INFINIT・D・STRATS~進化の価値は   作:カオスサイン

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EPⅡ「出会いと決意と予想外PARTⅠ」

Side一夏

「ちくしょう!…」

虎次郎と数馬が殺されてしまった…糞!俺がもっと早く自分のシギルを使えていれば少なくとも数馬が殺られる事はなかったかもしれないのに…友人二人の死という事実が俺に重く突きつけられる。

これがゲームだって?ふざけるなと言いたい。

「『まずは初心者狩プレイヤーに対し鮮やかな逆転勝利おめでとうと言っておきましょう』」

「『…』」

「『ああ、私としたことがすまない…君の友人がGP全損処置に遭ったのだったな…』」

助言してくれたKRから賛辞のメッセージが届いたかと思うとすぐにそう謝罪のメッセージも送られてくる。

「『…KRさんよ、よかったらこのゲームの事について俺はまだ知らない事が多過ぎるから色々と教えてはくれないか?』」

「『これ以上深入りしようというのなら元の日常に戻れなくなりますよ?』」

「『良いさ…虎次郎や数馬がこのゲームに殺されてアイツ等とバカやって笑い合えていた生活に戻れないなら俺はアイツ等の分まで生き抜かなくちゃならない…アイツ等もそう望んでいる筈だからな…』」

「『分かりました…では明日、直接顔合わせして対話しましょう。

待ち合わせ場所はそうですね「レゾナンス」モール内の喫茶店で良いですね?』」

は?…

「『ちょっと待ってくれ、KRさんも近場なのか?』」

「『そうですけど?というかそうでないならそもそもこんな提案なんてしませんよ』」

「『それもそうだな…』」

そうKRとの約束をとりつけた翌日

「えっと…早く来過ぎたか?…」

待ち合わせ場所に来たのはいいがKRらしき人物は見当たらなかった。

「ン?」

ふと外を見ているととある光景があった。

「へへ、イイじゃないか~!」

「や、や…やめて…下さい…」

数人のチンピラが一人の少女をよってたかって取り囲み、逃げ場を無くしてナンパしている光景に遭遇した。

ってかこのご時世に古臭いナンパとは無謀というかなんというか…。

俺は放っておけずに店の外に出て助けに入る事にした。

「アンタ等、そこまでにしておけよ」

「ナンだあ~?」

「もしもしポリスメン?」

「!…チッ…ズラかるぞ!」

「り、リーダー?待って下さいよお!」

俺が警察に通報するフリをすると蜘蛛の子を散らすように逃げていった。

「ったくこんなご時世だというのにああいう輩は滅びる気配がねえよな…っと大丈夫か?」

「…た、助かりましたありがとうございます…って織斑一夏さん?

よかった!探してたんです」

「へっ?…もしかしてKRさんなのか!?」

「は、はい…クーリェ・ルククシェフカといいます。

ゲームでは「KR」と変えてありますが…貴方を探していたら運悪くあの人達に絡まれて…」

助けた少女はなんと件の待ち合わせ相手だったのだ。

周囲は助けようとする素振りすらなかった。

いくら女性優位の風潮があるといえども自分に関係無い事には無関心なのだろう…。

ってかメッセージでやり取りしていた時となんか違わくないか?

「わ、私…人と面と向かって話すのがどうも苦手で…」

あー、ネットとかだと饒舌になるタイプの子なのか。

「それより教えてくれ。あのダーウィンズゲームの詳細をさ」

「あ…此処みたいな往来の場所では迂闊にゲームの名前を口にしない方が良いですよ?」

「え?」

「で、ですから私達プレイヤー間でこの話題を出す時は只ゲームと言うか「Dゲーム」とだけ言った方が良いです…で、でないと余計な混乱を招きかねませんし…そ、それにゲームの運営に処置でアカウントを削除されてしまいますから…」

KR改めクーリェさんから話を聞き俺は改めてクソゲーだと痛感する。

まあ、プレイヤーを超能力者にする歪なゲームなんか下手に浸透したら今度こそ世界は混乱に陥ってしまうだろう。

運営の考える事も少し理解出来た。

それで彼女にDゲームの基礎について教えてもらった事を整理すると

①DゲームはGP制ではあるがバトルで全て失えば全損処置、すなわち物理的な死と同義なあの奇妙なオブジェクトと化してしまう。

②GPはリアルマネーに換金出来るシステムで1GP=10k…って十万!?桁が違うな…このゲームに溺れる原因の一つか…

③GPでゲーム内のガチャを回して排出されたアイテムはどういう原理なのかは不明だが現実に送られてくる

④10GPにつき一週間ランクマッチングバトルリストの表示から自身を遮断出来る「シェルター」の存在、但し俺が申し込まれたエンカウントバトルは防げずまた申し込まれた側は拒否出来ないので己のプレイヤー情報は可能な限り信頼のおける仲間間(クラン)での共有が推奨

⑤このゲームの根幹、「異能<シギル>」についてだがやはり人それぞれ千差万別でありそれは情報欄で確認出来、原則一人に一つのシギルがあの奇妙な蛇から与えられる

「っとこんな所か…そういえば俺のシギルって…何々【未元物質操作】?だ、ダークマター?」

「!?これまでに確認されていない特殊異能!…真逆織斑さんに…」

「ダークマターって確か未確認の未知の物質がいくつも内包されてるっていうアレか?」

「そうです!理論上は物理法則すらも超越し出来ない事はないとされています」

あの時、刀を叩き折れたのは咄嗟に出せたダークマターによるものだったのか。

「クーリェのシギルは教えてもらえないか?」

「わ、私のシギルは地形を作り替える事が出来るだけの【次元再測<ディメンション・ロジック>】です…」

地形を作り替えるだって?俺のシギルも大概だが彼女のも使いようによっては十分に有能なような…

「あ、あう…作り替えるといっても今の私は精々大きな落とし穴を作るぐらいにしか使い熟せていなくてですね…」

「それでも初見相手には大分強いじゃないか」

「そ、そんなこと…///~」

俺がそう褒めるとクーリェは顔を赤くした。

「そ、それに私なんかよりも強いシギルはまだまだたくさんあります。

この辺りはまだ大丈夫なようですが渋谷の方なんかは最近「エイス」という無法者達のクランに支配されかけているようで…」

「なんだって渋谷が!?」

「は、はい…はっきりいってISなんかよりもシギルの方が遥かに強力な力ですから…」

渋谷がそんな状況に陥っているとは…下らない風潮のせいもあって一部のDゲームのプレイヤーのタガが外れていやがるのか…。

「エイスや他のクランに対抗するにはもっと仲間を募る必要があります!」

「クランを作るってか?」

「は、はい!ですが今の私や織斑さんのランクでは設立不可能なので…」

「分かった!まずはランクマッチでランクを上げる事が最優先事項って所か…」

「が、頑張って下さい!」

「ン?…」

「あ…私この間シェルター使ったばかりなので…」

「Oh…しゃあないシギルの訓練だと思えばいいか…」

俺は新たな決意を胸にクーリェさんと別れランクマッチに勤しむだった。

 

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