かといって季節限定でゾーイやナルメアのような人権級のぶっ壊れが来ても困りますが。
それからグラブルユーザーの皆さん、フォーチュンカードはいかがだったでしょうか?
私?私は……。
「エヒト様ァ!ご覧になっておられますかぁ~~」
赤く荒涼とした大地を頭上に掲げ、高らかに叫ぶアルヴヘイト、
その叫びに呼応するかのように雲霞の如く魔物が空から湧き出し始める。
「チッ!完全に蛇に取り付かれてやがる」
「どの道倒さねばならん相手だ」
明らかに常軌を逸したアルヴヘイトの狂態に辟易しつつ、
顔を見合わせるカリオストロとシャレム、そこにティオが声を掛ける。
「まぁ、むしろ余計なことを考えずに済んで良かったのではないかの」
その目は黒山の如き魔物の群れをしっかりと捉えている。
「ほう、随分とこれはまたやる気になっておるな」
「うむ、鈴のことを思うとな、手加減せぬわけにはの」
次いでティオは息絶えた恵里の目を閉じさせている鈴の方へも視線を送る。
ハルツィナでの死闘以来、彼女が鈴のことを妹のごとく目を掛けているのは、
もはや周知の事実である。
「だからこそ奴は許せぬ、無粋な真似をしおって」
妹分の切なる願いを穢した無粋者、すなわちアルヴヘイトへとまた再び視線を戻すティオ、
その手にはいつのまにか黒光りする鞭が握られている。
そしてその鈴は、恵里の見開いたままだった目をそっと閉じてやると、
一度だけ頬を拭い、そのまま力強く立ち上がる。
雫が何かを言いたげな表情を見せるが、鈴はただ首を横に振るのみでそれに応じる。
「……きっと、光輝くんにその姿、見られたくないよね」
そうであって欲しいという願望込みで、鈴はもう一度だけ恵里の方へと振り返る。
「さよなら……恵里」
「もういいのね」
「うん、今は……立ち止まるわけにはいかないから」
そう力強く鈴の顔はもう、かつての自分たちの後ろをチョコマカとくっついていく、
ちっちゃなムードメイカーのそれではないなと、雫には思えた。
光輝が、龍太郎が、香織が、自分が、鈴が、恵里がいた……教室でのありふれた光景が、
一瞬その脳裏に過る、だが、雫は少しだけ寂しげな笑顔を浮かべると、
やはりその首を横に振る、思い出に浸るのは後だ、まだ戦いは続いているのだからと。
それでも敵陣に斬り込みながら、人の運命はボタン一つの掛け違い程度で、
こうも変わってしまうのかとの思いだけは、彼女の頭を離れることはなかった。
(光輝や……私もそうなっていたのかも……)
そして上空では、刻々と自分たちを包囲するかのように増え続ける魔物を前に、
ティオが興奮と遠慮を隠さずに叫ぶ。
「これは手間が省けてよいの、どちらを向いても敵ばかりじゃ!」
無数の魔物の壁の奥にて、哄笑を続けるアルヴヘイトに届けとばかりに、
ティオは己の充実ぶりを示すかのように翼を広げ、黒色の魔力を集束すると、
それを一気に解放する。
「どうじゃ!圧縮貫通モードじゃ!」
槍の如く螺旋を描く一撃は、魔物の波を突っ切り、減衰を感じさせることなく、
アルヴヘイトの手前までは届いたのだが、空間が歪曲したかと思うと、
そこで光線は掻き消えてしまう。
「遠距離では無理かの、ならばっ!来よ、我が眷属――"竜軍召喚"!!」
ここが勝負所と判断したティオは出し惜しみすることなく、
取って置きを解放することを決意する。
と、いつの間にか戦場にばら撒かれていた"魔宝珠"から、
変成魔法とアーティファクトによって強化された、
百匹あまりの黒竜の軍団が現れ、一斉にブレスを発射する。
更にティオは、その手に持った黒い鞭を振るう、
空間魔法が付与されたその鞭先は、触れる者を打ち据えるだけではなく、
次々と切り裂いていく。
しかもこの鞭に隠された機能はそれだけでない。
群れのリーダー格であろう灰竜に目をつけたティオが、
その首筋へと鞭を巻き付け、締め上げる。
「生誕せよ、産声と共に、――"竜王の権威"!!
その高らかなる宣言と同時に、奇怪な叫びを上げながら灰竜の身体が変容を始めて行く。
僅かな時間で、かつてのそれとは正反対の姿に、黒竜へと。
魂魄変成複合魔法"竜王の権威"によって、対象の魔物を強制的に黒竜化させたのだ。
もちろんティオ単独の力ではなく、手にした鞭、攻撃武器であると同時に、
補助デバイスを兼ねた"黒隷鞭"の力の賜物ではあったが。
さて、次の標的は……と、視線を巡らすティオの目に、
やはりというかジータに魔物の攻撃が集中していくのが見える。
そのジータだが、何か目指すものがあるのか、時計台の残骸へと真っすぐに向かっている。
「ならば、道を開いてやるのが主従というものじゃの」
主従という自然と口を衝いて出て来た言葉に、苦笑しつつも、
ティオが軍団たちに新たな命を下すのであった。
一方、時計塔へと向かうジータとシアにはティオの見た通り、
魔物が集中して襲い掛かっているのだが、二人に取って厄介なのは、
生き残りの使徒を中心とした集団も、やはりというか
再びジータへと狙いを定め直し、攻撃を集中し始めたところであろうか。
「「抹殺します」」「「抹殺します」」
そう、ドリットとフィンフトが無機質な言葉を繰り返しながら、
双大剣を振りかざす、その目は濁った斑色に染まっている。
惜しいな、という思いが一瞬シアの頭に過る。
数々のアーティファクトに加え、自己バフによる身体強化によって、
今のシアのステータスは四万以上の数値を誇るようになっている。
例え敵であっても、その全力を受け止められる、受け止めて貰える存在であった、
五体の使徒にシアは畏敬にも似た思いを微かに抱いていたのだ……それを。
「本当のデク人形にしてしまうだなんて!」
シアは怒りを込めて、ヴィレドリュッケンをもう一度しっかりと握り絞めた時だった。
この領域に入って以来、さらに冴えわたっている、自身の"未来視"が、
一つの予兆を彼女に垣間見せる。
「ジータさん、チャンスは一度です、よく聞いて下さい」
「シアちゃん、未来が見えたのね」
ジータに頷くと、シアは瓦礫の中のとある箇所を指で指し示す。
「あの崩れた時計台のⅨの文字盤の所にハジメさんの姿が見えました!
そう時間はありません!走って!」
返事よりも早くジータはシアに言われた通り、
瓦礫の中に半ば埋もれつつある文字盤へと急ぎ、
それを察知したドリットとフィンフトが、
やはり機械的な挙動で以ってその行く手を阻もうとし、
そうはさせじと割り込みをかけるシアへと、双大剣を今一度構え斬り込んでゆく。
傍から見るとそれは脅威に満ちた、鋭き一撃に見えただろう。
しかし歴戦を掻い潜った者たちには、シアに取ってはそれは何の意思も感じさせない、
ただ数値任せの雑な一撃にしか見えなかった。
そして力任せのゴリ押しならば、シアの右に出る者はいない。
「力任せの吶喊なら誰にも負けないですぅ!」
叫んでから少し空しさを覚えたが、ともかくシアはついに禁断の扉を開ける。
「――肉体強化"レベルⅦ"ッッ!!」
まさに天井知らず、ついにシアの筋力を初めとした身体系のステータスは、
五万の域を突破し、白金の鎧による自己バフで相殺しているとはいえど、
ジータの黒霧と、カリオストロの重力によって戒められた身体では、
増してや意志を失った身体では、原初の使徒といえどもその相手など務まり様がない。
「おおおおおおっ!」
ブンブンブンブンとまるでヘリコプターのプロペラのように、
巨大槌ヴィレドリュッケンを振り回すシア、
一見ただ闇雲に力任せに振り回しているようにも見えるが、そうではない。
計っているのだ、二体同時に使徒を潰せる軌道を……。
「見えたです!」
筋力同様に強化された動体視力が、
ドリットとフィンフトが同一曲線上に並ぶタイミングをキャッチする。
そしてシアはその軌道をトレースするかのように、遠心力をたっぷりと乗せた、
戦槌の一撃を振り下ろす。
二体の使徒は僅かに驚いたような表情を僅かに見せたが、遅い。
シアの全力を込めた文字通りの鉄槌によって、纏めて圧縮されるかのように、
全身を叩き潰され大地の染みとなる。
その手応えを感じつつも残心するシアの目に、見る見る遠ざかるジータの背中が見える。
「後は任せたです、ハジメさんとユエさんの傍へ……」
その手に握られた闇属性の剣、虚空の裂剣でもって、
道を阻む魔物を切り伏せながらシアに指示された通りの場所へ、文字盤へと急ぐジータ。
魔物どもの能力は、ほぼ半減しており、今のジータの敵ではない、
だがその数の多さと、自身へと集中する攻撃がジータの足をどうしても遅くする。
「あと少し……なのにっ!」
文字盤からはシアの示唆した通り、ハジメからのリンクが強く伝わってくる、
だが、それが余計に焦りに繋がり、お世辞にもその動きは効果的とはいえなくなっている。
しかもリンクが強まるに従い、自分の身体に走る痛みの数々、
すなわちハジメが受けているであろう傷の痛みも、またジータの心を不安で苛んでいく。
「うっ!ま……また……」
自分の肌に幾つもの筋が走ったかと思うと、そこから薄くではあるが血が滲み始める、
致命傷ではないとはいえ、ハジメが深手を負ったことは間違いない。
(いつもなら……ここまで)
最後の戦いにいつも以上に昂っていることもあるのかもしれない、
しかし今、自身が感じている現象や、シアの未来視もそうだが、
どうやらこの領域は魂魄に関わる何かを、より増幅させる効果があるのかもしれない。
と、そこに魔物の吐いた火球が迫るが、一瞬回避が遅れてしまう。
(間に合わな……)
「動きがバラバラよ、ウチの道場で何を教わって来たのかしら?」
しかしそこで蒼の光を放つ太刀が、間一髪で火球を両断する。
「ステータス任せだからそうなるのよ、また今度道場へいらっしゃい、鍛え直してあげる」
「雫ちゃん」
さらに追撃の火球がダース単位で飛んでくるが。
「へへーん、鈴を忘れて貰っちゃ困るもんね」
その半数は先程と同じく、雫の手により切り払われ、
残りの半数も鈴の障壁により阻まれる。
そしてさらに上空からはティオ率いる黒龍軍団のブレスが、
そして背後では巨大槌を振うシアの姿がある。
彼女らの気持ちは全て同じである、一刻も早くジータをハジメたちの元へ、と
「ありがとう、みんな」
「お礼は後でいいから、早く南雲君の所に行って!」
が、そこに来てハジメとの一旦は強まったリンクがまた遠くなっていく、
空間が閉じようとしているのだ。
「間に合うの!間に合わないの!?だったらっ!"聖絶・爆"!」
さらに加えてイナバ、―――鈴がオルクスで捕まえ、変成魔法で従えた蹴りウサギが、
タイミングを合わせてジータの背中へ衝撃波を蹴り送る。
"聖絶・爆"に加えて蹴りウサギのパワーが合わさった爆風を背に、
かくしてジータは一気に宙を飛び加速し、その勢いのまま、スポンと文字盤の中へ、
今まさにエヒトと対峙するハジメのいる空間へと吸い込まれていくのであった。
そして神域最深部では、じりじりと対峙を続けるエヒトルジュエとハジメの姿がある。
片やユエの肉体、片やユエの魂と、互いに迂闊に切れない切り札を握ったままで。
だが、ハジメの表情はどことなく渋く、憂いを浮かべているようにも見える。
何故ならば彼は知ってしまった、神も、かつて自分と同じく世界の真理を求むる者であり、
そしてそれ以前に、ありふれた人間の一人に過ぎなかったということを。
この状況でこんな思いを抱いてしまうあたり、彼も、
南雲ハジメもまた一個の人間であるという証なのかもしれない。
だからこそ、そんなハジメの揺れ動く心を察した神は、
エヒトルジュエは、また誘惑の言葉をハジメの心へと打ちこもうとする。
「なればこそ我が与えようというのだ、無限なる力を、知識を、
そして伝えようというのだ、幾億の愉悦を……さぁ我と共に世界を巡るのだ
イレギュラーよ、お前にはその権利が、資格がある」
「違う!力も知識も、その先にある叡智も自らの手で得るべきものだ!
かつてのお前もそうだった筈なんじゃないのか!」
ハジメの叫びは目の前のかつて人であった神もそうであった筈、
そうであって欲しいという正しく願いの響きを帯びていた。
「だからこそ俺は……そんなことすら忘れてしまったお前から学ぶことなど何一つない!」
心の揺らぎを振り払うかのようにハジメがさらに言葉を続けようとした刹那であった。
白の世界が僅かではあったが、身じろぐように揺れ動く。
「アルヴヘイトか?……これは一体」
その瞬間ハジメが一気に動いた。
エヒトルジュエはユエの肉体のみしか掌握出来ていないが故に、
本来の身体能力や戦闘技術を、十二分に発揮は出来てはいないのは明白だ。
そしてこちらもユエの魂を握っているからこそ、
リスクを冒すことが出来ずにいたことも事実であり、
それが互いの自重を警戒を生み、奇妙な膠着を生んでいたのも事実である。
だが、エヒトルジュエに取ってみれば、ここは本拠地、
守りを固めれば有利なのは、どちらの方なのかは明白だ。
だからこそハジメは待った、外の仲間たちが、
必ず状況を動かしてくれるであろうことを信じ、そしてその賭けにハジメは勝った。
リスクを冒してでも攻めに転じるべき時が来たのだ。
そう、ついに状況は動いた、一人の少女を巡る、神なる者の壮大な誘惑と、
人たる者の壮絶なる決意が激突する戦場は、ついに最終局面に入ったのだった。
「させぬわ、届きはせん、届かせはせんぞ!」
エヒトルジュエは"天在"を―――、どうやら単にアーティファクトを転移させるだけではなく、
術者自身の転移にも使えるらしいを、行使しひたすらに逃げに徹していく。
彼とて分かっているのだ、ハジメの身体から立ち上る紅い魔力を……、
これが最初にして最後の猛攻なのだということを。
「ゲートなしで転移!?お前の専売特許だと思うな!」
ハジメの声と共にエヒトルジュエは見た、
眼前に浮遊していた一発の弾丸がスッと消えたかと思うと、
刹那、そこにハジメが出現したのを、
そう、まるで弾丸とハジメの位置が入れ替わったかのように。
――特殊弾 エグズィス・ブレット。
空間・昇華複合錬成による特殊弾で、能力は起点と各弾丸の座標位置の交換。
最終的には転移と転移の追いかけっこになると予測していたハジメが、
事前に戦場に大量にバラ撒いていたものだ。
――幻想投影型アーティファクト ノヴム・イドラ。
使用者に重ねる形で、微妙に位置をずらした映像・気配・魔力等を纏わせ、
同時に、相手の認識に干渉して偽装を真実と誤認させるアーティファクトである。
原理は子供騙しに近いが、この僅かな一手の差が、
決定的な齟齬に繋がり兼ねないこの状況に於いては、絶大な効果を生む。
転移と分身、これらを用い、怒涛の如くエヒトルジュエに何とか肉薄しようと試みるハジメ。
しかし、ここで逃げに徹していたエヒトルジュエが攻勢に出る。
一切の予兆、予備動作なしにエヒトルジュエの周囲の空間が断裂し、
勝負を急ぎ過ぎたハジメの身体を切り裂いていく。
「ッッ!?」
「ハジメェッ!」
「驚くことではない、これは"神剣"といって、伸縮自在、空間跳躍攻撃可能な魔法剣よ、
狙いが定まらぬなら、空間そのものを攻撃で飽和させればそれでよいだけ」
「しかも……誘導、防御貫通機能をも備えた……魂魄魔法か?」
こんな時であってもつい分析せずにはいられない、そんなハジメの姿に、
エヒトルジュエが僅かに何かを懐かしむような表情を見せる。
「ハッ!とんだ隠し玉があったもんだ」
「お前には及ばぬよ、まだまだ手品の種は尽きてないとみた」
実際はこの神剣、今のエヒトルジュエに取ってはかなりの負担となるのだが、
それでも、数回は放つだけの余裕はある。
その証拠とばかりに、再びエヒトルジュエが神剣を振るう、と、
生き残りのクロス・ヴェルトとグリムリーパーたちが、
無残にも細切れにされて爆発四散してしまったのだ。
「が……ふむ、どうやら種は尽きているようだな……」
ここに来て、見下ろすような笑みを見せるエヒトルジュエ、
その声音に一種の諦観が潜んでいたのは、決して気のせいではない様にハジメには思えた。
「だが、それでも殺さぬ、お前には特等席でお前の故郷、地球とか言ったな、が、
滅びゆく様を見せてやろう……我にここまで刃向かいし者への礼というものよ」
(あと一手……いや……二手あれば)
ここまで来て、と、歯噛みするハジメ、あの時……自分たちが救出に向かった時の、
天之河たちもこういう風に思っていたのかもしれないなと、そういう思いが頭を過る。
そういえばちょっと前にもこういうことがあった気が……確かあの時は……。
その時、奇跡が起こった。
エヒトの頭上の空間が突如として開き、そこからなんと半ば吹っ飛ばされるようにして、
ジータが姿を現したのだ。
「わっ……わわっ」
泡を喰いつつもバランスをどちらが上か下かも分からない空間の中で立て直し、
何とかジータは着地する、但し……あろうことかエヒトルジュエの頭上に、であったが。
(エ……エヒトを踏み台にしたぁ!?)
「え……えーっと……」
ジータも、ハジメもそしてエヒトルジュエすらも一瞬硬直してしまう、
このありえない事態の中、ただ一人冷静に動ける者がいた。
「ハジメッ!」
懐の中のユエの鋭い声に、我に返るハジメ、そしてジータ、
一瞬遅れてエヒトルジュエが再び神剣を展開するが。
「受けただと!バカなっ!」
絶対命中にして防御無効の神剣が、
ハジメの左手のシュラークによって受け止められているという事実に、
驚愕の声を上げるエヒトルジュエ。
「いったい、なにを――」
「錬成しただけさ」
――魂魄魔法無効化アーティファクト デリスァノース。
魂魄魔法による誘導攻撃ならば、
それを誤認させる擬似的な魂魄を付与してやればいい、簡単な話に聞こえるが、
それを即興で行うとなると、話は別である。
「こんなこともあろうかと(サナダ・エフェクト)ってヤツだ」
「一度見ただけで対策を立てるか」
「ああ、俺はお前以上の天才に教えを受けているからな」
そしてついに有効距離に、エヒトルジュエの圏内に入ったことを確認すると、
大リーグボールもかくやと思わせる程に腕を大きく振りかぶり、
ハジメは渾身の力を込めて、右手に握ったユエをエヒトルジュエへとぶん投げる。
「行ってこいユエ!お前の身体はお前自身が取り戻せ!」
サナダ・エフェクト
その時必要な物を予め用意していたかの如く、即座に使用可能とする概念魔法。
ただし南雲ハジメが開発・生産可能な物に限る。
と、いうのはあくまでも冗談のはず。
次回いよいよ決着。