ありふれた錬成師と空の少女で世界最強【完結】   作:傘ンドラ

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鬼滅コラボですが、善逸のアビリティ構成はどうなるのか?
三つとも壱の型なのか?それともアビリティ使って寝るのかな?


敵は王都にあり

 

 

 

「で…その、シモン・リベラールって方は信用できるんですか?」

「何年か前にイシュタルと揉めて僻地に飛ばされた、という程度の話だがな」

 

ハジメたちはグリューエン砂漠北部にある小さな街に到着していた。

街といっても今にも崩れ落ちそうな土塀や、すでに枯れているであろう井戸が、

砂漠の熱風に吹きっ晒しとなっており、その風や砂を避けるかのように、

斜面に何軒かの家が申し訳程度に立っているだけの、まさしく僻地である。

 

とてもじゃないが、司祭にまで昇りつめた男の赴任地とは思えない。

 

「これは……恨むよねぇ」

 

ジータとしては敵の敵は味方という論法で、強引に協力を依頼するのはどうだろうかと、

思わざるを得なかったが、この街?の惨状を見る限り、

流石に文句の一つくらいは言いたい筈ではないだろうか。

 

「ホント、今にもストールを巻いた盗賊団でも物陰から現れそう……」

 

と、ジータが冗談めかして言った時だった、

塀の向こうから本当にストールで顔を隠した男が姿を現したのは。

 

「?」

 

ハジメが腑に落ちないような表情を見せつつも、瞬時にドンナーを構える中、

それに気づいた男は驚いたように両手を上げる。

 

「わー待った待った待った、俺、俺俺っ、オレだって」

 

まるでオレオレ詐欺のような言葉を繰り返す男、

ハジメはその声を聞くと、呆れ顔でドンナーを収納する。

 

「お前、バァちゃんから幾ら騙し取るつもりだ」

「俺だよ俺、相川」

 

ストールをずらして素顔を晒し駆け寄る昇、とはいえど

我ながらストールを顔一面に巻きつけ、目だけを覗かせた姿は、

まるで砂漠のゲリラか何かだなと見張りがてら、少し気分を味わっていた矢先のことなので、

その声には、ややバツの悪さが籠っていたが。

 

「で、シモン殿と話は付いたのか?」

 

メルドの問いかけに昇は頷く。

 

「ああ、意外な人が口を利いてくれた、いや下さったかな」

「意外な人?」

 

ジータの言葉に昇は、何かとっておきのドッキリを思いついたような顔を見せる。

 

「ああ、きっと驚くぜ、あ、それはそうと」

 

昇はハジメたちにもストールを手渡す。

 

「お尋ね者だろ、一応な」

 

確かに異端者を匿った、などということが明るみになれば、

この街の人々はタダでは済まなくなるかもしれない、アンカジは特別だったのだ。

致し方ないなと、ハジメらは顔にストールを巻き付けて行くのであった。

 

昇に案内された教会は、朽ちかけた街の物にしては、

そこそこ立派な感じに思えた、ただし近くに寄るにつれ、痛々しいまでの修繕の跡が見えたが。

 

「ゆっくりな」

 

壁のヒビを隠すかのように貼り付けられた、檜山の手配ポスターを見ながら、

ギシギシと軋む祭壇の奥の階段を下り。

 

「先生、みんなを連れて来たよ」

 

ハジメたちは昇に続き地下室へと入る、と、愛子とカリオストロが出迎えてくれる。

やはり顔をストールで隠して。

 

「南雲君、蒼野さんっ、それにユエさんたちも、よく無事で」

「コイツらがそう簡単にくたばるかよ、ククク」

 

ランプに赤々と照らされた地下室は意外と広く、こういう秘密の会議などには

広さ的にも雰囲気的にも、おあつらえ向きと言えた。

壁には本棚が並んでおり、インクの据えた匂いがそこから放たれており、

中央の大机には、地図や書物が所狭しと広げられ、

そんな中を、揃いも揃ってストールで顔を隠した護衛隊の面々は、

正しく砂漠のゲリラか、盗賊団そのものの姿に見えた。

 

(皆浸るなぁ……ううん)

 

そうでもなければ、不埒であってもそんな気分になりきらなければ、やっていけないのだろう。

正直、誰が誰だかなのは少し困りものではあったが……、

そんな中で一人の人物が、息苦しくなったがストールを解き、素顔を見せる。

 

「姫様!」「リリィ!」

「その声はメルドに、そして香織ですね」

 

彼らが何を驚いているのかピンとこなかったジータだが、

徐々に僅かな期間であったが過ごした王宮での日々や、そして出会った人物の姿が甦って来る。

 

「あ!姫様」

 

そう、彼らの目の前の人物こそ。

 

ハイリヒ王国王女リリアーナ・S・B・ハイリヒ、その人だった。

 

「へへーん、驚いたろ?お姫様がシモンさんと知り合いでさ、俺たちの代わりに、

頼んでくれたんだ」

 

少し自慢気に胸を張る昇。

 

「でも、どうしてお姫様がこんなところに?」

「それは……」

 

あの温泉宿での出来事の後、愛子たちはより本格的な砂漠用の装備を揃えるべく、

事前に連絡をつけて置いたキャラバンらへと接触するため、

直接北へは向かわずに、一度南下することにした。

 

「そこで姫様が盗賊に襲われていたのを、俺たちが助けたんだ」

「だよな!淳史」

 

俺たちだって、これくらいやれるようになったんだぜと、

誇らしげに口にする淳史と明人。

 

「何調子こいてやがる、殆どオレ様とシルヴァが片付けたんだろうが」

 

すかさずカリオストロがそんな二人にツッコミを入れるが、

それでもその言葉は決してフカシではないことは、ハジメたちも充分に伝わった。

 

(皆も頑張ってるんだなぁ)

 

そんな思いを抱きつつもジータは、リリアーナへとさらなる質問をぶつけ、

そしてその一つ一つについて、リリアーナは丁寧に答えていく。

彼女の話を要約するとこうだ。

 

光輝が、そしてメルドが王宮を離れて以降、

どことなく感じていた王宮内の空気の違和感が一段と大きくなり、

それと同じくして彼女の父であるエリヒド国王を始めとする、宰相や他の重鎮たちらが

今まで以上に聖教教会に傾倒し、

時折、熱に浮かされたように"エヒト様"を崇めるようになっていった。

 

「それだけなら、まだ納得は出来たんです……ご存知の通り、

私たち王国は魔人族に劣勢を強いられてましたから」

 

劣勢を打開するために、教会との連携を深める、その影響で、

信仰心が高まったのだろうと、しかし、そんな中。

 

「ハジメさんの異端者認定が強引かつ、満場一致で可決されてしまったのです」

 

有り得ない決議に、当然リリアーナは父であるエリヒドに猛抗議をしたが。

 

「何を言っても耳を貸して貰えず……それに私にまで、信仰心が足りないと……」

 

恐怖に頭を抱えるリリアーナ、あの自分を見る父の目は、娘への眼差しではなかった。

そう、まさに敵を見るような目だった。

そんな四面楚歌の状況の中、唯一頼れる人物は……。

 

「それで単身アンカジを目指されたと」

「ええ、そこでメルドを待って、此度の異変について伝えたいと」

「しかし何故わざわざ私めを?アランやホセに充分引き継いで置いた筈ですが」

 

自身が全幅の信頼を置く、腹心らの名前をメルドは出す、

彼らの力量、忠誠が物足りぬとは思えない。

 

「それだけではないのです、メルドが去ってからというもの、

王宮内で妙に覇気や生気を感じられない騎士や兵士たちが日に日に増えていってるのです

アランやホセも姿を見かけなくなって……」

「さぞ……お心細く、お辛い思いをされたのでしょう、姫様、ですが、

今はこのメルドめが、お傍におり申す」

 

自分の体を抱きしめて恐怖に震えるリリアーナ、そんな彼女の前に跪き、

静かに、しかし力強くメルドは宣言する。

自身の配下たちの異変を耳にしていながら、一切の動揺を感じさせることなく、

まず第一に主君を、いや他者を労わる、その姿こそ、

まさに騎士の精神を感じさせた。

 

「私だってついてるから、リリィ」

 

負けじと香織もリリアーナを抱きしめる。

 

「香織……」

 

そこで地下室の扉を足で開きながら、この教会の主、シモン・リベラ―ルが、

姿を見せる、両手に茶道具を持って。

 

「皆様お揃いということで、ひとまずお茶にしませんかな、それとストールは、

そろそろお外しになられては?これでは誰が誰だかまるで分かりませんからな」

 

ともかくグリューエン砂漠北部の小さな教会、

そこは現在異端どものアジトと化しつつあった。

 

 

「……」

 

ハジメたちは今度は包み隠すことなく、映像を交えつつ、

自分たちの掴んだ真実を愛子たちへと伝えた。

 

シモンは歴史にも通じているらしく、メルジーネでの海戦や、

そしてアレイスト王のことも、伝説上の話ではあるが、おそらく真実であろうと、

解説してくれた。

 

「アレイスト王は晩年、狂気に侵されその身に千もの傷を自ら刻み、

命を絶ったと伝えられておるが…」

「用が済んだら正気に戻しやがったんだろうな、ひでぇことしやがるぜ」

 

忌々し気に吐き捨てるカリオストロ。

自らが望み、願った平和を、自らの手で壊してしまった……。

その時の王の気持ちを、己の手で己を罰さずにはいられなかった心境を想像すると、

ジータもまた胸が張り裂けそうな思いと、神への怒りがふつふつと湧いてくる。

 

「多分、その……俺たちがメルジーネで見たようなことが王宮で起きようとしてるんだと思う」

「ああ……お父様」

 

両掌で顔を覆い嘆息するリリアーナ、ハジメに言われずとも理解出来る。

今の父たちの状態は、まさに神に魅入られし者の姿そのものだったからだ。

 

「リリィ……」

 

今にも崩れそうなリリアーナの身体を香織が支える。

正直な話、香織の姿をここで目にした時、リリアーナは、いや、誰もが一瞬戸惑った、

その白く変貌した姿もだが、香織の中に、以前とは違う、

異質な何かが混ざってしまったような感覚を覚えたからだ。

しかし、その腕の中から伝わる温もりは、そして慈しみの微笑は、

間違いなく以前の香織そのものだった。

 

そんな二人の様子を見ながらハジメは改めて思う。

もう、この世界の住人は自分たちにとって関係のない、顔も知らない他人の一言で、

済ませることは出来そうにないと。

 

まして優花が攫われた原因も、またおそらく自分たちにある、

彼女が自分をおびき寄せるための人質であろうことは、容易に推察できた。

 

「どの道神山に乗り込む予定だったんだ、仕事が多少増えたと思えばいい」

「宜しいのですか?」

 

リリアーナの確認に、ハジメに代ってジータが答える。

 

「私たちの友達のためです、王国のためではありません」

 

きっぱりとした口調ではあったが、その友達の中には、

自分の親友である香織の友達であるリリアーナも入っている。

 

「そして、あくまで私たちの最終目的は故郷への帰還です」

 

愛子も頷き、ジータに続く。

 

「必要以上に私たちも、そして生徒たちも、皆さんの世直しに関わるつもりも、

関わらせるつもりはありません」

 

逆にいえば、必要ならば協力は惜しまないということだ。

 

「えーっと、じゃあ玉井くんたちは……」

 

本来の予定ではアンカジに優花たちを預かって貰い、

カリオストロとシルヴァ、そして愛子のみを伴い、王都に、

神山に乗り込むつもりだったのだが……。

しかし鼻息を荒くする彼らの姿を見るに、その答えは聞くまでもなかった。

 

「止めても……退かないよね」

「もうこうなっちゃった以上、多分……この世界で一番安全なのは、

蒼野さんたちの傍だと思う」

 

少し申し訳なさそうな顔を見せる妙子、

教室でも殆ど交流がなかったジータやハジメに頼るのは、

今でもやはり抵抗があるのかもしれない。

 

「それに、俺たちだって園部さんを攫われて、黙って待ってなんかいられないんだ」

「……じゃあ、皆を一人前として扱ってもいいかな?」

 

それは、自分の身は自分で守れということ、

その言葉に六人はそれぞれ多少の間はあったものの、いずれも強くジータへと頷いた。

 

そしてメルドら騎士五人は互いに頷きあうと、改めてリリアーナの前に

その剣を捧げ持って傅く。

 

「姫様、いえ姫殿下にはお覚悟、そしてご決断を」

 

彼らの恭しき態度の中の言外の意味を取り、リリアーナの表情が引き締まる。

そう、事情を知らぬ大半の者に取っては、これから行われることは、

紛れもなく謀反にして簒奪、クーデターにしか映らないであろう。

 

しかし、"真実"を世間に公表して誰が信じるというのか?

いや、信じて貰えない方がまだ若干マシだ、自分たちが背教者の烙印を押されるだけで済む。

下手に受け入れられてしまえば、信じる神に裏切られたという絶望が地を覆い、

自ら人間たちは自壊・滅びの道を歩むだろう。

 

リリアーナは決断を迫る騎士たちの姿を見る、

自分だけが簒奪者の汚名を着るのならばともかく、

この勇敢かつ将来ある五人の騎士たちまでもが、歴史に汚名を刻むことに、

成り兼ねないのだ……しかし、それでも。

 

「皆の命を、名誉を私に下さい、国家が国家としてあるべき姿を取り戻すために」

 

そして、人が神の馘を断ち切るための第一歩を刻むために。

 

その力強い言葉に、五人は剣を収め改めて跪き、

さらにリリアーナは続ける、今度はハジメたち、いやこの場にいる地球人に向けて。

 

「ハイリヒ王国の名において宣言します!此度の件、収拾の暁には、

皆様の王国における行動の自由と、そして帰還のための全面的な援助を約束すると」

 

リリアーナの思い切った言葉に、驚きの表情でハジメとジータは顔を見合わせる。

 

「これは……」

「協力しないわけにはいかないよね」

 

いかに魅力的な報酬であっても、自分たちが一敗地に塗れれば当然話は反古となるのだから。

 

「でしたらば……さらにもう一つお願いしたいことがあります」

 

そこで、さらに愛子が動く。

 

「王国領に於ける全ての亜人たちに、フェアベルゲンへの帰還を許すことと、

この地で暮らすことを望む者には、人間と同等の権利を与えることを約束して下さい」

 

この世界の原理原則や、それに基づく主義主張には思う所があれど、

この世界の住人ではなく、いわば稀人である自分たちは決して口を出さない、

そう自らに課してきた愛子であったが、どうしても奴隷制だけは、

行先の街々で差別を受ける亜人たちの姿には、我慢を押さえることが出来なかったのだ。

 

「……それは」

 

愛子の意外な申し出に少し口籠るリリアーナ。

 

「もちろん、今すぐにとは言いません」

 

亜人たちの中には数世代にも渡って、人間の世界で暮らしている者たちもいる、

そんな彼らに、いきなり森へお帰りと言うわけにもいかない。

だからといって、今日から人間と同じだと権利だけを与えても意味はない、

権利を理解するため、そして奴隷ではなく、一個人として生きる糧を得るための教育と、

なおかつ、彼らが自立するための雇用もまた必要となる。

 

それらが一朝一夕では成し得るものではなく、

数十年単位で地道に築き上げていかねばならぬことは、愛子も理解している。

だが……それでもせめて言質は取っておきたかった。

 

「分かりました、出来うる限り早く、亜人たちの解放が為されるよう約束します」

 

暫しの沈黙の後、微笑みを浮かべ愛子の要求を快諾するリリアーナ、

もしかすると、彼女自身も亜人差別に関しては思う所があったのかもしれない。

 

話が決まれば後は早い、各自テキパキと準備が整えられてゆく。

 

「思った以上に事は一刻を争う、やはり」

 

メルドの指が最短距離で地図を辿っていく。

 

「いや、先に教えて貰った通り、北側から王都に向かおう、それほど時間に差は出ない筈だ」

「……しかし」

「……待ち構えてるのは、あんたたちの……だろ?」

 

遭遇すれば、血が流れることになるのは避けられない、

だが、ハジメたちに取っては行く手を遮る敵でしかないが、

メルドやデビットらにとっては、同僚を相手にすることになるのだ。

 

「すまない」

「避けて通れない戦いがあるなら、避けられる戦いは避けないとな」

 

そう、流れる血は少ないに越したことは無い、

その先に、避けられぬ流血が待ち受けているのなら、尚の事。

 

「テメェの写し身にゃ随分と手を焼かされたぜ」

「わたちとしても、あんなガチムチになってるとは思いもよらなかった」

 

カリオストロとシャレムは知り合いなのか、何やら話し込んでいる。

 

(……そりゃ長く生きてれば知り合いも多くなるよね)

 

そんな二人の様子をやや手持無沙汰な中で眺めるジータへと、シモンが声を掛ける。

 

「待たせたの、神殿の見取り図はこれじゃ」

 

ジータの前に広げられた見取り図だが、案の定空白だらけである。

神殿、そして神山そのものが未だ未踏破、未調査の箇所が多く、

半ばブラックボックスと化しているらしい。

 

(そりゃ大迷宮だってあるんだもの)

 

そこでジータは少し腑に落ちずにいたところを、思い切ってシモンに聞いてみる。

 

「どうして、シモンさんはそんなに私たちに協力してくれるんですか?」

 

最初は左遷の鬱憤を晴らそうとしていると思ってたのだが。

この老人の言動に、そういった負の感情は伝わってこない。

かといってリリアーナや自分たちに、それほど思い入れてる風でもない、

ただただ自然なのだ、まるであらかじめ自分がそうしなければならないかの如くに。

 

「運命、いや…血じゃよ」

 

ただしみじみと、シモンはどこか遠い目をして、ジータにそう答える。

そんな老人の言葉にジータは少し興味が湧いてきたが、

それ以上語らないのに、こちらから聞くのは野暮なように思えた。

 

「ともかくだ、恐らく捕らえられてるとすれば……だな」

 

シモンの指が何か所かの部屋を指す。

 

「この通路みたいのって?」

「それは、換気用の通風口じゃ、各部屋に通じてはおるが、

とてもじゃないが人間では通れんよ」

「じゃあ……鳥だったら、これくらいの」

 

ジータは身振りで鳥のサイズを示す。

 

「それくらいならまぁ通れるじゃろうが、しかし何故?」

「ふふっ」

 

少し悪戯っぽくジータは笑みを浮かべるのであった。

 

 

そして、全ての準備が整い、ハジメたちは地下室を出る。

 

「敵は王都にありっ!」

 

愛らしくも凛々しき声で王都の方角へと剣を指し示すリリアーナ、そしてその言葉を合図に、

ハジメが用意したウニモグ風の大型トレーラーへと、次々と少年たちが乗り込んでゆく、

その様子をただ静かな目で見守るシモン、しかしその心中は興奮と、

そして何より感動に打ち震えていた。

 

(おお……きっと、彼らこそが一族の口伝にある、反逆の子らに違いない)

 

やがてエンジンが唸りを上げ、トレーラーは一路王都へと邁進する。

その姿が砂の彼方に消えるまで、シモン・リブ・グリューエン・リベラ―ルは、

一族の始祖へと祈りを捧げた。





次回からいよいよ王都編です。
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