仮面ライダー01<ゼロワン> × 新サクラ大戦 ー新たなるはじまりー 作:ジュンチェ
オーマジオウ「呼んでない。」
ディケイド「勝手にきた。」
秋のドロボーまつりはっじまるよー!(白眼)
…時間を少し巻き戻す。
場所は帝国華撃団の司令室。
天宮夫妻の対応にさくらとすみれがあたっている間、他の者たちもそれぞれの仕事にあたっている。司令室にいるのは唯阿と不破…星児と令士だった。あと作業内容が気になったアナスタシアの姿もある。
司令室のモニターに映し出されているのは新しいベルトニューエイジドライバーをスキャンしたデータだ。これを星児へ解説していく唯阿…
「桐生戦兎によれば、このニューエイジドライバーは霊力をスチームグリップによってゼロワンドライバーを多次元的に加圧…負荷をかけて出来た影をこちらの次元に押し出してきたものなのだ…らしい。そもそも、シャイニングスチーム・ホッパー自体がこのベルトを産み出すための形態で、こんな質量保存の法則を捻じ曲げた理屈は言っている私でもサッパリだが、とにかく…この世界に最適化されたベルトが産み出されたということ…のようだ。」
「…つまり、それが『太正の1号』を産み出すのに必要ってわけなら、さっさと坊ちゃんに使わせてやれば晴れて任務完了だろ?」
そう簡単な話なら、いちいち説明はしないのだが…。話してる本人も某・天才物理学者からの受け売りなので語尾に自信の無さが滲む始末。
短絡な疑問をだす不破に頭を抱える唯阿に代わって、今度は令士が説明をバトンタッチしてキーボードでモニターを操作していくと無限のデータが浮かび上がる。
「このドライバーは既に霊子戦闘機である無限のライダモデルのデータを既に内包している…一応、『霊子ライダモデル』と言っておこうか。つまり、ライダーシステムから更に、小型化した無限をパワードスーツのように重ね着するような形態になることが予想される…されるんだがなぁ…。」
頭をポリポリとかく… 同じタイミングでゼロワンやバルカン、バルキリーといった仮面ライダーのデータがモニタリングされるが、ニューエイジドライバーと関連付けされると『×』と警告表示が出てしまう。
「…既存のプログライズキーじゃ、全部が無限の霊子ライダモデルと相性が悪くて変身が出来ない。キーそのものを新造するしかないなこりゃ。」
出来るか…は別問題になるが。つまり、ライダーシステムとして完成にはまだまだ時間がかかるということだ。残念ながら、目標達成までの道程はまだまだかかる様子…しかも、この機材も人材も十分には満たない太正世界で0から適応する未知のキーを創るなんて骨が折れるだろう。唯阿も遠い目をしている…。
「せめて、まだ相性が少しでもマシなキーさえ見つかれば……」
――プログライズキーが無理なら、ゼツメライズキーを使えば…
「「は?」」
「え?」
今、なんて言った? ギュルンと視線が呟いた星児に向いた…
「あ、いや…何か急に頭に浮かんで口が……。かんでもないって、気にしないでくれ。」
「いや、そうでもないぞ。」
何かに気がついた唯阿はスチームグリップを手に取り、端末とコードで繋ぐ…すると、『ロッキングホッパー』のライダモデルのデータがモニタリングされた。
「このグリップは元々が特殊なゼツメライズキーの変質したものだと聞いた。つまり、この中にはライダモデルのデータが入っている…これをベースにキーを新造すれば……」
――光が見えた。
そうスチームグリップは元々がロッキングホッパーゼツメライズキー…即ち、ゼロワン世界のはじまりである仮面ライダー一型のキーであり、ニューエイジドライバーの建造に用いられたもの故に適合するキーを創れる可能性が高い。
早速と作業にとりかかるべく機材を弄りだす唯阿と令士。
そんな様子を神妙な顔でアナスタシアはすまぁとろんを片手に見ていた…。すまぁとろんに映し出されているメッセージはふたつ。
【――身の振り方を考えなさい。誰につくかは明白なはず。】
【――裏切りは相応の仕打ちが待つぞ。お前には私しかいないのだからな!】
差出人こそは不明になっているが、前後は別人それぞれからのメッセージ…正直なところ、前者は未知数で後者は船底に穴が空いた元々の雇い主…ハッキリ言ってどちらも博打なので頭を抱えずにはいられない。
「参ったわね…」
「何がそんなに参ったんだい?」
「ひゃっ!?」
突然、ぬうっと後ろあら伸びてきた顔に柄でもない乙女な声が飛び出してしまった。一体
誰かと思えばニコニコとした神山が立っており、やれやれと溜息をつく。全く、レディの背後に立つに飽き足らずに密着寸前まで詰めてくるなんて…時折、デリカシーが無いとは思ってはいたが。まあ、彼ならメッセージが万一目に入ったとしても大した問題にはならないはず。
「キャプテン! いくらなんでも、レディに大して……」
「やあ、みんなご苦労さま。このベルト、凄いじゃないか?」
「ちょっと…?」
溜息ひとつして軽く怒ろうとしたアナスタシア…しかし、神山は軽く無視するとテーブルに置いてあったニューエイジドライバーを手に取り『中々のお宝だね。』と感嘆する……キラキラさせる眼が子供のようだが、いつもの彼とは違う姿はあまりに不気味だ。戸惑いながらも、どうしたのかと問うたのは同期である令士。
「おい、どうした神山? 悪いものでも食ったか?」
「ニューエイジドライバーか…。太正の1号の力、お宝として申し分ないかな。思わぬ掘出し物、お目当ての『帝鍵』とは違うけど、それは君に任せようか…
……アイスドール?」
「!」
咄嗟にピストルを抜こうとしたアナスタシア…しかし、脚のホルダーは空…代わりに神山の掌でクルクルと弄ばれている。直後、彼はパァン!と天井の蛍光灯を撃ち抜き視界が暗闇に包まれると一瞬で視界が奪われる。すぐに非常灯に切り替わる神山の姿は無い。
「な、なにがいったい…神山はどうしたんだ?」
「あれはキャプテンじゃないわ!とにかく、すぐに追いましょう!」
すぐに司令室を飛び出した一行。
一方、神山・偽はエレベーターで正面玄関…ではなく、地下の格納庫へ。
そこは丁度、愛機の調整にやってきていた初穂とクラリスがおり鉢合わせする形になった。上の騒ぎなど露と知らぬふたりは急ぐ様子の彼にさして疑問を抱くはずもない。
「お、神山?お前たしかあざみたちと…」
「やあ、これをあげるよ。」
ポイッと投げられたのはアナスタシアの銃。『うおっ!?ちょ…!?』と慌てキャッチした初穂の横を神山・偽はすり抜け不幸にも搬入中だったワイヤーで吊るされてコックピットのハッチが開いたままの桜色の無限に飛び乗った。無論、このパーソナルカラーはさくらの新たな愛機である。
「へえ、中々の玩具じゃないか。」
「神山隊長!? それは、さくらさんの機体で一体、なにを…!?」
そのまま、クラリスの制止も聞かず発進用の地下トンネルに突撃し消えていく桜色の無限。あまりの事態に呆然とするばかりの彼女たちにアナスタシアたちが追いつく。そして、この場で起きた一部始終を察するのだった。
「あ、アナスタシアさん…神山隊長が…」
「クラリス、あれはキャプテンじゃないわ。とにかく、出撃して後を追うわよ!」
★ ★ ★ ★ ★ ★
そして、現在…
「つまり、俺の偽物が新型ドライバーを盗んでさくらの無限で逃げ回ってるってことか!?」
「要約するとそういうことになりますね! あの時、わたしが早く気がついていれば…」
神山は上海華撃団とは分かれる形でクラリス機に抱かれる形で追跡に参加をしている。今、帝都各所には令士の根回しで避難は進んでいるが尚も盗人の足は留まることを知らない。さくらとアナスタシアが追撃の先頭に立つが逃走に使われている機体が待望していたさくらの新しい霊子戦闘機なだけあって今一つ強気に出れずにいた。
そんな彼女たちを嘲笑うように速度を更にあげていこうとする盗まれた無限…しかし、その前にズンッ!とふたつの影が立ち塞がり反射的に逃走劇はブレーキをかけられた。
「「上海華撃団、参上!」」
立ち塞がるは2機の王龍。シャオロンとユイ、帝都を護るもうひとつの盾…上海華撃団である。無論、いくら華撃団大戦で不戦敗という結果を叩きつけられたとしてもこんな暴挙を見過ごすほど落ちぶれてはいないのである。
盟友に泥を被せ、帝都を荒らす不届き者には龍の怒りが牙をむく…!
「やい、テメェ。図太い根性してるがここまでだ!」
「さくらの無限とドライバーは返してもらうよ!」
帝国華撃団にとってはなんとも心強い増援だろう……
「やれやれ、誰かと思えば負け犬華撃団じゃないか。」
――最も、やれやれとハッチを開けた神山・偽だった男にははらう蚊が増えた程度の問題だったが。
箱型のシアンの銃をクルリと取り出すなり、ディケイドと同様のカードを装填し銃身をスライドさせる。その動作にシャオロンは最悪の可能性を予感した…
「お前…ッ!? まさか…」
【 KAMEN RIDE… 】
「そのまさかさ…変身!」
【 DE-END!! 】