日間1位や怒濤の評価の嬉しさに溺れそうですが初投稿です。
今回でエレシュキガル、カーマ、そして最後の三柱が出揃いますが、ハイスクールD×Dの味を生かすため、黒髪で神で可愛らしいあの方が最後の女神となっておりますのでご了承ください。
「えっ!? カーマちゃ――カーマさんって立香の
「うん、発現したのが大体10年前なんだ」
「ああ……だから10年来の付き合いって言ってたのか」
後日、学校の放課後にイッセーの仕事のお詫びも兼ねて、旧校舎にあるオカルト研究部の部室に招待された立香は、出されたお茶を飲みながらイッセーを中心に談笑をしている。
互いに募る話というものもあると思われるため、丁度いい機会だったのであろう。既にイッセーの方の事情は大方話し終えたため、今は立香の家にいる2人の女性についての話をしている。その様子にイッセー以外のグレモリー眷属は安堵していた。
元々、あからさまに怒りを抱くような人間ではないが、リアス・グレモリーにとっては大物のお得意様である。何せ、イッセーは知らないが、"世界で最も凶悪な神器を持つ神器保有者である"――と公には知られているため、そんな彼にラリアットを放ったのを見たときは、グレモリー眷属全員が肝を冷やしたものであろう。
そして、彼が裏の世界で一目を置かれている由縁足る神器――"
しかし、立香とカーマの前に置かれていたケーキは、立香の方はほとんど原型を残しているが、カーマの方は既に食べ切っている辺り、彼女の趣向が伺えるかも知れない。
「
「ああ、お腹一杯で食べないからあげるよカーマ」
「そうですか、食べられないなら仕方なく……仕方なく私が貰いますねー」
カーマは"仕方なく"という言葉を強調し、相変わらずのつまらなそうな表情ながら、彼女を知る者には少しだけ嬉しそうに見える笑みを浮かべる。
そして、立香が1割ほどだけ手を付けたケーキを皿ごと自分の前に移動させ、パクつき始めた。
「いいなぁ……」
間違っても神器と神器保有者には見えない、偉く微笑ましい立香とカーマの関係性を見つつ、イッセーはそんな感想を漏らした。
まあ、"
その後、神々によるおふざけで生まれた"お助け女神事務所"についての会話になり、エレシュキガルはそこから派遣されてきた女神だということがイッセーに伝えられ、彼は再び羨ましさを募らせる。
「ちょ、ちょっと待ってくれるかしら……?」
するとそれまではイッセーの隣に座って2人の会話を静観していたイッセーの王にして駒王学園3年生の上級悪魔――リアス・グレモリーが、困惑したような様子で口を挟んできた。
「ということは、あなたの家にいるエレシュキガルというのは……冥府にいた最も古い神々の一柱の女神エレシュキガルということよね?」
女神エレシュキガル――。
メソポタミア神話における死後の世界であり、冥府に当たる――冥界の女主人であり、死と腐敗の女神。植物の成長と腐敗を司り、疫病と熱病の権能を振るい、ガゼルや蛇や竜を使役し、冥界の使いであるガルラ霊を自在に操る。性格は残忍で、美しいものを妬み、醜いものを笑い、欲しいものは他人の手に渡らないよう殺してしまう。
更に60の病気で人を殺すという疫病神且つ冥界の首相ナムタル、書記のベーレット・セリ、死者を裁く7人の裁判官を従えており、疫病と死の神であるネルガルを夫としている――と神話の伝承では伝わっている。
そのため、イッセーの仕事のときに遠見の魔法でリアスらが目にした割烹着を着ていた金髪の女性は、その気になればこの駒王町など簡単に地獄に変えてしまえる存在だということを今察したのであろう。
要するに伝承の通りならば、駒王町に核爆弾が持ち込まれたようなもののため、この町を統治しているリアスとしては、気が気ではなかったのである。
◇◇◇
一方その頃。
「……クッシュン!」
立香が学校に行っている間、自宅で家事をしており、その合間の休憩中であったエレシュキガルは、両手を口元に当てて小さく可愛らしいくしゃみを落とす。
「少し冷えるのだわ……」
そう言いつつ、彼女が居間から見た場所は中庭であり、戸が開け放たれていたため、直に夕方と言えど季節外れのやや冷たい風が入り、肌寒く感じる程である。
しかし、居間から見える、緑と景観に合う花々で彩られた藤丸家の中庭を眺めるのが、エレシュキガルの小さな楽しみのひとつのため、戸を閉めることはなく、そのまま眺めていた。
「2人とも早く帰って来ないかしら?」
そう言うエレシュキガルの表情は、寂しさではなく待望による期待感に胸を膨らませた笑みであった。
◇◇◇
再び、オカルト研究部の部室。
「そうですねグレモリー先輩。でもエレシュキガルはとっても優しくて芯の通った人ですよ」
「ああ……優しくて気立てがよくて、おっぱいが大きくていい人だったよなぁ……本物の女神かー、道理でそんな感じだったわけだ」
全くエレシュキガルに対して懸念を抱いている様子のない立香に、それに続いて染々とした様子で自分が見たエレシュキガルという女性について語るイッセー。少なくとも、イッセーはエレシュキガルという女神を伝承では危険極まりない悪神とは知らないはずのため、本心からの評価なのであろう。
2人の反応を見たリアスは、少し自分の中のエレシュキガルという女神の評価を改める。
そもそもお助け女神事務所から派遣された女神は、どの女神がどこに行き、何を叶えたかという情報が主神格の神々を通して広く伝えられている。悪魔陣営に関しては、四大魔王に伝わる手筈になっているため、彼女の兄のサーゼクス・ルシファーを含む四大魔王からリアスに警告すら来ないと言うことは、知らなければ気に留める程のことでもないということなのだろう。
また、古今東西、伝承通りの存在などそうはいない。むしろ、話が誇張されたり尾ひれがついたりして伝わることの方が日常茶飯事だ。ならば、女神エレシュキガルという存在が、立香の言うような本当に優しい女神である可能性も十分有り得る事と言える。
そんな事を考えながらチラリとリアスは、立香のセイクリッド・ギアであるカーマの方を見た。
「嘘……嘘……1日2日であんなに増えるわけない……何かにハメられて――」
「ププッ――」
「――――!? まさか!?」
「私、知りませーん。あー、ケーキが美味しいでーすー」
「ぐぬぬっ……!?」
なんだか、小さな女の戦争が勃発し始めている気がするが、最初からカーマが圧勝しているため、塔城小猫に勝ち目はない。
そう言えば、今日は小猫が余りお菓子類に手を付けている様子がなく、誰に話すわけでもなく床を見ながらブツブツ呟いている姿を見掛けるため、どこか調子が悪いのかもしれないと、リアスは後で小猫に聞いてみることにした。
「…………そうね。少し気を張り過ぎていたかもしれないわ。話の邪魔をしてごめんなさいね」
そもそも既に神器、"
結果として、藤丸立香との対談は、特になにもなく平和に終わったのであった。
◇◆◇◆◇◆
「ただいまー」
「お帰りなさい!」
陽が陰ってきた16時過ぎ頃。グレモリー眷属とのお茶会を終えて、真っ直ぐに自宅へと戻った立香は玄関まで出向いてきたエレシュキガルに出迎えられた。
カーマはと言えば、セイクリッド・ギアとして立香の体内に戻って眠っているため、彼にはカーマの寝息が聞こえているが、それを気にした様子は特にない。
「これ、お土産。グレモリーさんたちに貰ったケーキだから是非食べて」
「わぁ……あ、ありがとう……」
そして、立香はエレシュキガルへのお土産として、グレモリー眷属に包んで貰ったケーキの箱を手渡す。
目を輝かせたエレシュキガルが、その場で箱を開けると、可愛らしい色とデザインのショートケーキが2つ入っていた。ひとつはいつもより長めに留守番をさせた事へのお詫びのようなものである。
「美味しそう……! 早速いただくわねっ!」
そうして、少女のように嬉しげな様子になるエレシュキガルを立香は微笑ましいものを見るような面持ちで眺め、とりあえず靴を脱ごうと視線を離し――。
「本当に美味しそうね。ひとつは私の分かしら?」
明らかに見た目からはそぐわない程の色気と、感覚はほぼ常人の立香ですら可視出来る程の神性を纏った人形のように愛らしい見た目の少女がそこにいた。
人間では到底不可能な闇のように暗くありながらも、透き通るようなしっとりとした烏の濡羽色の長髪。
顔立ちは本来の年齢よりもかなり幼げに見え、見るものに庇護欲を掻き立てるような儚さとあどけなさを残しており、悪戯をしたときに浮かべるようなしたり顔が似合いそうな少女である。
身長は女性としては決して低くはなく、むしろ標準よりもやや高め。少しだけサイズの大きい清楚なブラウス、膝丈までの黒いスカートを履き、その中には白のペチコートが覗き、更に白いタイツで纏めることで無垢な印象を与え、少しだけ高い黒のヒールを履いて背伸びした大人のような雰囲気を醸し出す。全体的に見て、無垢で清楚なお嬢様といった風貌をしていた。
そして、その体は彫像のように寸分の狂いもなく完璧に均等のとれたスレンダーなプロポーションと、幼い顔立ちに似つかわしくない大きく豊かな胸が服の清楚感と対極に位置することの相乗効果により、常人ならば男女問わず情欲を掻き立てる――着エロの極致を感じることであろう。
そして、淡く柔らかな黄昏の陽のように鈍い輝きを帯びた瞳は、それにもかかわらず、夜闇のように吸い込まれそうな程澄んでいた。
妖艶な笑みを浮かべるために少しだけ開かれた口から覗く歯は、全ての歯がインプラントなのでは無いかと思うほど歯並びも色も良い。また、そこに見え隠れするやや鋭い犬歯が覗いて可愛らしいくも見える。
明らかに女神として完成し過ぎているその肢体は、常人には刺激が強過ぎ、1度や2度の傾国は容易であろう。
そんな天上の美女にして、美少女を目にし、その無意識と意識された魅力を存分に向けられた立香は――。
「ああ、"ニュクス"さん。こんにち――いや、もうこんばんはかな? 今日はどうしたの?」
「………………………………他に何か私を見て言うことはないかしら?」
「…………? ――ああ! ニュクスさんらしい服装だね。とっても似合ってると思うよ」
「くっ……なんてこと…………夜なべして作った"童貞を殺す
「…………?」
――誰にでも取るようないつも通りの反応で、普通に接していた。
「やっぱりアレなのかしら……? 男色家? それとも鈍感なだけ? いや、その割には鋭いですし……やっぱり子供の1人でもこさえなければ無意味なのかしら? いえ、でもギリシャ神的にそれは私から音を上げた気がするし……」
「え……えっ? ニュクスってあのニュクス……?」
突如その場に現れ、体と服を立香に見せつけてきたと思えば、難しそうな顔をしつつ、小声でブツブツと何かを言っているニュクスという名の女神を前に、エレシュキガルはそれについて思い返した。
ニュクスと言えば、文字通り星の数ほどの淫行と問題行動を起こす神々たちで非常に有名なあのギリシャ神話の中で、主神ゼウスからも恐怖と共に一目を置かれている程の神性であり、純粋な神格ならば、エレシュキガルよりも上の女神だ。
ついでに"お助け女神事務所"の設立にかなりの好感触を示し、多大な後押しをした女神でもあったりする。
ギリシャ神話の神々は、まず原初の存在である
その中で名が夜を冠し、死をも司る原初の女神こそが"ニュクス"なのである。
突然だが、カーマ――天魔マーラを10年間も身に宿して生活している藤丸立香という男の事を、裏の世間では普通はどう思われるであろうか?
自然な考えならばこうであろう。"マーラですら落とせない男"、"釈迦の再来"――となるのは想像に難しくない。まあ、実態は特に後者に関しては釈迦等とは似ても似つかない普通の青年なのであるが。
そして、神――とりわけ女神――特にギリシャ神話の連中を中心に、そのような男を自分の魅力で落としてみたいと考える神々が出始めるのは自然と言えよう。無論、向こうは娯楽のひとつとして程度の扱いである。
まあ、カーマでさえ落とせない男というところは何も間違っていないため、始める前から結果は決まり切っていた。
女性よりも何からなにまでしっかりしているため、女神でありながら女子力の差に絶望して敗退する者。好意は向けつつも衝撃的なまでに
ついでに様々なギリシャ神話の女神が現を抜かしていることに激怒したポセイドンが藤丸家に襲来し――1日過ごした結果、逆に惚れたポセイドンに立香が掘られそうになったこともあったが、カーマが撃退する一幕もあった。
まあ、それらはギリシャ神話の神々の端迷惑なブームのようなもので、ほとんど収まったが、このニュクスという最後に残った女神だけがまだ律儀にアタックを続けているのである。どちらかと言えば、強靭で女神らしいプライドが災いして、今更引っ込みがつかなくなったというのが正しい。
「まあ、いいわ……」
「あっ……」
ニュクスはエレシュキガルが持っているケーキのうち片方を素早く手に取ると、やけ食いのように一口で食べ切り、玄関扉の前に立って扉を開いたまま手を掛ける。
「また、来るわね……っ!」
それを捨てセリフにビシリと音を立てて玄関扉は勢い良く閉じられ、小さく手を振っている立香と、開いた口が塞がらない様子のエレシュキガルだけが残された。
「な、な……なんだったのだわ……?」
困惑しつつようやくそう呟くエレシュキガル。
何せ、彼女が主に付き合いで参加している様々な神々が参加する宴会に出て知っているニュクスは、もっとずっと厳格で掴み所のない雲のような女神であり、非常に近寄り難い印象を受けた上にあのような様子ではなかったのである。
立香は少しだけ考える素振りをしてから天井に向かって指を立てつつ呟いた。
「近所に住んでるお姉さん……みたいな方かな?」
「近所に住んでいるの!?」
近所どころか、藤丸家のはす向かいにある土地を買い上げ、城のような家を立てて住んでいたりする。
誰とある法学者が言ったが、平和とは待って得られるものではなく、自ら築き上げるもの。ある意味、藤丸立香という青年は無自覚にそれを体現しているのかも知れない。
何せ、彼さえ居なければ、元より悪神や邪神の側面の方が遥かに強いニュクスは、平和とは無縁の別の道を歩んでいたであろう。
故に――平和とはまったくそれでよいのだ。
原作からして溶岩水泳部からの度重なる誘惑etcを藤丸立香くんちゃんは全て避けているらしいですので、これでFGOの方の原作を再現しているというのが怖い話ですね……。
~藤丸立香の三柱~
エレシュキガル
ポジションはベルダンディー。
カーマ
ポジションはスクルド。
ニュクスさん
"夜"の異名を持ち闇を自在に操る高貴なる原初の女神。また、暗黒の莫大なオーラをまとい、手から黒々した波動を放ち、一帯を夜の闇で覆うことができ、戦闘能力自体も原作のニュクスをそのまま据え置きのため、圧倒的な種族値の暴力を誇る。純粋な身体能力と力の戦闘のみなら三柱最強。
ポジションはウルド。個人的にサブカルチャーにドはまりしていない訳がないと思う。原作では真ハイスクールD×D 1巻(実質26巻か31巻)に登場する敵の童貞を殺す
ギリシャ神話の原初の神の一柱"
現在、絆レベル6ぐらい。
~QAコーナー~
Q:イシュタルは……?
A:
ああっ女神さまっのウルドは、空回りするだけでちゃんと気配り出来る妹想いで、隙あらば自分も捩じ込もうとする姉だけどfateのイシュタルはちょっと色々と問題が……(秩序・善属性の邪神)
ああ、でもそのうち別のところで出て来ると思うのでお待ち下さい。