仮面ライダー01<ゼロワン> × 新サクラ大戦 ー新たなるはじまりー   作:ジュンチェ

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しまった投稿が深夜に……


前回予告したアニメ感想などは睡眠時間確保のために次回に持ち越しです。

話は短めですが、星児でロンドンで何があって隊長の座に固執するようになったかが断片的にわかるエピソードですね今回は。新サクラ側の原作キャラもでますよ!



鬼の涙 Ⅰ

クラリスが完成させた脚本『ダナンの愛』……それは、間違いなく帝劇復活の号令に相応しい作品になるだろうと誰もが確信していた。主役は世界のトップスタァことアナスタシア・パルマとなれば最早、鬼に金棒である。団員も前向きになり、あとは舞台を成功させれば良い……だけではなかった。

 

花組の抱える大きな問題はもう1つある。

 

 

それは、星児のことだ。既存の隊員といざこざ、特に現隊長である神山と揉め事を起こした彼は『すみれ支配人の息子』『ロンドン華撃団の見習い隊員』という関係もあり、微妙な立ち位置だった。花組団員たちも彼に対する意見はバラバラで

 

 

・帝国華撃団に迎えいれたい派…… 神山、初穂

 

・可能なら、迎え入れても良い派…… クラリス

 

・迎えいれ反対派…… さくら、あざみ

 

・無関心…… アナスタシア

 

 

 

といった具合で、星児の母親でもあるすみれ支配人も頭を悩ませていた。或人たちも思うところがあるが、厳密には部外者の彼等に人事への口出しは出来ず、結局は星児本人と隊長である神山の意思…並びにロンドン華撃団の意向にもよるのだが……

 

 

「何はともあれ、あの子と花組に溝が入ったままなのはこの先の遺恨にも繋がりかねません。神山くん、無茶ばかり頼んで申し訳ないですが、わたくしの不肖の倅のことをお願いしたいの。」

 

 

支配人室に呼び出された神山はすみれ支配人から、星児のことを頼まれていた。しかし、神山はすぐに頷かずかない。

 

 

「支配人…それは、あなた自身から星児のことを皆に伝えればよろしいのでは? …初穂から星児がロンドンに行くまでの経緯を全部を聞きました。 俺よりも、上司であり母親であるすみれ支配人自身の言葉が何よりも納得させ、心を動かすものでは?」

 

「…」

 

 

以前、星児と揉め事になった際に初穂は『過去』を神山に伝えた… 恐らく、長く帝国華撃団に関わった者しか知らない忌まわしい記憶を。恐らく、初穂以外の花組団員は知らないであろうそれを彼女が伝えれば少しは理解を得られるだろう。

 

…だが、返ってきたのは渋い顔だった。

 

 

「初穂さん、話したのですね。…ええ、いずれ話さなければならないとは思っていました。ですが、それは悪手でしょう。花組の皆は優しいですから、きっと『同情』をする……でも、それはあの子のプライドを踏みにじる行為ですわ。まして、母親のわたくしが手をまわしたとなれば尚のこと……」

 

 

上司であり親、それがなんと難しい立ち位置なことか。何とか手を差し伸べたくても、そう簡単にはいかない。全く、厄介なことだと神山も今は頭を悩ませるしかない。

 

 

「…わかりました。俺も力を尽くしますが、僭越ながら支配人自身も上司として、何よりも親として責任を果たすべきかと思います。……失礼します。」

 

「…」

 

神山が支配人室を後にし、すみれと秘書のカオルだけが残る……。帝劇の主は今、その役目の仮面が落ちていた。デスクの椅子によりかかると『ふぅ…』と溜め息をつきながら天井を決して隊員には見せない疲れた眼で見上げていた。カオルも審判そうに顔を覗かせるが、手で制止する……

 

 

「母親としての責任…。支配人としての役目…… 思った以上にままならないものね。こんな有り様、『あの人たち』に会わせる顔がありません。」

 

「すみれ様の判断は支配人として正しくは思います。この大事な時期、私達の積み上げてきた努力がやっと花開く瞬間に余計な横槍が入ったりでもしたら、目もあてられません。ですが……今の坊っちゃんには母親の貴女の支えが必要なのは神山さんが言うように事実かと私も思います。」

 

わかっている…勿論、わかっているのだ。されど、母親としてやるべきことと帝国華撃団の旗を振る者として為すべきことは必ずや同じではないのだ。だからこそ、星児が帝国華撃団を飛び出していくことを黙認しそれをロンドン華撃団が善意で拾ったと、……そう『建前』ではなっている。

 

そのことが悉く裏目に出たわけだが……

 

 

「わたくしは…母親としては失格ですわね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★★ ★★ ★★ ★★ ★★

 

 

 

 

 

 

 

キラリと眼前に煌めく凶器の光。

 

…次の瞬間、機体が強い衝撃に襲われるが操縦レバーを離さず何とか踏み留まる。しかし、攻撃は止まず次々と愛機に叩きこまれる無慈悲と嘲笑の一撃一撃。計器は悲鳴のようなアラームをけたたましく鳴らし、自分の身体も激痛を伝える。

三式光武のコックピットで星児はこの理不尽な攻撃に歯を喰いしばっていた。反撃はままならない……何故なら、敵は『降魔』ではないのだ。ましてや、相手は最新鋭の霊子戦闘機が2機である…あまりにも分が悪い。

 

 

「…くっ!?」

 

 

ーー思いあがるなよ、七光り

 

ーー貴様にかけられるのが、期待だけだと思うな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「少年! 少年! しっかりしろ、少年!」

 

「…!」

 

 

揺さぶられ目を覚ますと、そこは忌まわしい記憶のコックピットの中ではなく帝劇の食堂。星児はどうやら自分がテーブルで眠りこけていたらしいことを把握する…… おまけに魘されていたのか。

そんな自分を揺さぶっていた銀髪の女性…浮世離れした白い肌に黒い洋装といった格好はすぐに脳裏から彼女の名前を引き出す。

 

 

「……なんだ、あんたか。」

 

「あんたとは随分だな。魘されていたぞ少年。」

 

 

女性は心配の視線を向けるが、煩しそうにする星児。まあ、彼女のことはある程度は知っている仲…用事はなんであれ目的は母親であるすみれだろう。この人の無遠慮なところは苦手だ…

 

 

「おふくろなら、恐らく支配人室だ。案内は別にいらねえだろ。」

 

「気遣いありがとう。そう言えば、少年…早速、騒ぎを起こしているそうじゃないか。」

 

「…」

 

 

…特に、こういうところが。触れてほしくないところに平然と土足で踏み込んできて、言いたい放題。根は悪人といった部類ではないだろうが、今は最も関わりたくない部類の人間である。

 

 

「あんたには関係ないだろ。」

 

「そうはいかない。君たち親子とも付き合いはあるし、私の可愛い弟子もここにいるのだから。」

 

 

弟子? 誰のことだ…? すると、タイミングをあわせたようにさくらと或人&イズがやってくる。間が悪いにも程があると、顔をしかめていると彼女たちはこちらへ合流してきた。

 

 

「師匠…! と…星児さん? お知り合いだったんですか?」

 

「ああ、そうだよさくら。それと、そちらは噂に聞く仮面ライダーゼロワンこと、飛電或人社長かな?」

 

 

弟子…ってまじか、さくらのことか。更に顔を曇らせる星児と自分のことが呼ばれたことに困惑する或人…女性と特に面識があるわけではないのだが。すると、さくらが彼女に対して説明をする。

 

 

「社長さん、この人は『村雨白秋』さん。支配人とも旧知の仲で、私の剣の師匠でもあるの。とても優しくて、こうやって時々、帝劇に来てくれて様子を見に着てくれるんですよ。」

 

「優しいだけじゃないぞ、時にはそれなりに厳しい。あと、彼女のお父さんに娘がオイタを働いてないかの報告も兼ねている。」

 

「し、師匠!」

 

「さくらちゃんの剣の師匠か……」

 

 

顔を真っ赤にするさくらとその様子に微笑む女性『村雨白秋』…。ちょっと変わった人だなと、或人の印象…まあこれくらいなら許容範囲だし、もっと変わり者なら既に居るし。不破さんとか不破さんとか不破さんとか(パーンチングコング)

 

でも、弟子想いな良い人なんだろう。

 

 

「活躍はかねがね聞いている。さくらと帝国華撃団を今後ともよろしく頼む。」

 

「は、はい。こちらこそ!」

 

 

握手を交わして、自己紹介は一段落。すると、居心地が悪そうに顔を曇らせた星児が『野望用がある…』と逃げるように離れていく。その背中を半ば睨むようなさくらの視線に白秋はああ、やっぱりと成り行きを察する。

 

 

「やはり、彼…君たち花組と問題を起こしたか。」

 

「師匠、星児さんのことはご存知で?」

 

「ああ、勿論。付き合いそのものは、さくらより長いよ。だから、隊長になるとロンドンから無断で帰ってくるなり花組の隊長になるなど抜かしているのだろうあの子は?」

 

 

白秋、彼女はすみれ支配人とは長い付き合いであり息子の星児もまた然りというのは当然だろう。まあ、納得できることだ……

 

 

「相変わらず、勘がいいですね師匠。」

 

「ま、ロンドンの彼に帝国華撃団復興を教えたのは私だからね。」

 

「そうなんですか……。

 

 

 

……へ?」

 

 

最後のこの一言以外は

 

 





花組が面倒臭くなった原因……オムライスの悪魔。

あくまで、根本的な原因ではないです。



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