基本は原作通りですが、少し展開を変えてます。
「休憩したほうがいいんじゃない?そろそろ」
「たくだらしねーぞ、テメェら」
「ウロボロスに乗っかってるだけだろう、カリオストロ」
一時間後……六合目に到着したハジメたちは、ここで小休止を取ることになる
ウィルたちの痕跡をそろそろ調べる必要もあったが……最大の理由は。
「はぁはぁ、きゅ、休憩ですか……けほっ、はぁはぁ」
「ぜぇー、ぜぇー、大丈夫ですか……愛ちゃん先生、ぜぇーぜぇー」
「うぇっぷ、もう休んでいいのか? はぁはぁ、いいよな? 休むぞ?」
「……ひゅぅーひゅぅー」
「ゲホゲホ、南雲達は化け物か……」
背後の惨状にため息をつきつつも立ち止まるハジメ、少し優越感を感じてしまうのは、
彼がまだ人の心を残している証だろうか?
愛子たちとて、この世界の常人の数倍のステータスを誇ってはいるのだが
それでもハジメたちの常軌を逸したステータスでの登山にまともに付き合ってしまい
結果、完全にヘバってしまっていた。
「ホラ……みんな、近くに川あるからそこで休も」
ジータに促され、フラつきつつも動かない足を無理くり動かし
山道を歩む愛子たち、そんな彼女たちの耳にもせせらぎの音が聞こえて来る。
その心地よい音にシアの耳がピコピコと跳ねているのを見て、
ずっしりとした疲労の中でも、少し癒される一同だった。
安全を確認した後、ハジメたち一行は川岸の岩に腰かけ小休止を取る。
ユエとシアが水辺で素足を晒す姿に歓声をあげる男子トリオ。
もっとも女子たちの窘めるような視線を感じると、すぐに黙り込んでしまったが。
「ふふっ、南雲君はホントにユエさんたちを大事になさっているんですね」
愛子が嬉しそうに、同じく嬉しそうにハジメたちを見つめているジータに話しかける。
「二股は許さないんじゃなかったんですか?」
「それは……ですが、ユエさんの境遇を聞いてしまいますと」
見ると、ユエがハジメの膝の上に腰を下ろして座り込んでいる。
負けじとシアもハジメの背後からヒシっと抱き着く。
その体重を完全に預けている姿は、ハジメのことを心から信頼している証だろう。
素直に自分の教え子が、誰かにそういう安らぎを与えられる存在へと、
成長したことを、愛子は教師として喜ばずにはいられなかった。
もちろん、そこに至るまでの苦難については心を痛めざるを得なかったが……。
「しかし自動再生か……オレ様のボディにも似たような機能があるんだが」
そんな中で、ユエのその美しい身体をまじまじと眺めるカリオストロ、
錬金術とカワイイの粋を集めたと自負するボディではあったが、
やはり天然の美には僅かながらも及ばないなと認めざるを得ない。
「次に身体を造る時は参考に……」
そこでハッ!と何かに一瞬思い当たったかのような表情を見せるカリオストロだったが。
「……これは」
「ん……何か見つけた?」
「川の上流に……これは盾か?それに、鞄も……まだ新しいみたいだ
当たりかもしれない、皆行くぞ」
ハジメの言葉にスッと立ち上がり、迅速な動きを見せるユエたち
それに対して、愛子たちはまだ疲労が抜けきってないようで、
こちらの動きは、相変わらずヨタ付いたままだ
それでも猛スピードで上流へと遡っていくハジメたちに必死になって追いすがる。
それを最後尾で、もたもたすんじゃねぇと督戦するカリオストロだが、
こちらはなにやら狐につままれたような表情だ。
(なんかオレ様、さっきとても重要な何かに気が付いたような……)
上流に進むにつれて、折れた剣やひしゃげた盾、引き裂かれた樹木といった、
争いの形跡がまざまざと彼らの前に姿を現す。
「蒼野さん、これ、ペンダントでしょうか?」
「遺留品かもしれないですね」
愛子からペンダントを受け取り、汚れを拭きとると、このペンダントが
ロケットだということに気が付くジータ。
こんなのテレビとかでしか見たことないやと思いつつも、留め金を開くと、
中には女性の写真が入っていた。
「誰かの奥さんか、彼女かな?」
「見た感じ、写真はともかくペンダントはまだ新しいな、一応回収しとけ」
その後も遺品らしき物を回収しながら、彼らは無人偵察機が異常を検知した場所へと辿り着く。
時刻はもう夕方だ、そろそろ野営の事も考えないといけないと思いつつも、
ハジメたちは無惨になぎ倒された木々や、巨大な足跡を検分する、
どうやらここで本格的な戦闘があったに相違ない。
「大型で二足歩行する魔物……確か、山二つ向こうにはブルタールって魔物がいたな
だが、この抉れた地面は……」
レーザーで抉られたような川辺を一瞥するハジメ、自分の調べた限り
ブルタールはこんな攻撃手段は持ってない筈だ。
「さて……上流か、下流か」
「逃げるなら下流じゃないかな?少しでも街の方へ、麓へと近づきたいと思うし」
「それに魔物の足跡は川縁にある……ということは彼らは川に逃げ込んだはいいが
そこで力尽き流された可能性が高いな」
ジータとシルヴァの言を取り入れたハジメ一行は下流に向かう、
と、轟音と共に巨大な滝が一行の行く手に現れる。
「あの滝壺の奥…」
「ああ、気配感知にかかったな、ユエ」
「……ん"波城" "風壁"」
ハジメの意図を察したユエが、魔法の名と共に右手を振り払う。
それだけで豊かな水量を誇っていた滝と滝壺の水が、まるでモーゼの如く
真っ二つに割れ、滝壺の裏の洞窟が姿を見せる。
ユエの魔法にポカンと口を開けたままの愛子らを促し、
ハジメたちは洞窟へと踏み込んでいく、すると奥の突き当りの空洞の中に
二十歳くらいの青年が倒れているのを発見する、
様子を見るに顔色こそ悪いが、大きなケガはしていない……。
単純に睡眠を取っているだけのようだ。
「……ええと」
とりあえず揺さぶって起こそうとしたジータだったが、
それを遮るようにハジメは、容赦なく青年の額にデコピンをかます。
「ぐわっ!」
「お前が、ウィル・クデタか? クデタ伯爵家三男の」
「いっっ、えっ、君達は一体、どうしてここに……」
額を両手で抑えながらのたうつ青年に、さらに容赦なく
矢継ぎ早に質問をぶつけていくハジメ、勿論デコピンの構えは解かないままだ。
「質問に答えろ、答え以外の言葉を話す度に威力を二割増で上げていくからな」
「えっ、えっ!?」
「お前は、ウィル・クデタか?」
「えっと、うわっ、はい! そうです! 私がウィル・クデタです! はい!」
痛みと恐怖を堪えながらもなんとか名乗るウィル、この五日間、
奇跡的にも何とか生き延びていたらしい。
「そうか……俺は」
「ジータ、蒼野ジータ、フューレンのギルド支部長イルワ・チャング氏からの依頼で
ウィルさんたちの捜索に来ました、生きていてよかったですね」
何とか名前こそ名乗れたものの、怯えを隠せないウィルへと
ハジメに代わってジータが状況を説明する。
「イルワさんが!? そうですか、あの人が……また借りができてしまったようだ……
あの、あなたも有難うございますイルワさんから依頼を受けるなんてよほどの凄腕なのですね」
デコピンを受けたにも関わらず、尊敬を含んだ眼差しと共に礼を言うウィル。
余程の人格者かお人よしかのどちらかだろう。
ともかくウィルはポツリポツリと五日前の出来事を語っていく。
ウィルたちパーティは五日前、ハジメ達と同じ山道に入り五合目の少し上辺りで
突然、十体のブルタールと遭遇し、すぐさま撤退に移ったのだそうだ。
「私たちは逃げました……追われながら逃げて、逃げて大きな川に
でも…そこで……ああああ」
装備の幾つかを失いつつも、何とか振り切れた……と思った時。
そこには漆黒の龍が待ち構えていたらしい。
黒竜は、ウィル達が川沿いに出てくるや否や、特大のブレスを吐き、
その攻撃でウィルは吹き飛ばされ川に転落。
そのブレスで三人が跡形もなく消え去り、残り二人も新手のブルタールと竜に
挟撃されていたという。
「そして…私はそれを見ていることしか出来なかった!わ、わだじはさいでいだ、
うぅ、みんなじんでしまったのに、何のやぐにもただない、
ひっく、わたじだけ生き残っで……それを、ぐす……よろごんでる……わたじはっ!」」
ウィルの慟哭に誰も答えられない。誰もが悲痛な表情でウィルを見つめている。
が、そんな雰囲気の中でハジメは。
「それが当たり前だろ、人間なんだから、生きてることを素直に喜んでいいんじゃないのか?
それが悪いことだなんて、俺には思えないな、誰だって死にたくないし
生きてりゃそれだけでめっけもんだ」
その言葉には自らに言い聞かせるような響きがあるのを、ジータは感じ取っていた。
(重ねているんだね……ウィルさんと自分を)
「だ、だが……私は……」
「それでも、死んだ奴らのことが気になるんなら……せめて生き続けろ
これから先もさ、そうすりゃ、いつかは……今日、生き残った意味があったって、
無駄じゃなかったって、そう思える日が来るだろう」
「……生き続ける」
ハジメの言葉を呆然と繰り返すウィル、一方のハジメもまた苛立ちを隠していない。
ウィルが自らの生を後悔している姿が、まるで自分の生存すら間違いと、
言われているような気がして、つい熱くなってしまった―――。
そんな彼を抱きしめるジータ。
「お…おい」
「大丈夫……私が、私たちが与えるよ、ハジメちゃんが生き残った意味を」
ユエもギュッとハジメの手を握る。
「……全力で生きて、生き続けて…」
シアも両手を広げその豊かな胸へとハジメたちを掻き誘う。
「みんなでずっと一緒にいるですぅ!」
(……そうだな、俺にはこんなにも大切な家族が……仲間がいるんだから)
「……ははっ、ああ当然だ、何が何でも生き残ってやるさ……皆で一緒に地球に
故郷に帰るんだ」
「アイツめ、ホント変わっちまったもんだぜ」
「ええ、ホントですよ」
生徒の成長に目を細めるカリオストロと愛子。
「昔は違ったのか……私はあのハジメしか知らないのだが?」
「シルヴァさんにも後で教えてあげますよ」
首を傾げるシルヴァに愛子が微笑みながら応じる。
ともかく彼らはさっそく下山し街への帰路へと就く。
黒竜やブルタールも確かに気にはなるが、まずはウィルの保護が先決だ。
「後は清水君だけど……どうします?」
「それは私たちで何とかします、そういう約束ですから」
即答する愛子、頼みたい気持ちもあったが
彼らには彼らの目的があるのだ、"ついで"で頼んでいい事柄ではない。
それに大人として教師として約束は守らなければならない。
ユエが再び魔法で滝壺の水を割り、彼らは洞窟の外へ出る。
と、そこで先頭に立っていたハジメが不意に立ち止まり、
ジータも異変を察知したのか、ハジメの隣へと進み出る。
「グゥルルルル」
そこには西日を背にした漆黒の竜が金色の瞳を光らせながら、翼をはためかせていた。
その竜の体長は七メートル程、その背中からは大きな翼が生えており、
全身を覆う漆黒の鱗は魔力を帯びているのか薄らと輝いて見え、
長い前足には五本の鋭い爪を備えている。
翼がはためく度に風が渦巻き、獰猛な唸り声がその風に乗って
ハジメたちの耳へと届く。
さらに加えて、ひぃと愛子たちグループの誰かの悲鳴も耳に届く。
ジータが振り向くと、まず襲われた記憶が甦ったか、ガタガタ震えている、
ウィルの青い顔が目に入る。
黒竜に視線を戻すジータ、金色の鋭い瞳と冷静さを失わない青い瞳からの
視線と視線がぶつかり合い火花を散らす。
「ヒュドラよりは……ずっと落ちるかな?
「あの戦いの痕跡から見て、相当の奴とは思ってたが……」
西日がマトモに目に入り眩しさに目を細めるハジメ。
それでも黒竜の顎が吐息のような唸りを響かせながら大きく開き
その奥から光が満ちていくのは見逃さない。
「ブレスが来るぞ!お前ら逃げっ……」
しかし愛子たちやウィルは完全に身体が硬直しているのか、まるで動けていない。
『シールドワイア!』
ジータが浴衣の袖を翻すとそこから放たれた巨大な盾が竜に直撃し、
ブレスの光が消えていく。
『ディレイ』と同じくこのアビリティも相手の特殊技を遅延させる効果がある。
「ちと勿体ねぇがくれてやる!『リーンフォース』」
恐慌状態の愛子たちへ気付けのアビリティを付与するカリオストロ、
はっ!と夢から醒めたように周囲を見渡し、状況を理解する愛子たち。
「テメェらボサっとすんじゃねぇ!広い場所に出るぞ!」
「は……はい!」
カリオストロに叱咤され、突然技のタイミングをズラされ、
何が起きたのか理解してないかのような黒竜の足元を、
潜り抜けるようにハジメたちに続いて、愛子たちも滝壺の入り口から、
やや開けた河原へとなんとか退避し、そんな彼らが先ほどまで立っていた辺りを
光線が薙ぎ払っていき、豊かな水量を誇っていた滝が蒸発するような音が
背後から聞こえてくる。
『ミゼラブルミスト』
ジータはすでにお決まりとなった黒霧でもって黒竜の行動を制限しようとする、
しかし……気を取り直した黒竜は、まるで何事も無かったかのように
そのまま機敏な動きでハジメらを阻もうとする。
「ミストを弾いたっ!この竜、弱体防御も高そう!」
「だったらオレ様のコイツはどうだ!『コラプス!』」
カリオストロの杖から放たれた、重力の渦が黒竜の動きを戒める。
「お前ら早く後ろに下がれ」
「カリオストロさんはどうするんですかっ!」
愛子の上ずった問いかけにカリオストロは、いつもの斜に構えた邪悪な笑みではなく
にっこりと真っ当な美少女の笑顔で答える。
「カリオストロちゃんもぉ~久々に暴れたくなっちゃったのぉ~」
ただしすぐに真顔に戻り、矢継ぎ早に指示を飛ばすが。
「シルヴァ、ガキどもの守りを頼むぜ、オマエの銃の腕前なら、
安全圏からでもヤツに届くはずだ」
「承知した」
「ユエちゃんも念のために愛ちゃんたちについていて!」
「んっ」
ジータの声に強く頷くとユエもシルヴァに続いて愛子らを引き連れ、
後方へと下がっていく。
そしてハジメ、ジータ、シア、カリオストロの四人が黒竜と対峙することとなる。
まずはシアの身体が身体強化によって輝きを帯びていく。
ほう……と、面白げにその様子を見やるカリオストロ。
「ま、オレ様が世界で一番カワイイに決まってるが……コイツをくれてやるぜ」
『ファンタズマゴリア』
カリオストロが指を鳴らすとシアの身体がさらなる輝きを増す、
いやシアのみならずハジメやジータ、そして
当のカリオストロの身体も活性に満ちた光で満たされていく。
「み、みなぎってきたです~ぅ!」
気合いの籠った叫びと共にドリュッケンを構え跳躍するシア
自らの強化+カリオストロの強化によって、その跳躍は普段の二倍にも昇っている。
くるくるくるくるとさらに跳躍の頂点で回転を加え、落下の勢いを増そうとするシア
そのまま勢いに任せ落下しつつ、ドリュッケンへ魔力を注ぎ込み、
ハンマーの重量を加算させることも忘れない。
「後頭部取ったですぅ!」
だが、ここで外すのが残念ウサギクオリティである。
あまりにも強化されすぎた肉体に感覚が追いつかず、結局シアの一撃は、
わずかに黒竜から外れ、その翼を掠めたに過ぎなかった。
しかしそれでもその衝撃によって地に叩きつけられる黒竜。
「グルァアア!!」
しかし黒竜も黙ってやられているだけではない。
濛々と舞う土煙に紛れ、唸りを上げながら無数の火炎弾を周囲にバラ撒いていく。
『ファランクスⅡ』
ジータが再び浴衣の袖を翻し、腕を振るとやはりそこから無数の盾が宙を舞い、
ハジメや愛子たちを火炎弾から守るべく、彼らの身体を保護していく。
かつてのファランクスとは違い、このファランクスⅡのダメージカット効果は、
なんと七割にも及ぶ。
さらにユエとシルヴァが次々と火炎弾を後方から撃ち落としていく。
「……凄い」
ウィルが呆然と呟く。
そしてドリュッケンを軽々と背負い、第二撃を放つシア。
今度は黒竜は尻尾でもって応戦しようとするが。
「今度はこっちの番ですぅ」
その挙動を読んで後方へと飛び退ったシアによって、振り下ろした尻尾は空しく空を切る。
そのままシアは後方の崖を蹴って地を這うように跳躍し、加速をつけて
引き摺るように構えたドリュッケンを、下手から掬い上げるように、
今度こそ黒竜へと叩きつけることに成功する。
その威力は凄まじくまるでレシーブされたバレーボールのように黒竜の巨体が
錐もみしながら宙へと浮き上がる。
さらにレールガンでは効果薄と見たハジメの義手が唸りを上げ、
縮地と空力でもってして空中高く舞い上がり、黒竜の腹部へと
穿つようなアッパーを叩き込む。しかし手応えこそあったが、
砕けるのは鱗のみで本体にダメージがさほど届いているとは言い難い様子に、
ハジメは苦い表情を見せる。
「ならこいつで直接穴を開けてやるぜ……」
しかめっ面をすぐに獰猛な笑顔に塗り変えると、
宝物庫からパイルバンカーを取り出し、義手に装着するハジメ。
弾がダメなら杭で、ということか。
しかしこの判断をハジメは深く後悔することになる……それもわりかし近い間に。
盛大に打ち上げられ錐もみしつつも、空中で体勢を整えだす黒竜。
あれだけの一撃を与えられておきながら、さしたるダメージは受けていないようだ。
その証拠に、先ほどは良く分からない何かによって放つのを妨害された
ブレスの光がまた黒竜の口内を満たし始める……だが。
「やっとこの身体にも慣れて来たですぅ!」
笑顔でホバリングする黒竜の頭上で宙返りを見せるシア、
もちろんその両手にはドリュッケンが握られたままだ。
そして今まさにブレスを放とうとする黒竜の横っ面へと、
加速と荷重をかけた一撃を炸裂させる。
「~~~~!」
空気の抜けたような音と共に明後日の方向へとブレスを吐きながら
またしても吹き飛ぶ黒竜、それを見てパイルバンカーを構え
慎重に追撃のタイミングを図るハジメ……しかし。
調子に乗ったシアがさらにオマケとばかりに、黒竜が吹き飛ぶ方向へと先回りし
さらなる一撃を黒竜の身体へと叩きつける。
今度は野球のボールのようなライナーでもってまたしても吹っ飛ぶ黒竜、
その瞳に鋭さはない、さすがに意識が飛んでしまっているようだ。
そしてその先には―――今まさに地面を蹴り、
勢いのままにパイルバンカーをお見舞いしようとしていたハジメの姿があった……。
「おい!シアこっちめがけて打つんじゃねぇ!」
竜の巨体が自らの方向へと吹っ飛んでくるのが目に入り
慌ててブレーキを掛けようとするハジメだが、もちろん急には止まれない。
しかもその身体能力はカリオストロのバフによって増強されており、普段と勝手が違う。
ブレーキを掛けつつ、パイルバンカーをあえて空中でカラ撃ちすることで、
強引に方向転換を図ろうとするが、逆に身体のバランスを崩してしまう。
「と……とと」
そしてカラ撃ちされ、露出したパイルバンカーの杭が、
何か柔らかいものにズブズブと刺さっていく、勢いのままに……。
"アッーーーーーなのじゃああああーーーーー!!!"
妙に艶の入った悲鳴と共に……。
というわけであっさりと攻略完了
やっぱり攻防30%+クリティカル発動50%UPのバフは破格。