仮面ライダー01<ゼロワン> × 新サクラ大戦 ー新たなるはじまりー   作:ジュンチェ

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お、お久しぶりです…。

今回の話は最後らへんで詰まってしまっているうちに、気がついたらこんなに更新が遅くなってしまった…(汗) すみません。







誠を受け継ぐ者 Ⅲ

 …黒潮 虎月

 

 

突然、現れた星児の父親に面食らったさくら…。『それじゃ、すみれさんに言われてるから。』と優しい笑顔のまま、静かに威圧すると四の五の言わせずに彼女を帝劇の正面に停めていた黒くモダンな愛車まで引きずっていき放り込んだ。無論、止めようとした或人だったが白秋は『気にすることはない』と一蹴…取り敢えず、こっちもバイクで追うことに。

 

 

 

 さて、見知らぬ男と隣り合わせになったさくら。車はエンジンを蒸してすぐに発進…もう逃げれそうにない。

 

 

「あ、あの……」

 

「手荒な真似ですまない。だが君がウジウジしている時間も惜しい…すぐに華擊団大戦会場に向かう。仮にも花組なら、君は今回の戦いを見届ける義務がある。」

 

「っ! いきなり何を!? あなたは一体…」

 

「星児の父親と言ったはずだ。あと何なんだと言いたいのはこちらのほうだ。明暗を分ける大事な試合を見もしない…それで、真宮寺さくらに憧れているなど片腹痛い。」

 

「…あなたに何がわかるんですか!!」

 

「解らないね。…だが、君の疑問を少しは晴らすことが出来る。会場まではまだ時間がある…この際だ、訊きたいことはないかい? 例えば『夜叉』と名乗る降魔についてとか…?」

 

 

 ――!

 

 まさか、この男は知っているのか…? 自分の憧れの人と同じ顔をした彼女の正体を…?

 

 

「あの上級降魔、実は確認されたのは今回がはじめてじゃない。十年前以上前に2回…その頃は旧・帝国華擊団に真宮寺さくらもまだ存在していた。そして、僕はある人からの依頼を受けてずっと、彼女を追っていたんだよ。まあ、十年間も足取りが掴めず、結局はこうして帝都に戻る羽目にはなったけどね…」

 

 

 苦々しく嘲笑う虎月の横顔……落ち着いた雰囲気のせいか、あまり星児と似ているようには思えない。まあ、さくら自身も全く父親似な顔ではないのでとやかく言えた筋ではないが。

 

 

「夜叉は…何者なんですか?」

 

「少なくとも、真宮寺さくらじゃない。でも、彼女も君に負けず劣らず真宮寺さくらファンだったのは確か…愛するあまり、顔まで変えた行き過ぎた熱烈なシンパだ。それに、星児の母親ってのも出鱈目。本当なら僕は華麗な独身貴族なんてやってないさ。」

 

 

 …彼の情報を纏めると夜叉は真宮寺さくらとは別人、もしくは象っただけの降魔で既に旧・花組が健在だった頃には存在していた。本当だというのなら夜叉別人説も有利になる。すみれと星児もこのことを知っていたのなら、彼女を見て動じなかったのも頷けるというもの。しかし…

 

 

「夜叉は…真宮寺さくらさんじゃない…。でも、彼女は真宮寺さくらさんの技を使いました。同じ顔で同じ奥義を持つ…それで、別人なんて…」

 

 

 さくらの中で強く主張するこの根拠。決定的だ、どう覆す?どう説明すると胸の中で膨らむそれを『フン。』と虎月は一蹴する。

 

 

「それこそ、星児だって使えるだろう? まぁ…あの子は色々と特殊な諸々があるんだけど。夜叉の『桜花剣征・破邪放神』…あれは名前だけとって形を似せた偽物・贋作の奥義だ。本物には遠く及ばないし、その刀に技の真髄は無い。ただ目の前にある全てを斬り伏せるだけの血に飢えた牙だ。見様見真似の星児の我流より尚、質が悪い。」 

 

 

 名前だけとっただけの偽物。本質は全くの別物。

 

 真宮寺さくらの顔を被った『誰か』……それが、夜叉。

 

 

「君が帝国華擊団なら、決して彼女を許すな。絶対に。僕もまだわからないことが多いが、これからも夜叉は災禍をこの帝都にばら撒こうとするはず…。

 

 だから、斬るべきだ…彼女が元々が何者であっても。」

 

 

 

 ――――それが君の宿命だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

 

 クラリッサ・スノーフレイク 対 エリス

 

 

 仮面ライダーバルカン 対 仮面ライダークローズ

 

 

 

 

 

 

 ――ガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!

 

 

「ぐっ! うぅ!!」

 

 

 激しい銃撃に耐えるクラリス機。重魔導による防御と飛電メタルによる強固な装甲のおかげで致命傷はもらっていないが、搭乗者であるクラリスの消耗は確実に進んでいた…。辛うじて魔力弾で抵抗を試みるも、そんな弱々しい攻撃がアイゼンイェーガーに通じるはずもなく、怯ませることすらままならない始末。

 

 すぐ近くでバルカンとクローズも戦っている。青2号ライダー対決…こちらは技術で優れるバルカンを経験と経験とパワーとタフネスでクローズが銃撃に苦戦しつつも喰らいつく。

 

 

「クソッ! 銃なんか捨ててかかってきやがれ!」

 

「…さっきから、銃相手に素手とか馬鹿だろお前。」

 

「あァァ!? 誰がバカだ! 俺はプロテインの貴公子、万丈りゅ……」

 

 

 

 

 

 ズドドン!!

 

 

 

「おおぅ!?」

 

 

「「真面目にやれ(やりなさいよ)。」」

 

 

 ムキになったクローズにマルガレーテとビルドから注意喚起の砲撃が飛んでくる。クローズは『クソガキぃ!!』と悪態をつきながらも、ボクシンググローブのような変身ツールと新しいフルボトルを取り出してビルドドライバーへ装着する。

 

 

【 クローズマグマ!! 】 

 

 

「やってやらぁ!!」

 

 

 迸る溶岩に翼を拡げる炎の龍…仮面ライダークローズ・マグマへと強化変身。仕切り直しとバルカンへと拳で再び立ち向かう。

 

 

 

 

 その傍らで尚も弾丸の潮流に晒され続けるクラリスの無限…牙を剥く黒鉄の飛礫が機体を激しく振動させ、鼓膜を劈くような轟音に苦悶の声が洩れてしまう…。恐らく飛電メタルの装甲でなくては今頃は蜂の巣であっただろうが、このままいくとパイロットに限界が来るのは時間の問題。

 

 ……だが

 

 

「…」

 

 

 ―――― 突然、鉄の雨が止む

 

 

 エリスがアイゼンイェーガーのトリガーを押すことを止めたのだ。熱と硝煙を纏う銃身と一体化した霊子戦闘機の右腕を上げ、明らかに不満げな顔をしていた。理由は簡単…

 

 

「…何故、本気でかかってこない?」

 

 

 明らかに相手に戦意の無いから。

 

 数度、リロードやポジションを変える際の微かな隙など反撃を狙えるタイミングは幾つもあったのに、被弾はゼロ。こちらに向ける攻撃はほとんどが明後日の方向に飛んでいくので回避行動の必要すらない…。対し、クラリス機は回避すらろくにしない文字通りの良い的の有様だった。

 

 

「弱者としても試合の場になったなら、己の全力を持って臨むのが礼儀だろう? 何が不満だ?」

 

「――私は…」

 

 

 静かに怒りを滲ませる問いに、絞りだすように答えるクラリス。

 

 

「私は、誰も傷つけたくないんです…。この重魔導で誰かを、大切な人たちを守るって決めたのに…。なんで、同じ人間と戦わなくちゃいけないんですか? こんなので、『平和の祭典』なんてバカげてます…。

 

 おかしいとは思わないんですか、貴女たちは…? 下手をしたら大怪我じゃ済まないかもしれないんですよ!?」

 

 

 彼女は反対だった。この歪められた名ばかりの『平和の祭典』も、自分の重魔導の力を同じ人間に向けるのも、人間同士で死ぬ可能性すらある競い合いをすることも…

 

 

「私はこんなことをするために帝国華擊団に来たんじゃない…どうして、こんなことに…」

 

 

 震えて、泣き崩れるクラリス…彼女には今の全てが重すぎた

 

 しかし、

 

 

 

 

 

 

 

「もう良いわ、黙りなさい。」

 

 

 

 

 

 温情はかけられなかった。真逆の冷たい侮蔑が胸に突き刺さる。

 

 

「平和の祭典の意味は…『平和を守るための祭典』という意味。それすら理解しない貴女に帝国華擊団を名乗る資格すらない。…失せろ。」

 

「!」

 

 

 無慈悲な蹴りが無限を襲い、転倒。そのまま立ち上がることは無い。エリスもそれ以上、追撃を加えない。

 

 

 

「帝国華擊団…その名を継ぐ者に少しは期待したのだけれど。本当にガッカリ。」

 

「…」

 

 

 そして、アイゼンイェーガーは去り取り残される無限…その中のクラリス。その一部始終に気がついたバルカンとクローズも戦いの手を止める。

 会場も騒然となり、実況も『一体、どうしたのでしょう?』と言葉を流す中でプレジデントGのみがVIPルームの窓からほくそ笑む。

 

 

「所詮、クズはクズなのだ。新装備だなんだといった時は肝を冷やしたが、まあとんだコケ脅しだったな。

 

 ――無様なり、哀れなり、帝国華擊団。かつての栄光の名を抱いまま腐りおちろ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

 

 

 

 …結局、何も出来なかった。

 

 

 クラリスはコックピットの中で泣き崩れおちていた。変わると誓ったのに…前に進むと誓ったのに、何も出来なかった。

 

 情けない、逃げたい、消えてなくなりたい…。やっぱり、自分には無理だったんだ。ごめんなさい…ごめんなさい…

 

 

 

「なぁ…あんた。」

 

 

 …?

 

 呼びかける声に顔をあげると、霊子戦闘機越しの目の前にクローズ・マグマが立っていた。戦いの意思は感じられない…ぎこちなくだが、話しかけてくる。

 

 

「なんでお前戦わねぇんだ? このままだと、棄権扱いだぞ。」

 

「………アナタも私に戦えと…暴力を振りかざせというのですか?」

 

「あ? …よくわかんねぇけどさ、それで良いのかお前?」

 

 

 良い訳がない。でも…

 

 

「私は…人を守るためにここに来たんです。私の力は、人間を傷つけるためにあるんじゃない!」

 

 

 

 クラリスの迷いからくる悲痛な叫び…すると、クローズは『あぁ…』と頭をかくと

 

 

「まあ、気持ちはわからなくも無いな。」

 

 

 意外にも理解を示す。『でもな…』と彼は続ける。

 

 

 

「その、うまく言えねえけど…

 

 俺達、仮面ライダーも別に最初からこの決定を呑みこめたわけじゃない。だけどな、エリスが言ったんだよ…華撃団大戦は平和の祭典……『平和を守るための祭典』だって。自分たちは強い、この力があればどんな奴が相手だろうと負けねぇ、だから安心して毎日を生きろって、見てる人間たちに見せる場所こそがこの舞台なんだってな。この場から背を向ければ、俺達は誰からも信用されない。仮面ライダーは暴力の権化になっちまう。

 

 それが、嫌だからって…同じ仲間でありたいからってエリスが必死に頭を下げてきたんだよ。だから、俺達はその想いにこたえてここにいる。」

 

「…」

 

 

「ここにお前が嫌う暴力を振るう奴は居ない。テメェの譲れない夢と意地をかけて互いに競ってるんだけだ。 お前は違うのか? 仮にこれが『暴力』だとしても、その重さを一緒に背負える仲間はいないのか? 今、戦っている奴等が目を背けていいのか?」

 

 

 ――!

 

 

 自分が嫌う『暴力』とは何なのか。クラリスは改めて、自分に問う…

 

 

 

「私は…」

  

 

 己の為すべきことは…

 

 

 

  

 

 

 

 





 仮面ライダーアマゾンズ✕ウマ娘という常軌を逸したクロスオーバーを思いついて、設定練って息抜きに書いてたら調子上がってきてイケるんじゃねコレと思っていた時期がありました。(吐血) アマゾンズはグロいから駄目だよね、ウマ娘とのクロスオーバーは…(白眼)。因みにお兄ちゃんが妹のウマ娘が中央トレセン通うための学費を稼ぐためにアマゾンになって、妹ウマ娘のトレーナーもアマゾンで仲良く殺し合い、うまぴょいどころの話じゃねえみたいな構想でした。…なんでこんな話考えたんだ。


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