INFINIT・D・STRATS~進化の価値は 作:カオスサイン
Side一夏
「それでどうだったんだ?」
「ええ、叔父様は一ヶ月で退院で、お父さんはなんとか一命を取り留める事が出来たわ…だけど手に障害が残ったみたいだから退院にはしばらくかかりそうだわ…でも…」
エイスの連中の襲撃事件の二日後、被害に遭ったヤクザの娘さんが連絡を取ってきたので俺達は喫茶店で話していた。
どうやら他にやられた幹部の数名は亡くなってしまったようだが…。
「ねえアイツ等は何者なの?それにDゲームって一体何?!」
「少し落ち着け声がデカイぞ!」
「あ…ご、御免なさい…私は城之内真琴よ先日は改めてありがとう」
「織斑一夏だ、こっちはクーリェ」
少女、真琴は声を張り上げ疑問を口にする。
俺はなんとか彼女を宥めさせて互いに自己紹介し話を続ける。
「まずは奴等、クラン「エイス」についてだ。
渋谷を縄張りにしていたみたいだが先日のように遂に渋谷の外にまで進出してきたみたいだな。
奴等はDゲームによって得た異能を使って好き勝手している要注意な連中だ。
今はヤクザの様な表舞台から消えてもほとんど何の問題も無い様な反社会組織を標的にしてゲーム感覚で始末していっているみたいだ」
「ッ!た、確かに警察の人や他の組と何度か揉め合いになった事はあるけど…でもでも!…」
「奴等に仁義がどうだとかは一切も通じない…そんな腐った連中の集まりだからな…そしてその切欠を与えたのが人を異能に目覚めさせあらゆる名声が手に入る可能性のあるDゲームだ」
真琴は涙目で父親達が命を狙われる理由は無いと言うがそんな認識が通じないのがエイスの様な連中だ。
「なあ、その能力はDゲームから得た物ではないのか?」
「違うわ…この瞬間移動の力はきっと…ウチの倉庫にあった懐中時計を壊してしまったあの日からのもの…」
「懐中時計だと?…」
本当にDゲームとは無関係に異能を持ち得たというのか…。
「ねえ、そのDゲーム私にも出来るのかしら?」
「まあもう無関係とはいかなくなっているからな」
「そうですね…」
真琴は父親達の仇を取りたいのだろう。
俺は彼女のスマホにダーウィンズゲームのURL、クーリェと一緒にフレンド登録通知を送る。
真琴がアプリを起動し蛇の幻影を見たであろうしばらく経ち…
「どうだ?」
「ん…一瞬周囲の時間が止まっていた様な感覚があったわ」
「何?スマホ見せてもらうが良いか?」
「ええ…」
そう断わりを入れて俺は彼女のプレイヤー情報を見てみる。
彼女のシギルにはこうあった。
【時戒の反示<アンチクロック・ブレイン>】と…
「時間関係のシギルか?…」
「恐らくそうかと…これはあまり表に出さない方が良いかもしれませんね…」
真逆のシギルに俺達は頭を抱えた。
早々にクラン設立を急がねばな…。
「ああ!?…」
「どうかしたのか?」
「ヤクザが狙われているのなら私の友達も危ないかもしれない!」
「何ィ!?」
「い、急ぎましょう!案内してくれますよね?」
「ええ!」
俺達は真琴の素っ頓狂な声を聞いて只事では無いと分かり早急に喫茶店を出た。