『オリ主、ギルドやめるってよ』 作:abc
最初はこれをAルートにしようと思ってました
「やっとだ……やっとこの時がきた……」
どこにあるとも知れない小屋の中で、窓から入る月明かりに照らされた青年はその赤い瞳を輝かせていた。とある国から盗んだワールドアイテムと、ギルドから持ってきていた種族を人間種に変えるマジックアイテムの二つを手に持ち歓喜に打ち震えている。
彼は普通の人間だった。
しかし、ゲームのキャラクターに乗り移った状態で自身が所属していたギルドごと、異世界に転移してきてしまったのだ。それにより人間ではなく食人鬼になってしまう。それでも人間の心を忘れず、一部のNPCの力を借り所属していたギルドを離反。元の世界に戻るための行動を開始した。
そしてやっと某国にワールドアイテムがいくつか存在することを知った彼は盗みに入り、何とかアイテムを持ち帰ることが出来たのであった。
「全て終わるんだな……これで……」
思い返すのはナザリックのことである。
自分がいなくなってもアインズさんは元気でやってるだろうか。いや、オーバーロードに元気にと言うのも変な話ではあるのだが。きっと自分の事なんかすぐに忘れていてくれればそれで良いと思った。
シャルティアはぺロロンチーノに似て明るい性格をしているからきっと元気にやっていることだろう。むしろあまりに人を襲いまくっていないか心配なくらいだ。最後に何か言ってやれば良かったのかもな。
デミウルゴス……個人的にはあまり好きではなかったけどそれでもナザリックには欠かせない存在だと思う。彼の頭脳はナザリックにとっての大きな遺産だ。あまりやり過ぎていないことを願う。
コキュートスはきっと大丈夫だろう。創造主に似て武人然としたところがある。それにナザリックでは数少ない穏健派だと思っている。無茶なことはしないと安心して断言できる。
アウラとマーレには最後に何か一言言っておくべきだったかもしれない。
セバスやアルベドには感謝しかない。
二人がいなければ俺はナザリックから隠れ切れなかっただろう。
他にもナザリックには沢山のNPCがいた。プレアデスや領域守護者たちなど本当に様々だ。俺は彼らの思いを裏切ってしまった形になることが申し訳ないと思う。それでも帰りたい帰らなければいけない気がした。
だからNPCやモモンガさんには申し訳ないが、一足先に現実へ帰らせてもらう。
まずは人間種へと変化するマジックアイテムを使用する。がその瞬間体に異変が走る。激痛が全身を駆け巡ったのだ。
痛みが収まり、アイテムボックスから取り出した鏡で自分の瞳を見てみるとこれまで以上に深紅に輝いていた。そして食人の発作が襲い掛かってくる、。人工血液を飲んでは見る物のあまり収まる様子はない。
「どうして人間に戻れない……設定の効果か?……それともこの異世界のルールによるものか……クソ!」
ここで仮説を立てていても仕方ない。現実に戻ればきっと人間に戻っている筈だ。ここまで来たんだ!そう思い込むしか他にない。「永劫の蛇の指輪」を使用し、元の世界との次元を繋げる魔法を作り出す。
「どれだけ待ったと思ってるんだ……戻るんだ……人間にあの世界に!!」
そして俺はこの世界に別れを告げた。
◆
目を覚ますと病室のような部屋の中にいた。
俺が目覚めたことに驚いた看護士が驚く。
どうやら俺は自室で倒れて数ヶ月眠り続けたらしいと看護士が教えてくれた。
「!……そうだ!鏡はあるか!」
「ありますけど……」
「貸せ!」
俺は看護士の手から部屋に置かれた鏡を奪い取る。
そして自分の瞳の色を確認してみると……
深紅に染まっていた
そして看護士の細く綺麗な腕を見ると同時に唾液が溢れてきた。
ああ、まだ続いているのか
どちらか迷っています
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ハッピーエンド
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バッドエンド