仮面ライダー01<ゼロワン> × 新サクラ大戦 ー新たなるはじまりー   作:ジュンチェ

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令和と太正 参

「はあッ!!」

 

 

飛び立つゼロワン。マゼンタの猛禽を象った力は羽ばたくことすら必要とさせず主へ縦横無尽の飛翔能力を与え、真っ先に鈍く飛べないが故に絶滅したドードーが餌食になったのはなんと皮肉なことか。

紫電はしらせる嘴は緩慢な動き故、簡単に見切られる上に空中のゼロワンに全く追い付けず挙げ句の果てにかわされた先にいたカマキリを突いてしまう始末。加え、後ろから追撃のキックを受けて大転倒してしまう…

 

 

『Giiiiiiii』

 

 

ならば、空中にいる相手には同じ飛べる者とコウモリ。ヴァンパイアさながらの翼を拡げ、朧の付近をすり抜け大空を駆けるゼロワンを追う。音速に迫る勢いで上昇しながら、ゼロワンはアタッシュウェポンの刃を展開してプログライズキーを装填する。

 

 

【 WING!! 】

 

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁァ…!!!!」

 

 

Gに歯を食い縛りながらも身体を反って反転すると、マゼンタに輝くアタッシュウェポンの切っ先がほうき星のように光る。コウモリも回避しようとしたが、残念ながら飛翔能力は現実の生物と同じく遠く及ばないわけで…

 

 

 

 

【 フ ラ イ ン グ カ バ ン ス ト ラ ッ シ ュ 】

 

 

「はあァァっ!!」

 

 

 

ーー斬!!!!

 

 

『Giiiiiiii!?!?』

 

 

 

ろくに身体を捩ることすら出来ず、真っ二つ。おぞましいかなきり声のような断末魔をあげながら塵のようなエネルギーになると、アナザーゼロワンのベルトへ吸い込まれて吸収される。

 

まずは1体。減速して着地するゼロワンは辺りを見回す……す

 

 

『Giiiiiiii…!!!!』

 

「うおっ!?」

 

 

より早く、飛びかかり襲いかかるカマキリ。慌て振るわれる鎌をアタッシュウェポンで切り払うも、待ってましたとドードーからの横槍の体当たりがゼロワンを弾きとばし武器はあさっての方向へ奪われてしまう。

 

 

「いってぇ…。出し惜しみしてる場合じゃないな。」

 

 

【 Shining Jump!! オーソライズ!! 】

 

 

地面を転がったが、まだ終わりではない。こちらにはまだ切り札がある…金色に輝くプログライズキーをドライバーに読み込むや、マゼンタのフライングファルコンの装甲が消失して基本形態ライジングホッパーへ。そこに、隕石のように降り立つのはオンブ飛蝗のようなライダーモデル……明らかに、先のフライングファルコンより強いエネルギーを滾らせるそれはライジングホッパーを更なる次元へと進化させる。

 

 

【 プログライズ!! The rider kick increases the power by adding to brightness! シャイニングホッパー!!

 

……when I shine,darkness fades. 】

 

 

 

「キラキラキターッ!」

 

 

蟲の王は太陽の輝きを獲た。味方には空を照らす希望の光、仇なす者にはすべくを焦がす厄災の熱… 背中へ伸びる飛蝗の後脚を想わせる鋭いデザインは夢へと飛び立つ可能性が如く。

 

 

…『仮面ライダーゼロワン シャイニングホッパー』

 

 

闇纏う異形たちを討ち祓うため降臨した姿に、遠くからイズに肩を貸されていたさくらは息を呑む。

 

 

 

「…すごい。本当に仮面ライダーみたい……。」

 

『彼は飛電或人、まだ若くありながら、飛電インテリジェンスの社長を勤め…そして、人類とヒューマギアの未来を護る者、仮面ライダーゼロワンなのです。』

 

「え!? 本当に、あの伝説の仮面ライダーなんですか!?

あの花組と一緒に戦った…!!?」

 

 

…? 首を傾げるイズ。彼女の素性はまだわからないが仮面ライダーは知っているとはどういうことか。確か『仮面ライダー』の名前の由来は、昭和の都市伝説がその1つと言われているが『花組』なるものは不明だ。

やっと出来た認識の共通点故に、詳細を衛星ゼアに接続して情報を吟味したいところだが、その間にも戦いは進んでいく。

 

 

『『Giiiiiiii!?』』

 

「ほら、こっちだ!!」

 

 

カマキリとドードー、完全にゼロワンの動きについていけず、攻撃は先読みされたように悉くかわされ続けた上に、確実に頭や関節などに回り込み防御の脆い部分を尽きダメージを入れてくる。

これぞ、シャイニングホッパーの能力。敵の動きを瞬時にラーニングして演算、結果の25000通りかは最適な攻撃パターンを繰り出すことを可能にするのだ。いくらアナザーライダーから生まれたとはいえ、ライダモデル単品では真価を発揮は出来ないため対抗するのがそもそも無理だろう。

 

 

「決める!」

 

 

ベルトのグリップからライジングホッパープログライズキーを外して、ドライバーに翳すゼロワン。異形の巨体は縺れ合い、トドメを刺すなら絶好のタイミング…跳躍すると彼の影は消え、同時に標的を囲うようにゼロワンのグラフィックが出現する。最早、逃れる術は無い。

 

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

 

一撃、二撃、三撃…。的確に演算された最適解に叩き込まれるライダーキック。一発ごとにライダモデルは悲鳴をあげるように軋み、原型を失い、動くことすらままならない。そこへ、頭上から流星のような輝きが一閃…

 

 

【 シ ャ イ ニ ン グ メ ガ イ ン パ ク ト !!】

 

 

 

「おりゃあああああァァァァ!!!!!」

 

 

 

『『Giiiiiiii!?!?』』

 

 

ブチ抜かれ、ダメージが限界に達し爆発四散するライダモデルたち。命は無いはずだが、滅却される悪魔のような断末魔を上げて消え…その爆発をバックにスライディングしながら着地するゼロワン。その力は圧倒的だ…

 

 

 

 

 

……しかし、まだ戦いは終わらない。

 

 

 

 

 

 

『流石、令和の1号!! この力も期待出来るというものね!』

 

 

「…ッ!」

 

 

…パチパチと手を叩く音に振り向けば、そこにはアナザーゼロワン。或人は警戒するが、違和感を持つ…声もそうだが、感じるエネルギーが以前とは桁違い。そして刻まれた年号が西暦ではなく、『TAISHO/29』となっている…まあ、アナザーライダーは産まれた暦が刻まれているなんてルールはゼロワンたちが知るよしも無いが。…即ち、このアナザーライダーはこの世界では存在しない『大正29年』に産まれたことになるのだ。

 

 

「お前、ウィルじゃないな。何者だ!?」

 

『気になる? なら聞き出してみれば…? 出来るならね?』

 

「…コイツッッ」

 

 

アナザーゼロワンの挑発…良いだろう、乗ってやる。人間かヒューマギアかわからないが、得体の知れない相手に容赦する必要は無い…地を蹴り、機械斧オーソライズバスターを振り上げ斬りかかるゼロワン。飛蝗の跳躍の弾丸に匹敵するような勢いは防御が間に合えば精一杯だろう。だが、アナザーゼロワンは不気味に眼を光らせると一瞬でゼロワンのデータを読み込み…

 

 

『フンッ』

 

「…!」

 

 

ガンッ!! と、刃がぶつかりあう音。なんと、素手だったはずのアナザーゼロワンの手にゼロワンと同じ、オーソライズバスターが形成されていたのだ。

バカな…その驚いた一瞬を逃さず、アナザーゼロワンからの斬りあげがゼロワンを襲う。胸から火花を散らし、地面に転がされるがなんとか立ち上がる。

 

 

「まだだ!」

 

 

面食らったが、何のこれしき。アナザーゼロワンの動きを演算し、攻撃パターンをホログラムにして投影。戦いの流れを掴もうとするが…

 

 

『残念だけど、それ…私も出来るのよ。』

 

 

アナザーゼロワンもシャイニングホッパー同様に眼を光らせて演算。対応してこちらも、ホログラムを展開する。

 

 

「『ハアァァッ!!!』」

 

 

そこから先は光速の戦い。互いに一手二手先を読みあい、その先を追い抜いて一撃を与えようとするがどちらも致命的な一撃を与えられず、逆に寸前で回避したりと激しい攻防戦が繰り広げられる。

 

 

「なんでシャイニングホッパーに追いつけるんだ!?」

 

『当たり前じゃない。オリジナルが強くなれば、アナザーライダーだって強くなるのよ!』

 

 

オリジナルの仮面ライダーが強くなれば、アナザーライダーも強くなる…。理不尽かもしれないが、実際にジオウという前例がある。彼がグランドジオウへと進化した際は、アナザーライダーであるアナザージオウも同等の能力をもつアナザージオウⅡへと進化した。光と影とでもいうべき関係性以上、影響しあうということだろうか…

 

つまり、アナザーゼロワンはシャイニングホッパーに匹敵する力があっても不思議ではない。そして、活動時間が長いためにバックファイアで徐々にダメージが蓄積していたゼロワンが遅れをとりはじめていた…。

 

 

「…はぁ …はぁ」

 

『あらあら、もう限界かしら?』

 

「な、何を…!」

 

 

 

 

「社長、コイツを使え!!」

 

 

危機…ここで、見かねた不破がアサルトウルフキーからアサルトグリップを取り外し、ゼロワンへ投げ渡す。そうだ、アサルトシャイニングホッパーなら負担は大幅に軽減出来る…! 受けとるや早速、シャイニングホッパープログライズキーをドライバーから外してグリップを接続するゼロワン。

 

…このタイミングをアナザーゼロワンは待っていた!

 

 

『それを使うのを待っていたわァァ!!!』

 

 

「!」

 

 

まるで呼応するように、青い電撃を走らせる異形の肉体。すると、胸部から鋭い光彩の異形の眼が露出して狼のような幻影が飛び出し、アナザーゼロワンの節々に喰らいつくと青い毛皮のようなパーツに変質していく。

 

 

『…ァァアアアアア!!!!! ついに、私と滅亡迅雷netが馴染んだわ!!』

 

 

【 ゼロワン シャイニングアサルトホッパー 】

 

 

「何!?」

 

 

その姿は隆々とした獣人、血管のように脈動する赤い血管… 有機的なれど、間違いなく『シャイニングアサルトホッパー』…ゼロワンのシャイニングホッパーの派生形態である。

 

 

『これで、今日から私が…仮面ライダーゼロワンだ!!』

 

 

「ふざけんな、この化け物!!」

 

 

【 シャイニング・アサルトホッパーー!! 】

 

 

無論、オリジナルとしてこんな存在を許すわけにはいかない。こちらもシャイニングアサルトホッパーへと変身し挑む。

 

 

 

…そんな様子をビルの上から笑みを浮かべながら、朧が眺めていた。

 

「良いねぇ、令和の世界…暇はしなさそうだなァ。」

 

「こんな所にいたんですか、朧?」

 

 

そんな彼の背後から、歩いてくるポニーテールに一角のアイマスクをつけた女性。黒いマントに軍服と異様な出で立ちで、彼女に気がついた朧はため息をつく。

 

 

「なんだ、夜叉か。って、ことは…自称・上司にバレたわけか。」

 

「ええ。油売ってないで、さっさと戻ってこい…だそうです。」

 

「けっ、興冷めだぜ…」

 

 

仕方ない、内輪もめは避けるべき。朧の様子を確認すると、『夜叉』と呼ばれた女性は手元にあったアタッシュウェポンを弓型に変形させて妖しいエネルギーを纏うゼツメライズキーをセットし、紅雷を充填する矢尻を空へ向ける。

 

 

「さあ、新時代の幕開けですよ。」

 

 

 

バシュッ!! と放たれる邪悪な矢。雲すら穿ち、虚空を撃ち貫くと巨大な魔法陣が形成されて、銀色のオーロラが出現。そこから、巨大な光がアナザーゼロワンの元へ、柱のように降ってくる。

 

 

『あら、時間切れねぇ。気づかれちゃったかしら?』

 

 

時間切れを察したアナザーゼロワンは組み付くゼロワンを蹴りとばし、エイムズのトラックの上へ。すると、引力でもあるかのようにトラックごと光に吸い寄せられていき…そのまま、空のオーロラへと登っていく。このまま、逃げるつもりだろう。

 

…逃がすか! と、ゼロワンもトラックに飛びつき尚もアナザーゼロワンと相対する。

 

 

『あら、貴方もくる? 太正の世界に…?』

 

「大正…!? またそれかよ!?」

 

 

戦いは尚も続く。そして、空を見上げる者たちは天変地異クラスの怪異をただ見守ることしか出来ない…

 

 

……そして、さくらは気がつく。空のオーロラの先…微かだが見覚えのある街並みがそこには映る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……帝都?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

 

 

 

次 回 予 告

 

 

 

 

繋がってしまった令和と太正の世界、ふたつに迫りくる降魔の影!!

 

混乱の中、或人とイズは帝都の護りの要たる帝国華撃団の本拠地『大帝国劇場』へ……しかし、既にかつての栄光はなく上海華撃団に頼りきりな上に演技も酷い有り様だった。 このままなら、帝国華撃団のとり潰しは避けられない!? …そこで、支配人の神崎すみれが提案したのは世界中の華撃団が集う祭典である華撃団大戦の優勝と飛電インテリジェンスとの並行世界の垣根を超えた事業提携だった!?

 

 

そして、帝都に見え隠れする謎の影…その中に『太正の1号』はいるのか? どうする、令和の1号!? 仮面ライダーゼロワン!?

 

 

次回、【交わる新時代】

 

 

……太正浪漫を駆け抜けろ、令和の風ッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……ねえねえ、知ってる? 大帝国劇場の七不思議。

 

 

 

使われないエレベーター

 

妖怪のぞき目玉

 

空飛ぶ本

 

中庭の幽霊石

 

誰もいない舞台で啜り泣く女の声

 

呪われたプロマイド

 

 

 

 

 

 

 

………そして、してはいけない鬼ごっこ。

 

 

 

 

 

日が沈む頃、走って、回って、歌ってごらん?

 

 

鬼さんこちら、手の鳴るほうへ

 

 

かえってくるよ

 

 

鬼さんこちら、手の鳴るほうへ

 

 

知らないよ? ……知らないよ?

 

 

 

 

 

 

本当に、鬼さん来ても知らないよ?

 

 

 

 

 

 





体験版はここまでになります。もし、連載するとしたら、次回予告と内容が変わってくるかもですがよろしくお願いします。


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