ハロンタウン。昔から牧場を営み、ポケモンたちとともに暮らす町。
昔から牧場を営むとある様に、土地の大半は牧場で沢山のウールーがのんびり過ごしていた。
ここの牧場で取れるミルクを使って作られた乳製品は絶品で特にモーモーチーズは高級品として扱われている。実際、ほっぺたが落ちるほど美味しい。
ここに来たのならウールーソフトを食べていきたいけど、それは後回し。
今日はユウリに会いに来た。突然の訪問だから驚いてくれるかな…?
「うららー」
「うん、多分ここばいね」
町の外れに近く、まどろみの森の入り口のすぐそばにある一軒家。草木が生い茂っていて、色とりどりなお花で出迎えてくれた。
小さな畑の傍では二匹のスボミーが光合成をして気持ち良さそうにうたたねをしていた。
今日は天気が良くてぽかぽかしている。きっと光合成日和なんだろう。
「…なんか緊張するばい…でもユウリに会いに来たけん…!!」
少しだけ勇気を出して扉を叩く。心地よいノックの音があたしを落ち着かせてくれた。
「はーい!!すぐ向かいます!!」
中から元気な声が響いてきた。家からどたどたと忙しそうな物音が響いてくる。…お取り込み中だったのかな?
「はーい、どちら様…?」
あたしを出迎えてくれたのはユウリのお母さんだろう。多分。あたしの顔をまじまじと見ている。
(…気まずい)
このままでは埒が明かないので、思い切って自己紹介をする事にした。
「えっと、ユウリちゃんからファンレターを貰って来ました。…マリィです」
数秒の間が空く。
「!?!!!???!??!!?」
声にならない悲鳴と何が起こっているかわかっていないようで、表情が目まぐるしく変わる。見ていて少しだけ面白い。
「ま、まままマリィちゃん…!?ですか…!?」
「そうです」
「ユウリの!?お手紙をみて!?」
「来ました」
焦っているのか言葉遣いが不思議な事になっている。目はグルグル渦をまいて手元の落ち着きがない。
このままではいけないと思ったのか、ちょっとだけ待っててと言い残して家の中に戻っていった。
「…うらら?」
「…なんか忙しか人やなぁ」
暫くスボミーを眺めていると扉が開く。ユウリのお母さんが恥ずかしがりながら出てきた。
「…ごめんねマリィちゃん。…まさか来てくれるとは思って無かったから……」
恥ずかしい、恥ずかしいと呟きながら火照った顔を冷やしていた。その姿は綺麗で、あたしも見とれてしまう程たった。
「連絡とってないあたしも悪いですし…」
ユウリのお母さんの魅力を振り払って、謝罪の言葉を述べた。
(…初めてファンレターやったけん少しだけ舞い上がっとったんかも知れんと……気をつけな)
「いいのいいの。サプライズって大切よね!!…っと、こんなおばさんとお話してちゃ悪いわよね?」
「いえ、大丈夫ばい!!」
あたしを気遣ってくれる言葉にあたしは反射でそう答えた。
それを聞いたユウリのお母さんは優しく微笑んでくれた。…心が軽くなった気がした。
「ユウリー?お客さんが来てくれたわよー」
「はーい」
世間話を少ししてお互いにリラックスが出来た頃、ユウリのお母さんがユウリのお部屋の前まで案内をしてくれた。
(…緊張してきた)
リラックスしても、やっぱり直前になると緊張する。
すーはー、すーはー、と深呼吸を繰り返して、落ち着かせようとする。胸に手を当てるとドキドキしていた。
「うらら?」
モルペコが心配そうに見つめてくる。
「…大丈夫、大丈夫」
(…入らな、ユウリが待っとー)
「…お邪魔します」
そーっと扉を開けて部屋の中に入る。あまり物が置いていない質素な部屋に大きいベット。その中でも目立っていたのはノートとピッピにんぎょう。部屋の中に太陽の光が入らないように、遮光カーテンで守られていた。
思わず、息が詰まる。
「…ふぇっ!?ま、マリィさん!?え、なんで!!」
声の主はユウリ。あたしを見るや否やユウリのお母さんの様に表情が目まぐるしく変わる。手元も落ち着きがなく、あわわわわ、と言う擬音が今のユウリにぴったりだった。
(やっぱり親子なんやなぁ)
ゆっくりユウリの元に近付いて、至近距離で目と目を合わせた。顔に熱がこもってるような気がした。…多分今のあたしの顔は真っ赤に染まっているのだろう。
「へ、ちょっ…!?」
「ユウリ、お手紙ありがとー。…あたし初めてお手紙貰って嬉しかったと。だから、ユウリ会いに来たばい。直接会ってお礼を言いたかったと!!」
「本当に、ありがとーね」
一息ついてから、あたしはユウリにそう伝えた。…感謝の気持ちを伝えるのは結構恥ずかしかった。
……上手く笑えているやろか。
「……ぁ…」
ユウリの赤い瞳から、涙が流れる。次から次へと溜まっていた物が、溢れ出すように。
「っぁ、ごめん、ユウリ」
「ぁ、っその…違うんです」
ぽろぽろと、大粒の涙を流しながらゆっくりと言葉を紡ぐ。
「マリィさんに、会えたのとか」
「っ、ぁ、わたしなんかが、かんしゃ、されるとか」
「ことばに、できない、んですけど」
「もう、いっぱい、うれしくて…!!」
涙を拭ってあたしに見せてくれた顔はほんのりと赤く、満面の笑みだった。
それを見た瞬間、あたしはユウリを抱きしめていた。
「…あたし、伝えたか事があるったい」
「あたし新米のジムリーダーやけど、なんも実感が無かったとよ。…こんなあたしなんかがやっとってよかったとやろうかって」
「でもユウリのお手紙で自信を持てるようになったと!!」
「ユウリのお陰で、あたしにも人の心を動かせるって事が実感出来たと!!」
「…だから、ユウリ。力になってくれてありがとうね」
ユウリの背中をさすってあげると、あたしに顔を埋めて声を詰まらせて泣いた。
ユウリ。心の中でそっと呟いた。
とても感情が豊かで、自分を周りと比べて低く見ている。
人の事を思うとても優しい人。
(…でも、これは)
あまりにも、可哀想だった。
初めて見た時、時が止まったような錯覚に陥った。
ユウリだけ色が抜け落ちていて、何も無い様に感じた。
何も入っていない、ユウリの世界。空っぽのハコ。
そして、今だ。
抱きしめてわかった。骨の一つ一つが細く、身体は酷く痩せていて、筋肉がついていない。
あたしを抱きしめる力を感じられない。
ユウリのお母さんから聞いてはいたけど、ここまで酷いとは思っていなかった。
(…ユウリ)
(…あたしがいっぱい楽しい物を詰め込んだるけん)
(それで、ユウリのやりたい事を見つけて、あたしがサポートすると!!)
(そのためにも、ユウリとお友達にならなかんね!!)
泣き描写難しいゾ……(語彙力)
そして書きたいことをそのままぶつけたから違和感がクルシイ…クルシイ…
細かい描写、ふってこーい!!
貴方には命に関わってしまうが、どうしてもやりたい事がある。やりたい事は生涯の夢。
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命に変えてでもやる。
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やりたい事を諦める。