環いろはちゃんと共依存的にイチャイチャしたい人生だった   作:風剣

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ここ数日執筆速度がだいぶ増してきたので余裕のある範囲でこの作品を優先しつつもいろんな作品に手をつけていく予定。
ただエロしかりシリアスしかり執筆ハードル高いってことも往々にしてあるのでこれいい…ってなった作品には率先して感想や高評価なげような、物書きにモチベの火種を落とし続けるのは大事やぞ



幸運水防衛線

 

 

「やちよー。あの魔女守とかってやつシュウに押し付けてよかったのか? 別にあいつの強さを疑う訳じゃねえけどさ、さっきの槍の雨バラバラにした風とかやばかったじゃん。こんなに魔法少女ついてるんだし誰か手伝ってやった方がいいんじゃねえの?」

 

「……」

 

 地下水路の奥へと駆けていくなかでのことだった。マギウスの魔法少女に展開された結界にて増殖する使い魔を率いる魔女を討伐したフェリシアが衣服についた煤を払いながらの言葉に、やちよは押し黙った。

 

 魔女守のウワサ。あるいは、魔女を守る剣士。

  七海やちよがそれと遭遇したのは、いろはたちと共に絶交階段のウワサを打ち倒してから数日が過ぎてからのことだった。

 

 調べを進めていたとあるウワサ、雨雲もないのに飛来する雷を音もなく吸い込むという山奥の避雷針の調査を打ち切った彼女が魔女との戦闘を繰り広げ着実に追い詰めるなかで現れた、桂城シュウと瓜二つの容姿をした少年。

 魔女守のウワサを名乗った彼の戦闘能力は非常に強大であり、全力の範囲攻撃をもって撃退するも彼は難なく離脱、すぐさま行方を晦ましていった。

 

 尋常ではない戦闘能力と、戦闘中に発揮したそれに伴わぬ悪意のなさ。途中からは経験値目的を隠しもしなくなった彼が立ち去るついでに半殺しの魔女を始末しグリーフシードを置いていったこともあり、直接的な敵として判断するにも悩むところがあった。

 

 だが──同時に思ったのは、このままウワサを追い戦いを重ねていけば、いずれ必ずあのウワサとも敵対することになるだろうこと。

 

 今更人外との戦いを厭うような性分はしていない。魔女守がいると杏子の共有した情報で把握した際は、魔女守との戦闘を経験していないいろはやフェリシアを待機させるのも検討しないではなかったが……結局彼女たちを連れてきたのは魔女守のウワサと全く同じ容姿をしていると同時、魔女守と同じく魔法少女でもない男性でありながら常人の範疇には留まらない身体能力を誇るシュウと密接にかかわっているというのもあった。

 

 とはいえ、どうにかウワサを追い詰めることにこそ成功したもののやちよと杏子は天音姉妹の奏でる魔笛によって動きを封じられる事態に陥ることになってしまったのだが。2人を捕らえた影響で姉妹が動けなくなっていたとはいえ危うく制圧されかねなかったタイミングでシュウが駆けつけたのはつくづく幸運だった。

 

「……幸運、か」

 

「あん?」

 

「なんでもないわ。……桂城くんに関しては心配することはないはずよ。少なくとも魔女守のウワサは他者を傷つけるために、殺すためだけに戦っている様子ではない。それに身体能力自体は桂城くんの方も下手な魔法少女よりよっぽど強いし……」

 

「あたしチラっとあのゴリラたちの方確認したけれどその桂城ってやつ思いっきりウワサ殴り倒してたぞ。……いやおかしくね? なんで魔女もボコボコにできそうなスペックしてたウワサに魔法少女みたいな魔力も持ってない男子がカウンター決められるんだよ、パンチ一発ですげえ音してたんだけど」

 

 並走する杏子の言葉に、その場の魔法少女全員の視線が後方のいろはに集中する。

 当の彼女はといえば、シュウにあの場を任せてから暗い表情になって考え込んでいたが……周囲からの視線が集中しているのに気付くと途端に狼狽えた。

 

「えっ、あの何かありました!? ごめんなさい、私聞き逃していて――」

 

「あんたのカレシの話だよ。一体何なんだあれ、とてもじゃないけどパワーもスピードもちょっとおかしいだろ。持ってた武器がやたら魔女臭いのもそうだけど――マミが言ってた魔法少女と一緒に戦ってた男ってアイツだろ? あれ本当になんなのさ」

 

「……そこで巴さんの名前が出たのには驚いたけれど。増えた魔女のことを貴方が知って神浜に来たのはあの人の情報だったのね」

 

「あぁ、最後に会ったときは見たことがないくらいに動揺して神浜には来るなとか言われたけれどな。……いろは、あんただろ? あの人が言ってた『魔女を出した魔法少女』って。あとは『魔女に寄生されていた魔法少女』もいたらしいけど――」

 

「……オレ腹んなか見た方がいいのかな、魔女が今もなかに居るかもってなるとめっちゃ怖いんだけど」

 

「いやそっちお前なのかよ!」

 

 ただでさえ魔法少女はどいつもこいつも個性の塊だというのに今回手を組むことになった連中の内2人が事実上の不発弾だったという事実。声かける連中間違えたかなあと半ば本気で考える杏子を誰が責められようか。呆れも露わに目を白黒させた彼女は手元の朱槍をぐるりと回転させ飛びかかってきたフクロウを撃墜する。

 足止めのつもりなのか、地下水路奥から群をなして襲いかかっていたフクロウの使い魔を一行が次々と打ち倒すなかでのやりとり。撃墜した使い魔を串刺しにした杏子がこのグループのなかでの年長であろうやちよにも視線を向けるが……彼女自身も凄まじい身体能力を持つシュウの背景に興味があったのか、杏子の詮索にも口出しをすることはなかった。

 

 助け舟を求め周りを見るいろはだったが、フェリシアや鶴乃も気にする素振りを見せているのに気付いたからか困ったように眉根を寄せるものの答えても構わない範囲であれば問題ないだろうと判断してフクロウの群れに矢を射かけながら口を開く。

 

「――シュウくんはずっと、小さい頃からああです。シュウくんの家族と一緒に暮らしていたお婆ちゃんは、6歳のときシュウくんが家族と引っ越してきたときにはおおきな荷物をお父さんと一緒に平然と持ち運んでいたって言っていました。普段学校に行っているときはセーブしていたみたいだけれどそれでも脚は凄く早かったし……初めて魔女に逢ったときもシュウくんはひとりで魔女を相手に抗っていて、それからずっとシュウくんは一緒に魔女と戦ってくれてます」

 

「……いろはちゃん、その魔女って確か神社に出た、黒いの……? ならあのときいろはちゃんが――」

 

 使い魔の群れを一通り凌いで奥地へと向かうなか、何かを問いかけようとした鶴乃がそこで顔を曇らせ口をつぐむ。

 そういえば、彼女も口寄せ神社で魔女が現れたときにはいろはがやちよに訴えかけていた内容を一緒に聞いていた――。何に気付いて話題に出すのを避けようとしたのかを察したいろははそっと念話で「ありがとう」と告げる。

 

『――ん、大丈夫。あのとき一緒に居たやちよならともかく、フェリシアにはね。シュウくんがいないのに軽率に言っていいことでもないだろうし……』

 

「神社? あの黒い魔女がどうかしたのか―?」

 

「……ううん、なんでもない! ちょっと勘違いしてたみたい!」

 

 なんだよー、とあきれたように唸ったフェリシアと鶴乃のやりとりに胡乱な視線を向けた杏子は、やがてどこか浮かない様子の桃色の少女に疑念を抱きながらも「それじゃああの馬鹿力はなんなのかわからないのか」と確認しようとして――地下水路奥からの魔力の高まりに、ぴたりと動きを止め警戒を露わにする。

 ――散発的な使い魔の襲撃に時間こそかけられたが、それでも今揃う戦力は下手な魔女なら連続攻撃で容易く仕留めるだろうものだ。数のみを頼りにして飛びかかるだけが能のフクロウ程度に遅れを取りはしない。一行は既に地下水路の最奥を目視で確認できる位置まで足を踏み入れつつあった。

 

 ……ここはあくまで地下水路であるはずなのだが、いつの間にウワサの結界に取り込まれていたのか。通路を抜けたいろはたちの前に広がっていたのは、祭壇のような円形の台座を中心に大小の正方形の立方体が転がる遊び場のように散乱としながらどこか調和された印象を感じさせる空間となっていた。

 

アラもう聞いた?誰から聞いた?

フクロウ幸運水のそのウワサ

幸運をもたらす美味なる名酒!ひとたび飲めばタチマチ幸せ!

ウップン苛立ちどこへやら!でもねだけどもご用心!

24の幸運尽きたなら、不幸がモリっとコンニチワ!

それが嫌なら幸運水を飲み続けるしかないって参京区の学生の間じゃもっぱらのウワサ!

モーヒサーン!

 

「――モッキュ!」

 

「わわっ」

 

「なんだ、キュゥべえか? ……にしても小さいな?」

 

 少女たちが様子を伺うなか、白い獣が背後からいろはに飛びかかった。

 ぼすっといろはの肩にのしかかる重み。驚いたように声をあげたいろはが今や神浜に来るたびに顔を合わせるようになったキュゥべえに微笑んでそっと撫でるなか、目を見開いた杏子が見慣れぬ大きさのキュゥべえを観察していた。いろはに撫でられて満足そうに喉を鳴らしていたキュゥべえはやがて満足したようにくりくりとした瞳を瞬くと「キュィ!」と広間の奥を前足で指し示す。

 

 広間の中心部。円形の台座の中央には梟の装飾をあしらわれた杯が鎮座している――。その傍らには後方へ離脱していった天音姉妹も控えていた。

 

「あれを壊せばいいんだね」

 

「モッキュ!」

 

 いろはの確認に小さなキュゥべえが応えるなか、水路の奥地に足を踏み入れた彼女たちに気付いたのだろう姉妹も警句を発した。

 

「念のために確認するけれど、本当にこのウワサを壊すつもりなんだね? 痛い目に逢わずに済ませられる可能性だってまだあるのかもしれないのに!」

「反動の不幸を回避したいのならば幾らでも幸運水を飲めるでございますよ。幸運水を飲むことで与えられた24の幸運もいつ尽きるかもわからないのでしょう?」

 

「……飲んだ方も大概無警戒だったとはいえなあ、頼みもしないのに幸運が舞い込んでいざ幸運が尽きればドン底に落とされるとか随分と悪徳じゃんか。魔法少女の救済掲げる割りにやたら黒くて信用できねえよ」

 

「そーだぞ! そのウワサの水も変な色してるしもう二度と飲んでやるもんか!」

 

「私も……そのウワサも絶交ルールや口寄せ神社と同じ、沢山の人の心を傷つけて、弄ぶものだと思うから。だから、壊します」

 

 幸運水を飲んだ魔法少女たちにかけた確認の言葉はあっさりと拒絶されるが、ある程度反応を予想していたのだろう姉妹が動じた素振りはない。眼前の脅威に反応したウワサがどこからともなくフクロウたちを呼び出し魔法少女たちへ差し向けるなか、顔を見合わせた月夜と月咲は密着し手を握り合う。

 

 困ったように/残念そうに息を吐いた彼女たちは、それぞれの手にドス黒く濁ったソウルジェムを握り――魔女の魔力を迸らせる。

 

「なら、仕方ないね。ちょっと危ないけれど、でも皆はやっぱり幸運だよ」

「何故なら皆さまは、神浜が魔法少女解放の場であるという証拠をその目で見れるのですから……!」

 

 ズルリと、彼女たちの身から異形が溢れだした。

 

 対になるようにそれぞれを呑み込んで宙に浮かぶ半球の硝子。フレームの内側で水に、植物に覆われた半球のなかに取り込まれた2人は苦しむどころか解放感に満ちた喜色を浮かべ口元に横笛を構える。

 

『『私たち/ウチらの邪魔はさせない。魔法少女の救済の証、とくと見るがいい!!』』

 

「――ぁ」

 

 その魔力には、覚えがあった。

 記憶はなくとも。身体が覚えている。魔法少女のそれより遥かに禍々しく、魔女のようで魔女でない気配――。宙に浮かぶ一対の半球を見上げるいろはの胸の奥で、ドクリとなにかが脈打った。

 

 次の瞬間。ウワサの群れの奥から次々と、天音姉妹を仕舞いこむ半球から飛び出した赤黒い物体が襲い掛かる。

 

「っ――鶴乃、環さん群れを凌いで、佐倉さんとフェリシアは奥へ! 道は――私が切り開く!」

 

 空を奔る飛行機雲のように青い光が弧を描く。無数の槍が射出され姉妹によって撃ちだされた物体を次々と撃墜した。

 フクロウを、中遠距離の攻撃手段であろう赤黒い物体を打ち抜いた槍の雨はそのまま半球へと襲いかかったが――宙を浮かぶ姉妹を覆う半球の動きは想定以上に機敏で、そして不規則だった。槍の雨を躱し距離を取ったところに杏子の投擲した多節棍が伸び、けれど半球を覆うフレームに巻き付く直前で不可視の障壁に弾かれる。

 

 鶴乃とともに飛び交うフクロウの群れを牽制する傍らで魔力矢を連射し牽制を続けていたいろはの足元に、金属質な音をたてて上方から墜落した何かが転がった。

 

「きゃあ!?」

 

「いろはちゃん大丈夫!? ……なにこれ?」

 

 いろはの足元の地面を叩き割り転がっていたのは、青かった羽毛から冷たい光沢を放ち固まる人の頭ほどの大きさのフクロウ。見た目に伴わぬ重量感で墜落した地面を叩き割った使い魔に青くなりながらも身動きひとつしない使い魔の様子を伺ういろはは頭部と片翼を覆う光沢がフクロウの全身に広がっていくのに気付くと絶句した。

 

「凍って……違う、ガラスになってる? これってまさか――」

 

 フクロウの墜落してきた方向を見上げれば、巻き添えも意に介さず放たれた赤黒い弾丸を浴びた使い魔がガラス化して墜落していた。同じ外観をとっていても姉妹それぞれが展開する魔女で性質も違うのか、半球のひとつから放たれる物体を受けたフクロウは体内から植物に身を蝕まれ地に落ちている。そのフクロウは造花のような冷たさをもった植物が成長すると痙攣し動かなくなった。

 やちよも既に姉妹の放つ弾丸の危険性に気が付いているのか、彼女たちが半球から赤黒い物体をばらまくたびに槍を投じて撃ち抜いている。だが彼女は一度魔女守を抑えるために槍の雨を降らせる範囲攻撃を用いている、冷や汗を流す表情に余裕はない――。

 

『――いろはは、ちょっとパニックになりやすいよな』

 

 自由に使え、そして広い修練場(ミラーズ)を発見してからの特訓のなかで。

 ボウガン、ナイフを駆使しての近接戦の訓練。放った矢のすべてを黒木刀も使わずに躱されながら近付かれあっという間にいろはを羽交い絞めにしたシュウは、お仕置き(ペナルティ)の一環としていやらしい手つきで背筋をくすぐりながら淡々と口にしていた。

 

『っ、――、えっと、いま、話す、の? ちょっと待って――ひゃぅっ』

 

『俺が一気に距離を詰めたとき、捕まるまで何もできなかっただろ? 何か想定外のことがあって動揺するのはどうしようもないにしてもさ、反射でも意図的にでもそこで動けるようにして欲しいんだよね』

『迷うより行動ってのも善し悪しだとは思うけどさ。それでも目の前に危険が迫ったとき立ち竦むよりは全力でジャンプして避けようとすることができた方がいいだろう?』

 

 羽根でくすぐるような柔らかな触れ方でいじらしく刺激を繰り返す魔手から逃れようとする抵抗も、腕一本で封じ込める少年を小揺るぎさせることもできなかった。

 ようやくペナルティとして設定された時間が過ぎ、彼の拘束から解放されて。顔を真っ赤にして身を震わせるいろはに心底愉しそうな笑顔を浮かべながら、少年は口にした。

 

『俺やフェリシア、七海さん、鶴乃さん……頼れる人たちがある程度揃っていてそこまで動揺するような状態になるならよっぽどだしまともに頭で考えるのも難しいだろうけども。可能ならどんな状況でも周りを見て、そのときの自分ができる最大限のことを見極めて。そこから打開策を見つけ出して反撃までもっていくことができれば言うことなしだな』

 

「――」

 

 迷いはしなかった。

 槍の迎撃を潜り抜けた赤黒い物体をボウガンから放った桃色の矢で撃ち抜く。間近で使い魔と激突した鶴乃のもたらす熱風に外套を翻すいろはは、目を見張りこちらに視線を向けたやちよに向かって声を張り上げた。

 

「私が……天音さんの出した魔女の攻撃は私が対処します! やちよさんはフェリシアちゃんや佐倉さんと合流してください!」

 

 複雑な軌道で飛び回りフェリシアの攻撃から逃れる半球からばらまかれる飛翔物を次々と射貫きながら叫べば、やちよは驚いたような表情を浮かべた後に頷いて跳躍、宙に浮かべた槍に、ときにはウワサの使い魔さえ足場にして飛び回る半球へと向かっていく。

 

 ウワサが次々とけしかけるフクロウも、杏子が攻撃をしかけている影響かいろはたちの方向に向かってくる数も減らしつつある。赤い球体が目についた端から魔力の消耗も構わず矢をばらまいていくいろはは、魔力矢の掃射で相手の攻撃を凌いでいくなかでドクリとナニかが脈打つのを知覚する。

 背後から伸びた手が。いろはの首を、掴んだような気がした。

 

『――どうしてこんなところであしをとめているの?』

『いまも、むこうではシュウくんがケガしているのかもしれないのに』

『……そうだ、ワタシをだして? ワタシなら、いますぐあのウワサも、シマイのふたりもたおしてシュウくんのところに――』

 

「やめて」

 

「……シュウくんは、大丈夫。ウワサだってもう倒せる、天音さんの出した魔女だって。今回はあなたの力を借りたりなんかしない――。二度と。(あなた)に、シュウくんを傷つけさせたりなんかしない」

 

『……』

『よわむしの くせに』

あなた(わたし)がいちばん シュウくんをきずつけてるくせに――』

 

「……」

 

 ボウガンを下ろす。

 広間全体を揺るがす振動――視界の奥では、巨大化した朱い槍の穂先が幸運水のウワサを真っ二つに叩き割っていた。

 防衛していたウワサが倒された事態に半球を操っていた姉妹が動揺し、その直後に降り注いだ槍が、魔力を迸らせたハンマーが半球を打ち砕く。

 

「やったー! ウワサを倒した! いろはちゃんも大活躍だったよー……あっ。向こうではまだシュウくんと魔女守が戦ってるんだった、早く戻らないと!」

 

「ぁ……うん!」

 

 無惨に破壊された広間。防壁の上から遠慮のない猛攻で砕かれた半球が溶け落ち膝をついた姉妹にフェリシアとやちよが駆けつけていくのを確認したいろはは、応援にと通路を駆け抜けていく鶴乃の後を追い走り出す。

 

 ぽつりと、囁くような呻き声がこぼれた。

 

「……言われなくても」

「わかってるよ、そのくらい」

 

 

 

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