俺とメルトは冥界を後にし、次元の狭間に来ていた。そして目の前には巨大な赤い龍がいた。その龍こそが世界最強とされる「真なる赤龍神帝」グレートレッドであった。
「マデュラほどにないにしろ、大きいわね。」
「ああ、でかいな。あれがグレートレッドか。」
「おお、見ておったぞ。オーフィスが迷惑をかけたようじゃな?」
巨大な赤い龍がそれよりも大きな蛇のような龍に言う。
「このままの姿でもいいのじゃが、少し大き過ぎるのじゃ。人型になろうか。そしたら、そちらの女も喋りやすいじゃろ。」
「ああ、わかったよ。」
「そうね。そうしてくれるとありがたいわ。」
すると目の前のグレートレッドの姿が変化していき、真っ赤な髪にルビーのような紅い目の美女になった。表情は豊かであり、服装は赤いドレスを身に纏っていた。その姿はオーフィスを大きくしたしたようだった。
「ふぅ。この姿になるのも何千年ぶりじゃ。まず自己紹介じゃな。妾がグレートレッドじゃ!」
「俺は、ダラ・アマデュラ。マデュラと呼んでくれ。」
「私はメルトリリスよ。それより、オーフィスをここから追い出したのは寝てばかりではなく、たまには外に出て色々なことを見て来いってことでいいのよね?」
「ああ、その通りじゃよ。オーフィスは寝てばかりだった。それにあやつは純粋な子供みたいなものじゃ。成長してほしいと意味も込めて外に送り出したのじゃが…。」
「ああ、やっぱり、オーフィスが勘違いしてたわけだな。」
「あの子は純粋だったしね、勘違いするのも仕方ないとは思うけど。あなたは何て言って追い出したのよ?」
「寝てばかりじゃなく、外の世界を見て来い!と叩き出した。」
「それは勘違いされても仕方ないと思うけど。」
「あなたのやり方にも問題があったのじゃない。もうちょっと言葉をかけてあげれば良かったじゃない。」
「うっ、それは悪いと思うのじゃ。」
「今度会った時にオーフィスに謝りなさいよ。」
「うむ、そうするのじゃ。そういえば、マデュラ、少し前にお主のことを探している者がここに出入りしているのじゃ。」
「うん?俺を探している者?」
「ああ、なんでも「私以外のアルトリア系のセイバー全て倒す!」と意気込んでいたのじゃ。もうそろそろ帰ってくると思うのじゃが。」
「なんだろう、すごく嫌な予感がする。」
「ええ、私も面倒くなりそうな予感がするわ。」
「そいつはどこに行っているんだ?」
「ああ、「神様に新しいセイバーが現れたと言われました。その名前はマデュラというみたいです。すぐさま倒さなくては。」とか言って探さな言ったのじゃ。」
「やっぱり、神様の仕業か。それにしても面倒だな。」
そんなことを言っていると、後ろから声が聞こえた。
「やっと見つけましたよ。新たなるアルトリア顔のセイバー!あなたがマデュラですね?」
そこには、アホ毛が突き出た黒い帽子に短パン、青いジャージの上着と青いマフラーを身に纏った、俺と髪と目の色以外は似ている奴がいた。
「お前は誰なんだ?」
「……コードネームはヒロインX。昨今、社会的な問題となっているセイバー増加に対応するために召喚されたサーヴァントです。とりあえず、セイバーを捕捉。倒します!」
そういうとヒロインXは日本の白く光る剣と黒く光る剣を取り出しこちらに向かってきた。
「おま、それ、ビームサーベルじゃないか。それに俺はセイバーじゃない!」
「なっ!ビームサーベルじゃありません!これは
「お前、ぶっちゃけやがったな?!しかもお前はセイバーではないだろ!アサシンだろう?!」
「ねえ、グレートレッド、私たちは何を見せられてるの?」
「さあ、妾にはわからんじゃ。しかし本人たちが楽しそうなんでいいのじゃないか?」
「そうね、そういうことにしときましょう。」
ヒロインXがマデュラに二刀流で襲いかかっている姿を見てメルトたちは苦笑い気味につぶやく。
「なかなかしぶといですね。セイバーの頂点に立つのは私です!」
「だから、俺はセイバーではない!それにお前もセイバーではなく、アサシンだろ?!」
「私はセイバーです!これで終わりにします。」
そう言うと、ヒロインXは距離を取った。
「…アサシンと思ったうぬが不覚よ!」
ヒロインXが持つ剣の光の輝きが増し接近し、そして滅多斬りにしてきた。
「星光の剣よ。赤とか白とか黒とか消し去るべし!ミンナニハナイショダヨ!『
ヒロインXは滅多斬りにした後、俺をXの字に切り裂いた。
「ふぅ。また一人、私以外のセイバーが消えました」
「おい、何勝手に終わらしてるんだ?まだ俺は倒されてないぞ。」
「なっ!私の必殺技を受けて無傷だなんて…?!」
ヒロインXは俺の無傷な姿を見て驚いていた。
「少しだけ痛かったから、お仕置きさせてもらう!」
そう言うと俺はヒロインXの頭に拳骨を落とした。
「あいたぁ!」
「これで許してやる。」
「何するんですか?!めちゃくちゃ痛いじゃないですか!」
ヒロインXは涙目になりながらこちらに詰め寄ってくる。
「何ってお仕置きだって言っただろ?それに俺はセイバーでもなければそもそもサーヴァントでもないし、なんなら人間でもない。たまたま人型の時の姿がアルトリア顔だっただけだ。」
俺は龍の姿に変身した。
「確かにセイバーじゃないみたいですね。私の早とちりでした。申し訳ありません。」
「まあ、いいよ。」
そう言うと、俺は人型に戻った。
「ありがとうございます。」
「やっと終わったみたいね?それにしても楽しそうだったわね?」
メルトが揶揄いながら尋ねてきた。
「楽しいわけあるか、面倒くさかったよ。」
「面倒くさいとは何ですか?!面倒くさいとは!」
「あーはいはい、ごめんごめん。それよりもお前はこれからどうするつもりなんだ?」
「あー、そのことなんですけど、私のマスターになってくれませんか?どうやら、まだ仮契約で本契約まではしていないようなので。」
「おま、マスターに斬りかかっていたのか?!」
「えっと、つい?」
「まあ、いいか。本契約ってまたあれか?」
「えっと…はい。」
「…いいのか……?」
「あら、言ったじゃない。私が1番ならいいわよ?」
「まあ、メルトが1番なのは永遠に変わらないからな。よし、本契約をしよう。」
「本当ですか?ありがとうございます!」
ヒロインXは俺に抱きつき、顔を近づけて唇にキスをした。
「んむぅっ!」
1分経ってヒロインXの顔が離れた。頰が少し赤くなっている。
「お前、いきなりだな。」
「こういうのは、勢いが大事なのですよ!では改めて、コードネームはヒロインX。昨今、社会的な問題となっているセイバー増加に対応するために召喚されたサーヴァントです。よろしくお願いします。あなたがマスターである限り、私はセイバーとして仕えましょう。え、アサシン?なんのことですか?」
「お前、アサシンって認めないつもりだな?」
「私はセイバーです!」
そうして俺達にヒロインXが付いてくることになったのだった。
「やっと終わったみたいですじゃな。お主らといると楽しそうじゃな。妾も付いて行くに決めたのじゃ!それにお主らといるといずれはオーフィスとも会えるのじゃろ?」
「まあ、確かに会えるけど。」
どうやら、グレートレッドも加わったみたいだ。そんなことをしているとメルトが俺に近づいてきた。
「私にも構いなさいよ。…たまにはキスをしてもいいんだからね?」
そんなことを呟いた。
「もちろん、メルトにも構うよ。それにたまにじゃなくてしていいならいつでもするよ!」
「っっ!たまにでいいわよ!馬鹿!」
そんな風に俺達はじゃれ合うのであった。
強化はメルトリリスのみです。ヒロインXは強化しません。