仮面ライダー01<ゼロワン> × 新サクラ大戦 ー新たなるはじまりー 作:ジュンチェ
ああ、身体が勝手に!?(更新です)
感想お待ちしてます。
…その技は猛る竜が如く
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
シャオロン駆る王龍の拳、蹴りの流れるような連撃は流れるようでありながら凄まじい。簡単に魔操機兵の群れを平らげ、積み上がる残骸は瘴気となりドドドドド!!!!!と爆発を起こす。
上海の龍の銘を背負い、その上海華撃団隊長の名に恥じぬ戦いぶりだ。
「ライダージャンプ…!」
【 RIDER JUMP 】
一方のキックホッパー…こちらも遅れることはない。襲いかかる魔操機兵をライダージャンプでかわし頭上から一瞥…そのまま、紫電走る脚で獲物を蹴りつける。
「ライダーキック!」
【 RIDER KICK 】
穿たれる魔の装甲…それで、終わりではない。右足のグリップが伸縮し再び跳躍し別の魔操機兵へ再びライダーキック。更にこれを何度も行い周囲を一瞬で全滅させてみせた。霊力が無いとはいえ、歴戦の仮面ライダーである彼の実力はライダーシステムの性能差で一概に断定出来ない強さを持つ。
このふたりなら降魔なんぞ…と思うかもしれないが、実は戦況は芳しくない。
「ほ~ら、こっちだ! 鬼さんこちら、手の鳴るほうへ!!ぎゃはははははは!!!!!」
「「…」」
荒吐…肝心の朧にろくに攻撃が出来ていない点だ。別に力負けなどはしていない…ただ、攻撃がろくに通らないのだ。さっきから、王龍が仕掛けるも幻で惑わされて外し、キックホッパーの攻撃は攻撃の威力が下方するため当たったとしても大したダメージにならない。加え、厄介この上ないのだが王龍でもキックホッパーの土俵でもない高度をふわふわと浮遊していることに加え、魔操機兵や他の降魔を次々と呼び出すわ、自分は幻影や荒吐のビットによる遠距離攻撃をチクチクやってくることだ。
これを長めに続けられてきたシャオロンは流石に苛立ちを覚えずにはいられない。
「おい、テメェ!! ちったぁ、正々堂々と勝負しやがれ!」
「はァ? 何言っちゃってんだお前ェ?? 上級降魔の俺様が…人間みてぇなムシケラと誰がまともにやりあうかよ? 悔しかったら、一発くらいまともに殴ってみろよ…上海の蜥蜴だっけか? ケケケケケケッ!!!!!」
「この野郎ッ!」
朧の在り方は基本的に自分より弱い者をいたぶり、蹂躙し、貶めること…これは彼の戦い方においても変わらない。しっかり、自分がマウントをとりながらジワジワと追い詰める…小物臭いが実に厄介すぎる。
「ほぉ~ら、頑張れ頑張れ………… 」
【 バ ス タ ー ・ ダ ス ト 】
「ぐえッ!!?」
唐突なカットイン砲撃が荒吐を襲う!コアユニットの顔面に強烈な一発が入ったため上級降魔の朧でも呻くような衝撃で機体が揺れた。馬鹿な、目の前のムシケラたちは飛び道具など無いはずなのに…!?
「誰だ!?」
「…俺だ!!」
そして、続けざまにキックをもらう。直後、痛む顔面を押さえる手の狭間からの視界が映したのはゼロワン……しかし、さっき潰した間に合わせの姿ではない違う姿。霊子甲冑や霊子戦闘機を併せたようなデザインにスッと立つ自信に満ちた様子は先の焦りは露ほども…否、皆無である。
「お前ェ…さっきの…! なんだ、その格好は…」
「よくわかんないけど、新しい力だ! これでお前を倒すぞ、朧!!」
「ハッ!!…やれるもんならやってみなァ!!」
上等だ…!一気に、荒吐のビットがレーザーを放ちゼロワンを狙う。 これをゼロワンは前方に踏み出し加速をかけると、踵の車輪で滑るように移動する。ローラースケートのような動きで右へ左ほ、文字通りに死線を掻い潜り荒吐へ迫っていく。
「ふっ! はっ! よっと!!」
「何!? コイツ、さっきまで死にかけだったじゃねえか!? クソッ、クソッ!!!」
「相手を見下すから、見落とすんだ…!! 当然だろ!」
「黙れ!! 荒吐ィィ!!!」
あと一歩で届くところで荒吐は分身。同じ荒吐が無数に空間に現れてゼロワンを囲む……全てが本物ではないだろうがこの手の幻影はシャオロンやキックホッパーも手を焼いている。
しかし、ゼロワンには彼等には無い『力』があるのだ。
「…演算!! そこっ!」
シャイニングホッパー由来の演算能力…加え、太正の技術である蒸気機関や擬似的に霊子甲冑などのコアである霊子結晶再現して装着したユナイトドライブコアが連動して朧の位置を割り出し分身の一体を示すと同時にドライバーのスチームシャイニングホッパーキーを押し込む!!
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
【 シ ャ イ ニ ン グ ・ ブ ロ ッ サ ム イ ン パ ク ト ! !】
腰を素早く落としてから一気に跳躍し、桜色の衝撃波を出しながら唸りをあげるライダーキックを荒吐のコアユニットへ一撃。荒吐も咄嗟に防御の姿勢をとったが、ビットごと粉砕され抉られ朧は悲鳴をあげた!
「ぎゃああああああぁぁぁぁぁああああああ!?!? 俺が、この俺がッ 人間なんかにぃぃぃぃぃ!?!?」
致命的なダメージにぐらつく荒吐。幻影も解け、ふらふらと墜落する機体…もう限界だろう。
「ゼロワン、テメェの顔は覚えたからなァ!! 次は粉々に磨り潰して……!」
「じゃあ、俺たちの顔も覚えとけ!!」
「ッ!?」
逃げようとした朧だが、だめ押しと今までやられた借りを返さんとばかりに王龍とキックホッパーのライダーキックが迫っていた。完全に駆動系が麻痺した荒吐…勿論、かわせる術などあるはずもなく……
「嫌だ……死にたくな…………」
正義の鉄槌に貫かれ、大爆発を起こすのであった。
★★ ★★ ★★ ★★
荒吐の撃破に呼応してか、魔幻空間はガラスが割れるように崩壊して元の帝都の風景が帰ってくる。残りの降魔ももういないだと、ゼロワンはドライバーからキーを抜き取ると変身解除…外れたパーツが再構成され元の光武が復元され、地に降り立つ。自分も予想外だったが、さくらを驚かせてしまっただろう…あとで謝るのと……
「ありがとうな…」
膝をつく光武に手を伸ばし、そっと撫でる。取り敢えず、コイツがいなければ自分は助からなかっただろう…ヒューマギアみたいに意思があるかはわからないが、お礼を言っておこ……
「私の光武ぅぅぅぅ!!!!!!!!!!」
ドゴッ(或人が弾きとばされる音)
「ぐえッ!!?」
メリッ(骨折が再発する音)
「ぎゃああっ!?」
しかし、突然に後ろから飛んできた何かに或人は弾きとばされ地面に投げ出された。すると、今まで忘れていたケガの痛みが一気に襲いかかり、悶絶するも弾きとした張本人である天宮さくらは泣きじゃくりながら自分の愛機に抱きついて頬擦りしている…。
「良かった! 私の光武ぅ!!」
「いや、あの…こっちは大丈夫じゃないんだけどなぁ…。…うっ」
「へ? …あっ」
あっ…って、今気がついたのか。
「どうやら、皆さん無事のようですね。」
「すみれ支配人!」
だから、無事じゃない。シャイニングスチームホッパー…感覚的なものだが、降魔への攻撃弱体化や特殊能力の無効果や蓄積したダメージの緩和などがあるようだ。まあ、後者に関してはさくらのせいで台無しになったが…
王龍に乗る上海華撃団と変身解除した矢車に引率される形で合流したすみれに取り敢えずは安心。あとはこの悶絶するほど酷い痛みをなんとかすれば良い。
「さくらさん、改めて無事でしたのね。本当によかった…」
「はい。天宮さくら、戻りました。説明は今この場では……それに、ご迷惑と心配をおかけして申し訳……」
「いいえ、本当に……よかった…」
もしもーし…? ここで、頑張った怪我人放置はひどくない?
と、ここで気がついた矢車が或人を助け起こす……
……のではなく、その前に這いつくばって
「良いよなぁ? こうやって地べたに這いつくばって空を見上げるのは…」
「……はい?」
地面に頬擦りして不気味な笑顔。或人もドン引き、ユイもコックピットの中でドン引きして顔をひきつらせている。そんな中、『弟にならないか?』と勧誘してきたので結構ですと断りを入れておいた。
「そうだ、はやく帝劇に戻らないと…! それに、社長さんの手当ても!!」
何はともあれ、一段落。僅かな間とはいえ、離れていた仲間たちに顔を見せねばとさくら。サラッと或人の扱いがついでなのは指摘しないでおこう…。安否確認や報告のもろもろと色々あるが今は家である帝劇にいち早く戻りたい。
…そんな時だった。シャオロンが入ってきた通信に顔色を変えたのは
「こちら、上海華撃団のシャオロン……… 何ッ!? 帝劇が!?」
風向きは再び不吉な方向に舵をきった。
★★ ★★ ★★ ★★
「ぐあっ!!」
グシャッと地面に叩きつけられ、鋭い爪をたてられる深紅の機体。初穂が操縦する光武の装甲は切り裂かれ、かかる圧力に計器はけたたましい警告を鳴らして、コックピット中から火花が散る。このままいけば、パイロットの初穂ごと握りつぶされるアルミ缶みたいになるのは時間の問題だと誰もがわかる。無論、反抗こそはしようとするが『敵』の力が文字通りの桁違い過ぎた。
クラリスも初穂を助けるべく光武を動かそうとしまが、光武をも凌駕する異形の巨体に対峙するだけで全身に走る恐怖のほうが勝り動けなくなっていた…。
「Oh, den Däiwel…(あ、悪魔……)」
金の角に紅い眼…昆虫のような紅い血濡れたような紅いボディと嘲笑うような銀の口元まさしく蟲の悪魔。肌で感じるそこらの降魔と異質かつ異常な存在感はこの太正の世界に由来するものではない。平成のある時代、『平成の1号』と呼ばれた英雄の力を歪め産まれた怪物……その名を『アナザークウガ』。アナザーゼロワンと同じ、仮面ライダーの歪んだ虚像の類いかつアナザーライダーの中でも群を抜く体躯と火力を持つ。
そんな、アナザークウガを操るのはアナザーゼロワン シャイニングアサルトホッパーである。
『ねえ、さっさと『帝鍵』だがなんだが知らないけど、渡してくれないかしら? 大人しく差し出すなら、このくたびれた劇場は吹き飛ばさないであげるとさっきから言ってるのだけど…?』
「知らねえって、言ってるだろがッ!! ここにそんな物は…うわああああああああ!?」
『貴女に答は求めていないわ。』
初穂の光武を今にも踏み潰さんとばかりに、アナザークウガはおさえつける力をあげる。メリメリと徐々に本来の輪郭を崩していく…助けなくてはいけないのにクラリスの足はすくんでしまう。まるで、怯える子鹿のような有り様にアナザーゼロワンは嘲笑を向けた。
『全く、仲間の危機でさえこの体たらく…噂には聞いていたけど、堕ちぶれたものね…帝国華撃団? 見るべきものもなさそうだし、それだけ大層なものなら簡単に壊れやしないでしょう。』
オーソライズバスターをガンモードにし、ドードゼツメライズキーを装填…クラリスの光武を直線上に銃口を向ける。アナザークウガも角に荒ぶる電撃を走られ、狙いを定めていた。このふたつが直撃すればいくら霊子甲冑だろうとひとたまりもない。
【クラリス、もう良い! はやく逃げろ!!】
「駄目です、私が逃げたら帝劇が……!」
神山が通信で逃げるように叫ぶが、彼女は従わずにせめてと自身の愛機の武装である本型のデバイスを起動して全面に向ける…… 自分を犠牲にして盾になるつもりなのだ。
「落ちこぼれだって、弱くたって、私には華撃団の団員として意地があります…! 盾くらいには……」
『なると良いわねぇ。』
そして、アナザーゼロワンはトリガーを引き、赤黒い光球が牙を剥く。続いてアナザークウガの雷撃が大蛇ののように地を這い、迫る!
魔法陣を盾に展開して、踏ん張るクラリスだが光武がもたないのは明白……
…………数秒後、程なくして彼女とその愛機は閃光の彼方へと見えなくなった。
いよいよ、新サクラ大戦アニメも近くなってきたこの頃。ゼロワンも迅の帰還に、お仕事勝負も次でラスト。楽しみが多いですね。
次回、クラリスの運命は如何に!?