皆さんガチャピンとスクラッチは順調でしょうか?
私?お前まだおらんかったんかーいなキャラが、
出てきたりとかしてビックリしてます。
後半部分はグラブル関係の話がやや多めです。
ハジメの掛け声と共に飛空艇は迫りくる巨獣を引き離そうと一気に速度を上げるが、
それでも巨獣はエイのような翼を広げ、飛空艇へと執拗に迫って来る。
「私に任せろ!」
シルヴァが裂帛の気合いと同時にライフルのトリガーを引く。
だが、放たれた弾丸は巨獣を護衛するかのごとく周囲を固める灰竜たちが盾となり、
標的には届かない。
それはまるで狙撃手への対処法の一つのようにも見えた。
「わわわっ」
急加速で足をもつれさせ、転びそうになった鈴の手をシアが掴む、
ちなみに甲板には重力魔法が付与されており、
空中での乱戦となっても、振り落とされる心配こそないのだが、
そもそもこれは移動用であって、戦闘を目的とした船ではない。
「もう少し武装を増やしておくべきだったか……外観を犠牲にしてでも」
灰竜から放たれる光弾を巧みな操舵で避けつつも、
ここは戦乱の地であることを再認識するハジメ。
「オイ、逃げてばかりじゃ埒が開かないぞ」
「……逃げきれないなら迎え撃つしかない」
シャレムとユエ、パーティメンバーの中でも、ずば抜けて好戦的な二人からの声が、
同時にブリッジに届く。
「俺は見ての通りだぞ、お前らだけで何とかしろよな」
「ハジメさん上ですっ」
モニターを見つめるリリアーナの声が、ジータらに届くか否かのタイミングで、
彼女らのいる甲板に影が差す。
飛空艇の頭上を取った巨獣が、覆いかぶさるかのように翼を広げたのだ。
さらに護衛の灰竜たちが障壁へと体当たりを仕掛け、その度に飛空艇がグラグラと揺れる。
『ミゼラブルミスト!』
『カルマ……さっさと沈め』
ジータとシャレムが放った黒霧と重力球が灰竜どもの動きを鈍らせ、
それと同じくしてユエとティオが魔法による射撃を開始する。
その弾幕から逃れ、飛空艇へと迫った一群もいたが、
それらは尽くシアの手により叩き潰されていく。
そこで飛空艇の頭上を取ったままの巨獣が鉤爪を一振りすると、
雷撃が幾重にも折り重なって甲板へと走る。
「鈴ちゃんも手伝って!」
「うん!カオリン」
しかしそれらもまた尽く、鈴と香織の張った障壁によってカバーされる。
「じゃあこっちも行くよ雫ちゃん!」
ジータが笑顔で傍らの雫へと手を差し出すと、雫も頷きつつ差し出された手をしっかりと握る。
「いち、にの」
互いの手を握ったまま、タイミングを合わせる二人、
頭上の巨獣の骸骨を模したとした思えない、虚ろな頭部が視界に入る。
「さん」
"瞬歩"と"縮地"と"空力"を組み合わせ雫の手を引いたまま、宙へと飛びあがるジータ、
もちろんその目は巨獣からは微塵とも離さない。
(やっぱり似てる……これって)
『アーセガル!』
ジータは雫の手を放すと同時に双剣を鞘走らせ、抜き撃ちで衝撃波を放ち、
『神斬舞』『煉獄』
さらに雫の手の八命切から二つの光が放たれる、一つは巨獣に、
一つは自分の足下で戦う仲間たちに、
この八命切の刃から放たれる光は、相手の魔力を吸収し、
そしてそれを周囲の仲間たちに分配する力を持つのだ。
もっともこの太刀本来の主が使い熟すそれとは、効果量は大きく劣るのも事実ではあるが、
そんな彼女らへと、巨獣は小煩げに鉤爪を振るう。
しかしその爪は今の二人に取っては、精度も鋭さも欠いた力任せの一撃でしかない。
雫が太刀を一閃すると、まるで根菜を斬るような手応えと同時に、
鉤爪がその中途から切断され、さらに。
「雫ちゃん、さっき貰った魔力使わせて貰うよ、デュアルアーツ!」
ジータの手の双剣が奥義を放つべく輝き出す。
『金碧輝煌!』
右手の長剣を剣舞の如く、優雅に振り翳すジータ、
その舞は味方に取っては勝利を、敵に取っては敗北をもたらす舞である。
事実、舞うたびに放たれる無数の剣風が格子状に広がり、
巨獣を斬り刻んで行くのが雫には、いや甲板上のユエや香織たちにもはっきりと見える。
ここでそれまで身じろぎもしなかった巨獣の身体が僅かに揺れる、
が、しかしそれだけでは終らない。
「今のは右手!次は左だよ!」
ジータは左手に握る炎の刀、極マリシ烈火ノ太刀に籠った力を巨獣へと一気に放つ。
『秘剣・灼滅閃尽!』
先程の剣の舞とは異なり、今度は業火を帯びたシンプルにして力強い斬撃が巨獣の身体に走る。
そう、このクリュサオルは二刀流の特性を最大限に活かすことで、
両手それぞれの武器に合わせた奥義を、左右連続で放つことが出来るのだ。
攻撃面に於いては最強のジョブと言われる由縁である。
流石にこれは効いたのか、巨獣の身体が明らかに傾く、
しかしそれでも撃破にはまだ遠いようだ。
巨獣の口から悔し気な叫びと共に、毒気を含んだガスが放たれる。
色からしてかなり強力な毒のようだが、
こちらには治療のスペシャリストたる香織がいる、一瞬目の前が暗くはなったが、
香織がノータイムで発動させた治癒魔法により、
毒は仲間たちの身体からみるみるうちに消えていく。
しかしその僅かな隙に巨獣は踵を返し、生き残りの灰竜を伴い、逃走を開始する、
「敵に背中を向けるとは……遠慮なく射抜かせて貰う、バリー・ブリット!」
今度こそとばかりに、シルヴァの放った奥義の力の籠った弾丸が、
まるで巨獣の逃走経路を予測していたとしか思えぬ軌道で、
その急所を寸分たがわず撃ち抜き、そして。
『チェインバースト・紅蓮のコラプション!』
高密度の連続攻撃により、空間内に充填された力がさらなる炎の嵐を呼び、
巨獣の身体を焼いていく、しかしそれでも巨獣はその炎を振り切るかの様に、
翼をはためかせ空の彼方へ……正確には魔人領の方角へと消えていく。
「まだ動けるの……アイツ」
「ケタ外れの耐久力だな」
一息入れつつも巨獣の消えた方向からは眼を離さない鈴とシルヴァ、
「わたちの見た感じだと、あの悪食とかいう奴よりも固いように思えたな」
「速さも奴の方が上じゃな」
恐らく移動力と耐久力に特化しているのだろう、
勿論、毒や雷撃も通常の相手ならば十分すぎる程の威力であったのだが。
「……んっ、でも結構削った、何度かやれば倒せる」
彼女らがそんなことを輪になって話し合う中、
雫を抱き抱えたジータが、ふわりとその輪の真ん中に降り立ち、
そしてブリッジからハジメとリリアーナも姿を現す。
「さっきのあれ……デスゲイズみたいだったね」
ハジメの顔を見るなり、戦闘中感じていた疑問を口にするジータ。
ハジメも同じ疑問を抱いていたのか、間髪入れずジータへと頷く。
「正確にはあれをモデルにした魔物だな」
デスゲイズ、FFシリーズにおけるボスモンスターの一体である、
だが流石にハジメもジータもFFの世界と、トータスが繋がったとまでは思わない。
従って、そこから導き出される最も妥当な結論は。
「中村の奴……やっぱり魔人族に手を貸しているんだな」
「それもかなり積極的にね」
今のトータスの文明では、空からの攻撃に為すすべもない事は、
先の王都で実証済みである、極端な話になるが、数万の陸上戦力よりも、
僅かであったとしても、先の魔物のような強大な空中戦力を保有する方が、
戦況を有利に進める事が出来る筈……実際自分たちも、こういった形での空中戦は、
ほぼ想定していなかったのだから。
もちろん他にも転移者がいる可能性もあるが、
この場合、やはり恵里の指示によって作り出された人造の魔物と考える方が、
自然なように二人には思えた。
「さぁ、旅を再開するぞ」
「そうだね、お茶の途中だったし」
ともかく今は、それはそれこれはこれだと笑顔でシャレムに応じるジータ、
ただし、魔物の肉片を拝借しようとした香織の手を踏みつけながらであったが……。
その惨い眺めに思わずリリアーナが目を背けるが、それには構わず、
ジータは香織に耳打ちする。
「今までについては大目に見てあげる、けど……、
次やったら一生ハジメちゃんと話すの許さないから」
「は……はい」
知っていた事とはいえど、シアとはやはり役者が違うようだ、そんな思いを胸に、
ただ頷くことしか出来ない香織であった。
「そういやあの二人はどうした?」
周囲を見回すハジメへと、ティオが紙のような物を渡す。
「机の上に書き置きがあったぞ、あやつら勝手なことを……」
「あー、あっちの方に付いてっちゃったんだ」
地上へと目をやるジータ、一方のハジメは何か腑に落ちない……、
そんな顔で小首を傾げていた。
「何かあったの?」
「そういえば……天之河たちに大事なことを教えるの忘れていたような……何だろ」
その頃ブルックの街では。
「何かしら?何だか胸がわくわくどきどきしちゃうの、ヲトメの予感かしら」
出会いの予感に、身体をくねらせるクリスタベルさんの姿があった。
そして降下し、これより別行動を取ることになる光輝たちの元には。
「お前らなんでこっちにやって来た?ハジメたちの許可は取ったのか?」
「ちゃんと手紙残してきたっすよ」
「人数が少ない方に加勢すべし、これ、カタリナ中尉殿の教えであります!」
ジータがガチャで呼び出した、元エルステ帝国軍コンビにして同期組、
癖のある白髪をショートに切り揃えた、騎士見習いを自称する元気少女のファラと
それとは正反対の実直を絵に描いた様な雰囲気を纏う、少年戦士ユーリの二人がいた。
ま、来ちまったもんはしょうがねぇか、と口にしつつも、
カリオストロは二人の装備品、
―――明らかに空の世界のそれとは逸脱した素材で作られている、を、
興味と疑いの籠った目で観察していく。
「この鎧……機神の装甲を応用しているな……作ったのはハレゼナ?それともマキラか?」
二人を見つめる、カリオストロの目がすうっと細くなる。
「帝国軍を抜けた……とは、聞いてはいたが、
おい……お前らまさか本格的に"組織"の犬に成り下がりやがったのか!」
侵略者に対抗するという名目で、最終的には空の覇権を握らんとする、
"組織"の考え方は、カリオストロに取って到底許容できるものではない。
ただし……ベリアルの野心を砕くために、一時的に手を結んだのも事実ではあるが。
「カリオストロさんが"組織"と関わり合いになりたくないのは分かるっすよ」
「否定であります、自分たちは込み入った事情ゆえに"組織"に協力こそすれ、
その麾下に加わったわけではありません!」
「その込み入った事情ってのは何だ?」
「カシウス……知ってるっすよね、海で会ってると思うっすから」
カリオストロは、非合理極まりなき食事だ、そもそもカロリーが……栄養バランスが……と、
ボヤキながらもラーメンをこよなく愛していた、月世界の青年の姿を思い出す。
「そのカシウスが……月で酷い目にあってるって聞いて」
「ちょっ……ちょっと待ってくれ、組織とか月とか一体何なんだ!」
ここで光輝が、話についていけないとばかりに割って入る。
帝国軍のやり方に疑問を感じて脱走し、
今はレジスタンスをやっている云々といった、大まかな自己紹介こそ、
ジータが呼び出した時点で聞いてこそいたが。
二人が抱える背景については、まだ殆ど何も教えて貰ってはいない。
ファラとユーリは光輝らにも語っていく。
彼らの友人であるカシウスが故郷である月に帰った事、
しかし彼は、空の世界での環境や情報を月世界にフィードバックするための、
サンプルに過ぎなかったという事。
そして月世界に於いて、カシウスの脳は摘出され、
半ば標本とされてしまっていた事などを……。
「なんて奴らだ、人の尊厳を何だと思っているんだ」
命を、尊厳を踏みにじる月の世界のやり方に、怒りを露にする光輝。
その隣で遠藤は、話のスケールの大きさに感慨を覚えつつ、ただ空を眺めていた。
ただ巻き込まれているだけの自分に、少しモヤモヤした気持ちを抱きつつも。
「自分たちが"組織"と手を結んだのは、友達を助けたい、ただそれだけの理由であります」
「それで月に攻め込んだのか、やるじゃねぇか」
「まぁ……私たちは地上で幽世の連中とやりあってて、それどころじゃなかったっすけどね」
幽世という言葉を聞き、光輝の表情がまた鋭くなって行くが、
と、そこでポン!とカリオストロは手を叩く。
「ま、この話は今はそこまでだ、オレ様たちの戦いには関係ねぇ……
お前らもこうして行動を共にする以上は、引き摺ったりはしてねぇんだろ」
「もちろんっす、それはそれ、これはこれっすよ」
ファラはショートの白髪を揺らしながら、笑顔で即答する。
「世界をメチャクチャにしようとしてる悪い神サマと、戦うんすよね」
「何よりも望まぬ戦いに仲間たちを巻き込まないために、故郷に戻る方法を探している、
そういう理由なら、皆さんに手を貸さないわけにはいきません、光輝殿!」
「ありがとう……二人とも」
ファラとユーリへと素直に頭を下げる光輝、
以前の自分なら、二人の言葉を聞いても感謝こそすれ、
きっとそれが当然だとしか思えなかっただろう。
困難を知りつつ、それでも力を貸してくれる誰かがいる事が、
これほどまでに心強く、そして得難き物だという事にも、気が付かぬままに。
「じゃあさ、ありがとうついでにだけど、ユーリ……その"殿"っていうのは、
止めてくれないだろうか?俺たちは今から共に行動する仲間になるんだから、
それに同い年だろ?」
「否定であります、例え年齢・階級は同じであっても、一日でも先に任務に就いた、
同僚がいるのであれば、何事も先任として常に倣い敬するべし、
これはガルストン隊長の教えであります!」
後輩口調で砕けた雰囲気のファラとは違い、
全身から軍人らしい雰囲気を漂わせ、直立不動のユーリ、
世が世なら恋愛下手の名門校の生徒会長、声からもそんな生真面目さを感じさせた。
「よろしく頼むっすよ、光輝先輩」
「同じく!光輝殿、よろしくお願いします」
「こちらこそよろしく!二人とも」
そして、新たな仲間を歓迎しつつも、こんな強烈な個性の持ち主が二人も現れたんじゃ、
俺の立場がますます……と、
「ところで浩介殿はどちらに?」
「コースケ先輩ぃ~~どこにいるっすか~~?」
……目の前で自分を探して回る二人の声を聞きながら、
危機感を募らせる遠藤君なのであった。
「……お前、俺たちにしか見えてない妖精か何かじゃないのか?……本当に」
「帳を下ろしたつもりは……ないんだけどな」
そんな彼の背中に、光輝は溜息交じりで手をやるのであった。
そしてその日の夕方、ハジメたちはフェアベルゲンの領内へと入る。
そこにあったのは……所々に無残な焼け跡を晒し、炎を燻らせる樹海の姿だった。
いわゆるレイド戦です。
飛空艇でのバトルを一度くらいはやってみたいなと思ってたんです。
恵里が本気で魔人族に手を貸すのなら、
これくらいの事はやって来るんじゃないかなと、多分、予算も人員も青天井でしょうし、
歯止め役であろうフリードは。本作ではああいう事になってしまいましたので。
そして光輝たちとはここで暫くお別れです。
このタイミングで別行動を取らせることは最初から決めてました、
引率者もちゃんといますしね。
新キャラについてですが、ファラはもしもSSR昇格したら出すって決めていたので、
このタイミングで昇格したのはラッキーでした、しかもユーリまで付いて来ましたし。
それに格上ばかりに囲まれてあれこれ言われるのも、
光輝にしてみれば、流石に居心地悪くなるだろうなと。
他候補としてはサーヴァンツとか、レ・フィーエとかどうかなと?
考えていました。