仮面ライダー01<ゼロワン> × 新サクラ大戦 ー新たなるはじまりー 作:ジュンチェ
お久しぶりです。今回の話なんですが、胸糞注意です。
あとわたくし、ね…… 右肘の骨折っちゃったんですよ(吐血)
だから、執筆は左手なんで結構しんどい上に地味に痛い。
「さて、君にはこれを受け取ってもらおう。」
「うお!?」
執務室に通された星児はいきなり布にくるまれた身の丈を頭ひとつ分はゆうに越える棒とおぼしき物をアーサーから渡された。一体何なのか…それなりに重さはあるが中身は何なのかは皆目、検討もつかない。すると『開けてみてくれ。』と促され包みの布を剥ぎ解いてみるとその中身は…
「これは…!?」
『槍』だ。ただの槍じゃない、夜空に一際輝く北極星を模したような星十字槍だ。美しい金に輝く『桜』の紋章や銀の流れ星の装飾は間違いなくさぞかし名のある職人の手により造りあげられたであろうことは素人でも解るぐらいだ。
驚くばかりの様子の星児にニヤリ塗装笑うアーサー…。実は、この槍は彼が造らせたものではない…ある人物が『日本』でとある職人に造られて、時が来たら託すようにとわざわざロンドンに送られてきた物。まあ、誰から贈られてきたかは刃に刻まれた『天宮』の銘から星児ならすぐ気がつくだろう。そして、アーサーは待ちに待った本題に入る。
「星児、君がこのロンドンに来てからおおよそ1年は過ぎた… そろそろ、頃合いだと思っていたところさ。」
「?」
「君の活躍や努力は君の出自の色眼鏡を抜いたとしても、十分な評価に値する。そこでだ、君を正式にロンドン華撃団の隊員として起用したい。騎士の称号を拝命し、ブリドヴェンを受領してくれ。ランスロットやサー・ガヴェインも推薦しているし、殆どの団員も賛成している。この槍は僕たちからの信頼と期待の証ととってもらって構わないよ。」
「……え?」
目を丸くする星児…。まさか、自分が? 戸惑いをみせる表情は当然だろう。自分はあまりに複雑な立場な上に、見習いとしてではなく正式な起用をすることはかなり世界華撃団連盟<W.O.L.F.>の立場的にリスクが伴うなず。だからこそ、ロンドンに来てからも機体は帝国華撃団から持ってきた三式光武のまま乗り換えずにいたというのに…
されど、アーサーは期待していた。かつての華撃団の銘を背負いながらも、重圧や困難に折れず努力を重ねてきた彼を……だからこそ、首を縦に振るだろうと
「……俺にこの槍は受けとれない。」
……思っていたのだが。
「ふむ、それは正式な隊員になってしまえば帝国華撃団に戻り辛いから…ということかな。それなら、むしろ正規の隊員として経験を積んだほうが君の母君にも胸を張れるのではないかい?」
「そういう意味じゃなくて…俺は母親に背を向けた。その時に誓ったんだよ…帝国華撃団に戻るまで『あの人から受け継いだ象徴』だけは絶対に封印するって、俺のけじめだ。それに、俺はそんな騎士の称号を受けるような奴じゃない…」
槍……それは、母である神崎すみれの得物でもあり、星児もその扱いは教えられている。そして、彼本来の戦闘スタイルは母の槍と『先代の花組隊長』に仕込まれた二刀流であり、この独自の剣技は先代花組の尊敬と自分を育ててくれた母と帝国華撃団への想いがあった。
だからこそ、帰るべき場所や残してきた母や初穂たちに許してもらえるまで封印する…彼なりのケジメである。
だからこそ、受け取りを渋るのだが… はい、そうですかと退くアーサーではない。
「君の気持ちは解った。でも、君を推薦した僕たちのことも考えてほしい… ランスロットやサー・ガヴェインも君は騎士に足りうる実力があると判断してのことだ。ここで断られてしまえば我々の面子というものもある。」
「……大分、卑怯だなそれ。」
「隊長だからね。我が儘な部下の昇進の話を縦に振らせるくらいはするさ。」
言い分は解る、だけど推した側の立場も踏まえろ。まあ、その通りなのだが…自分の我をここで通せるほど自己中にはなりきれなかった。困った顔をしながら、少し強気な笑顔を向けてくる上司に押されながら『少し、時間をください。』とその場を一旦、逃げ出した…。アーサーもとりあえずはとここで答を急かさずに一度は見送ることにする。
…彼なら、きっと良い返事が帰って来ると露共に疑わず
この一部始終のやり取りを廊下の影から窺っていたサングラスの怪しい人影にも気がつかずに。
★★ ★★ ★★ ★★ ★★
……その日の夜、珍しくロンドン郊外に散在して現れた降魔の迎撃にあたっていたランスロットは帰路につこうとしていた。西洋の騎士の鎧を彷彿させる霊子戦闘機『ブリドヴェン』は無傷で周辺の被害も少ない。これなら報告書の手間も少ないだろう。
状況の報告を済ませようと通信をアーサーに繋ぐ。
「こちら、ランスロット。状況は終了、周囲に目立った被害は無し。これより帰投する。」
【了解した。そういえば、そっちに星児はいないかい?】
「…? なんで?」
【いや、さっきから通信が繋がらない。彼の光武はそちらへの救援反応に向かって出撃をしているようなのだが……合流していないのか?】
星児の行方がわからない? 妙である…こっちは救援を求めてはいない。それにレーダーに救援信号といった反応も無い。違和感を感じ、通信を繋ぐランスロット…
「星児、きこえる…? 今、何処に…」
【ザーザー……(……ぐっ!?) …ザー…(…に…やが…る!?) ……ガンガンッ!! (ぐぉぉああ…!?)】
「! ……星児? 星児!」
異様なノイズとそれに紛れた明らかに並々ならぬ叫びがスピーカーから響く。必死にこちらから呼び掛けるも応答は無い… 嫌な予感が過る。ランスロットは即座にブリドヴェンを反転させ出力をあげる。
「アーサー、星児の座標を! 直接向かって、状況を確認する!」
霊子エンジンをありったけ燃やし、街並みをつむじ風のように駆ける……既に一帯の避難は確認しているから人身事故の心配は無い。道路を走り、建物を超え、何度か曲がりくねったその先……やがて、目的地が近くなる。
一気に、跳躍…弧を描いて着地すると彼女の目に信じられない光景が映った……
「…!」
星児の白い光武がうつ伏せで倒れており、装甲がひび割れ煙をあげている……そして、それを踏みつける2機のモノクロのブリドヴェン。周囲の建造物の損壊、光武の刀傷とおぼしき損傷の数々… これらで何が行われていたかを察するには充分だった。
「何を… 何をしているんだお前たちはッ!!!!!!」
すぐさま、ランスロットは剣を抜き怒りを爆発させる。間違いない、この2機は寄ってたかりリンチにしていたのだ。様子から見るに、奇襲…かつ最新鋭の霊子戦闘機に数に勝られれば旧式の光武がどうなるかなど目の前の惨状が物語る。
そして、この凶行に及んだモノクロのブリドヴェンのうち一機がランスロットの刃を切り払うと通信を入れた。
「これはこれは、ロンドンの最強の騎士ランスロット。首を突っ込まないほうが身のためですよ。」
「お前ら、その機体色はプレジデントGの親衛隊だな!こんなことしてダダで済むと思っているのか!?」
モノクロのブリドヴェン、彼等はロンドンに派遣されている華撃団管轄ではなくその母体であるW.O.L.F.のプレジデントG直轄の犬だ。W.O.L.F.全体の利益のためならスパイ紛いの行為やその他、公には出来ない汚れ仕事などを担っているという噂である。それが、どうして星児に牙を剥いたのか?通信相手の男は無機質に答える。
「狂犬、よく聞け。プレジデントGは旧華撃団勢力の再興を快くは思っていない…なのに、貴様らときたらまあ、旧華撃団勢力の旗降り役の息子をあまつさえ正規の団員に起用など正気の沙汰とは思えんな?故に、不穏分子を排除するために我々が出てくる羽目になったのだよ。」
「…なっ」
確かにW.O.L.F.の元締めであるプレジデントGが旧華撃団勢力の建て直しに消極的だとは聞いていた…彼自身は崩壊寸前だった降魔大戦後の華撃団組織を全く新しく立て直した立役者でもある。しかし、言い方は悪いが、それは彼のワンマンの強引な手段によるところも大きいとの話。自分以外の派閥の台頭を許さず、対抗しよう勢力なら降魔だろうが人間だろうが完膚なきまで叩き潰して隷属させるか消し去るか…その二択。
悪魔のような無慈悲な采配にいつの間にか振られていたのである。
「バカな! そんな無茶苦茶な理屈!」
「通るんですよ。世界華撃団連盟にあの方が座る限り、どんな理屈も道理もね。そもそも、この場で隠密に処理してあげようというロンドン華撃団側への配慮もわからないんですか……」
「ふざけ…!」
「……ふざけんな…!」
その時、踏みつけていた親衛隊ブリドヴェンを凪ぎ払い立ち上がる光武。火花を散らし震えながらも刀を構える。満身創痍になその姿に親衛隊ブリドヴェンのパイロットは鼻で嗤う。
「あなたは黙っていたほうが良いですよ。文字通り、疫病神はその行動ひとつひとつが周りを不幸に……」
「うるせえっていってんだよ!」
「!?」
次に瞬間、光武が一瞬で親衛隊ブリドヴェンを肉薄。刃を迸らせモノクロの装甲を一閃。深々と喰らいついた一撃は最新鋭の機体といえど致命的なダメージとなりその機能を奪いとる。親衛隊パイロットも…またランスロットさえもこれに驚きを隠せなかった。
「馬鹿な……旧式の光武にそんな性能があるはず…が……」
「星児……」
それから、後日。
執務室で星児の処分が下される。ニヤニヤと嗤う黒服たちにギリギリ手綱を握られている唸る番犬のような顔のランスロットと仏頂面のアーサー…そして、絶望し虚無の顔を浮かべる星児。そうこの処分はロンドン華撃団側からしても到底納得できるものではなかった。
「神崎星児、お前から正規の華撃団やその傘下にある組織への参加権を永久的に剥奪する。尚、関わることも禁ずる。そして、お前の光武と霊子戦闘機・霊子甲冑の取り扱い免許も没収する…以上だ。追ってロンドン華撃団にも処分が下るだろう、覚悟しておくことだ。」
「ふざけるなよ! 先に理由なく仕掛けてきたのはそっちだろう!? それに、あのロンドンの親衛隊の奴らはお咎め無しとかおかしいじゃないか!」
「勘違いするな。所詮、華撃団なんぞW.O.L.F.の下部組織に過ぎん。それに、この小僧がどんな事情があれ我々の機体に傷をつけた…ならば、処分するのは当たり前だろう?」
理不尽。圧倒的、理不尽。こんなことが許されるのか…?それが許されるのだ…世界華撃団連盟という組織がたったひとりの男の所有物である限り法も論もねじ曲がるのだ。
あまりの暴挙にランスロットは斬りかからんと柄に手をかけようとするが、アーサーが制止する。
そして、星児は自分の未来を絶たれ…糸が切れたように膝をつくしかなかった。
明らかになる星児の過去。こんなの闇が深くなるしかないじゃない。
さて、更新ペースは前書きでも述べました骨折により落ちますのでどうか御容赦を。
感想お待ちしてます。