しからば私はこの想いを何時かは捨てられるだろうか
これは私の過去の話。
棄て去られ、喪われた想いの話
終わりの言葉はあっけなかった。
2年間胸中にあったその想いは結局届けど、叶わなかった。
それが愛だったのか、恋だったのかだなんて最早どうでもいいのだけれど、私が生きてきたこれまでの中で私はそう、余りにその想いに依存して生きてきてしまっていた。
結果として支える柱をなくした心はぼろぼろと崩れ、跡形もなくなった。
私は現実から目を背けて逃げ出して夢に逃げ込んだ。
眠鼠は目を覚まさない。
自らの矮小さすら受け入れず、ただ都合のいい夢の中。
いつか笑い話に出来る日が来ると信じて。
人間の体は新陳代謝で一年後には違うものへと入れ替わる。
その時には或いは、私は僕になって、僕は俺になって。
別人となった儂なら、我ならもしかしたらこの想いも過去に捨て置けるかなだなんて。
とはいえ望みは絶えたまま。
何がしたい何をする、最早どうでもいいそんな無気力。
考える事も面倒な圧倒的な脱力感の中、私は日々を浪費する。
死にたいとすらも思わない。
死ぬ動機すらもない。
ただ「アイツ」が危険な目にあって俺ごときの命で助かるのなら喜んでそうしたい、強いて言うならそれだけが望みであった。
愛想も怨嗟も拒食気味な虚飾だらけの毎日に愛想を尽かされて。
今日はアイツ、昨日はソイツ、明日は誰?俺はいつ死ぬ?
この地獄はいつ終わる?
街を歩くカップルが
あんなふうになりたかった。
そんな理想を目にする度に俺は隣の温度のなさにまた悲しくなる。
どうして私は愛されない?
どうして私の隣には誰もいない?
どうして「アイツ」の隣に私が居ない!
ようやく気づいた愛情は、最早まとわりついては離れない。
それでも私は「アイツ」の邪魔を出来るほど歪んでやしない。
早く幸せになってくれれば、それを見届けてから人知れず消えられるのにだなんて傲慢な願い。
私よりも幸せにしてやって欲しいだなんて、至極当然に実行可能な私のエゴ。
強い「アイツ」が好きだった。
私の恋は多分そこから来ているのだろう。
強いけれど脆くて、友情に厚くて。
私は「アイツ」みたいになりたかった。
多分憧れていた。
私だったらきっと諦めて仕方ないと受け入れることを、反論して立ち向かうアイツに。
普段は乱暴で、直ぐにふざけて殴り掛かるのに、本当に蹴ることは無い優しさに。
そして……実は相応に弱くて辛いものは辛いただの女の子なアイツに。
惹かれていたのだろう。
初恋は実らない。
日本人の諺は嫌味な程に的確に目前の事実として私の心を抉りとった。
まあそれでも、今日くらいは「アイツ」を愛した「私」で居させて欲しい。
明日にはきっとまた、俺でいるから。