仮面ライダー01<ゼロワン> × 新サクラ大戦 ー新たなるはじまりー 作:ジュンチェ
あと、この小説はお仕事勝負直前の時系列のパラレルでいきたいと思います。ゼロワンの本編とリンクして進めるのが流石に無理があった。
1000%おじさん、多分出番が無い。
メタルクラスタは意外な形であるかもしれない。
感想お待ちしてます。
…仮面ライダー001
言ってしまえば、滅亡迅雷の技術で産まれたゼロワン…のように見えるが、実際はドライバーの試作品であるフォースライザーによる変身なので、ある意味プロトタイプと言えなくもない。(滅亡迅雷.netが扱っているものはあくまでヒューマギアで扱うことに特化したもので別物らしい。)
利点としては、衛星ゼアのバックアップ無しでもライジングホッパーの力を十分に扱えることで今回のように通信が出来ない環境下でも戦えるということ。
が、逆を言えば衛生ゼアのバックアップを受けられないということ。また、ゼロワンの他プログライズキーや武装を用いた柔軟な戦い方が出来なくなる上に、試作品を強引に使う反動でダメージが或人へフィードバックするデメリットもかなり大きい。
(※そして、このフォースライザーは我が魔王が提供したものです。)
「…はあっ!」
【 ラ イ ジ ン グ ・ デ ィ ス ト ピ ア ! ! 】
しかし、今はやるしかない…戦えるのは自分だけ。
迫りくる魔操機兵に跳びかかり、拳を撃ちつける。それから、凄まじい速さで翻弄しながら次々してキックなどで粉砕していく。稲妻のような勢いはそこらの雑魚では対応は出来ない…しかし、倒される彼等とて降魔の端くれである。故に、倒しきるにはより出力が必要でより001の消耗と負担を加速させるのだ。
ハッキリ言えば、焼石に水。自傷ダメージ込みで抗うのもままならないこちらに対し、質でも数でも負ける。まだこちらが潰れないのは敵が舐めプしてるからであるのは解っている。
「ほ~ら、頑張れ頑張れ。はははははァ!!」
自分の懐に飛び込まれてしまうなど露とも思っていないこの油断こそ唯一にして最大の付け入る隙。001は魔操機兵が朧との直線上に入るのとタイミングをあわせてフォースライザーの引き金を引く。
【 ラ イ ジ ン グ ・ ユ ー ト ピ ア ! ! 】
「はああっ!!」
地を蹴り砕き、プラズマを纏うライダーキックが放たれ魔操機兵が粉砕された。ライジングホッパーのベースである『サバクトビバッタ』は人間スケールにした場合、ビル10階は跳躍で超えられるらしい…その脚力と雷のエネルギーを集中させた必殺技は爆発を貫き、先にふんぞり返る朧へ牙を剥く! 敵の指揮官を的確に狙い、一撃は朧の胸を抉って……
「ざーんねーん。」
「!?」
しまうことはなく、どろりと彼の姿は蕩けてライジング・ユートピアはすり抜ける。嘲笑う顔を横目に、001を待っていたのは巨大な機械の手… 一撃を野球のグローブのように簡単に受け止めると異形の掌は獲物を掴んだまま握られる…。グシャ!!グシャ!! バキッ…!!と執拗に、念入りに力を込められ拳の中で潰される音とつんざくような或人の悲鳴。 見えないが、起きている惨劇にすみれは恐怖を覚えた。
やがて、開いた掌から出てきたのはくちゃくちゃになった001…火花を散らして、身体のあちこちには血が洩れる亀裂に四肢があらぬ方向へ向いている。…ちり紙でも捨てられるように地面に落ちた戦士だったものは、同時に血まみれのボロ雑巾になった或人へと変わる。
「……ぁ……ぁ…」
「あーあ、情けないねぇ? これが、令和の1号ライダーか……。拍子抜けも良いところだ。」
目や鼻、口…至るところから出血し、顔が腫れ上がる或人を更に、執拗に踏みつける朧。嘲笑いながら、肉体だけではなく精神すら侮辱する様は卑劣を通り越した下劣。これには、戦えないため離れていたすみれも我慢の限界だった。
「その方から離れなさい!!」
「あァァ…?」
視線は彼女に向いた…。しかし、彼は強くガッと或人を踏みつけると更に裂けそうにまで口許を吊り上げる。
「ほしけりゃ、奪ってみな?」
「…ッ!」
すみれに今、戦う力も術もない。返す言葉もない…… それらを見越した上での朧の挑発。更に、残忍な口は続ける。
「ま、無理だよなぁ? えぇ? お前は無力…10年前と同じで、仲間を見殺しにするしかできねぇのさ。お前は、あの時から何も変わっちゃいなぁ~い!! あーはははははははははははは!!!!!!! ひゃははははは!!!!!」
「…!」
………… 今 、 笑 っ た な ?
「…ぎゃははははは…は?」
唐突な第三者の声。朧は笑うのを止め、辺りを見回す… 馬鹿な、今この場にいる奴以外としたらせいぜい巻き込んだ一般人くらいなものだが。自分の毒で充たされた魔幻空間を自由に動ける者など早々…
「……俺も笑ってもらおうか?」
「ハッ!? 誰だ!」
後方。洞窟の闇から歩いてくる人影。茶髪のスラッとした男…黒の服装にチェーンと世紀末風な異様なやさぐれさを醸し出す。太正の文化にもそぐわない出で立ちはすみれさえもどうリアクションして良いかわからない。……敵なのか味方なのか? 取り敢えず、朧は彼を把握していなかったようだが。
すると、ひっさげていた紙袋から卵を取り出す。
「お前のせいで、買い出しした食材が台無しだ。どうしてくれる。」
そのまま、卵をなげつける男。朧は片手で防ぐが、衝撃で割れた卵の中身が袖にべっちょりついた上に靴に変色した卵黄が破れてかかる。恐らく、朧の魔幻空間の影響で腐敗してしまったのだろうか。
そんなことはどうでも良い。弱いもの苛めで最高の気分に浸っていたのを一瞬で台無しにされた朧は一転して脳天まで沸騰した怒りに。吊り上がりきっていた口許は今度はぐにゃりと歪む。
「テメェ、これから良いところだったのによぉ… 邪魔しやがってぇ。許さねぇ…絶対にぃぃ 許さねえええええ!!!!!! 八つ裂きにしてやるよぉ!!!」
「…」
上級降魔の怒りをかう…ただの人間なら死を免れない展開を尚も静かに見据えていた男。この時、すみれは気がついた…彼が『見慣れない異様な銀のベルト』をしていることに。
朧が怒り狂い、001を握り潰した手を召喚してる最中…男の手元へ何処からともなく現れた掌に乗るくらいの飛蝗のモジュール『キックホッパーゼクター』が現れ跳び乗った。
「変身。」
【 HENSHIN 】
男はベルトのバックル部分の台座に、キックホッパーゼクターを接続。呼応して、彼の姿は緑色のヒヒイロカネの鋭い装甲の鎧に包まれる。ゼロワンと同じ飛蝗がモチーフであれど、システムは完全の別物。かつて、別の世界で地獄兄弟と呼ばれたその兄貴分…
【 CHANGE KICK HOPPER 】
仮面ライダーキックホッパー……変身者、矢車 想。仮面ライダーカブトと幾度となく戦い、絶望の果てに自らの美学すら否定して、地獄の底辺まで堕ちた戦士。所為、ダークライダーである。
変身シークエンスが完了すると素早く、走り出すキックホッパーは迫る異形の掌を抜け朧を肉薄し一言。
「邪魔だ。」
有無を言わせず蹴りとばし、或人を回収。その勢いのまますみれの元に送り届けた。
「……あなたは?」
「上海華撃団の…仮面ライダーだ。……一応な。」
上海華撃団…衰退著しい帝国華撃団に代わって帝都を守る華撃団なのは無論、すみれは知っているが彼の口振りからすればまるで所属しているかのような様子。噂では聞いていたが、本当に華撃団に属する仮面ライダーを見るのは彼女もはじめてだった。全くをもって、中華要素皆無だが気にしてはいけない。
「上海の仮面ライダーだぁ?? ふざけやがって!」
一方、攻撃を外し玩具までとられた朧は魔操機兵をけしかける。なに別に、何処の仮面ライダーだろうが虫けらが1匹増えたからなんだ?ここは自分の魔幻空間で質も量も自由自在、物量と幻でかかればこんなやつ……
「「とうっ!!」」
「ぎっ!?」
しかし、交錯する2つの機影が魔操機兵たちを一瞬で蹴散らせられ爆発に目がくらむ。魔を討ち祓ったのは霊子甲冑の発展型の『霊子戦闘機』であり、刺々しい龍の意匠を施された機体の名は『王龍』……即ち
「「上海華撃団…参上ッ!!!」」
帝都を護る『上海の龍』…上海華撃団が邪悪を討つためここに見参したのであった。
★仮面ライダーキックホッパー
変身者/矢車 想
仮面ライダーカブトに登場する地獄兄弟の兄貴のほう。メンタルが弱い。相変わらず、行動がおかしい…今、俺を笑ったな?
ジオウのテレビ時系列、カブト編に出てきた彼と同一人物。戦闘能力は健在。弟(偽物)にコケにされた挙げ句、失意の中でさ迷っていたところを我が魔王に、『暇なら世界救ってよ!』と問答無用に太正の世界に連れてこられた。紆余曲折あって上海華撃団に拾われてヒモになる。
ジオウでは描かれていないが、料理の腕は確かで上海華撃団の秘密基地の料理亭で知る人ぞ知る『地獄の裏メニュー』を作っているらしい。滅茶苦茶辛いけど、クセになりやめられないとの噂。