仮面ライダー01<ゼロワン> × 新サクラ大戦 ー新たなるはじまりー 作:ジュンチェ
今回、作者の別小説のキャラクターが出てきますがあんまり深く考えなくてOKです。
感想お待ちしてます。
「 ……さて、何処から話をしましょうかしら。」
太正の世界……帝都へとすみれに連れ出された或人は驚いていた。まず最初に帝都劇場の劇場エリア。建物事態は古くなっているものの、歴史を感じる洋式の造りは大したものである。ここで、初穂やクラリス…そして、あの三式光武に乗っていたさくらもここで演劇を行っていたらしい。
そして、外…… 完全に街並みは令和の世界とは別。モダンな雰囲気の建築物は『大正時代』の息吹きを残したまま近代化が進む独特なもの。空には気球船が飛び、行き交う人々は和服が多めで洋装は少ない。車も一応は存在しているが、やはり微妙に自分の世界のものと違う。
「…すっげぇ。」
「これが、わたくしたちの街『帝都・東京』。かつての華撃団が命懸けで守り抜き、わたくしたちが今、守らなければならない場所ですわ。どうですか、この街は?」
……自分の異物感が半端ないです。
別に、或人の服装がおかしいわけじゃない…あくまで、令和の世界では。しかし、元号を2つも跨ぐほどのファッションの違いはこの太正時代では目立ってしまい、道行く人々がヒソヒソと言葉をかわすのが目についてしまい辛い。街の大通りをコスプレしてる奴が何か歩いているぞみたいな感覚なのか…
「この街のみならず、世界の技術は10年前とは比べ物にならないほど発展しました…ですが、尚も我々は降魔の脅威からは逃れられていませんの。」
「降魔…?」
そういえば、度々耳にする単語。もしかして、デイブレイクタウンに現れた妙な機械類の連中だろうか…… それについても、すみれは語る。
「降魔とは遥か古より存在する妖のようなもの……人の怨念が固まり意思を得た存在。それ故に、生まれながら人間を憎み、喰らうと言われておりますわ。本来、貴方の世界に現れるのはおかしいはずなのですけど……。それに対抗するにはほぼ、霊力を用いた兵器しかありませんわ。」
どうやら、太正の世界由来の怪物・超自然的存在といったところだろう。
これらに抗い、滅するための霊子甲冑といった存在。しかし、『霊力』を扱える人間は限られるために戦力の拡張は技術進歩が進む今でも限られる。各国の華撃団も適格者をさがしてはいるものの、そう簡単ではなくどこも人手不足である。
……そんな中、10年前…世界を揺るがす事件が起こる。
「…これをみてくださいな。」
「! これ……」
帝都のある大通りの一角。帝都の劇場から少し離れた場所には霊子甲冑とおぼしき巨大な石像と剣を持つさくらに似た雰囲気の乙女と、明らかに仮面ライダーとおぼしき飛蝗男が並び立つ像が鎮座していた。1/1スケールと本物と変わらない大きさに、精巧な造り…そして、足許には献花。台座には『帝都の英雄』と刻まれている……
「………墓だ。」
率直な或人の感想。讃えているのは間違いないが、静かな雰囲気に献花から察するに恐らくは鎮魂の意味合いもあるのだろうと感じられた。すると、すみれの顔に陰が刺す……
「降魔大戦、10年前に起きた悲劇。」
降魔大戦とは……かつて、世界に降臨した『降魔皇』との戦い。
降魔の親玉というべきその強大な降魔は何の前触れもなく太正の世界へ現れたのである。地をなぶりつくすほどの異形と空を覆うほどの怪異の群が世界中のあちこちで押し寄せた…瞬く間に、各国の華撃団をはじめとした諸国の機関は甚大な被害を受けた。世界崩壊はあっという間に進み、全ては魔界に呑まれようとした…… されど、人は諦めず最後の手を打つ。
帝都、巴里(パリ)、紐育(ニューヨーク)、当時の世界最強の三大華撃団と伝説の1号ライダー=本郷猛率いる仮面ライダーたちによる連合部隊を組織…決戦の地を帝都として、降魔皇との人類の命運を賭けた最後の戦いに挑んだのである。
「……あと一歩、のところまで降魔皇を追い詰めたのは確からしいですわ。そして、彼等は自らの命と引き換えに降魔皇を退けたと。」
「まさか…。皆……」
死闘を経て、降魔皇は退けられた。しかし、代償はあまりに大きい…… 三大華撃団や仮面ライダーたちは行方不明になり、その足取りは掴めていない。刺し違えたことが通説であるが、本当に何も痕跡が無いまま時が過ぎて現在に至る。
この降魔大戦を契機に極秘組織だった華撃団は世界中の人々に知られることになり、各国は躍起になって自国の華撃団と歌劇団を結成したのだ。……次なる脅威が襲いくる前に。
……そして、この石像は今の平和の礎となった英雄たちを讃えるためのモノ。
「此度の異常、10年前と似ている点があります。だから………」
「だからァ、何だっていうんだァ??」
「「!」」
突然、頭上からかけられた嘲笑うような声。視線を上げれば、街灯の上にフードの男…あの吊りあがった口許は見覚えがある! 確か、デイブレイクタウンにも現れた魔操機兵を操っていた……
「……お前は!?」
「お? 覚えているみたいだなぁ仮面らいだーぁ? この上級降魔・朧様をよぉ??」
上級降魔…! 戦慄を走らせるすみれ。そう、一見すれば人間だが纏う妖気は異形の存在…令和の世界でバルカンと戦っていた朧である。或人もその顔は覚えていた…
「俺がこの世界に来たのは、お前のせいか!」
「は? 知らねぇよ、んなこと。お前を連れてきたのは烈喰(レクス)の野郎だ…。ま、そんなことはどうでも良い…上司からのお達しでテメェを始末しろだとよ。
…ってなわけで、とっとと死ねや。魔幻空間…起動ッ!!」
奴が叫ぶと同時に、景色が歪む。太正の街並みは掻き消え、代わりに邪気で満たされた暗い水晶洞窟と毒物が沸き出る沼の地獄絵図にとって代わる。
『魔幻空間』……上級降魔が持つ結界の中にそれぞれの個体特有の邪悪な異空間を形成する能力。無論、ただの生身の人間が彷徨いていいものではない。
「……うっ!?」
特に、朧の毒と幻術の魔幻空間は危険…。或人はすぐに強い目眩と吐き気を覚えてふらついたところをすみれに支えられる。このままではまずいとゼロワンドライバーを装着し、キーを読み込ませるが……
【……シュン】
「! ……反応しない!?」
オーソライズすら発動しない…何故!?
「……まさか、ゼアがこの世界に無いからか!?」
ゼロワンのライダーシステムは正常に運用するためには、まずは衛星ゼアの存在が不可欠である。しかしだ…いくら飛電の恐るべき技術も並行世界は越えられない。そもそも、ライダモデルの転送どころかゼロワンドライバーの起動すら探知出来ないのだ。
…つまり、ゼロワンへの変身は不可能である。
「お? どうしたァ? お得意の変身はしないのかァ…なら、さっさとくたばりやがれ。」
「…! こちらへ!!」
異変を察知し、すぐさま或人の手を引いて走り出すすみれ。その背後を朧が召喚した魔操機兵たちがワラワラと後を追う…… 今、彼女たちは逃げることしかできなかった。
★★ ★★ ★★ ★★ ★★
「……!」
令和の世界にて異変を察知したせがた三四郎。今、彼は街中を激走する三式光武の頭にひっついている。コックピットにはさくらが乗っているがほぼ完全に修復された愛機を駆るも、その顔には大きな戸惑いがあった。
…それも、そのはず。今、後方からは凄まじい形相でバルカンとバルキリーが追跡してきているのだから。
「せ、せがたさん!? 本当に大丈夫なんですか!?」
「ああ、平気さ。君をちゃんと帝都へ返してあげられる。」
そういことじゃなくて!! と言いたかったが、ショットライザーの弾丸が三式光武の装甲をかすめていくため、余所見は出来ない。修復したとはいえ、当たりどころが悪ければ再び行動不能になってもおかしくはない。
そもそも、エイムズの許可が降りたし帝都へ帰れる目処が立ったという話なのにこれはどういうことか。
「止まれ、天宮さくら!! 止まらなければ実力を行使する!」
「もう行使してませんっ!?」
バルキリーの警告は別に間違いではない。本気を出せば、三式光武の無力化なんぞ造作も無い…それでも、威嚇射撃で本気で当てていないのはせがた三四郎が気になるからである。ヒューマギアがまさかとは思うが、彼女を言いくるめている可能性もある。普通はありえないが、もし滅亡迅雷の生き残りや降魔の仲間なら…
「せがた三四郎! 貴様は…」
「あ、ごめん…… 俺、ヒューマギアじゃないんだ!」
…は? せがた三四郎はそう答えるなりヒューマギアの証であるイヤータグを取り外す。そこには、しっかりと人間の耳が…… いやいや待て待て!? それなら、イズが気がつかないわけがない!
「しゃらくせぇ!! 力強くで止める!うおおおおおおおおおおおおおァァ!!!!!!!」
【 ショットライズ!! パンチングコング!! 】
何にせよ、話が通じないなら力強く。パンチングコングに変身し、無理矢理に三式光武にとりつくバルカン…マフラー部分を掴むなり地面で踏ん張り、強引なブレーキをかける。
同時に、ギリギリと桜色のボディが悲鳴をあげはじめ、さくらの脳裏に不破が自分の愛機に犯した大暴挙が過り青ざめた。
「や、やめてください不破さん!?!? また光武が壊れちゃう!?」
「なら、止まれってんだ!! おおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
バキッ …メリメリメリメリメリメリメリメリ(光武が壊れる音)
「嫌ぁぁぁぁぁぁあああああああ!? 本当にやめてぇぇぇええええええ!!!!!!?」
本当にヤバい音をたてはじめる愛機に悲鳴をあげるさくら。ぐらぐらと揺れても、バルカンの文字通りゴリラの握力が離さない… 再びスクラップになるのか光武…
…その時
「とうっ!!」
「!?」
ぐらぐらと揺れる車体を常任離れした動きで、バルカンにキックを叩き込むせがた三四郎。ヒューマギアでも至難であろう動きで、そのままバルカンに組み付き自分もろとも引き剥がしてアスファルトの地面に転がるも平然と立ち上がる。これには、さくらも慌て三式光武のブレーキを踏んだ。
「せがたさん!?」
「はやく行って! 光の柱の先…帝都にいるゼロワンにキーを届けるんだ!!」
「…でも!」
「はやく!!」
彼の身を案じるも、気迫に圧されて再び疾走していく桜色の機体。バルキリーが追おうとするが、せがた三四郎が許さんと立ちはだかる。人間でも全身骨折、ヒューマギアでも半壊はいくようなダメージを負ったはずなのにゆらりと構える彼に不気味さを覚えながらも、ショットライザーを突きつけた彼女。この男は一体、何者なのか…?
「貴様…! 滅亡迅雷…それとも、降魔か?」
「どっちも外れ。悪いけど、彼女を行かせてくれないかな? あの娘はこの世界にいるべきじゃない。それに、今はゼロワンに死なれたら君達も困るんじゃないか?」
「…なに?」
ゼロワンが死なれたら困る… つまり、飛電或人は生きていることを察しているような物言いは更に警戒心を跳ねあげさせた。復帰したバルカンと前後で挟むように囲むが、彼は尚も余裕の表情を崩さない。
「ここで俺と戦っても何の意味も無い。君達が戦うべき相手は…」
「うるせぇ!! お前を拘束するッ! 手を頭の後ろに当てて、膝をつけ!!」
迫るバルカン… しかし、『やれやれ…』と溜め息をつくなり腹に手を当てるせがた三四郎。
すると、風車のバックルが鈍く輝くベルトが現れた。
「仕方ないか。なら、見せてもらおうかな…令和の仮面ライダーの力を。」
すぅぅ…と息を吸うと、機械的な紅い涙腺が顔に浮かびあがり、バックルの風車がギュギュィィィィィン!!!と、激しく火花を散らして駆動しはじめる。そして、手を斜め上にあげるポーズをとると辺り一帯が黒い嵐に包まれバルカンとバルキリーは動きを封じられてしまう。
……同時に、彼は告げた。
「ライダー……変身ッ!!!」
あの『はじまりの伝説』の掛け声を…
「とうッ!!」
ジャンプすると、彼は竜巻に包まれ人間の肉の裏に潜む強化骨格を展開していきその姿を『飛蝗の異形なる戦士』へと変身させていった。ゼロワンより遥かに有機的な緑のマスクに紅いマフラー…白い2本ラインが走る黒い襟が立つコートは正義のヒーローとしては異質。力の由来は、令和由来の飛電やザイア技術ではない仮面ライダーとして原始的かつ原典にあたるショッカーの改造人間が起源。
そう、彼は始まりの 正 義 ・原 典 (オリジン)にして…
「俺は…本郷タケシ、仮面ライダー1号
…… 1 号 オ ル タ 」
…… 悪 ・ 反 転 (オルタナティブ)。
平成でもなく、昭和でもない異聞の歴史に現れた『悪の1号』。
乙女の行く道を追う者を阻むため、その伝説は令和の戦士たちへ立ちはだかる。
★★ ★★ ★★ ★★ ★★ ★★
「……はぁ!はぁ!」
すみれに引かれるまま、逃げてきた或人だったが魔幻空間は逃れるどころかどんどん洞窟の深溝へと入りこんでいくようで先は見えない。追う魔操機兵と朧はあえて、消耗させ疲弊する様を嗤っていた… 抗う術の無い獲物を手元で弄ぶような感覚なのだろう。
このままでは、どちらも生き延びれないのは明白。今度は逆に或人がすみれを引いて止めた。
「何をする気ですか!?」
「このままじゃ、やられます。ライザーをこっちに!」
戸惑う彼女からフォースライザーを受け取ると、それを装着する。同時に、全身に焼けるような激痛が走るが気にはしていられずライジングホッパーキーを起動…フォースライザーへと装填する。
【 Jump!! 】
「うぐっ!? ……ッッ…変身ッ!!!」
【 フォースライズ!! ライジングホッパー!! ……Break down!! 】
フォースライズによる強引なキーの解錠。同時に飛び出す黒い飛蝗のロストモデルは、小さい大群になりあり得ざるゼロワンの姿を組み立てていく…。ライジングホッパーの意匠は残しつつも、防護服のように黒が大半を占めるゴツい姿に六角形の複眼といった特徴は滅亡迅雷のライダーを思わせる。それは、失われた時間改変が起きた時に緊急措置として変身した時と同じ……
…… 仮 面 ラ イ ダ ー 0 0 1 (ゼロゼロワン)
再び異端の仮面は纏われた。
次 回 予 告
神山「君臨する悪の1号。苦戦する001、そこに現れたのは上海華撃団ともうひとりの『飛蝗の仮面ライダー』。それでも、明けぬ窮地に新たな輝きを携え、さくらが令和の世界から帰還する! 次回【 太 正 の 輝 き 】!!」
さくら「太正浪漫を駆け抜けろ、令和の風…ッ! !!
……あれは…白い光武…?」
★仮面ライダー1号オルタ
必殺技/ライダーキック・オルタナティブ
昭和でも平成でもないifの歴史からやってきた仮面ライダー1号の『悪の可能性』。その姿はオリジナルよりかはTHE/FIRSTの1号ライダーに近く、アニメ版スカルマンのような黒いコートを着ている。
戦いのスタイルは、技の1号としての逸話に違わず素手をベースに状況に応じた柔軟な戦い方を得意とする。彼の使う技は特集な『汚染』能力を持ち、相手に改造人間の特性を付与することも可能。他にも様々な能力を隠し持つ。
神崎すみれが知るかつての花組と戦った1号ライダー…本編猛は彼なのだろうか。
変身者:本郷タケシ(せがた三四郎) …(イメージCV.木村良平)
ヒューマギア、せがた三四郎に化けていた謎の改造人間の青年。演、藤岡弘、氏ではないifの歴史の1号ライダー。別名、『悪の1号』。作者の別連載の小説『Fate/Ground order vs ALL RIDER』の敵キャラクター・キーパーソンであり、小説本編後のあるエンドを辿った彼。人間の姿は黒髪の優しげな青年の姿。
ある理不尽な理由により、改造人間から仮面ライダーになった彼は1号として自らの物語に一時は背を向けたが時を経て、再び向き合い一種の答を得た。
何らかの目的があって、令和と太正が交錯する世界へ現れたようだが…?
尚、本人はせがた三四郎という役割に、実は戸惑いを覚えている。