仮面ライダー01<ゼロワン> × 新サクラ大戦 ー新たなるはじまりー   作:ジュンチェ

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 ロンドン華擊団中心の過去編とか番外編でやってみようかな。


 感想お待ちしてます。




そして、星は輝くべき場所へ。Ⅵ

 仮面ライダーブレイド…いや、厳密にアーサーとランスロットに立ちはだかるこのライダーはブレイド本人ではないのだが、能力はオリジナルと比較して遜色ない。そう、純粋な剣技からアンデッドを封印したラウズカードに由来する特殊能力・強化形態に至る力まで…。

 

 今、Dブレイドはスペードが刻印された青と金色の大剣・キングラウザーを振り回してロンドン華擊団主力であるアーサーとランスロットに大立ち周りを演じている。後者のふたりは生身であるが攻勢で、Dブレイドは繰り出さる剣撃を弾いたりいなしたりする防戦ばかり…に見えていたが、焦燥が見えはじめたのはロンドン側。くどいが生身…されど、一般人どころか下手な華擊団隊員なんぞ足先にも及ばない最高峰の一角にあたる彼・彼女らが束になってかかっても相手にろくに一太刀すら与えられていない。ランスロットが背後をとっても避けられ、アーサーがフォローなんて事態も度々ありロンドン側はおもしろくない戦いを強いられている。

 

 

「なんだ、ロンドンの騎士とやらも大したことないな。円卓だなんだ抜かすなら、剣からビームでも撃ってみろよ。」

 

「ッ! 我等を愚弄するか!!」

 

 

 Dブレイドは剣を交え組みつくアーサーを挑発する。そこへ、アーサーを飛び越えて『はぁぁ!』と脳天を狙うランスロットが影を落とすが、アーサーを蹴飛ばして間合いをとられ空振ってしまう。連携が崩れた致命的な隙を逃さず、腰のカードケース型アイテム・ライドブッカーからカードを取り出すDブレイド。

 

 

「騎士道精神らしく、フェアにいこうじゃないか?」

 

 

【 ATACK RIDE…GEMINI 】

 

 

それをマゼンタのバックルに装填すれば、何とDブレイドは2人に分裂。片方がライドブッカーをソードモードにして刃を展開し、もう片方はキングラウザーの他にブレイドの基本武装である剣・ブレイラウザーとで二刀流の構えをとった。まさに、『双子』のような分身に、アーサーとランスロットも驚かずにはいられないが問答無用でDブレイドは牙を剝く!

 

 

「「さあ、いくぞ。」」

 

 

「「!」」

 

 

 直ぐに敵の真意を理解したアーサーだったがもう遅い。勢いまかせに迫った敵に押し負け、ランスロットと分断される。2対1から、1対1・1対1へ…いくら実力者とはいえ生身の人間には中々、酷な展開だ。せめて、霊子戦闘機さえあれば話は別だが無いものねだりは無意味。二刀流のほうはランスロットが…、ライドブッカーのほうはアーサーが相手となる。

 

 不利に傾きつつある戦局…星児も戦わねばとフォースライザーを構える…も……

 

 

 

 ――――良いかい、その力は危険だ。使えば使うだけ、君を蝕むだろう。最悪の時以外は絶対に使っちゃ駄目だ。

 

 

 

「…っ」

 

 

 脳裏を過るタケシの警告。実際、001に変身した時の暴走した状態は覚えている…負の感情や全身に渡る激痛や狂う思考など。思い出しただけでも身震いするほど恐怖がわき出るおぞましい感覚が、フォースライザーを握る手を硬直させる。

 すると、Dブレイドはアーサーと組みあいながらも星児を挑発する。

 

 

「どうした? 変身しないのか?」

 

「君は戦わなくて良い! ウォズとガヴェイン卿を呼んでくるんだ!」

 

 

 変身を促すDブレイドに対し、応援を連れてくるよう叫ぶアーサー。実際、生身で仮面ライダーを相手し続けるより、同じ仮面ライダーを呼んできたほうが遥かにマシだろう。悔しいが、今はそれが最善だろうと戦場から駆け出す星児…しかし、敵もそう甘くはない。

 

 

「勝手に動くな。」

 

 

【 ATACK RIDE…THUNDER 】

 

 

「ぐあぁっ!!?」

 

 

 逃さない。Dブレイドが続けてカードを装填すると、稲妻が星児の横を掠めて炸裂。そのものの直撃は避けたものの爆発と放電を受けたため、地面に投げ出されて転がった上に感電して身体が麻痺してしまう。これで逃げる手段も応援も呼ぶ手段も無くなってしまった。こうなっては長期戦は不利に傾く一方である。

 仕方ない…!ランスロットは苦渋の決断を下す…!

 

 

「アーサー!」

 

「あぁ!」

 

 

 Dブレイドの剣裁をくぐり抜け、並び立つ騎士ふたり。双剣を掲げるランスロットに対し、居合に似た低い構えをとるアーサー…両者の剣に霊力が激流が如く迸りその奥義を放たんと唸りをあげ、振り抜かれると同時に技を解き放つ!

 

 

「グランドッ!! ハリケェーーン!!!」

 

「エクスッ、カリバァーーーッッ!!!!」

 

 

 ランスロットの呑み込む全てを粉砕する双子の竜巻『グランドハリケーン』にアーサーの邪悪を討ち祓う輝きの斬撃『エクスカリバー』。これが同時に放たれれば、生身とはいえそこらの魔性などひとたまりもないふたつの技は容易くミカサ公園を抉り抜き、Dブレイドを塵芥にせんとと迫る…ッ!ああ、されど…

 

 

 

【 Four card 】

 

 

 ……本当に今回ばかりは相手が悪すぎた。

 

 

 

「フンッ!」

 

「「!?」」

 

 

 次の瞬間、Dブレイドがキングラウザーを振りぬくとギュオオ!!と音をたて騎士の奥義を上回る黄金の斬撃が、グランドハリケーンとエクスカリバーを捻じ伏せその衝撃波を打ち返す!まさか自分たちの最大の技が簡単にカウンターをされるとは思わなかったランスロットは公園の手すりに叩きつけられ、アーサーも吹き飛ばされながらも受け身をとりながら立ち直り口に溜まる血を『ブッ』と吐き捨てる。

 

 さて、どうしたものか…

 

 

「くっ!……まさか、ここまで手強いとは。少なくとも、ウォズと同等…いいや、それ以上か…」

 

 

 アーサーの感覚でこの未知の仮面ライダーは彼自身の知るウォズや2号オルタより遥かに強い。無論、仮面ライダーの相手に生身なんぞNGなのは既に身を持って理解はしていたが…ランスロットと組んでまでここまで歯がたたないのは予想外。流石に焦りを覚えずにはいられない。

 

 対し、Dブレイドは落胆の声を洩らす…

 

 

「この程度で世界2位か。…弱過ぎる。」

 

 

 一番でなくとも、それなりの強さは期待していたのにがっかりだ。まあ、本来の目的はこちらではない。分身を解除してキングラウザーを背中に担ぐと、ゆっくり傷つく騎士たちへ迫っていく悪魔の如き仮面…

 

 

「くそったれぇ…! ……っ!?」 

 

 

 こんな時に、何故自分は立てないのか。未だに痺れと情けなさでもがく星児の手に転がっていたフォースライザーが握られる。ふっとばされた際に手放してしまったと思ったが偶然…?いや、それにしてはまた掌に戻れると分かっていたような都合の良い位置に鎮座している。

 余裕があったら不気味がるところだが、あいにく様そんな暇も何も無い!このまま、アーサーとランスロットが嬲られる様を黙って見ているわけにはいかないのだ!

 

 

「おぉぉおおおおおおお!!! やるしかねぇ!!」 

 

 

【 フォースライザー!! 】  

 

 

 意を決し、警告をかなぐり捨てて身につけた禁忌の手段。既にライジングホッパー・キーとセットで、バチチチチ!!とドス黒く放電して装着者が苦悶をあげるほど苦しめるが、それでも、キーをこじ開けるためのハンドルに手を伸ばす…

 

 

「…ぐうっ、うあがぁあああアアアアアアアア!!! 変身ッ!!」

 

 

 【 フォースライズ! ライジング・ホッパーー!! Break Down. 】

 

 

 肉、神経、骨、全てがズタズタになりそうな激痛に耐えながら制御をなんとか保ち、湧き出る黒い蝗の群れをDブレイドに差し向け牽制しながらも何とか001に変身。腹の底から湧き上がる衝動と怒りに任せ天へと雄叫びをあげると、敵へと向かい跳びかかったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

 

 

 ……闇の中で微睡む微笑み。

 

 

 廃工場のジャンク置き場。大量の廃車が積み上げられた中のひとつに彼女…夜叉は後部座席に寝転びながら腹のを擦る。かつて、自分はここに命を宿した…もうここには居ないけど、愛しい人たちとの子がここにいた。

 

 そして、今も繋がっている……見えなくても、私のはらわたから続く臍帯は尚も断ち切れることなく…愛子の脈動を伝えてくれる。

 

 

 

「ああ……シンジロウ…感じますよ。強くなったのですね…母が知らぬ間に。もうすぐ…もうすぐ会えますよ。」

 

 

 猛禽のゼツメライズキーを掌で弄びながら、いずれ来るであろう我が子を抱きしめる日を夢見る女。文字通りの魔性なれど胸に秘めるは人の親らしい愛情なのかそれとも…

 

 

  





★アーサー

 ロンドン華擊団隊長。基本的な性格は原作と同じく戦いになると傲慢な性格になるのは同じ。ある理由からランスロットと同じく星児のことを何かと気にかけていた。落ち込む星児を励ますが…


★ランスロット

 ロンドン華擊団の中で一番、星児と仲が良かったのが彼女。毎日、剣の打ち合いは欠かさないほどで星児は引き分けに持ち込むのが精一杯ほど強く、ロンドンの最強騎士は伊達じゃない。が、ある理由から蛸を苦手としている。そして、料理の腕はアーサーですら素足で逃げ出すほどまずい。星児は『歌とチャンバラにステをガン振りしたじゃじゃ馬』と両断するほど…



★門矢士

 プレジデントG側にて行動する皆様、ご存知の世界の破壊者。ロンドン華擊団の話をきいて、わざわざキングラウザーまで出してきたが、期待値より低いと落胆。ロンドンが弱いんじゃない、お前がチート過ぎるのだ。今回、万一の場合は太正の世界を破壊すべく現れたらしい…?

 …ライダータイム出るってマジ?



★夜叉

 この物語で一番のサイコパス。



 

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