仮面ライダー01<ゼロワン> × 新サクラ大戦 ー新たなるはじまりー   作:ジュンチェ

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カミンスキーの温度差に戦慄を覚えるアニメ。

頼むから、お姉ちゃんのほうも救ってあげてぇ!



そういえば、アニメ時空の桜武ってどこいったんじゃろ。光武より桜武のほうがいいのでは…


夢見た幸せ/手離す夢 Ⅳ

「神山隊長、私とデートしてください!」

 

「へ?」

 

「「「「「!?」」」」」

 

『…?』

 

 

突然のクラリスによる爆弾投下。現場は帝劇音楽室のアナスタシアによるレッスンの最中を神山が訪問した瞬間、唐突に行われた。姿勢の制御の鍛練をしていた中で、呆気をとられた初穂が足をとめてあざみが追突。一番酷い有り様だったのは足運びをミスったさくらで、驚いた拍子に変な方向に足が向いてグキッと捻挫…『ヴェアアアアアアア!?』とおおよそ人のそれとは思えない叫び声をあげ、アナスタシアは耳を塞ぐ。(尚、この叫び声に見学に来ていた或人は失神し、イズも謎のシステムダウンを起こすという二次災害

 

 

…取り敢えず、この凶行(?)に及んだ理由を問わねばならない。

 

 

「あの…クラリス、話が突然過ぎて見えないんだけど?」

 

「創作活動には協力するって言いましたよね? それに、私を支配人に脚本へ推したのは貴方ですからちゃんと責任をとって下さい!」

 

「え、いや、でも…レッスンは良いのか?」

 

脚本製作の協力とはいえ、今はレッスン中。激痛に転げまわるさくら等々、混沌な有り様だが… アナスタシアの様子を窺うと…

 

 

「ああ、キャプテン…別に構わないわよ。どうもレッスンにいまいち集中出来てない様子だったし、脚本もそろそろ完成を急がないといけないとは感じていたの。それに、私も頭が痛い…」

 

 

おいおい、クラリスよりバインドボイスのほうが被害甚大じゃねえか。

それは、さておき指導にまわっていたアナスタシア(軽傷)の許しも降りたのは良いが、いくら創作活動の一環とはいえデートってどうなのだろう。いくらなんでも仕事中にと考える神山…

 

 

「あの…私じゃ嫌ですか?」

 

 

しかし、うるうるした瞳で見上げられたら世の男はひとたまりもない。ここまでの真摯な少女の願い…無下には出来ない。

 

 

「わかった、協力するよ。準備をするから少し待っててくれるかな?」

 

「! ありがとうございます!」

 

 

笑顔で承諾する神山。その傍らで悶えていたさくらが『なんですとっ!?』と跳ねあがった拍子に助け起こそうとした初穂に頭をぶつけあって更に被害が拡大。…これ大丈夫かと気になるが、あざみがこの場は自分がなんとかするとジェスチャー…こんな時は最年少でありながら頼りになる彼女である。

 

 

「おい、今なんかこの世のものとは思えない叫び声が聞こえたんだが……って、社長!? どうしたんだ!?」

 

 

そんなふたりと入れ替わりで入ってきた不破。失神している社長とイズを発見して仰天してゆさぶりにかかる。誰だ、降魔か?マギアか? 焦る彼にアナスタシアが声をかける。

 

 

「大丈夫よ、ちょっとした事故があっただけ。医務室に連れていくから、手伝ってちょうだい。初穂、あざみ、さくらのことは任せるわ。」

 

 

或人を不破と一緒抱き起こし、肩に腕をまわす…。イズはヒューマギアなので黙っていてもそのうち再起動するだろう。

 

 

「いや、こっちは俺ひとりで大丈夫だ。稽古の続きをしててくれ。」

 

「あら、そう? なら、任せるわ…。」

 

しかし、不破の気遣いでアナスタシアは残ることに。こうして、或人もいなくなった音楽室……そんな中、彼女は誰にも見えないように自分のポケットに『何か』を滑りこませる。それは、抱き上げる時にこっそり或人の懐から抜き取ったもの…

 

(さてと……)

 

 

ライジングホッパー・プログライズキー……ゼロワンの象徴を彼女は手にいれたのであった。

 

 

その真意は本人以外、誰も知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★★ ★★ ★★ ★★ ★★

 

 

 

 

「それじゃ、クラリス…今日はよろしくな。」

 

「はい、こちらこそ。よろしくお願いしますね

神山隊長。」

 

 

帝劇前…… 神山とクラリスは合流し、デートがはじまる。笑顔を交わしながら歩くふたりは本当に恋人同士のように軽やかな足取りで人通りを歩いていく。道行く人はまさかこれが恋人ごっこなどと露とも思わず、その仲むつましい空気にほっこりと胸を暖めたり、羨望の眼差しを向けていたり……

 

 

「ぐぬぬ……」

 

 

帝劇の柱の影に隠れている少女から、嫉妬の目線を向けられたり……

 

 

(私だって、まだ誠兄さんとデートしたことないのにぃぃ…!)

 

 

天宮さくら、純情な乙女の内心は穏やかではない。まさか、仲間に先を越されるなんて夢にも思わなかったのである…まさか、あくまで仕事の一環というアクロバティックな手法で突いてくるとは侮れない。まあ、今のクラリスにそんなつもりなど毛頭にないのだが……

 

 

「……お前、何してんの?」

 

「(;0言0)<ヴェアアアアアアアアアァァァァ!?!?」

 

その時、不意に後ろからかけられる声。驚きのあまり、再び怪音波が発したさくらに声をかけた人物は咄嗟に耳を塞いで事なきを得る。

 

 

「うるせぇ!?お前、その声どっから出るんだよ!」

 

「あ……星児…さん……。」

 

「おう…。露骨に嫌そうだな。」

 

 

で、声をかけたのは丁度、箒を片手に掃除にあたっていた星児。そりゃあ、視界に明らかに不審者ムーブしてる見覚えがある顔があれば声をかけざらえない。

一方のさくらはかなり渋い顔をしていた…。出逢いから何から今に至るまで、好印象にあたるようなことなど何一つないので当たり前といえばその通りだ。初穂から悪い奴ではないとフォローは入れられているものの、好感度マイナスはそう易々と覆らない。

 

 

「何か御用ですか…?」

 

「いや、お前はなにしてんだよ。コソコソしてないで、気になるなら神山についていけば良いじゃねえか?」

 

「そ、そういう問題じゃなくてですね! これはクラリスの脚本づくりに必要なことで…!」

 

取り敢えず、さくらは一通りの経緯を説明…そして、自分は神山が勢いあまって粗相しないように監視(大嘘)をしているのだと主張。あのリアクションをしておいて騙そうとか無理なのでは…と思う星児だったが、あえて触れないことにした。それよりも…

 

 

(あのクラリッサがな……)

 

 

書類では内向きかつあまり社交的ではなく、実際に話してみてもコミュニケーションに難ありという印象だったが、今回のように行動をするとは…。ふむ、ちょっと気になってきた。

 

 

「んじゃ、後を追ってみるか。」

 

「へ!? じゃあ、掃除は……」

 

「んなもん、後だ。気になるんだろ…?」

 

 

掃除なんて二の次だ。箒を放り出し、星児はさくらと一緒にデートの後をつけてみることに…。さくらは一瞬、躊躇いを感じたものの成り行きに逆らえなかったため、渋めな顔をしながらも行動を共にすることにした。

 

 

 

……それから、数分経った後

 

 

(さて…私も動こうかしら。)

 

 

ふらりと現れたアナスタシア…。ライジングホッパー・キーを片手で弄びながら、一行が向かっていった先を窺っていた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★★ ★★ ★★ ★★ ★★

 

 

 

 

 

 

帝都 路面電車停留所

 

 

既に令和の世界では大半が姿を消した路面電車の需要は尚も顕在であり、人々の往来を支える光景は帝都の活気を象徴する景色のひとつ。人が集まりやすいこの場所は和菓子店『みかづき』をはじめとした様々な店舗がところ狭しと軒並みを揃えている。

 

神山とクラリスの第1デートはここだった。理由は簡単、お目当ては一角にある書店である。クラリスは本が好きなので、安直ながらここが相応しいと神山の判断だった……まあ、彼女は既にここの常連だったのだが。

 

 

「……そりゃあ、そうだよなぁ。本好きのクラリスなら帝都中の本屋を網羅してたって不思議じゃないし。」

 

「うふふ。でも、こうやって誰かと一緒なのって行き付けのお店でもなんだか新鮮です。」

 

 

ミスチョイスと嘆く声をフォローするクラリス…いや、笑顔から素直な気持ちなのかもしれない。普段、あまり笑うところを見かけることはないことから本心で楽しんでいるのだろう。

一安心…と胸を撫でおろしながら、神山は自分の目当ての本を捜す。帝劇の霊子戦闘機格納庫で今も汗水流して働いているであろう『悪友』の御所望の品…裏方なれど自分たち花組の活動をしっかりとこなす彼を少しでも労うためぎっしりと本が並ぶ本棚を端から順に視線を流していく。

 

 

(ええっと、『月刊・新蒸気』…… ……これか、今月号。…それと、さくらたちにも何か買っていくか。気晴らしに丁度良い漫画とかは…)

 

 

雑誌コーナーに目的の1冊を見つけると、ついでに他の花組などの息抜き用に何冊の本を手に取る……。すると、クラリスが背伸びして手を伸ばしているのに気がついた…どうやら、上にある本が取れないようだ。

 

 

「う~ん、う~ん… あと少し……」

 

「これかい?」

 

「あ…」

 

 

代わりに手を伸ばし、目的の1冊を手にとってあげる神山…その際、クラリスと密着するかたちになってしまい彼女から小さく声が洩れた。もしかして嫌だったのか?

 

 

「あ、ごめん。」

 

「い、いえ…! 違うんです。恋人みたいな距離感だなって。ちょっと胸がドキドキしてます…。」

 

 

嫌なわけではないらしい…顔を赤らめてむしろ、まんざらでもない様子。というより、そんなこと言われたらこっちのほうが、ドキドキしてしまうのだが…!自身の脈拍も上がるのを自覚しながらもなんとか自制心を保ち、目当ての本たちを纏めてお会計。それから書店を後にし、次のデートスポットを目指す…

 

 

無論、そのあとをついてまわる人影もあり……

 

 

「すっげぇ、あんな動きを息を吐くように出来るとかマジもんの天然タラシじゃねえか。」

 

「…せ、誠兄さん……!」

 

 

感嘆する者(星児)と嫉妬心を燃やす者(さくら)…。物陰からこっそりと恋人ごっこの様子を窺っている様子は道行く人々から奇妙なものを見る視線を送られるが本人たちも追跡対象も気がついていない。

 

そんなふたりへ背後から近づく影……

 

 

「貴方たちここで何をしているのかしら?」

 

「「!?」」

 

 

鋭いナイフを首もとにあてがわれたような声の主はアナスタシアだった…あとどういうわけか不破も一緒である。唐突な登場にさくらは腰を抜かし、星児は一気に警戒姿勢へと身構える。

対し、当のアナスタシアは余裕そうに笑みを浮かべていた。

 

 

「あ、アナスタシアさん…!?こ、これは……」

 

「落ち着いて。キャプテンとクラリスのデートが気になってついてきたんでしょ。全く、残された初穂がカンカンだったわよ。」

 

 

あ… 神山とクラリスも居ない上に、あざみも普段は行方知れずなので必然的に残る初穂に掃除をはじめとした初穂に雑務が全て圧しかかってくる。しかも、星児とさくらは完全に業務放棄しているので帰ったらお冠の彼女が仁王立ちして待っているのが目に浮かぶ…

 

アナスタシアはって? 世界のトップスタァは雑務なんてしない(迫真)

 

 

「機嫌をとりたいなら、甘味のひとつでも買ってあげたらどうかしら?」

 

「は、はい……」

 

 

初穂の怒りは流石に怖いので、焼石に水かもしれないがご機嫌とりの甘味を買いに和菓子店『みかづき』にとぼとぼと歩いていくさくら。そして、残された星児は尚もアナスタシアを強く睨みつけていた…

 

 

「あら? そんな親の仇を見るような眼はやめてもらえるかしら。貴方にそんな眼を向けられる理由は無いわ。」

 

「理由ならあるぜ。お前の後ろに誰がついてるか…そして、お前のもうひとつの通り名『華撃団クラッシャー』。これで、充分過ぎるだろ?」

 

「…!」

 

 

一瞬、アナスタシアの顔が微かに険しくなったのを不破は確認した…。明らかに星児の言った後者に反応しているようだが、つい先日になって太正世界に来た不破ではその意味を知る由は無い。しかし、公衆の面前でよりにもよってこの組み合わせの空気の悪さが通りすがりの人々の目に留まるのはよくないのは確か。

 

 

「おいよせ、ここで喧嘩する気か? もう少し周りを見ろ!」

 

 

間一髪、炸裂前に割って入り事なきを得たように見えたが…すると、アナスタシアはフッと笑い星児を見据えた…。

 

 

「なんとでも言えば良いわ。私は私の仕事をするだけ…私がいなくなっただけであっという間に潰れる華撃団なんて、所詮はその程度ということよ。」

 

「なんだとっ!?」

 

 

今度は彼女が煽る側へとまわり、星児が詰め寄ってくる……その瞬間、彼のポケットに素早くライジングホッパー・キーを滑りこませた。『だから、よせ!』と不破が遮る実に数秒にも満たない間…星児も気がついている様子は無い。

 

…そんなこんなしている内にさくらが甘味の袋を持ってこちらへ戻ってくる。

 

 

「お待たせしま…… あれ、どうかしました?」

 

 

 

自分が少し離れている間に何があったのだろう… 戸惑う彼女がわかったのは星児とアナスタシアに新たな亀裂が産まれてしまったということだけ。

 

 

……帝国華撃団、一丸になれる日はまだ遠い。

 

 

 




ごめん、戦闘シーン次回だわ。

アナスタシア関連は小説版からもってきてますね。ここはオリジナル設定ではないです…


そして、6月から新しい職場に変わるため更新ペースは落ちると思われます…。


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