ありふれた錬成師と空の少女で世界最強【完結】   作:傘ンドラ

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今回は長いです、その上かなり強引な展開。
またインターフェイスetcが都合により変化しています。


正体判明と力づくの召喚

あれスマホじゃない?

なんで?

 

という周囲の戸惑いの声を背景にジータは懐かしの姉の形見?を

手に取ろうとする。

 

と、ケースが独り手に開き画面が宙に展開される。

 

近未来アニメでよく見る光景に何人かの生徒がおおと呟く。

 

ジータは印を結ぶような仕草でスマホのロックを解除する。

 

と、同時に画面に自分の姿が表示された。

 

(あ、自分がいる…)

 

促された状況だったとはいえ、望んでこの姿になったんだなあと、

妙な感慨を覚える。

 

でもこのキャラなんで…

 

(私と同じ制服着てるんだろ?)

 

さらに制服の若干の改造や着崩しまでも忠実に…少し暑いな。

ジータはブラウスの襟元のボタンを外す、すると画面の中のジータも…

 

襟元のボタンを外した状態で表示された。

 

「まさか!」

ギョッとした風なジータの声に周囲の注目が集まる。

「あ、ごめん、なんでもないから」

 

ジータは事態を直感した、あの女神への願い事は、

この画面に映ってる少女のような可愛い見た目の

女の子になりたいという意味だった。

それを何を勘違いしたのか…されたのか。

 

(見た目だけじゃない、多分私このキャラそのものになってる…)

 

なら…ジータは震える手で自身、いや画面の中の自分のプロフィールを

そして能力を確認しだす。

みるみる直感は実感、そして把握へと進んでいった。

 

全ジョブ取得済、全リミットボーナス取得済、全ジョブボーナス取得済etc

羅列するのもバカバカしい程の個々の数値へのプラスボーナスが表示される。

そしてもちろん基礎能力も異様な数値が並んでいる。

メルドにこれを見せれば卒倒するレベルの、せいぜいオール100の光輝が勇者なら

もはやジータは神といってもいい。

だが自分の背後にいるメルドにはどうやら理解できていないようだ。

 

(これも私にしか読めないのかな?)

 

(で、これがおそらく私本来の能力…けど)

 

ジータはプレートのステータスと画面のステータスを見比べる。

あまりにもその差が激しすぎる気がしてならない。

おそらく現実の肉体が脆弱すぎて仮想世界?にあるスキルや

ステータスを発揮できないのだ。

 

洞窟で巨大な金塊を見つけたけど、入口が狭すぎて取り出せない。

あるいは滝の水を汲もうにも、ショットグラスしか手元になくて溢れてしまう。

いわばそんな感じだろうか…

いや、嘆いても何も変わらない、入り口や器を広げる努力をしつつ、

今は自分のできることをやればいい。

 

すぅっと深呼吸するジータ。

ここまで実は数分もかかってない、自身が何者であるのかを把握した途端

"やり方"が脳の中にインプットされていったのだ。

なにせ自分なのだから。

 

 

とりあえず分かったことを整理しよう。

 

 

まず"召喚"とはこの世界に、スマホの中にインストールされている

グランブルーファンタジーなるゲームのキャラや

アイテムを呼び出すということ

いわゆる仮想の世界にある存在を現実に持っていくプロセスなのだ。

 

つまり一度召喚というステップを踏んでこのスマホの中のデータを、

自分自身にインストールし、それからそのデータを顕現・実体化させるのが

"星晶獣召喚"なのだろう。

 

そしてそのインストール方法は…。

 

(結局ソシャゲなのね…ガチャなのね)

 

とりあえず肝心の石やチケットといったリソースは余裕があるように見えた、

国家予算を頂戴出来れば実弾を投入する手も使えるかもしれない。

なにせこちとら勇者だ、出来れば青天井で行かせて欲しい。

ただし貨幣価値がジンバブエ並みだったり

交換レートが法外だったりするかもしれないが。

 

目の前にはキャラ確定ガチャと召喚石確定ガチャの

二つのボタンが表示されている。

 

ちなみに団員Lv1はキャラのグレードではなく

一人だけキャラクターを実際に仲間にすることができるという意味の様だ。

(でもキャラって言い方って失礼だよね…こうなってしまうと)

 

よし!まずは召喚石の方から試そう。

単発ではなく10連の方を選択しジータはボタンをタッチする。

 

巨大な虹色のクリスタルが現れ、それが光とともに

10の欠片へと分裂する。

 

青の欠片を纏った石はそのまま掻き消えてしまったが

最後に砕けた虹を纏っていた石だけがそのまま残る、

柔らかい輝きを放つ青い石だ。

石は手を伸ばすとそのままジータの身体の中に吸い込まれていき、

ジータのステータスプレートに水属性攻撃力が120%UPと表示され。

加護:ガブリエルとも表示されている。

 

他の召喚石が消滅したのを見るにいわゆるSSR級でなければ

現世に止めおくことはできない様だ。

では、今度はそのガブリエルを呼びだしてみよう。

 

ジョブを選択してくださいとメッセージが出る。

ジータの前にクラスⅠからEXⅡまでのジョブの一覧が表示される。

どうやらゲーム由来の能力を行使する際は、ゲーム内のジョブでなくてはならないようだ。

試しにエリュシオンというのを選んでみた、見た目が気に入ったので。

ジータの体が光に包まれ…ただけで終わった。

必要レベルを満たしていないというメッセージが表示されている。

 

次にやはり見た目が気に入ったグローリーを選んでみる。

やはり結果は同じ。

どうやらクラスⅣとEXは実際のレベルを上げないと選択できないようだ。

 

なら、今度はクラスⅡ、アルカナソードを選択する。

残りの中だとこれが一番ピンと来たのだ。

ジータの体が光に包まれ、まるで魔法少女のようなエフェクトが今度こそかかる。

残念なことに不自然な霧が肝心なところにかかっていたが。

 

そして赤を基調としたまるで鼓笛隊のように、

華やかな衣装を身にまとった姿でジータは現れる。

 

おおおおっ!男子からどよめきが上がる。

あ、コスプレってこういう…と同時になにやら心が高揚してくる。

華やかな衣装に引っ張られるかのごとく。

 

(不思議…まるでほんとにゲームのヒロインになったみたい)

 

ジータはレイピアをビッ!と構える、またまた大きな歓声。

今度は香織や雫までもノリノリで声を上げており、

メルドや光輝ですら身を乗り出すほどの魅力的なフォーム。

 

(あ、ほんとに今の私ゲームのヒロインなんだ)

 

と、自然に先ほど手に入れたばかりの青い石がその胸元に現れる。

危険がないことは直感で分かっていた、放たれるは暖かい慈愛の光。

レイピアを収めるとそのまま両手で包み込むように石を翳す。

ジータの掌が輝きだす。

 

「おい…南雲、それ」

「あ…」

 

南雲という言葉に反応したジータがハジメの方を見ると、

ハジメの掌も同じように輝いている。

 

「ハジメちゃん!手!」

 

差し出されたジータの手をためらうことなくハジメは握る。

二人は互いの右手をしっかりと握りしめそして宙に左手を翳す。

あ、いいなと香織が呟く。

 

そして光が疾って…

 

 

それだけで何も起こらずハジメは鼻血を吹いて倒れた。

 

 

「ハジメちゃん!」

 

「ははっ、見掛け倒しもいいところだな!南雲ぉ!」

「蒼野の足引っ張りやがってよ!無能が」

「ハハハ」

 

檜山らの嘲笑が飛ぶ、どうやらハジメのせいで失敗したことにしたいらしい。

言い返してやりたいが遠のく意識を保つのがやっとだ。

それに確かに自分たちの能力が足りなくてこのザマなのだから。

とはいえど分かったこともある。

 

(ハジメちゃんがいないと星晶獣は召べないみたいね)

 

今回は失敗したがこれでハジメの有用性を示せるかもという期待と

このことに拠って、いずれハジメは戦場に送られる。

あるいは自ら戦場に赴くかもしれないという不安が同時によぎる。

 

危ないことはしてほしくはない、愚かな選択ならば身を呈して止める。

だが、もしハジメが戦いたいと言うなら…。

自分はきっと止められない。

 

今日はもう星晶獣召喚は無理だ、自分も気絶してしまう。

だがとりあえずガチャを引かねば始まらない。

 

ジータは上着と帽子を脱いで(脱げる、よかった)またガチャを

次はキャラの方を開始する、今度は単発で。

 

すると青いクリスタルの中からもじゃもじゃとした天然パーマの男が姿を現す、

肩にかけてるのは巨大な棒?

なんかお箸のように見えるのは気のせいか?

そして片手にはまだ湯気の立つラーメンが抱えられている。 

「あの…アナタ誰です?」

「わたしは~ぁ」

と妙なイントネーションで男はジータの質問に応じようとしたが、

その間にも身体がどんどん薄くなっていく

男はジータにラーメンを手渡すとそのまま消えていった、

ラーメンもろとも。

 

これは予想できた、出て来た時点で向こう側が透けてたし影も無かった。

気を取り直して次だ次だ。

 

今度は琥珀色のクリスタル、次に現れたのは角の生えた幼い少女だった。

見た目の年齢の割に胸がやたらとでかい。

あと身体がやはり透けていて影もない。

「ヤイアのちゃーはん食べますか?」

少女はジータにチャーハンを手渡し、

やっぱりそのまま消えていった。

 

「出前呼んでどうすんの?ぷーくすくす」

「ざまぁ」

 

女子から嘲りの罵声が飛ぶ、あー確かにそうだ。

 

「これってソシャゲのガチャみたい」

「私もそう思った」

 

罵声に混じってそんな声も聞こえる。

えーそーですよ、そーですよと心の中でジータは毒づく。

 

ジータは今一度スマホの画面を確認する。

(石とチケットにはまだ余裕がある…けど)

この世界で果たして補充が利くのかやはりそれが不安だ、

トライはあと数回に留めておく方がいいだろう。

この様では国家予算獲得も望み薄だろうし。

 

(なんか来てよね、お願いだから)

 

ジータは先ほど講師役の魔術師に言われたことを今一度思い返す。

召喚は強く祈り、念じるのが肝要だと、

なぜ召喚術が廃れたのか、それは強力な存在を召び出すだけの

心の力がこの世界の住人には備わっていなかったからだとか

 

ジータの頭に過るのは先だっての講義で

魔術の適性もないことが判明し嘲りを受けるハジメの姿。

 

そのハジメはジータの傍らで悲し気に己の手を眺めていた。

 

(…情けないよ、僕…ジータちゃんのために何も出来てない)

 

その嘆きが心の痛みがジータの胸にも走る。

 

(ハジメちゃんを助けてくれる誰か…来て!)

 

深呼吸し実験感覚を捨てて今度こそジータは祈った。

すると先ほどの召喚石の時と同じく虹色の光を纏ったクリスタルが現れる。

 

「来たんじゃない?」

 

ハジメが呟く。

そして虹を纏ったクリスタルが大きく弾け、光に周囲は包まれる。

 

「なかなか楽しそうな所によくぞオレ様を呼んでくれたな、感謝するぜ」

 

光をバックにハジメとジータにだけ見えるよう八重歯を覗かせた笑顔でにぃと笑う少女。

先だっての二人とは違い、透き通ってないしちゃんと影もある。ようやく成功か?

しかし見た目こそフリルをあしらったミニスカートと魔術師めいたマントを羽織り

片手に書物を持った、まだ幼さが残る栗色の髪の美少女だったが、

その笑顔はサメを思わせる凶悪さに満ちていた。

 

「おっと、ヨソ行きに切り替えるか、じゃあこれからよろしく頼むぜ舎弟ども」

 

「はぁーい♪美少女錬金術師のぉカリオストロですっ」

 

光が晴れるやいなや、先ほどの禍々しさとは打って変わった愛らしい天使の笑顔で

カリオストロは周囲に媚を売りまくるのであった。

 

「よろしくねっ」




繰り返しになりますが
プロセスとしてはコンプ済みデータの中から
ガチャのシステムを使ってダウンロードしているという感じです。

ですからガチャでは取得できないキャラや召喚石、
十天衆や十賢者も呼び出すことが理論上は可能
ただしロベリアとかを呼んでしまうと大惨事確定
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