仮面ライダー01<ゼロワン> × 新サクラ大戦 ー新たなるはじまりー   作:ジュンチェ

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 水樹奈々さん、妊娠おめでとうございます。新サクラ大戦でもエリス役を担ってくださったことは印象深いです。

 そういえば、クラーラ(の中の人)に最強認定されてましたよねエリス…


そして、星は輝くべき場所へ。Ⅵ

「腹筋バァーーン!!」

 

 

 帝劇公演『ダナンの愛』 公演当日

 

 帝劇前、客引きの中心を担うは腹筋崩壊太郎をはじめとしたヒューマギアたち。或人とイズ…不破もビラを配り呼び込みに徹している。ただ…

 

 

「たく、刃の奴は何処いったんだよ!」

 

 

 不破に関しては唯阿がいないことに不満げである。彼女がいない理由…それは或人が知っていた。

 

 

「唯阿さんなら、劇場のほうで手伝いだって。」

 

『或人社長、こちらもそろそろ準備が…』

 

「お、もうそんな時間か。それじゃ、ここは任せたよ不破さん!」

 

 

 そして、或人までもが不破にビラ配りを押しつけて帝劇の中へ。取り残された不破は怒りを爆発させ、そんな様子をもぎりをしていた神山は不安そうに見ていた。あまり叫ぶようなことをされると折角のお客様が逃げてしまうのだが…

 

 

(参ったなこれ。)

 

 

 こんな猫の手も借りたいクソ忙しい時に、星児は何処に行ってしまったのか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

 ミカサ記念公園…海が眼下に拡がる手すりに寄りかかり黄昏れる星児の姿があった。

 

 本当なら、こんなところにいるべきじゃないのはわかっている。手伝わなくちゃいけないことは沢山ある…だから、今日まで荷物運びから掃除、料理の下ごしらえまで出来る限りのことをやってきた。自分の出来ること探すそのつもりで…

 

 でも、わかってしまう。活き活きと自分の役割を果たそうとする者たちが近くにいると……

 

 

(俺のやれることはある… だけど、俺じゃなきゃやれないってことは何ひとつ無い。)

 

 

 演劇に向かう花組たち、 

  

 舞台を支える裏方たちの活気、

 

 宣伝に勤しむ神山

 

 散々やらかしておいて甘ったれてるのは理解していた…そうであっても、切なさばかりが募っていく。そして、とうとう耐えきれなくなり帝劇から逃げ出してきてしまったのである。結局、逃げたことで自己嫌悪に陥ってしまうのだが。

 

 

「何だっただろうな。俺がロンドンに行った意味は…」

 

 

 プレジデントGの示談案もすみれがつっばねた…確かに母らしいと言えば母らしい。でも、自分は華擊団大戦には出れないし、資金援助等もなし…いよいよロンドン華擊団での経験は意味を為さなくなってしまった。事実上の口封じであったとはいえ、やるせない思いが胸にこみあげてくる。

 

 

 …そんな時だった。

 

 

「なーにしてるのさ、こんなところで?」

 

 

「!」

 

 

 不意に聞き覚えがある声が後ろから… 振り向けば、ランスロットとアーサーの姿があった。

 

 正直、今は面と向かって会いたい相手ではない…

 

 

「公演の準備は手伝わなくて良いの?」

 

「…」

 

 

 覗きこんでくる顔が罪悪感を掻き立てる…思わず顔を背けてしまう。笑顔なのが余計に辛い。

 

 すると、見かねたアーサーが口を開く。

 

 

「事情は君の母君やウォズから聞いた。君の複雑な事情を理解しつつ後手にまわってしまった僕達にも責任はある。君はあくまで、被害者だ。ランスロットだって許しているしこれ以上引きずることはないだろう?」

 

「上海の神龍軒食べ放題で手を打とう。」

 

 

 これ以上、こちらを気にするなという意味合いだろう。ランスロットも条件に関して冗談か本気か定かではないが、水に流す様子…ただ、

 

 

「…」

 

 

 当の星児本人はそう簡単に自身を許せない。どんな理由があろうとロンドンに迷惑をかけた上に仲間を傷つけた事実は、正気に戻った己自身では許容し難いものだった。だからこそ、このタイミングで謝るべきなのだろうがまだ平静を取り戻せない心ではうまく言葉を紡げない。

 

 …ま、そんな状態だろうと承知のアーサーは言葉を続ける。

 

 

「君が燻るのは勝手だ……自分が何者か忘れたのかい? 帝国華擊団・花組の忘れ形見、神崎すみれの息子。君が前を向いて走り続ける限り、何処であろうと帝国華擊団の名前も共にあることには変わらない。戦い続けることが、帝国華擊団や母君を支えることになる。そうだろ? それとも、ロンドンにはもう戻りたくないか?」

 

「そんなこと…!でも……」

 

「なら、帝都は『今の帝国華擊団』に任せてみたらどうだい? 他ならない、君の敬愛する母君が選んだ者たちを。」

 

 

 過る、神山やさくら、初穂ら花組の顔ぶれ… 最初こそは情けなさで腹がたち、産まれてはじめて母を本気で疑ったほどだったが、今は違う。新たなる力・霊子戦闘機・無限に続き、アナスタシア・パルマを起爆剤として羽化する蝶のサナギのように飛びたとうとしている。

 公演が成功すれば、間違いなく帝国華擊団復活を世界に告げる狼煙になりうるだろう。その可能性が充分にあるのは側で見てきたからこそわかる。

 

 

「帰ろう、ロンドンに。君が誰であっても、仲間であり友だ。」

 

「ランスロット…」

 

 

 ランスロットがやさしく微笑む。

 

 そうか、自分が走ってきた全てはゼロになったわけじゃない。なんだ、こんな当たり前のことに気がつかないなんて…ましてや、散々迷惑をかけた仲間に教えられるとは。目頭が熱くなる…

 

 そして、暖かく差し出された手を……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勝手に話を進められては困るな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その時だった。カチャ、カチャ、と音を立てながら近寄ってくる足音に振り向くとそこには3人とも見たことがない仮面ライダーがゆっくりと迫っていた。西洋の甲冑を彷彿させながら、トランプのスペードの意匠をあしらった白い鎧に、ヘラクレスオオカブトを彷彿させる赤い複眼のマスク… 

 

 ただ、ベルトのマゼンタのバックルがデザイン的に浮いているような気がするのは気のせいだろうか…?

 

 

「何者だ?」

 

「通りすがりの仮面ライダーだ。まあ、ロンドン華擊団…お前たちに用は無いんだがな。」

 

 

 通りすがりの仮面ライダー…Dブレイド。警戒するランスロットを意に介さず、突然の来訪者が指差したのは星児…どうやら狙いは彼らしい。さらに、Dブレイドはある事実を告げる。

 

 

「神崎星児、お前の人事は保留になっている。今の貴様は帝国華擊団はおろかロンドン華擊団ですら無い。残念ながら、ロンドンに行く切符は無いぞ?」

 

 

 なんと星児のロンドン華擊団の籍すら無くなっているというのだ。星児どころか、アーサーも驚かずにはいられない。無論、こんな話を納得出来るわけもなくすかさず噛みつくランスロット。

 

 

「出鱈目を言うな! こっちはそんな話を聞いてない!」

 

「出鱈目じゃない、W.L.O.F.からの決定だ。そして、お前を連れてこいという依頼があってな。時間も惜しいという話だ…さっさとついてきてもらおうか。」

 

 

 しかし、お構いなしに星児を連れていこうとするDブレイド…となれば、アーサーとランスロットが立ちはだかるのは必然で2人は刃を抜き放ち切っ先を向ける。渡す気は無い…強い眼光と共に訴えるが仮面の戦士は怯むどころか逆に余裕の笑みすら浮かべていた。

 

 

「フン、やっぱりこうなるか。こっちも最初からそのつもりだったが…」

 

「誰かは知らないが、W.L.O.F.の人間がそんな臨戦態勢で来るとは思えないな。その不敬な態度も鼻につく…叩きのめしてから身元確認といこうじゃないか。」

 

「星児、さがってろ! コイツはアタシがやる。」

 

 

 

 …謎の仮面ライダー対ロンドン華擊団。その火蓋がきって落とされた。

 

 

 

 誰も、その様子を物陰から窺う人影たちには気が付かずに

 

 

 

 

 

  ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

 

 

 

 

 同時刻、不穏な雲行きは大帝国劇場でも流れつつあった。

 

 

 公演はまだ前座なものの、流石に姿を表さない星児に異変を感じた神山は周辺を唯阿と共にさがすが見当たらず焦りを感じていた。一旦、正面玄関で唯阿と合流してみるも…彼女の隣にその姿は無い。

 

 

「刃さん、そっちは?」

 

「駄目だ。影も形も無い。考えたくはないが、また厄介事に巻き込まれたのではないか?」

 

 

 信じたくはないが…と思う神山だが、現実でその通りのことが起こっているとは知る由もない。取りあえず、裏方は令士がいるから何とかなるが、このまま見当たらないまま本番に入れば花組のメンバーやすみれ支配人に心配をかけてしまう。早いところ、見つけなくては

 

 ……と思っていた矢先

 

 

「神山隊長!」

 

「あざみ? どうした…?」

 

 

 シュタッと現れたのはあざみ。天使のような舞台衣装に化粧もしているが、その顔は非常に焦燥が見て取れる。まさか、舞台に異常でもあったのか!?

 

 

「はやく来て! まずいことになってる!!」

 

 

 そして、引っ張られるまま帝劇の観客席へ…そこで、見たものは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハイ、或人じゃ〜〜ないとぉぉおおお!!!!」

 

『今のは……と…‥をかけた非常にイキなギャグです。』

 

「解説しないでぇぇ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 誰だ、この社長を前座に立たせたの。

 

 神山の記憶が正しければ、腹筋崩壊太郎が前座を務めるはずだったのに…!? 会場は当初、アナスタシア・パルマ人気で活気づいていたのたのにも関わらず今やお通やムードで静まり返り、喜んでいるのは観客席で笑いを堪えている不破さんくらいである。舞台裏では、クラリスが青ざめ…アナスタシアが無言でピストルのカートリッジへ弾を込めだしたため初穂が制止している有様。 

 

 酷いなんてものじゃない!すぐさま、無線機で令士に確認をとる。

 

 

「おい、令士! これは一体…予定と違うだろ!? なんで社長が…」

 

【あー、うん、ごめん。イズちゃんがどうしてもって聞かなくて。俺は止めようとしたんだ。でも、押し負けて…】

 

 

 そういことか。確かにあの秘書、社長のことになると異様に推しが強い…人が良い令士のことだ、きっと断りきれなかったのだろう。あの微笑みでグイグイこられたら、神山だって耐えられる自信が無い。

 

 それはともかく、このままでは折角の観客も帰ってしまいかねない。苦渋の決断を下さねばならない。

 

 

「あざみ、ちょっと耳をかしてくれ。ゴニョゴニョ…」

 

「…何? え…本気?」

 

「やるしかない。このままだと、お客さんも帰られちゃ今までの苦労が水の泡だ。頼む。」

 

 

 あざみは若干、戸惑ったがすぐに背に腹は変えられぬと現れた時のようにシュタッと消えた。それから、数十秒後…

 

 

「或人じゃああ…あああぁあああああああ!!!?」

 

 

 突如、開いた床の扉に或人とイズは吸い込まれて消えていった。直後、天井から腹筋崩壊太郎が降ってきて激しく腹筋を炸裂させる。

 

 

「腹筋バーン!!バンバンバンバン!!!いつもより、多目に腹筋崩壊しておりまぁーす!」

 

 

 途端、うって代わって笑いに包まれる劇場。或人には悪いが、これも商売…しかも、帝国華擊団の命運がかかっているのだ。令和の一号よ、卑怯とは言うまいな?(蘆名) 怨むなら、自分のギャグセンスを恨んでくれ。

 

 

 そして、前座が終わり…星児がいないまま、花組の晴れ舞台『ダナンの愛』の幕があがろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






 感想おまちしてます。


 
 ゼロワンの劇場版情報が徐々に明らかに…楽しみですね。




 
 
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