最近中々執筆作業が出来ず、そのせいでおくれてしまい申し訳ございません。
今回はカレキの国での話、前編となります。
いつものとおり捏造設定が多数ありますがご注意ください。
なお、この小説のドラクエ世界は、DQM+の復活夜の世界とテリワンの世界が混ざっております。
それではごゆっくりどうぞ。
「二人とも、忘れ物とかないね?」
「おう」
「もちろんや」
最終確認をする誠に元気よく返す二人。あのフェイトとの出逢いから特に目立ったこともなく、そのまま連休となった。
誠たちはその連休を使って、カレキの国などの異世界巡りに行くために誠の部屋に集まっていた。何故誠の部屋かというと、カレキの精霊――かくれんぼうが指定したためだ。
さて、初めて異世界に行くはやてと冬至はというと、
「異世界ってどんなとこやろな~」
「国の名前からして微妙な気がするんだが……。それに言葉とか通じるのか?」
「それは行ってからのお楽しみってことで。あと今日はカレキの国の観光になるけど、タイジュの国やマルタの国、タイボクの国も許可は下りてるから、それは明日以降ってことで」
はやては文句を言いに行くという目的もあったが純粋に楽しみにしており、冬至も口では色々言いながらも内心かなり楽しみにしていた。
その様子に口元を緩める誠。誠もはやてたちといけるということもあり、カレキの国に行くのを楽しみにしており、連絡が来るのを心待ちにしていた。
「多分もう直ぐ連絡が来ると思うから」
「てか、兄ちゃん携帯二台持っとったんやな」
「これは知り合いの精霊に貰ったんだよ」
誠が今持っている携帯電話は、普段使っているスライド型とは違い、今時珍しいストレート式の携帯である。これはとある世界で出逢ったアイぼうと呼ばれる、わたぼうとよく似た精霊から貰ったものであり、世界を超えて連絡を取ることが出来る希少な道具である。
しかしこの携帯では普通の携帯と連絡が取れないという欠点が存在し、専らかくれんぼうたちへの連絡用としてしか機能していない。
それはさておき、暫く雑談をしていると、ピリリリリリと誠の携帯から着信音が鳴る。
誠はすぐさま電話に出ると、電話口から聞こえてきた声は、カレキの国の精霊であるかくれんぼうであった。
『かく、かく、かく……。マコトかい?』
「うん、数日振りだね。かくれんぼう」
『そうだね。ところでそっちの準備は出来てるかい? こっちはいつでも迎えに行けるよ』
「いつでもいいよ。それからはやてが色々と言いたい事があるみたいだから覚悟しといてね」
『はは、まあ原因はこっちだからね。覚悟しておくよ。……おっと、世間話はこれくらいにして、すぐに迎えに行くよ』
「わかった。それじゃ……二人とも、今すぐ顔を手で隠して目を瞑って!!」
電話が切れ、誠がはやてたちに注意をする。そして10秒ほどの間があった後、ピカッと一瞬小さく発光すると、部屋を光が覆った。
そのあまりの眩しさは目を瞑っていても判るほどで、事前に誠が注意していたおかげで光を直視しなくてすんだことに内心ホッとする面々。
やがて光が収まり、目を開けた三人が見たのは、黄色いニット帽を目深に被った、モコモコとした可愛らしい印象を受ける一体の魔物であった。
「やあ、こんにちは。ボクはかくれんぼう。カレキの国の精霊さ」
「可愛ええな~」
人懐っこい笑顔ではやてや冬至に挨拶するかくれんぼう。
その可愛らしさにすでにはやては抱きしめたいとばかりにうずうずとしていたが、ぐっと我慢すると、それぞれ自己紹介をする。
「よろしくね。それじゃあマコト、旅の扉を開くけどいいかい?」
「大丈夫だよ」
「わかった。それじゃあ開くよ」
かくれんぼうは誠から了承を得ると、旅の扉を形成し始めた。
旅の扉とは、大陸を渡ったり、世界を移動したりすることが出来る青い渦である。この旅の扉は、不思議な鍵や不思議な石版といった特定の世界へと移動する道具が存在し、カレキの国では不思議な石版を使った移動がメインとなっている。
またかくれんぼうのように一部の力ある魔物たちならば旅の扉を形成することが可能であり、そこからかくれんぼうがかなりの実力を持っていることがわかる。
そして力を溜めたかくれんぼうが丸い小さな腕を振るい、旅の扉が形成された。
「え……何処に出来たん?」
「何にもないんだが……」
キョロキョロと室内を見渡す二人、誠から旅の扉がどういうものか聞いていたがそれらしきものは見当たらない。
どういうことかとかくれんぼうの方に向き直った二人だったが、そこにかくれんぼうの姿はなかった。
「二人とも、こっちこっち」
「「何で箪笥!?」」
箪笥の引き出しからおいでおいでと手を振るかくれんぼうに、期待を裏切られたとばかりにツッコミを入れる冬至とはやて。そんな二人を見た誠は、僕も同じ事をしたなー、と苦笑する。そしてこの後起こることを知っている誠は二人に注意する。
「二人とも、身構えないと危ないよ?」
「「えっ――」」
誠の注意の甲斐なく、突如三人を浮遊感が襲う。それに驚く間もなく、今度は引き出しに吸い込まれ始めた。
「うおおおっ!? 何だよこれーー!!?」
「わわっ、吸い込まれるーー!?」
「あ、間に合わなかったか」
悲鳴を上げて吸い込まれていく冬至たちに対して、誠は楽しそうにそれに続いた。
そして全員を吸い込んだ引き出しはスッと音もなく閉められ、部屋には誰もいなくなったのであった。
◆ ◆ ◆
気がつくと三人はどこか神聖な雰囲気を放つ台座に乗っていた。
周囲は無数の根が複雑に絡み合っていたが、三人が乗る台座から先に見える扉まで道が出来ており、一種の洞窟のようになっていた。
「……ここは何処だ?」
「わからへん。せやけどなんや落ち着くなぁ……」
「ここは“神聖な間”と呼ばれてる配合の祠の奥。ここに入るのは僕も二回目だね」
警戒気味にキョロキョロと周囲を見渡す冬至。はやての方は不思議とこの空間に居心地の良さを感じていた。この場所に一度だけ来たことがある誠は、懐かしさを感じながらもここに飛ばすなんて珍しいなと思う。
(まあ大方はやてたちのためのサプライズだろうね)
かくれんぼうの性格からそう一人納得すると、騒ぎ始めた二人を落ち着かせ、台座から降りる。
そして誠を先頭に真直ぐ進んでいくと、その先にあった大きな扉が音を立てて開かれた。
「あ、配合婆さん」
「お婆様じゃ」
現れたのは、とんがり帽子を被り、丸メガネをした小柄な老婆であった。
タマゴが乗ったような杖を持っており、ふよふよと浮かんでいる。誠たちを一瞥すると早く来いといわんばかりに手招きする。その様子にどこか不機嫌そうだなと、誠は思いながらも、配合婆さんの下へと歩いていった。
扉をくぐった先は小さな部屋のようになっており、設置された複数のカンテラが部屋を明るく照らしていた。何故こんなに明かりを付けているのだろうとはやては疑問に思ったが、この部屋に窓が一つもなく、上へと続く階段が先の方にあり、この部屋が地下にあると気付いた。
「やれやれ、ようやく来たようだね。こっちは孵化作業や鑑定で忙しいというのに……。お前さんたちが来ることはかくれんぼうから聞いとるよ。この上でかくれんぼうが待っておるから、早くお行き」
一方的にそう言うと、配合ばあさんは机の上に置かれた籠からタマゴを一つ取り、忙しそうに祠の中に入っていった。
「感じの悪い婆さんだな……」
「まあまあ、忙しそうやったからしゃあないって」
「あはは、普段はもう少し優しいんだけどね。場所が悪かったかな……うん(後で怒られるよ。かくれんぼう)」
配合ばあさんの態度に眉を顰める冬至をはやては宥め、誠はフォローする。誠のフォローもあり、気を取り直した一同は、はやてを誠が背負い、外へと続く階段を上った。
「うおっ、眩しっ」
「目がチカチカするわ……」
日の光に思わず目が眩み、顔を覆う。
そして目を開けた二人は、目の前の美しくもどこか寂しい景色に息を呑んだ。
見渡す限り、小さな草木が生い茂っており、数は少ないが蝶などの虫も飛び回っていた。しかしその生命力満ち溢れる光景とは対照的に、冬の木のように葉が一枚もないカレキの国の姿は、とても寂しく映った。遠くに見える大樹のように、枯れ木ではなかったらとても素晴らしいものだっただろうにと、はやては残念に思う。
そんな風に感想を抱いていると、のんびりとした速度でかくれんぼうがやってきた。
「やあ、お待たせ。カレキ王にキミたちの来訪を伝えてきたけど、配合の間はどうだったかな?」
「……かくれんぼう、後で配合婆さんに謝っといた方がいいよ」
「うぇっ!? ちゃんと言っといたのになあ~」
ぽりぽりと顔を掻くかくれんぼう。そんなかくれんぼうを誠はジト目で見る。はやてと冬至はやってきたかくれんぼうに気付くと、景色から視線を移し、顔を向けた。誠からの視線が痛くなってきていたかくれんぼうは、これ幸いと二人に歓迎を声を上げる。
「あー、コホンッ……改めて、ハヤテにトウジ、ボクたちの国にようこそ! この国は気に入ってくれたかな?」
「いや、気に入る気に入らない以前にまだ着いたばかりなんだが……」
「あはは。そうやなー、兄ちゃんの話で聞いとった通り、綺麗な所やと思うんやけど、ちょっと寂しいなぁ」
「そうだな、人がいないのもあるし結構寂しいな」
はやてはそんなかくれんぼうを苦笑いで見ると、素直に感想を述べる。律儀にツッコミを入れていた冬至も、はやてと同じような感想を抱いていたようで、二人ともカレキの国に来て最初に抱いた印象は、どこか寂しい国というものだった。
そんな二人の感想に誠とかくれんぼうは互いに顔を見合わせると、くすりと子供が悪戯を思いついたような笑みを浮かべた。
「それじゃあマコト、そんな印象を吹き飛ばそうか」
「そうだね。僕も一応この国のマスターだから、悪いイメージは取り除かないといけないね」
「「……?」」
そんなかくれんぼうと誠の言葉に疑問符を浮かべるはやてたちであったが、上手くはぐらかされ、かくれんぼうを先頭に頂上へと進み始めた。
車椅子での移動が出来るのかと心配していたはやてであったが、カレキの国は上へと進む道がスロープ上になっていた。また老人が多いためか、ある程度整備されており、誠が押していくことで問題なく進むことが出来た。
そしてある程度の高さまで登り、カレキの国一帯を一望できる高さに来てようやく気付く。誠たちが言っていた言葉の意味を、二人が最初に抱いた印象を吹き飛ばすほどの光景に。
「…………すげえ」
「………うん」
下の階層から見たときは小さな若木や植物が生えているだけの一部分しか分からなかった。しかしその全貌は砂漠を呑み行く植物という、地球でならほぼ見ることが出来ない光景。遥か遠くに見える森林へと向けて、カレキの国を中心に少しずつ草木が広がっている。
もしやと思い、自分たちがいる枯れ木に再び目を向けると、一部の枝がまるで脱皮するかのように、朽ちた枝を押しのけ、葉のついた枝が生え始めていた。
それはとても幻想的な光景であった。蛹が長い時を経てその殻を破り羽化する蝶のように、この枯れ木も新たな大樹へと生まれ変わろうとしている。その光景にはやてたちは目を奪われる。
「かくれんぼうが力を取り戻したことで、少しずつ昔の姿を取り戻し始めてるんだよ」
「それだけじゃないよ。周りを見て」
かくれんぼうに言われて、周囲を見渡した二人は呆然となった。
自分たちが最初にいた下の方では、人気がほとんどなかったというのに、目に入った広場らしき場所では露店などが並んでおり、多数の人が行き来していた。何よりそこには活気があった。自分の店の商品を売ろうと声を上げる売り子や、雑談を楽しむ者、魔物を連れたモンスターマスターが店主と交渉する姿など。楽しそうに生きる人々の姿がそこにあった。
「……私、ちょっと誤解しとったわ」
「……俺もだ。兄貴たちが言っていたのってこういうことだったんだな」
「まあしょうがないよ。僕も最初来た時はそう思ってたし」
「あはは、初めて此処に訪れる人は皆そう言うんだ。だから気にしなくて良いよ。でも少しは良い印象に改善されてよかったよ。それじゃあ、今度こそカレキ王の所に行こうか」
罰が悪そうな二人に、誠はちょっと悪ノリしすぎたかなとフォローし、かくれんぼうは笑って大丈夫だと告げる。そして一同は再びカレキ王のいる王の間へと向かうべく、更に上へと上っていった。
◆ ◆ ◆
王の間へと到着した誠たちは、入り口から玉座まで敷かれた赤い絨毯を歩く。
そこは王の間と言うだけあり、どこか厳格さを感じさせる内装をしており、所々に黄土色の民族衣装の上に簡易的な鎧を着込んだ兵たちが配置されている。
冬至とはやては、まるで本当にゲームの世界に入り込んだように思いながらも、珍しいのかキョロキョロと周囲を観察していた。そして玉座の前まで来ると、そこに座る人物と対面する。
玉座に座っていたのは、王冠を被った年老いた小柄な老人だった。顔も皺だらけで髪も白くなっていたが、眼光は鋭くどこか貫禄がある。
その老人こそが誠がお世話になった人物であるカレキ王だった。
その姿を見たはやてたちは、先ほどまでの観光気分が一気に吹き飛び、自然と表情が引き締まる。そして全員が来たのを確認したカレキ王は重々しく口を開いた。
「よく来た……。ワシがこのカレキの国の王じゃ」
「は、初めまして。私は八神はやてといいます」
「や、八神冬至です……」
カレキ王の雰囲気に呑まれたのか、どもりながらも自己紹介をする二人。
そんな緊張気味の二人を余所に、誠はいつもと変わらない様子でカレキ王に挨拶する。
「数日振りです、カレキ王。おかげさまではやての足も治療することが出来ました」
「ふえっふえっふえっ、ワシらは何もしておらんよ。それはお主の頑張りのおかげじゃ」
そんな風に和やかな雰囲気で誠とカレキ王は言葉を交わしていく。ある程度会話が済むと、カレキ王ははやてたちに顔を向けた。
「ふむ、挨拶はこれくらいでいいか。……さて、トウジにハヤテじゃったか?」
「「――は、はいっ!?」」
すっかり蚊帳の外となっていたはやてたちは、自分の名前を呼ばれるとは思っておらず、いきなり名指しされ驚く。更にはこちらに向かって歩いてくるカレキ王の姿に、何か不味いことをしてしまったのかと内心動揺しながらも、それが表情に出ないように必死に取り繕った。
そして二人の目の前に立ち、こちらをじっと見つめてくるカレキ王にはやてたちは引きつった笑みを浮かべていると、突然カレキ王は頭を下げた。
「本来ならお主らには関係がないことなのに、ワシらの都合でお主ら家族を引き離してしまって……本当にすまなかった」
そう深々と頭を下げるカレキ王の姿に脳が理解出来ず、はやてと冬至は固まった。それに気付く様子もなく、カレキ王は更に言葉を続ける。
「お主らが怒るのも無理もない。気が済むのならどのような怒りをぶつけてもらっても構わん。出来る限りの償いもしよう。ワシらはそれくらい罪深いことをした…………」
「……えっ、あっ、そ、そんな頭下げへんといてください!」
ようやく再起動し、カレキ王の行動を理解するも、いきなり謝罪されるとは夢にも思っていなかったはやては、あたふたと困惑するしかない。
とにかく頭を下げるのを止めさせようとするも、一向に止める様子がない。冬至にも止めるように説得を頼もうとしたが、今だ現実逃避をしていた。
(ど、どないしよう!? 王様に頭下げさせるなんて、めっちゃやばいやん!? そりゃ一言文句言おうと思っとったけど、こうなるなんて思わへんやんか!? も、もしかして私ら捕まるん!?)
そんな風にパニックになりながらも、誠に助けを求めようとして、愕然とした。
何時の間に集合したのか、カレキ王の背後に整列した兵たちも同じように自分たちに頭を下げていたからだ。かくれんぼうもカレキ王の隣に立ち、同じように頭を下げていた。
はやてたちがあたふたしている一方で、当事者である誠はというと、この状況に内心でため息を吐いていた。
(かくれんぼうが先にカレキ王の所に行っていたのはこのためか……)
誠はカレキ王たちが謝罪を行った理由の見当がある程度でついていた。それははやてたちに対しての贖罪である。
普通に考えるなら、その国で最も偉い王に、初対面である少女が直接怒りをぶつけることが出来るわけがない。それこそはやてが考えていたように不敬罪で捕まるのがオチだろう。といっても、この国を含めて四ヶ国は非常に緩いため、精々説教くらいで済むのだが。
しかし今回の件でのはやての怒りは尤もであり、色々とカレキの国側に落ち度がある。誠の願いも結果的に叶ったとはいえ、それは誠自身が努力した結果であり、カレキの国は施設などを提供しただけであり、逆に誠の活躍で与えられた恩恵の方が大きい。
誠ならば別にそこまでしなくてもなどと言うだろうが、国としては曖昧に解決していい問題ではない。少なくとも家族であるはやてたちには、公的にもしっかりとした謝罪と賠償を行う必要がある。
そしてカレキ王は、はやてたちが怒りをぶつけやすいようにと、態々謝罪を行った。
この謝罪を行ったのも、誠から聞いていた話や、テリーにミレーユと、今まで出会った子供たちが皆家族に対して深い感情を持っていること。何よりかくれんぼうからこうした方が怒りをぶつけやすいという案に乗ったのもあったからであった。
これではやてたちが感情を爆発させて暴言を吐いても咎める気はなかったのだが、当のはやてたちは今だ混乱していた。
「どないしよう!? やっぱ斬首なんか!? そんでこの国の養分にされるんか!?」
「お、落ち着けはやて! ここは謝ろう。そうすれば軽い拷問くらいで許してもらえるはずだ……!!」
「いや、二人とも発想が怖いから」
≪マスターだけでなく、はやて様までですか……≫
もう何を口走っているのか、自分たちでも分かっていないくらいはやてたちは混乱していた。誠とリベリオンの言葉も届いておらず、好き放題言っている。そしてそんな二人に今だ頭を下げている一同。誠はそんな混沌とした状況にもう一度ため息を吐くと、とりあえず二人を正気に戻すために鞄からはりせんを取り出すのであった。
◆ ◆ ◆
誠の一閃によって正気を取り戻した二人は、自分たちが今まで何を口走っていたのかを思い出すと顔を真っ青にさせていた。その間に誠は、カレキ王たちに頭を下げさせるのを止めさせるたりして、場を仕切りなおした。
「「……お、お見苦しいところをお見せしてしまい、申し訳ございませんでした」」
「いや、こちらこそすまなかった。もと「またさっきの繰り返しになりそうなんで、止めてください」――そうじゃな」
「それではやてはどうする? 言いたいことあるなら言って良いみたいだけど」
「(そこで私に振らんといて!?)……あー、私はもう謝ってもろたから、こんなこと二度とせんといてくれればいいです」
再び謝りあいになりそうだったので、カレキ王の言葉を遮ると、誠ははやてに尋ねる。
いきなり話を振られてまた混乱しかけたが、はやてとしてもカレキ王の誠心誠意謝罪をしようとした気持ちは伝わってきたので、これ以上追及するつもりはなかった。
冬至もはやてが決めたことならばとそれに文句は言わなかった。
そしてこのようなことになった元凶であるかくれんぼうはというと、はやてたちに謝った後どこかに逃走した。
「もちろんじゃ。カレキの国の王として、その約束を守ろう……。それからお主達が滞在する間は出来る限りの便宜を図ることを約束しよう」
「え、そこまでしてもらわんくても……」
「子供が遠慮するもんでない。そうじゃ、マコトには星降りの際にローブを与えたな……。二人にも何か服を与えよう。……ほれ、誰か手の空いとるもんは、二人に合った服を持ってこんか」
言葉を挟む暇も与えさせず、カレキ王が急かすようにそう命令すると、兵たちは急いで二人に合った服を探しに駆け出していった。
それから少し待ち、兵たちが沢山の服を持ってきた。この国の標準である民族衣装や、異世界から手に入れたと思わしき服などがあった。なお用意された服は、基本的に着用者に合わせてサイズが自動調整される高級品である。
「ほれ、この中から好きな服を持っていけ」
こうなったら貰える物は貰おうと開き直ったはやてと冬至は、それぞれお礼を言うと、早速服を物色し始める。そしてはやては絹のローブを冬至はゴシックコートを選んだ。ちなみに誠がこの世界で普段着ているのはレンジャーコートと呼ばれるもので、本人はゆったりしているからという理由で気に入っている。
早速着替えのために別室へと向かったが、流石に男女が同じ部屋で着替えを行うのは不味いので、はやてには女性のお手伝いが付いた。
それぞれ別室に別れ、早速着替えを行っていた冬至であったが、ふと疑問が出てきた。
「……あれ? そういや何で言葉が通じるんだ?」
「それはボクがキミたちに一時的に加護を与えたからだよ。言葉だけじゃなくて文字とかも読めるから安心して良いよ」
「うおっ!?」
部屋には誠以外誰もいなかったはずなのに、いきなり現れたかくれんぼうに冬至は驚く。そんな冬至のリアクションに満足したかのようにかくれんぼうは頷く。
そして一方的に言いたい事を伝えると、それじゃあねと最初からいなかったようにその場から消えた。
「自由すぎるだろ……」
「あはは……」
神出鬼没自由気ままなかくれんぼうに、冬至は疲れたように深々とため息を吐く。
かくれんぼうのことをよく知っている誠も、これには苦笑いを浮かべるしかなかったのであった。
いかがだったでしょうか?
今回はカレキの国の現状と、自由気ままなかくれんぼうに振り回される話でした。
なお、今回の話で出た服ですが、Ⅹの基本カラーをイメージしてもらえれば大丈夫です。
それと書いていて少しうまく書けなかった部分があるため後日修正する可能性があります。
次回はカレキの国観光中篇となります。
出来る限り早く投稿しますのでお待ちください。
それでは次回また会いましょう。…………誤字、脱字があったら報告お願いします。