仮面ライダー01<ゼロワン> × 新サクラ大戦 ー新たなるはじまりー   作:ジュンチェ

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レ イ ラ お 姉 ち ゃ ん が 救 わ れ な い


健気なお姉ちゃんがヤベェーイ男に引っ掛かった末路じゃないですかアニメ。お願いだよ、お姉ちゃんも助けてよ神山ァ(無茶ぶり)

それはそうと、このままいけば上海華撃団とアーサーにマルガレーテが喋らずおわっちまうぞ。それと商標登録されたサクラ大戦ブラックとやらはどうなったんじゃ…





夢見た幸せ/怪物の少女 Ⅱ

 

 

 

……昔からよくお伽噺を読んでいた。

 

 

 

騎士が邪悪なドラゴンを屠る伝説。王子様が呪われた姫を助けて結ばれる話。奇跡を起こして人々を救う魔法つかいの話。 …色々、幼い頃から本に囲まれていた。

 

でも、ある時になって気がついてしまった。どんな童話も…『決して怪物は幸せにはならない』ということに。人を売り飛ばす悪徳商人も、誰かを貶める悪魔も、人間を喰らうドラゴンも……最後は正義の鉄槌が下される。

 

それは、そうだ…悪役がのうのうとして幕引きする物語なんて後味が悪い結末は万人受けしないし、改心しようと『怪物』の末路は悲惨なもの…苦しめた民たちに礫を投げられた挙げ句に八つ裂きにされる。自業自得の結末……

 

 

 

 

だが、自分はどうだ? 重魔導の一族の歴史は?

 

 

強大な魔力を我欲のままに振るい、力なき者たちを虐げ、富と地位を築いてきた自分たちはまるで……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……クラリスは笑っていた。

 

 

いや、正確には彼女の皮を被った新しい人格=ドッペルの表情でありクラリス本人のものじゃない。すぐさま、身構える面々だがドッペルは余裕の顔のままアナザーウォッチを構える。

 

 

『私はクラリス… 間違いなく、クラリッサ・スノーフレイクですよ。ただ貴方たちに見せず、ずっと心の奥底にねじ込まれて抑えこまれてきたドス黒い『怪物』。魂を共有する他ならない同一人物が私。』

 

「ふざけるな! クラリスは怪物なんかじゃない!」

 

『なんとでも言いなさい。これが、クラリッサ・スノーフレイクのあるべき姿! 重魔導の獣…! もう私を縛るものは何も無い!!』

 

 

スイッチに触れる指先と同時にふわりと浮く彼女。途端に嵐のような突風が吹き荒れ、部屋中の物品が倒れたり激しく揺れたりと風圧があわさり皆ろくに身動きがとれない…。そのまま、ドッペルはアナザーダブルへと変身して窓を突き破り帝劇の外へと飛び出していく。このままでは、帝都の一帯でも被害が出てしまうだろう。

 

 

「クラリスちゃ……! …あ、あれ?」

 

 

すぐに対応すべくゼロワンドライバーを取り出した或人……だったが、懐に入れていたはずのライジングホッパー・キーが見当たらない。あれ?あれ?とさがしている間に皆はドッペルを追って外へ飛び出していくが、アナザーダブルからのトリガーマグナムの乱射による爆撃が行く手を阻む。不破と唯阿もショットライザーを構えようとするも、爆風が凄まじく操作が出来ない。

 

 

『あはははは…! ほらほら、ここまで来てみたらどうですかァ?』

 

 

重魔導を上乗せした弾丸なのだろう、破壊力も馬鹿にはならなく当たった地面は粉砕・炸裂し生身の人間に当たれば軽く皮膚が弾けとぶ威力。しかし、キーをさがしてもたついていたことがかえって幸運になり、一息遅れてきた或人が代わりのシャイニングホッパー・キーをゼロワンドライバーに装填する。

 

 

「変身! はあっ!」

 

 

【 シャイニングホッパー!! When I shine,darkness fades. 】

 

 

厄災の流星が雨あられと降り注ぐ中を縫い、稲妻を走らせるように輝く反撃のゼロワン。演算シュミレーションの前では爆撃を掻い潜り一瞬で背後をとるなど簡単、驚くアナザーダブルの後頭部から蹴り落とし撃墜…地面へと叩きつける。巻き上がる粉塵、砕かれる地面、それだけで相当な与ダメージだったと判るがゼロワンは手を緩めない…アナザーライダーはマギアとは比較にならない相手だ。オーソライズバスターをアックスモードに展開、急降下で距離を詰めて反撃の隙を与えない。

 

 

「ハアァァ!!」

 

 

『やめて!』

 

「!?」

 

 

しかし、地面に倒れたまま変身解除したアナザーダブルはクラリスの顔を覗かせ、反射的にブレーキがかかるゼロワン…。

無論、これが狙いと魔導書を空中で無防備な間抜け目掛けて重魔導の狙いを定めるドッペル……だが…

 

 

「甘い!」

 

『なっ…』

 

 

残念なことにシャイニングホッパーの演算能力を上回ること叶わず、一瞬で側面に回り込まれ魔導書を蹴りで叩き落とされると切っ先を喉元に向けられる…。二重人格のことを予め知らされていなかったら、回避までのリアクションを起こせなかっただろうが事前に頭に情報を入れていれば話は別。安直な手に出たことを後悔するドッペルだったが、その頃にはウォズのマフラーが伸びてきていて彼女の身体をグルグルと拘束していた。

 

 

「そこまでだ…!」

 

『ゼロワン…! お前に殺せるのか…この私たちを!』

「…」

 

 

追い詰められたこの状況においても、ドッペルは余裕の表情を崩さない…そうさ、自分の精神も肉体もクラリスなのだから『正義の味方』がか弱い少女に手を下せるわけがない。ならば、動揺と迷いは必ず隙を産む…これを突けば良い。

されど、ゼロワンは動じない…ドッペルに注意をはらいながら神山を仰ぐ。

 

 

「神山隊長、クラリスは花組の隊員だ。部外者の俺に好き勝手する権利は無い。貴方が彼女をどうするか決めるんだ…。」

 

「俺が…」

 

 

残酷な決断を丸投げしたように思えるが、それは違う。

 

或人はゼロワンとしても帝国華撃団に協力こそしているが、彼は花組の人間ではない。例えは良くないかもしれないが、滅亡迅雷にハッキングされたマギアのように処分を下すことも出来ないし、彼女に対して責任を負う立場ではないのだ。担うべきなのは隊長である神山なのである。殺すも生かすも…全ては彼の判断次第である。

 

 

(クラリス…… 俺は…君を……)

 

 

論は成っても、出来るかは別問題。そんな簡単に斬り捨てるのも救いあげるのも判断が出来ないのが普通の人間だ。歪む彼の顔に察したのか、すかさず助けを求めようとするドッペルだがウォズがマフラーをグイッと締め上げ暴れ馬の手綱をとるように許さない。

 

 

「隊長、クラリスを助けましょう! きっとまだ間に合います!」

 

「隊長だろ、仲間を見捨てんじゃねえぞ神山!」

 

 

さくらと初穂が叫ぶ…彼女を助けたいのは皆同じ。神山だって隊員を切り捨てるような真似をしたくはないのは山々…されど、この場でクラリスを助けられる可能性は低い。帝都を守り、隊長という責任ある立場ならここで『処断』するということも視野に入れるべきなのも事実。拘束して生身を晒す彼女を今なら……

 

 

「……クラリス。」

 

 

迷う…… 仲間を信じるべきか。守り人としての責務を確実にこなすべきか……

 

 

 

 

 

その時だった。

 

 

 

 

 

「フンッ!」

 

「ぐあっ!?」

 

 

ゼロワンの死角から襲う鉄拳。よろめく隙にウォズのマフラーを素手で引きちぎる異形の手…クラリスを解放したと思いきや、裏拳を叩きこんで気絶させて俵担ぎ。その際、振り向き際に見せた飛蝗の仮面に不破と唯阿は驚きの顔を見せた。…奴は令和の世界での因縁の相手

 

 

「お前は……!」

 

「せがた三四郎!!」

 

 

「いや……本郷タケシなんだけど。悪の1号…」

 

 

『まあ、良いんだけどさ…』と溜め息をつくのは仮面ライダー1号オルタ……再び現れた悪の1号。突然の乱入者にすみれやウォズも予想外といった顔である。そんな彼等を気にせずクラリスを担いだまま立ち去ろうとする仮面の男。

 

 

「待て! クラリスちゃんをどうするつもりだ!?」

 

 

勿論、行かせまいと立ち上がるゼロワン。すると、1号オルタはクイッと首を動かしてついて来いという動作…あくまで、敵意は無いということか。

どうすべきか……神山を窺うと緊張をしながら首を縦を振るのを確認。同時に2匹の飛蝗は闇夜に跳び屋根を超えて姿を消す。

 

 

……残された者たち。間も無く、初穂が神山の胸ぐらに掴みかかる。

 

 

「お前! なんで行かせたんだ…!?」

 

「彼は…間違いない、伝説の本郷猛だ。俺を救ってくれた仮面ライダーだ……彼なら、クラリスに危害を加えることはしない。」

 

 

かつて、燃ゆる艦から自分を助けてくれたあの仮面ライダー…記憶の中の英雄と瓜二つ。かつての花組と帝都を救ったと言われる彼を一途の望みをかけたのだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★★ ★★ ★★ ★★ ★★

 

 

 

 

 

 

 

 

1号オルタを追って、銀座一丁目のある町角にやってきたゼロワン……何処に行くかと思えば、割りと普通で拍子抜けである。深夜の時間帯も相まって人通りも無く、片方が女子を担ぐ仮面ライダー2人という明らかに目立ち過ぎる光景に声をあげる輩もいない。そして、1号オルタはクラリスを担いだままある建物の中に変身を解かずに入っていく…太正世界に馴染むモダンな建築様式の小さな店舗で縦看板に『光写真館』『店主不在のため休業中』とひっ提げられている。

取り敢えず変身解除して、中に入る或人。確かに入り口は写真館らしくカウンターと近くには撮影用のステージがあった。クラリスはソファーに寝かされ、仮面を外したタケシが頬に手をあて何かパチパチと紅いエネルギーを流しこんでいる…

 

 

「クラリスちゃ…!」

 

「平気だ。彼女を傷つけたりはしない。…今はアナザーウォッチの力を抑えこんでる。」

 

 

暫くすると、苦悶に歪んでいた彼女の表情が僅かながら穏やかになる……嘘はついていなかったようだ。ほっとする或人だが、対照的にタケシの顔は険しいまま…

 

 

「焼け石に水だ。表層に出ないアナザーウォッチを俺でも破壊出来ない…一定時間がすれば彼女のドッペルは復活するだろう。」

 

 

根本的な解決にはならない気休め、まあ無いよりはマシくらいとしての応急処置。そう告げると彼は変身を完全に解除し台所へ向かい、黙々と作業をはじめた…。棚からコップと粉が入った紙袋…あとやかんにお湯を入れて火にかける。

 

 

「ホットココアで良い?」

「あ、はい…」

 

 

あれ?自然な流れでおもてなしされてる…?

 

色々と聞きたかったけど、一旦、呑みこまざらえないようだ。まずはクラリスの様子を観察しよう…白い肌は人形のような彼女、先よりマシとはいえ風邪に魘される子供のように苦痛に歪んでいる。まだ彼女に植え付けられた邪悪な力が喰い破ろうとまだ暴れているのだろう…。ドッペルは『負の感情がベースの人格』と言っていたウォズの言葉…彼女は一体、どんな闇を背負っているのだろう?或人の知るところではないが、せめて今は助けたい気持ちで胸がいっぱいだ。

 

 

「はい、ココアだよゼロワン。」

 

「あ、ありがとうございます。」

 

 

差し出されたマグカップを戸惑いながらも受けとる。恐らく彼が不破と唯阿が言っていた1号ライダーなのだろうが…昭和を生きていたにしてはかなり若い外見であるまだみずみずしい肌質や髪。一般人から見ればすみれ支配人とあまり年齢が変わらない落ち着いて優しそうな男性といった雰囲気で、とても歴戦の戦士といった雰囲気は無い。

 

 

「あ、あの……1号…さん? なんで、クラリスを…」

 

「タケシで良いよ。彼女のことは単純にまだ決断を下すには少し早いと思ったからさ。」

 

タケシ…仮面ライダー1号オルタである彼もゼロワンとまた同じく、オーマジオウの命を受けた仮面ライダーのひとりであった。『あと、色々と話しておきたいこともあったしね。』と付け加える。

 

 

「ゼロワン、君が持ってるスチームグリップ…それは『太正世界の力』を持つように改変した君のお父さんである一型が使っていたゼツメライズキーを変質させたものだ。今は君が『太正の1号』の役割をそれで肩代わりしている。だから、世界の崩壊もギリギリで止まっている。……っていきなり言ってもわからないか。」

 

 

スチームグリップがロッキングホッパー・キーが変化したものらしいのは、太正世界に戻ってきた時のさくらから聞いていた。しかし、これが『太正の1号』と関係があるとはどういうことだろう…一型は愚か、父である其雄も太正世界とは縁が無いはずだが…。確かに、ロッキングホッパーの力で疑似的とはいえ霊子技術が使えるようになるのが由来からしてそもそもが考えればおかしい。

 

加えて、世界の崩壊云々が関わるなど一発で理解できるわけがないだろ…… と、顔をしかめる或人。ま、そうなるよねと苦笑いするタケシは自分の持っているまだ口のつけていないココアをテーブルに置いてクラリスの方向へ視点を移す。

 

 

「さて、もうちょっと話したかったけど…眠り姫のお目覚めだ。」

 

 

 

 

…………ゆっくりと開いていく白い瞼。

 

瞳の光が宿すのは、ドッペルではない本来の人格。クラリッサ・スノーフレイクの意識の覚醒であった。

 

 

 

 

 





次回で完結かなクラリス編……いや、なげえよ本当。

感想お待ちしてます。


さて、ゼロワンの後番組は『仮面ライダーセイバー』になるそうですね。何か某青い騎士王を彷彿させる名前ですが、どんな話になるんでしょ。ゼロワンとの対比で古の力がモチーフなるのかもと勝手に予想。ブレイド意識してカブトムシモチーフかも…


話はかわりますが、アニメウルトラマン見てるんですがね……登場キャラクターが皆、濃い上にヤベェーイ奴しかおらん上にウルトラマンスーツが滅茶苦茶カッコいいんすよ。かろうじて、ニュージェネ追っかけてるくらいの身ですがオススメですよ!(ベムラーは漫画版のデザインが良かったなぁ)

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