剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ   作:炎の剣製

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073話 記憶巡り編 学園祭後のお茶会

麻帆良祭後の振り替え休日の二日目に俺と姉さん、ランサーはクウネル…もといアルビレオ・イマの住処に招待されていたので図書館島を経由してきていた。

 

「しかし……図書館島というのは実は魔法使いが作った裏世界であるというと言われても信じてしまうな…」

「そうだなー。師匠とかが実に興味を持ちそうだぜ」

「師匠というと……スカサハか」

「そうだな。この世界でも魔法の詠唱の一部に使われてんだからそら有名だろうよ」

 

ランサーの言葉でそうなのだろうなと思う。

ネギ君はまだ使えないそうだが、電系の魔法で引用されているものがあるらしい。

 

「それより、ここまで来たんだから聞けることは聞いておきましょう。どうせはぐらかされるでしょうけど、彼もエミヤの事は知っていそうだしね」

「そうだな」

 

まほら武道会でクウネルが変身したナギさんはエミヤの事を知っていた。

つまり、ネギ君にたいする遺書もどきを作成する前にはナギさんはすでにエミヤを召喚していたという事。

だから、クウネルも知っていてもおかしくはないからな。

 

それで住処に到着する。

途中ででっかいドラゴンに出会ったが、クウネルに貰った招待状の紙を見せたらおとなしく引いてくれた。

あんなものまで地下にいる麻帆良学園って……。

 

…………いらん考えは起こさないようにしよう。

怖いもの見たさで藪蛇をつついても良い試しがないからな、蛇だけに…。

 

そして入ってみるとすでにエヴァもいたのか紅茶を飲みながら寛いでいた。

 

「やぁやぁ衛宮士郎さんに皆さん。よく来てくださいましたね」

「遅かったじゃないか。と言ってもまだぼーや達も来ていないがな」

「ケケケ。」

 

相変わらずの微笑みを絶やさないクウネルとエヴァにチャチャゼロにそう言って迎えられた。

なので開口一番に聞こうと思う。

 

「クウネル。まだネギ君達が来ていないからちょうどいい。早速だが聞きたいことがあるのだが…」

「なんでしょうか…」

「ナギさんがエミヤを召喚していたのはお前は知っているのか…?」

 

俺の質問にエヴァは眉をピクリとさせていたが今は聞きに回っているらしく大人しい。

 

「そうですね。はい、知っています。ですが、どうしてあなたがそれを…?」

「なに…超がその封印を解いていたらしくてな。戦闘中に無理やり記憶を見せられたものでな」

「なるほど…」

 

それでしきりに頷いているクウネルであったが、そこで黙っていないのがエヴァである。

 

「なんだ。ナギの奴、どうやって士郎の一つの未来の可能性を召喚できていたのだ? 触媒とかこの世界には一切ないだろうに…」

「いえ。なんでも適当な魔法陣を敷いて魔力で強引に呼んだらしいですね」

「そうか…。それほど、ナギと士郎はなにかしらの縁があるということなのか…? それともたまたまか?」

「分かりませんが、おそらくたまたまでしょうねぇ…」

 

クウネルも実際分からないことだらけであるみたいで曖昧な言葉しか言っていない。

まぁ、それならそれでいいが、なら。

 

「それなら、クウネル。もう一つ……ライフメーカーという存在に聞き覚えはあるのだろう? なんでもナギさんが倒そうとしていた奴らしいが」

「ライフメーカーだと!?」

 

そこで意外にエヴァが叫んで苦々しい顔になっていた。

 

「エヴァは知っているのか…?」

「あ、ああ…。そいつは私を真祖にした張本人だ」

「えっ!? それが真実ならかなりの年季が入っているお年じゃない!」

「まぁな。アル……詳しく話せ。事と次第によっては私も動かんと行けないしな」

「んー……今は内緒という事でいいでしょうか?」

「くびるぞ……?」

 

それからエヴァとクウネルのやり合いが続いていたが、やはり言葉では勝てないらしく、悔しそうなになっているエヴァの姿がそこにあった。

 

「今はまだ、その時ではありません。その時になったらまた…」

「貴様がそこまで言うのであったら…だが、他にも知っていることがあるのだろう? 神楽坂明日菜の件とかな」

「まぁ……それは話しても構いませんが、まずお約束を。アスナさんの前では話さないで下さいね?」

 

それでクウネルがなにかを語ろうとしていたが、そこでタイミングが悪くネギ君達がやってきたのだ。

 

「来ました!」

「よく来てくださいましたね。ようこそネギ君、私のお茶会へ…お待ちしていましたよ」

 

それでネギ君達は礼儀正しく挨拶をしていた。

そして俺達の事も気づいたらしく、

 

「士郎さん達はもう来ていたんですね」

「ああ。それより他の面々もそのうち来るのかね?」

「あ、はい。僕達は先に来ましたもので」

「そうか。まぁゆっくりすればいいと思う。せっかくのお茶会だからな」

「はい! それよりクウネ……いえ、アルビレオさん!」

「ネギ君!!」

 

そこでなぜかクウネルが大声をあげた。

何事だと思ったのだが、

 

「私のことは『クウネル・サンダース』と呼んでほしいと言ったはずです」

「は、はあ……」

 

かなりくだらない問答だった。

というか一瞬クウネルの背後にチキンのおじさんのスタンドが見えた気がしたのだが、気のせいか?

気のせいという事にしておこう…。

俺もそう何度もあの笑顔を向けられるのは嫌だからな。

それからエヴァがクウネルに対して『なんだ、そのふざけた偽名は?』と問いただしていたが、何度も呼ぶが反応を示さずに、エヴァも観念したのか「クウネル」と呼ぶと、撫で返すかのように「なんでしょう、キティ?」というやり取りをしてまたエヴァが暴走していて、見ていて飽きないなと思う次第であった。

 

 

 

それからようやくお茶会になったのでネギ君達は色々な紅茶を美味しそうに飲んでいた。

うむ。確かにこれはうまいな。

 

「クウネル、あとで茶葉とかの仕入れ先とかでも聞いても構わんか?」

「構いませんよ。私も趣味で集めているようなものですし……ですが、そうですね。でしたら後であなたの淹れたものが飲みたいですね」

「俺が淹れたものを、か……?」

「はい。あなたの腕はエヴァンジェリンから聞き及んでいます。娯楽には何事も等価交換がつきものです。私も舌は肥えている方ですのでぜひともあなたの実力を知りたいのです」

「そこまで過大評価しても別段いいものは出せんぞ? まぁ作ってやらんでもないが…」

「それでは契約成立ですね。また別のお茶会の時にはお願いします」

「了解した」

 

そんな約束をしているとこのか達が物珍しそうな視線を向けてきていたのでなんだ?と聞いてみると、

 

「や、なんか士郎さんってクウネルさんと仲は悪くなかったかなって思ってな」

「はい。まほら武道会ではなぜか睨み合いが続いていた模様でしたし……」

「うんうん。なんかそれで意外だなって思って…」

 

このか、刹那、アスナのそんな言葉に「まぁ、確かに…」と納得もしないでもないが、

 

「さすがにそれは心外だぞ。敵でなければわざわざ険悪な空気になる必要もないだろうに…」

「そうですよ。私と衛宮さんは……そうですね…………フフフフ」

「…………その意味深な笑みはやめろ。寒気がする。しかも知り合いにやけに被るから」

「それはそれは……ぜひその方とも会ってみたいですね。仲良くなれそうです」

 

それで姉さんも少し面白そうな顔をしながらも、

 

「カレンとやっぱり雰囲気が似ているわよね…あなたって。救いなのは毒舌じゃない事かしら?」

「いや、イリヤ。こいつも気を許したら大層な毒舌を吐くようになるぞ。気を付けろ」

 

エヴァのそんな忠告を聞いて俺はやはりこいつには気を許しすぎないようにしようと誓った。

それからエヴァはネギ君に対して改めて視線を向ける。

そこには弟子の成長を確かめるようなものが含まれているようで。

 

「さて、それでぼーや。今回の事件は貴様にとってはどうだった…?」

「!」

 

ネギ君はそれで表情を改めていた。

エヴァも続けるように、

 

「なにか得る物もあったのだろう? 師匠の私にその思いの帰結を話してみろ」

「…………、はい。自分が、どんな場所に……そしてどんなモノの上に立っているのかを知りました。いえ……超さんに言われる前から僕はすでに知っていたんです。ただ、それに気づかない様にしていました。それを、超さんが改めて気づかせてくれました」

「ふむ……」

師匠(マスター)の言う通りでした。どこまで行ってもキレイなままではいられないんです。そもそも最初から僕達はキレイなわけがありませんでした」

 

それを聞けてエヴァは満足したのか笑みを浮かべつつ、

 

「フ…………超 鈴音はいい仕事をしたな。貴様のようなタカミチとは違い才能が有り前途有望でも世界をまったく知らないガキにはそれ(・・)を思い知らせるのが最も難しいものだからな」

 

そしてエヴァは足を組んでネギ君を見下ろすように構えながら、

 

「その通りだぞ、ぼーや。透徹した目で見れば『生きる事』と『悪を成すこと』は同義であり、この世界に住んでいるどの人間すらもこの理から逃れられない。『悪』こそこの世の心理だ。ようやくその認識に至ったか」

 

という感じで悪全開の表情をしていた。

うむ。改めて悪人だな。

それでエヴァはネギ君を改めて悪の道に連れて行こうとしていたが、そこでクウネルが「さすがエヴァンジェリン」と褒めた後に、少しエヴァと口論をしていたが、

 

「さて、それでネギ君。その認識を得てこれからどうするおつもりですか?」

「は、はい!」

 

と声を張り上げた後に、改めてネギ君は立派な魔法使い(マギステル・マギ)を目指そうと決めたらしい。

超の野望を止めてしまった以上、もう立ち止まる事などできない。

前へと進んでいかなければ超に対して申し訳が立たない。

父の件とは別として色々な人を助けたい……と。

 

それを聞いて俺が思った事は、

 

「…………まだ十代のネギ君に対しては早すぎる考え方だな。だが、そこまで決めてしまってはもう梃子でも動く気はないのだろう?」

「はい。もうそこも自覚して進んでいこうと思っています」

「そうか……」

 

ネギ君の覚悟をした顔を見てしまってはもう何も俺からは言えないな。

ランサーもそれで「いっちょまえの戦士の顔になってんなー」とか言っているし。

 

その後はクウネルがネギ君に対して「弟子になりませんか?」と誘ってエヴァとまた口論を開始していたが、もう慣れないといけないなと思った次第であった。

 

そして、ネギ君がもっとも聞きたかった質問が出た。

父…………ナギ・スプリングフィールドは生きているのかを…。

それに対してクウネルが答えた返事は、

 

「生きています。それは私が保証しましょう」

 

と、言った。

それに沸き立つ一同であったが、アスナが生きている事情を聴くとクウネルはまるで見本を見せるように仮契約(パクティオー)カードを取り出して、契約者が死ぬとただのタロットカードになってしまうと言われて、

 

「やっぱり……」

「はい、お嬢様……」

 

なにかを思ったのかこのかと刹那が俺との仮契約カードを大事そうに握りしめているのを見て、なぜか今はまだ聞かないほうがいいかなと思って、その話題が来たら口出しをしようと思った。

 

そして、まだ隠し事はありそうだが、クウネルがいうにはナギさんはどこかで生きている事を告げて、

 

「もし彼の事を知りたいのなら英国はウェールズに戻るといいでしょう」

「ウェールズに……?」

「はい。あそこには魔法世界……ムンドゥス・マギクスへの扉があります」

「ああ…。あっちの世界か。確かに……あちらならなにかしらナギさんの情報はありそうだからな」

「士郎さんは行ったことがあるんですか!?」

「ああ。前にタカミチと一緒に出張でな」

「あっ……学園祭前のあの時に……?」

「うむ」

 

それを聞いたのかネギ君はどこかワクワクしたかのような顔になって、そしたら自然発生でもしたのかネギ君を中心に魔力が風を起こしていた。

……別に構わないんだが、自制はしないと本気で魔法がバレるぞ?

 

それからネギ君は何を思ったのか、「行ってきます!」とかとち狂った事を言い出してエヴァやアスナ達に止められていて、せめて夏休みまではこの件は保留という事で落ち着いたのであった。

 

そして一旦落ち着いて、ネギ君はナギさんの事についてクウネルに聞こうとしていたが、そこで他の面々も遅れてやってきた。

メンバーとしては、宮崎・綾瀬・早乙女・朝倉・楓・古菲・茶々丸・長谷川・相坂・小太郎と……こちらを知った、あるいはこちらの世界のメンバーだった。

 

元気よく「お邪魔しまーす!!」と言ってやってきたので、こちらも手を上げて「こちらだ」と言って合流してまたお茶会が開かれたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………そして、しばらくお茶会が続いていたところで。ネギ君がおずおずと俺にある事を聞いてきた。

 

「それで、その……士郎さん。少しいいでしょうか?」

「なんだい、ネギ君。改まって…?」

「はい。前に約束しました士郎さんの記憶の件を……今見させていただけませんか?」

「!」

 

それで俺は表情を引き締める。

とうとう来たかという感じで。

そこにエヴァがネギ君に対して話しかけた。

 

「それで? ぼーやは士郎の記憶をどの程度見たいのだ?」

「はい。できればすべて見せてもらいたいんですけど……やっぱり傲慢ですかね?」

「確かに傲慢な考えだな。なんせ、私とイリヤ、木乃香、刹那もはっきり言って途中までしか見ていないのだからな」

「え? そうなんですか……?」

 

それでネギ君はこのか達にそう聞いて、このか達もそれで無言で頷いていた。

今思えばやっぱりひどいものを見せたよなー。

エヴァはそれで何を思ったのか、

 

「それで、前にも思ったがあの夜に士郎の記憶を貴様にも見せておけばとも思ったほどなのだぞ? それで木乃香と刹那は覚悟を決めた……いや、決めさせてしまったからな」

 

それでエヴァに視線を向けられたこのかと刹那も苦笑いを浮かべていた。

 

「そうよ! 学園祭でいろんなことがあって忘れていたけど、このかったらいつの間にあんなに魔法の腕を付けていたのよ!? 下手したらネギにも迫るものなんじゃないの!!」

「なんだ? 木乃香、教えてしまったのか……?」

「あはは……ごめんなぁ、エヴァちゃん。超やんに未来に飛ばされて、そこで未来のイリヤさんに付けた力をもう隠さないでいいと言われてもうて……」

 

このかはそう言いながらも腰に刺しているアゾット剣を撫でていた。

 

「そうだ……。俺も聞きたかったんだ。姉さんもだが、どうして俺に未来の俺が死んでしまっていたことを隠していたんだ?」

「お前さんならそれを知ったら絶対に無理しただろ?」

「それは……否定できない」

 

ランサーにそう言われて反論できない自分がいた。

だが、まだ疑問があった。

 

「しかし……では誰が俺を殺したんだ? 超は被害を出さないようにしていたと思うんだが……」

 

そう聞くと一気にエヴァとクウネルに相坂と小太郎以外の全員の表情が胸糞悪いと言ったような表情になっていた。

何事だ…?

 

「シロウ、落ち着いて聞いてね?」

「ああ。お前さんにとっては無視できない案件だ」

「姉さんにランサー。それは……?」

 

それで姉さんから告げられた言葉に俺はまたしても血液が沸騰するような感覚を味わった。

 

 

 

 

―――――言峰綺礼がまだ生きている。

 

 

 

 

「はっ……? 言峰が、生きているだと……?」

「ええ。それでコノカ達に聞いたんだけど未来の私に憑依して一時的に精神を操って令呪でランサーにシロウを殺すように命令したらしいのよ…」

「なっ!?」

 

またしても驚愕な内容を知らされて俺は冷や水を浴びせられたかのようなショックを受けた。

それでは、未来の姉さんは……。

 

ランサーも俺の表情を見たのか、

 

「だろう? やっぱどうにかしようって考えちまったろ?」

「…………」

 

図星だったために無言になるしかなかった。

 

「まぁ、そんで未来の情報を頼りになんとか言峰の野郎を倒したまではいいんだがな……あいつはある意味ゴキブリだな。あの夜も含めて分身体だったらしくてな……今はもうこの土地にはいないみたいだが、どこかで生きているみたいなんだよ」

「そうか……」

 

だとすると、姉さんとランサーは俺が超達ロボ軍団と戦っている間に言峰と戦っていたわけか。

あのコートもそういう事だったんだな。

 

「あのー……士郎さん。改めて聞きたいんですけど、言峰って人はどんな人なんですか……?」

 

朝倉の質問に、悩んだ。

あいつをどういう風に伝えればいいのかと……。

 

「シロウ。やっぱり記憶を見せてコトミネの危険性を教えてあげた方がいいんじゃない? 何も知らないほうよりはいいと思うわ。これからもどこかで遭遇するだろうしね」

「姉さん……そうだな」

 

それでこれからどうしようという感じになったが、今度は綾瀬がある事を聞いてきた。

 

「士郎さん……。一つ、よろしいでしょうか?」

「どうした綾瀬?」

「いえ、私のただの憶測でしかないのですが、士郎さんとイリヤさんはもしかして……この世界の住人ではないのではないですか? たとえば荒唐無稽な話ですが、異世界からやってきたとか……未来人の超さんという例がある以上はあり得るかもしれない可能性です」

「それを、どこで気づいたんだい……?」

 

俺はなるべく優しく問いかける。

それに対して綾瀬は少し怯えながらも、

 

「士郎さんとイリヤさんはこの世界にはない術を使います。私のアーティファクトで調べましたが、どこにも載っていなかったのでもしかしたらと思いまして……」

「そうか……。わかった。それも含めて記憶を見せよう。しかし、見せる前に言っておく。ネギ君の過去が生ぬるいとは言わない……しかし、それでもネギ君以上にひどいものを見せると思う。そこだけは覚悟しておいてくれ。他のみんなもそこはいいか……?」

 

それで黙って事の成り行きを聞いていた一同はというと、

 

「わ、私は遠慮したいかなと……」

「いいじゃん、千雨ちゃん! この今の士郎さんがどうやって構成されてきたのか知りたいじゃん!?」

「眼鏡の姉ちゃんの言う通りやで! 士郎の兄ちゃんの強さの秘訣が知れるんやったらどんなものかて知りたいで!」

 

長谷川は遠慮がちに、しかし興味丸出しの早乙女と小太郎に無理やり参加させられそうであった。

他のものも、

 

宮崎は「し、知りたいかもー……」と言っていて綾瀬と頷いているし、朝倉も「まぁ、知りたいかな」と、相坂も『士郎先生の使い魔として知っておきたいです!』と、楓は「んーーー……」と涼しげに、だが細めた目で見せろと訴えてきていて、古菲も「小太郎と同じく士郎老師の強さの秘訣を知りたいアル」と言っていた。

 

アスナはアスナでこのかと刹那に「このかに刹那さん……そこまでのものを見たの…?」と聞いていて、二人はやはり無言で頷いていて「ネギだけに辛いものを見せられない…」という感じで覚悟を決めたようである。

 

 

 

 

 

「最後に言っておくが、まだ引き返せるぞ? 毒のようなものを浴びる覚悟はないものは今のうちに辞退をしておけ」

 

そう問いかけるが、長谷川以外はもう見る気満々で、その長谷川も興味はあるらしくもう辞退はしないようであった。

 

「いいんだな……?」

「シロウ、もういいんじゃない?」

「そうだな。言峰の件に関してももう手放しにしておけねーからな」

「でしたら、私のアーティファクトで過去を閲覧しますか? 魔法の様に意識だけ過去に飛ばすことができますし、それにちょうど私も見たかったので、あなたの事を登録させてください」

「うぇ……なぜかお前に見せてはいけないという危機感があるのだが……」

「まぁまぁ♪」

 

まぁ、仕方がないか……。

 

「茶々丸、では残りの部分も記録を頼んだぞ」

「了解しました、マスター」

「アノ続キモ見レルノカ。楽シミダナ♪」

「士郎の旦那。見させてもらいやすぜ!」

「士郎さん、お願いします!」

 

最後にネギ君の言葉で俺は観念して、俺はクウネルに後を任せて全員は俺の記憶にダイブしていった。

そしてまた記憶が開かれる……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の原初の1ページ目はあの大火災。

いきなりあの光景から始まって、早乙女の一言が雄弁に物語っていた。

 

「え……? いきなりクライマックス……?」

 

 

 

 

 




さて、やっと導入が書けました。
ここからどうやって書いていくかまた試行錯誤が続いていきますので更新は遅くなると思いますがお付き合いください。

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