INFINIT・D・STRATS~進化の価値は 作:カオスサイン
Side?
「げはっ!?」
「ぐふっ!?」
「ふぃー!」
「な、なんだ貴様等は!…「秋田会」に逆らって只で済むと…」
「五月蠅いなあ!」
「ぶっ!?…」
とある日の白昼堂々、渋谷を牛耳っていたヤクザの一つであった秋田会の事務所が何者かの襲撃を受けていた。
外回りから救援に駆け付けた若頭が交戦するが部屋の奥へと追い詰められてしまう。
「ははは!秋田会…秋田会ねぇ…若頭さんよぉもう既に無いんですよぉ!秋田会はぁ!」
「は?…」
襲撃者達「エイス」のリーダーである王が物凄っくいやらしい笑みを浮かべ高笑いしながら掴み上げた若頭にそう言い放った。
そう王に告げられた若頭はなんとか彼の拘束を振り解き部屋を見渡すと王の言葉の真意に漸く気が付いた。
「お、親父ィー!アニキィー!?う、うげえー!?」
若頭は思わずその光景にリバースする。
己の父親だけでなく、兄貴分と慕っていた男や自身以外の幹部全員が無残に殺され、目も当てられない状態に変わり果てていたからだ。
「こ、この!」
父親達の敵討ちだといわんばかりに若頭は拳銃を取り出して王を撃ち殺そうとした。
が…
「無駄無駄ァー!」
「ぎゃああああー!?」
王が片手を振るっただけで拳銃の引金を引こうとしていた若頭の両手が持っていた拳銃毎斬り飛ばされてしまった。
彼は激痛と困惑に狂わされる。
「はいお終い!」
そして最後には首を斬り飛ばされてしまい若頭も父親達と同じ末路を辿らされてしまった。
「リーダー!これでシブヤは俺らエイスのモノッスね!」
「こんぐらいで満足してちゃいけないよぉ~!次いこうぜぇ~!」
「ヘイ!分かりやしたぁ!」
これで渋谷を牛耳っていたヤクザ連中に変わり自分達が支配出来るだろう。
だが王はそれに満足せずに密かに次の標的へと狙いを定めていた。
Side?
「♪~お父さん喜んでくれるよね?」
私は城之内 真琴。
少し他の人より特殊で訳有りな生まれだけどそれ以外は花の女子中学生よ。
今日は私のお父さんの誕生日だからプレゼントを帰路際に買って喜んだ顔を浮かべながら家に着いた。
でも…
「あれ?…お父さーん?テツ叔父様ー?皆何処にいるのー?」
部屋に入るとどうしてか閑散としていた。
私は恐る恐るお父さん達を探す。
すると…
「お、お嬢…」
「!?」
リビングのドアを開けると微かに声が聞こえてきてその方を向くと私は驚いてプレゼントを落としてしまう。
「て、テツ叔父様!?一体どうしたのよその傷は!?…」
「ち、チンピラ連中が急にウチの組を襲撃してきて…今現在も道場の方で組長達が応戦しているんだが…」
「なっ!?…」
「只、奴等可笑しいんです!」
「それって…」
ウチ、「城之内組」の紅一点のテツ叔父様がここまで深手を負わされている時点でウチを敵視している連中の仕業と思ったのだが…
「奴等は只のチンピラ集団じゃない!いくら組長でも殺られちまう可能性が高い!」
どうやらそれとは無関係の連中らしいが…
「お父さん!」
「いけないお嬢!お気持ちは痛い程分かりますがここは…イテテ!?」
「怪我人は大人しくしてて!救急は呼んだから!」
「お嬢!?…」
叔父様の静止を振り切って、私は普段は使わない何時の日に宿ったのかは分からない超能力を使って道場の方まで飛んだ。
そこで目にしたものは…
「お父さん!」
「なんだぁ!?一体どっから入ってきた?」
道場内は複数人のガラの悪いチンピラ連中がお父さんや他の幹部の人達の事を取り囲んでいた。
「ま、真琴!?な、何故来てしまったんだ!?」
「たった一人の大切な肉親や皆を見捨てられる訳無いじゃない!」
お父さん達は驚いていたが私はそう叫ぶ。
「へえ~!あんたにこんなカワイコちゃんの娘さんいたんだ~」
「ま、待て!お嬢にそれ以上その汚い手で触れてみろ!貴様等生きて帰さんぞ!」
チンピラの一人が私に近付いてきて触れようとすると幹部の人が警告する。
「五月蠅いなぁ、社会のゴミ屑がよぉ!」
「「!?」」
「がっ!?……」
私に触れようとしていたチンピラが止めようとした幹部の人に向けて手を上げると幹部さんの腹部を棘の様な物が貫いた。
ま、真逆!?…コイツ等も超能力者なの!?
しかもこんなに大勢…だったら隙を突いてお父さん達だけでも…
「わ、私にどんな事しても良いからお父さん達は見逃してあげて!」
「「真琴!?/お嬢!?…」」
「へえ~…」
私がそう言うとお父さん達は驚き、チンピラは嬉しそうな顔をして私にもう一度触れようとしてくる。
…今だ!
「【瞬間移動<テレポート>】!」
「なっ!?…ぐええ!?…」
「!?」
ギリギリまで引きつけて油断させた所で能力でチンピラ男の背後に転移しお父さん譲りの足技で首を蹴り上げて気絶させた。
「このアマ!Dゲームのプレイヤーか!?」
「(Dゲーム?…)さあ絞められたい奴からかかってきなさい!」
「糞が!手の空いてる奴はマッチングであのアマのアカウントを探し出して申し込め!」
「わ、分かってる!」
「何言っているのか知らないけど隙だらけよ!」
「ぐばっ!?…」
私は能力を駆使してチンピラ男達を締め上げていく。
「捉えたぞ!女を殴るのは趣味じゃないが喰らいな!【豪風拳<テンペスト>】!」
「!遅いわね!」
ハゲ頭の男が風を纏った超能力?の拳を振るってくるが遅い!
同じ様に転移し蹴り上げる。
「何っ!?…げはあっ!?…」
これで全て片付けた…そう思い込んでしまったのを後悔する事になる。
「真琴、危ない!」
「え!?…」
「がはああああー!?…」
「お父さん!?」
一息ついていた隙を狙われ旋風の様な物が飛んで来て私に迫ってきた。
それを咄嗟に飛び出してきたお父さんが庇ったのだ。
お父さんは旋風に腹部と片腕を貫かれてしまう。
「こんな屑共に何時まで時間かけているのかと思ったら真逆お嬢ちゃんみたいな隠し球が居たなんてねえ~!」
「わ、王さん…すみません!…」
「いいよいいよ、俺様もこんな展開は予想外だったしもう本来の目的は果たしたしねぇ~!だけどお嬢ちゃんみたいな存在はねぇ…!」
「お嬢!?」
「ッ!…」
お父さんの命の危機を目の当たりにした私はその場から動けずにいた。
王と呼ばれた男の凶刃が私に再び迫ろうとしてくる。
私達このまま殺されちゃうの?…
そう絶望に沈みかけていた時だった。
ガキン!
「「!?」」
「表が何やら騒がしかったから何事かと思って来たらよもやもう足を伸ばしてきているとはな…」
男の子が男の凶刃を何かで防いでいた。
Side一夏
学校帰りに偶然騒ぎを聞きつけた俺は嫌な予感を感じ訪れた。
俺は少女が男のシギルにやられそうになっている所を見てすぐさまダークマターで盾を作り防いだ。
「ワオ!俺様の能力を防ぐとは大したものじゃねえか!」
「お前達が噂のクラン「エイス」の連中で間違いはないな?」
「そうだと言ったら?…」
「……俺一人でお前等を相手取ろうなど無謀な事は思っていない…だから今回だけは見逃してやる…。
それにアンタ等もこれ以上の厄介事は御免の筈だぜ?」
「…チッ!…おいケーイチ!気絶してる奴等をすぐ叩き起こせ!撤退するぞ」
「へ、ヘイ!…」
この上から目線な口調といいこの男がエイスリーダーの王で間違い無い。
俺はワザと彼等を見逃した。
正直一人だけでは非常に厳しい上、この事態に警察まで出動する事態になっていたからだ。
王もそれを悟り気絶していた仲間を回収して撤退していった。
「どうして見逃したの?!」
「…俺一人では取り巻きは兎も角、あの男に勝てた確立は低い…それに長引かせる訳にはいかない事情がいくつも重なったからな…」
「あ…お父さん!」
「うう…」
「此処にも救急隊は呼んである。
もし君が彼等にもう一度挑戦する気があるのなら後日また会おう」
「わ、分かったわ…」
俺はそう言って少女に連絡先を渡し、即座にこの場を離れたのだった。