『………(士郎さん、可哀そう…)』

「その悲痛な視線はよしてください。私自身かなり自己嫌悪に陥っていますから…」

「なんというか、もう別人だな…」

「だから誰のせいだとお思いですか…!」

「俺っぢのべいだす…だがら離してぶださいっす!」

 

俺は心で涙を流しながら女性化してしまって下がった筋力で、しかし思いっきりカモミールを雑巾のように引き絞った。

ああ、もうどうにでもなれ…。たった一日だ。我慢だ我慢!

だがそこでこのかから爆弾が投下される。

 

「士郎さん。少しええか?」

「なんですかこのか? それと今はシホと呼んでください。エヴァにもしもばれたらいい笑い話のネタですから…」

「あ、う、うん…それでなんやけど昨晩イリヤさんにつれてかれた後…なにがあったん?」

「昨晩ですか? 昨晩、昨晩………」

 

思い出されるのはギンノアクマと化した姉さんによるあらゆる辱かしめ…。

それはもう言葉では表現できないような様々な痴態。

ギリギリ貞操は守れたが…何度か……はて、何度か? はっ、何度かッ!?

 

「いやあぁぁぁーーーーーッ!!!」

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

Side 桜咲刹那

 

 

突然、士郎さん…もといシホさんは悲鳴を上げて頭を抱えてしまっていた。

心なしか士郎さんとしての部分が自然になくなっているような?

 

「襲われてしまう! 襲われてしまう! いや、いやぁっ!!」

「シホさん! シホさん!! しっかり! 大丈夫や、今ここにはイリヤさんはおらんから!」

「そうです! だから落ち着いてください!」

 

しばらくシホさんは情緒不安定であったが少しして落ち着いたのか、

 

「…すみません。変に取り乱してしまって…」

 

シホさんは落ち着いたと言っているがそれはどうも外側だけで内面はまだなにかトラウマになった出来事を思い出しているのか震えている。

しゃくりをして涙を流しているのがいい証拠だ。

イリヤさん、あなたは一体シホさんにどんな仕打ちを…。

 

「もう、その話題は避けてください…精神的・肉体的両面で死んでしまいたい」

「…すまんかった。だからもう泣き止んで。な?」

「はい。苦労をかけてすみません…」

 

シホさんは私達に謝罪をしてきている。

もう士郎さんの面影がはっきり言ってないに等しい。

だけど…、

 

「なんていうかシホの姉さん…下手な女より女らしいぜ。男が女性になったら女性以上に可愛くなるって言うが…まさにその通りだな」

「カモさん! 追い討ちどころかとどめの一撃をかけるとはひどいですよ!?」

「…いいんです刹那。気にしないでください…」

 

シホさんはほにゃっという単語が似合いそうな微笑を向けてきたので思わず私とお嬢様は顔を赤くしてしまった。

士郎さんもそうですがシホさん状態も相当笑顔はある種危険なものだということは確かですね。

私は今も見惚れてしまっていて胸がドキドキしてしまいますから。

だけどさらに次の瞬間、戦慄が走った。

微笑を浮かべた後、今度は猛禽類のような視線でカモさんを睨んで口だけ高速で動かしてなにかを言っていた。

お嬢様は分からなかったらしいが…私は、分かってしまった。

シホさんは『この恨み、晴らさでおくべきか…』

…と、呟いていた。

カモさん…自業自得ということで、後で士郎さんに潔く成敗されてください。

 

 

それからやっとアスナさん達に追いついて見物していたらどうもカモさんがネギ先生に特殊な方法で念話をしているようでネギ先生はそのまま命令どおり動かされてやはりアスナさんには気づかれてしまいカモさんはハリセンで叩かれまくっていた。

しかし、修行の成果が出てきていますねアスナさん!

それからお二人は少し休むといったので私達は少し観光をしていた。

…だがシホさんの不幸は終わらなかった。

前方からイリヤさんとともに悪の顔をしたエヴァンジェリンさんがとても愉快に笑いながら近寄ってくる。

 

「ふふふっ…実におもしろい格好をしているではないか? なぁ士郎? いや、今はシホか?」

「そうでしょ♪ シホったら昨晩はとても可愛かったのよ!」

「っ!?」

 

シホさんはすぐに身体強化を施してその場を逃げようとしたが、

 

「…知らないのか? 魔王からは逃げられないんだぞ?」

「むぐぅ!?」

 

エヴァンジェリンさんはどこかで聞いたような某名言を吐きながらなにかしらの力でシホさんの動きを封じて一緒にいた茶々丸さんに捕まえさせてそのままどこかへ連れてかれてしまった。

…………きっと、明日はカモさんの血の雨が降るだろうな…と思いながらもネギ先生達はカモさんに任せて私達はあわてて後を追っていった。

 

翌日の朝、元の姿に戻り疲労の激しい顔をした士郎さんがカモさんを死ぬギリギリの極限状態まで追い込んだらしい。

そしてイリヤさんに聞くに士郎さんには女性の体を教えてあげたといった危ない会話になったが…

これ以上士郎さんの男性としてのプライドをズタズタにしないためにここだけの話に落ち着いた。

 

 

 

…余談だが、エヴァンジェリンさんに連れてかれた士郎さんはなにをされたのかというと、特に何もされなかったが…あの限定一個限りの詐称薬を茶々丸さんに解析・作成させるために体を調べられたらしい。士郎さんの不幸は終わるのだろうか…?

 

 

 




ここにも吸血鬼になったエミヤにつながる原典が!
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