ありふれた錬成師と空の少女で世界最強【完結】   作:傘ンドラ

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いよいよ勇者が試練に直面します。
自分でもちょっとばかり酷な話かなとも思いますが。



Killing Field-勇者からは逃げられない!

天之河光輝は一人闇と赤で彩られた街を駆けていた、拭い難き敗北感と、

そして何より自分自身への絶望を抱いて。

 

逃げたところでどうなるというわけでもない、だが……もう自分はあの場所へは戻れない、

戻る資格を永遠に失った、棄ててしまったのだという自覚はあった。

 

「このまま……誰も知らない何処かに」

 

ふと、そんな考えが頭を過る、どこか遠くの山奥で狩りでもして暮らせば……。

そうすればもう誰にも期待されずに、誰かにも期待を抱かずに済むのではないのかと。

だが、そうなると今度は孤独という、それもまた未体験の恐怖が光輝の心を苛み始める。

 

「うっ……おえっぷ」

 

呻きと共に胃の内容物を全て吐き出してしまう光輝、

息を荒げながらも少しは気分が落ち着いたのか、今、自分が何処にいるのか、

そのことについて頭を巡らせ始める。

 

(そういえばここは……)

 

かつて光輝らも何かの記念行事があると、着飾って街中を行進したり、

休暇を貰った時は、メルドらの許可を得て街に繰り出すこともあった。

決して王宮と迷宮との往復のみを繰り返していたわけではない。

 

光輝は、街に出る際のメルドの言葉を思い出す。

 

(一般市民にお前らをどうこう出来るとは思わないが……

それでもあまり立ち入って欲しくない場所もある、地図で言うとだな……)

 

そんな時だった、不意にその背中に声が掛けられたのは。

 

「ゆ……勇者様?勇者様ではありませんかっ!」

 

のろのろと振り向く光輝、そこにいたのは、

若い、といっても自分よりは年上であろう一人の兵士だった。

 

「ホ……ホラっ、俺ですオレ、三ヶ月前のパレードの時に握手して頂いた……」

 

全く憶えていない。

 

「よ、良かったらこちらに来てくださいっ!み、皆喜ぶと思いますっ!」

「え……ああ」

 

兵士は意気揚々と、まるで宝物でも見つけたかの様な笑顔で光輝の手を握り、

そして引かれるままに、ただフラフラと光輝は兵士に連れられて、いや運ばれて行く。

少し考えれば光輝がもう普通の状態ではないことが分かろう物だが、

若き兵士にそんな意識はない。

だって彼が見ている物は、天之河光輝じゃなく勇者様なのだから。

 

据えたドブの臭いが鼻を衝く中、案内、いや連れてこられたそこは、

誰かを救護する場所とは思えぬほどの、ただのあばら屋だった。

 

そこでようやく光輝は思い出す、この場所こそ、

メルドから立ち入るなと言われていた区画、いわゆる貧民街だということを、

 

「みんなぁーおどろけぇーゆーしゃさまがおいでになってくださったぞぉぉぉぉぉっ!」

 

意気揚々と帰還した兵士は力なく蹲る人々の前で目一杯の声を張り上げる。

ランプで照らされた彼のその装備が、王国の正規兵としては、

あまりにお粗末なのをここで光輝は初めて知る、実際は単なる自警団程度の者なのだろう。

 

ともかく兵士、いや若者の声を耳にした途端に、人々の目に生気が宿り始める。

 

"夢みたいだ"

"こんな所にまでおいで下さるなんて"

"エヒト様の御使いだ"

"勇者様、どうか御手を……"

 

心身共に傷ついた人々は身を起こし、口々にそんな声を上げて光輝へと縋りつこうとする。

 

「あ……ああっ……」

 

誰もが自分を信じ、そして頼ってくれる、かつて夢見たそんな場所に辿り着けたというのに、

光輝の口からは喘ぎが発せられるのみだ。

すると、おそらく長老格なのだろう、白髭を蓄えた老人が恭しく光輝へと礼をする。

 

「こちらへ……勇者様、どうか祈りを捧げて下さらぬか」

 

光輝は直感する、そこから奥はもう救護所ではない、見捨てられ、

死を待つ者が最期の時を過ごす……きっとそんな場所なのだと。

 

自分の身体が震えているのを自覚しながら、老人に従い、光輝は奥へと足を運ぶ。

そこにあったのはまともな治療も施されず、ボロ布に包まれ、

もはや、いかなる癒しも届かぬまでに壊れ果てた、人間の残りカスの群れだった。

 

「ぐっ……」

 

老人に悟られぬよう、咄嗟に口元を押さえる光輝。

 

「まだこの娘は息があり申す、どうか安らかなる死を祈ってやって下さいませぬか

勇者様」

 

それは自分とそれほど年が変わらない少女だった、

しかしその半身は無残にも切り裂かれ、全身には酷い火傷の痕がある。

 

「ゆ……しゃ……さま?」

「そうじゃよ、勇者様が陽の光も届かぬこんな場所にまで来てくださった、

せめてでもと我らが日夜欠かさず行って来た、エヒト様への祈りが通じたのじゃ」

「どこ……どこ……」

 

少女の胸に置かれた手が温もりを救いを求め、僅かに動く。

 

ああ、この子はもう目が……そう思いながら光輝はそっと少女の手を握る、

虚ろな目のままで。

 

「うれしい……っ」

 

少女の絶え絶えの吐息の様な声が光輝の耳に届く。

 

「御使い様に……勇者様に……手を握って貰えたまま、永遠の眠りに……就けるだなんて

おとぎ話のお姫様……みたい」

 

その言葉を最後に、光輝の掌の中から少女の温もりが少しずつ失われていく。

 

「この子はエヒト様の御許へと旅立ちました、勇者様のお陰で歓びを持って」

 

嘘だ、そんなものが歓びであっていい筈がない。

老人の言葉に意を唱えたい気持ちで一杯だが、今の光輝にそんな気力はない。

 

「勇者様?」

 

また声がする、振り返りたくないのにそう呼ばれると振り返ってしまう。

そこにいた、いやあったのは芋虫の如く四肢を全て失った男、

息を呑む光輝、握ってやるその手すら、この男にはもう存在しないのだ。

 

「勇者様、この者にもどうか……御救いを、勇者様?」

 

老人の視線が自身の背中へと突き刺さるのを感じつつ、

光輝はせめてでもと、額に手を当ててやる。

 

「なぁ……母ちゃん、俺みたいなろくでなしでも……勇者様は優しくしてくれるんだ……

俺のこと……褒めてくれ……よ」

 

包帯に包まれたその目から涙が零れ落ち、そしてやはりその瞬間、

光輝の掌の中の温もりが、命が消えていく……もう限界だった。

 

勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様。

勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様。

勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様。

勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様。

勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様。

 

ち、ちがうっ……違うんだ。

俺は逃げ出したんだ、俺は卑怯者なんだ、だから責めてくれ、詰ってくれ……。

俺はもう勇者じゃないんだ!そんな資格はもう無いんだ!なのに……。

 

喉から今にも飛び出しそうな嘆きの叫びを光輝は必死で飲み込む。

 

それはある意味では、彼の求めた理想郷そのものだった、

誰もが自分を褒め称え認めてくれる、誰も叱らず肯定してくれる、

全て望んだままに受け入れてくれる……だが、それは文字通りの地獄だった。

 

勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様。

勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様。

勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様。

勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様。

勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様、勇者様。

 

いつも教室で浴びていた視線、慣れっこの視線、当然の様に思っていた視線。

だが、もう今の光輝に取ってそれは恐怖の象徴だった。

 

(そんな目で……そんな目で……俺をっ!)

 

いたたまれなくなった光輝は追われるように救護所を飛び出す。

その目に微かな光が入る、かつて見慣れた、何度も助けられた、

遙か彼方に微かに光るあの癒しの光の下には……。

 

光輝は喘ぐような叫びを上げる。

 

「頼む!香織っ!ここに来てくれ、たのむぅ……助けが……」

 

届かないことが分かっていても、叫ばずにはいられない。

それに例え届いたとしても……。

光輝には分かる、香織だってきっと必死なのだ、

今の香織の目の前にはきっと自分と同じ、こんな光景が広がっているに違いないのだから。

いや、香織に限らない、誰もが必死で自分の目の前に広がる何かと、

戦い続けているに違いないのだ、自分だけが特別じゃないのだ。

 

不意にあの日の自分の言葉が甦る、本当に全てを救えると思い込んでいた自分の言葉が。

 

 

『うん、なら大丈夫!俺は戦う!人々を救い、皆が家に帰れるように!

俺が世界も皆も救ってみせる!!』

 

 

ああ、どうしてこんなことにも気が付かなかったのだろう?

全てを救える程の力のある人は、全てを救おうと願う志のある人は、

だからこそ、全てを救うことは決して出来ないことに、

その腕の短さにその掌の小ささに、必ず気が付く筈なのだから。

 

「俺は……俺たちは……人間なんだ……神様じゃ……ないんだ」

 

言葉は発さずとも、口中で呻く光輝、さらに記憶が彼の心を責め苛む。

 

 

『俺は目の前の困難を避けて通る卑怯者にはなりたくない』

 

 

薄っぺらい……プライドと、対抗意識に躍らされて、自分が何をすべきか

全く何も見えてなかった……風車に挑む騎士のように……。

 

全てから逃れる様に、またフラフラと死の蔓延する街を光輝は彷徨い続ける。

 

そして幾つ目かの階段を上っては下り、何度目かの曲がり角を曲がった所で、

不意にそれは現れた、まるでこれこそが"世界"のありふれた日常、

奪う者と奪われる者は、いとも容易く入れ替わるのだと言わんばかりに。

 

光輝の眼前に行く手を遮るかの様に広がる塀、そこに吊るされていたのは、

首を括られ、男性器や乳房を切り落とされた、魔人族たちの遺体だった。

もちろん違うことは、別人なのは分かっている、しかしそれでも、

自分が峰打ちに斬った魔人族たちの姿と、彼らの無残な屍が重なっていく。

 

「うっ……ぐっ…」

 

口元と、すでに胃液すら出なくなった腹を抑え、激痛に苛まれながら、

光輝はようやく理解する、どうして自分がここまで人の命を奪うことを恐れていたのかを。

 

違う……怖かったのは人の命を奪うことじゃない、

汚れるのが怖かった……命を奪うことで、清く正しい存在でなくなることが怖かった。

特別じゃなくなることが……怖かった。

だって自分は特別だから、他の人とは違うから、選ばれた存在なのだから、

勇者なのだから、ただの普通の天之河光輝に価値なんてないから……。

 

「ごめんなさい、ごめんなさい……」

 

泣きながら遺体に向かい、謝罪の叫びを漏らす光輝。

 

「俺がっ、俺が……穢れるのを恐れたからっ……」

 

この人たちにいらぬ苦しみと辱めを与えてしまった、

あの人たちに罪を犯させてしまった。

 

その時、吊るされ自分を見下ろす魔人族の目が、僅かに動いたように光輝には見えた。

ああ、まだ生きている。

 

「ジャンヌさん、メルドさん……ごめんなさい」

 

今ならわかる、ジャンヌが自分に本当の意味で願っていたことが、

メルドが怖れを恨みを買うことを覚悟で自分たちに教えたかったことが、それでも……。

例えその願いを、思いを無にしてしまうことになっても……。

 

「それでも……俺は……」

 

光輝は腰に手を伸ばす……そこに聖剣は……自身の力と志の象徴は……無かった。

 

「ハハッ……ハハハハ……ハハハハハ、アハハハハハ」

 

もう動かなくなった魔人族の遺体の前で頽れ、虚ろな目をして、

光輝は嗤う、自分自身を……。

 

「救うことも出来なきゃ、奪うことすら……俺には出来ないのか」

 

ああ、父さん、母さん、美月……ここは地獄だよ。 

 

「人間も魔人もない、善も悪も関係ない、ここにあるのは生きるか死ぬか、

ただそれだけで、死んでいく者たちには神も種族も国家もなくて、

灼熱地獄の底で生きたまま焼かれていく苦痛と恐怖があるだけなんだ……」

 

……その苦痛を。

 

「ただの勇者で……いいや、もう勇者ですらなくなった俺がっ!」

 

嘆きと共に地に拳を叩きつける光輝。

 

「どうやって救ったらいいんだ!」

 

ここまで来てしまって、まだ救うことに拘っている、そんな自分に苦笑する光輝。

そもそも、奪われる者と、奪う者がいとも容易く入れ替わるこんな世界で、

一体何を誰を救おうというのだ。

 

そんな彼の耳に、同時に声が届いた……か細い、それでいて救いを求める声と、

闇に甘く誘うかの様な蛇の声が。

 

 

「オイ!一大事だ、恵里の奴がもしかすると……」

 

愛子とカリオストロがウロボロスに乗り、ハジメらの元へと到着する。

 

「って、どうやらビンゴかよ」

 

少年少女たちの沈痛な面持ちを一瞥するや、事態を察したか、

吐き捨てるカリオストロ、そして暫くして、

ティオの背に乗ってメルドとリリアーナもやって来る。

 

 

「そうか、アランも……ホセも……ダメだったか」

「……アランさんの、確か婚約者がいただろ?」

 

ハジメはアランが剣の柄に付けていた飾り、特徴的な形をしていたので、

屍山血河の中でも見つけることが出来た―――をメルドへと手渡す。

 

「形見になりそうな装備品はなるだけ修復……するからさ……遺族の人たちに渡して貰えれば」

「ありがとう、だがお前たちが気にすることも、そこまですることも無い……むしろ」

 

辛いことを代ってやってくれたと、メルドはハジメへと頭を下げる、

もっともすぐに笑顔と共に、モシャモシャとハジメの髪を掴んで掻き回すのも忘れない。

 

「で、光輝はどうした?」

 

こういう中であっても、一際目立つオーラを持つ少年の姿が見えないことを、

訝しむメルド。

 

「よく聞いてください、メルドさん……実は」

「……待って、それは私から」

 

ジータを制すると、雫はメルドらへと簡潔に事実を伝えて行く。

勇者の敵前逃亡という、あってはならない事実を。

 

「フン!男ってヤツぁな、世界の隅っこで一人で泣いては、その度強くなってくもんだ

放っとけ!ハラが減ったら帰って来るだろ」

「その意見には全面的に賛成だが、しかし軍務を預かる身としては、

放っておくわけにもいかん、これは喧嘩に負けたとか、女に振られたとか、

そういう話ではないからな」

 

傷ついた男にとって半端な優しさほど堪える物はない。

カリオストロの言う通り、一人で気が済むまで泣かせてやりたい気持ちは、

もちろんメルドにもある、だが、状況が状況、立場が立場だ。

さらに付け加えるなら、たまたま全員が無事だったからこそ、こうやって話せるのであって、

もしも一人でも犠牲者が出ていれば……相応の処断について考えねばならなかっただろう。

 

一方、まるで墓標の如く地に突き立つ聖剣を見つめる生徒たち、

それは勇者が使命を……人々を守るという責務を、

そして何より級友たちを守るという"約束"を放棄した証。

 

だが、それでも彼らは光輝を責めるつもりは無かった。

誰もが忸怩たる思いを抱えていた、今まで見誤っていたと、特別だと思い込み過ぎていたと、

顔が良くって、勉強もスポーツも出来て勇者にまで選ばれる、そんな男であったとしても、 

その内面は自分たちとそれ程変わりはしない、クラスメイトの一人だったのだと。

 

「例え、事情がどうであれ……」

 

ここでジャンヌが重い口を開く。

 

「彼は、光輝は……一度請け負った責務を放棄しました、

もしも彼が帰参を望むならば……軍法に照らし合わせての処分は……必要です」

 

軍法、処分……その固く重い響きに生徒らは息を呑む。

 

「……むしろ、光輝自身がそれを強く望む筈です」

 

ジャンヌの言葉には確信めいた響きがあった、まるで今、光輝が直面している事態を、

何もかも見通しているかの様に。

 

「ですが団長殿、此度の件を招いたのは私の監督不行届きです、

どうか光輝に罰を与えるのならば、私にも彼と同じ罰を!」

「ま……まぁ、その件はだな……光輝を何とかしてからだ」

 

言葉を濁らせるメルド、マジメ一徹のジャンヌは彼に取っては苦手な部類に入るらしい。

 

「……皆さん、色々と思う所はあるかもしれません」

 

困惑する生徒たちを前に、今度はリリアーナが話し掛ける。

 

「ですが……彼をどうか許してあげては下さいませんか?

それに、こんな時だからこそ我が国には勇者が必要なのです」

 

口調こそ柔らかいが、その言葉には優しさを越えた、

いわば冷徹な為政者としての判断も加わっているとジータは思った。

 

「私たちも、この世界の現状を正確に伝えていませんでした、

いわば騙していたという負い目はあります」

 

頷くメルド、それは暗にではあるが、心配しているような処分は下さないという意味だ。

 

「それにな、あくまでもこの惨状を生んだのは恵里の……裏切りだ、

最初から裏切りを考慮して戦うことなど誰にもできん」

 

鈴の方を向き、申し訳なさそうにしつつも、メルドはそう口にし、

そしてリリアーナは愛子へ、そしてクラスメイトらに改めて頭を下げる。

 

「虫の良い話だとは思います、ですが愛子先生、それから皆さん、

もう少しだけ皆さんのご友人を私たちにお貸し願いたいのです、お願いします」

 

それが、今の光輝に取ってどれ程辛い思いをさせることになるのかは、

リリアーナとて分からない筈はない。

だがそれでもという強い意思がそこにはあった。

 

リリアーナの言葉に場の雰囲気が少しずつ変わっていく、

恐らく彼らも契機となる言葉を待っていたのだろう、気まずさを払拭してくれる、

そんな言葉を。

 

視線が雫へと集中する、この場に於いて最も天之河光輝を知る者は彼女を置いて他にない。

僅かにたじろぐような仕草を見せる雫だが、ジータがその背中を叩く。

 

「行こう、雫ちゃん、天之河君を探しに、ちゃんとみんな助かったって教えてあげよう」

「……そうね、あのバカにも帰れる場所があるってのをちゃんと教えてやらないと」

 

 




悲しみの渦中にいる光輝くんですが、
果たして雫たちは間に合うのでしょうか?
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