環いろはちゃんと共依存的にイチャイチャしたい人生だった   作:風剣

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『ありがとう、シュウくん。本当に……本当に、嬉しいよ。私……っ。私、本当に……!』

『シュウくん、ありがとう……。これ、大切にするね。……こ、これからも、よろしくお願いしますっ』

 

 馬鹿なやつだ。

 

 自分の渡した婚約指輪を大切に大切に抱いて泣き笑いを浮かべる恋人を見つめながら、そんなことを思ってしまった。

 

 ――いろはも、ななかも。本当に、馬鹿なやつだ。

 

 だって、そうだろう。

 選択肢ならいくらだってあったはずなのに。そうまで好かれたってなにかを返せるような男でもないと再三教えてきた筈なのに。

 

『ぐずっ……。どうしよ、うれしすぎて涙でちゃった……。ありがとう、シュウくん。最近ずっとバイトしてたのってこれのためだったんでしょう……? えへへ、どうしよう。泣いちゃうのと笑っちゃうのとが止まんないよ……』

『……まあ、今の稼ぎで買えるのはそんなもんだったけどな。……18になる頃にはもっとちゃんとしたの渡すよ』

『……ううん。本当に、本当に嬉しいよ。……ね、シュウくん。指輪、ななかさんの分も用意してくれてるんでしょ? ……そっか。うん、今日渡そう? 私もななかさんとなら大歓迎だから……』

 

 もっと……居るだろう?

 

 たったひとりの女の子を真摯に愛し続けられる男くらい。ぬけぬけと2人目の女の子を誑かして指輪を渡す準備まで済ませているボンクラより誠実な男くらい。

 そんな男を受け入れちゃ……駄目だろうって。

 

 罪悪感と、呆れと、達観と、ほんの僅かの安堵がないまぜになった心境で溜息をつきそうになるのも何度目か。眼前の少女の涙で濡れた、けれど確かな喜びとともに輝く瞳をまともに見れなくなったシュウは座る座席の背もたれに身を預け天井を見上げながら、ぽつりと『男の趣味が悪い奴め』と呟いた。

 

 結局のところ、彼は自分で自分を肯定することができていないだけだった。

 自分のことだから、誰よりも不出来は自覚できていて。それだけに……最愛のひとも含めた周囲のひとに対して誇れるような自分であるとは、どうしても思えていなくて。

 

 いろはに指輪を受け取ってもらえたときも。ななかに指輪を渡したときも。異性として見てくるよう要求するアプローチの数々をスルーする自分に対しても一切めげることなく好意をぶつけてくる妹分に対しても。彼は趣味が悪いと内心で嘯く。

 

 重ねた過ちと後悔。自分に対する()()()()()()()()。いつぞやななかにも指摘されたような、来ない『万が一』から心を守るための予防線。

 時を重ね、恋人に婚約を申し出る段にまでなっても。シュウは己のなかで鎌首をもたげる猜疑心を否定できなかった。自分の存在を許容しきれない思いが、どこか心の奥底でへばりついていた。

 

(なあ、いろは)

(お前は、お前たちはそうやって俺のことを愛してくれているけれど。俺は――少しでもそれを、返せてるのかな)

(少しでも、それに報いることができているのかな)

 

 自分にはわからなかった。

 聞くのも怖かった。

 だけど知りたかった。

 

 ああ。だから。

 

『かっこいいところも、優しいところも、意地悪なところも、ダメなところもたくさん見てきて……私は、そんなシュウくんのぜんぶが好きだったけれど。そうだなぁ、強いていう、おっきな理由は……』

 

 だからその日、いろはの初めて明かした結婚を決めた理由を聞かされたときは呼吸が詰まった。

 だって、それは。

 

『私の大切なものを、私と同じように尊重してくれて。私にも負けないくらいに、精一杯に愛してくれる。そういうひとだったから、私は……私の未来ぜんぶを預けられると思ったのかもしれないなって』

 

 自分の積み重ねたものを、肯定してもらえた気がした。

 

 犯した過ちも、償いようのない失敗も消えたわけではない。自らに対する不信が払拭されたわけでもない。

 けれど。

 これまで生きていたことの意味を。見つけてもらえた気がしたんだ。

 

『なにその顔、らしくない。……泣きそう?』

『まさか、泣いたりなんかしねえよ。……ま、そのくらい嬉しいのは否定しないけどさ』

 

 とっくの昔にこうと定めた自分の人生の使い道だ。

 だからそれはあくまで既定のものでしかないけれど、籠められた重みは異なる。意味だって。

 ……そう在りたいと、自分で決めた。

 

 ――ずっと、ずっと。いろはと、彼女の愛したひとたちを、世界を。俺は――。

 

 ――大切に、大切に。守り抜こうと。

 

 

 

「いやとはいっても自分の魂(ソウルジェム)を当然のような顔して預けてくるのは流石にどうかと思うんだよな」

 

 ふく……っ。噴き出してしまうのを押し殺したような笑い声。

 ひどく深刻な表情でぼやいた少年の隣で、口元に手をあてる紅い髪の少女がクスクスと笑い悪戯っぽく彼の横顔を見やった。

 

「ふふっ……。信頼の証そのものじゃあないですか。羨ましいです」

「こっちは一歩間違えれば恋人が死ぬもんだから気が気じゃねえんだよな……。婚約指輪受け取ってもらえたときは泣きそうなくらいうれしかったのにさ、今は俺プレッシャーで泣いちゃいそうだよ……」

 

 どっかとソファに座る彼が首からかけたネックレス、その中心にてきらりと輝きを発した桃色の宝石。婚約指輪を渡した夜、お返しとばかりにいろはから渡された()()()()()である宝石を優しい手つきでそっと撫でつけたシュウがはあと息を吐くのに、彼の隣に座るななかはといえば柔和なまなざしを向け微笑みとともに問いかけた。

 

「でも満更でもないんでしょう?」

「……まあな」

 

 観念したような溜息をひとつ。恋人と肩を寄せ合う少年が視線を向ける先には、キッチンにたつひとりの少女。妹と並んで手際よく調理をしている桃色の髪の少女は、じいと背後から見つめるシュウの視線に気付くとほんのりと頬を紅く染めては手を後ろに回しその臀部を庇う仕草を取る。

 

「……シュウさんたらえっち」

「違うてそんな盛ってないって。いろはの尻は好きだけど今はそんな凝視してないって」

「嘘ですね、『いろはやっぱいいケツしてるよな……』って目線でじいっと見てたんでしょう? 私にはわかりますよ」

「もしかしなくても今いろはが反応した視線ななかの方だろ。たまにななかの目線めちゃくちゃいやらしいもんな」

「なんてことをいうんですか流石の私もシュウさんに言われるのは心外ですよっ」

 

 そんな風に軽口を叩き合い、肘で互いを小突き合いじゃれあっているとエプロンを身につけたいろはが呆れ顔を浮かべながらキッチンから歩いてくる。美味しそうな匂いを漂わせる肉じゃがのたっぷりと入ったフライパンを机に敷いたナプキンのうえに乗せた彼女は頬を膨らませながら恋人たちを咎めた。

 

「まったくもう、2人ともなんて話をしてるの。……あとシュウくん、ソウルジェムをえっちな手つきで触るのやめて。お料理中だと本当に危ないんだから……」

「言われてみれば納得もいきますけどソウルジェムって感覚とかあるんですね。……どんな感じがするんです?」

「………………今度教えてあげるね、実際に触って」

 

 いろはさんが1番いやらしい目してました助けてくださいと向けられる視線。シュウが笑顔で観念しなと伝えると彼女はそんなあといいたげにして顔を覆った。

 

 ――リビングの階上から聞こえた足音。シュウにひっつくようにして密着して座っていたななかは途端に身体を固くし背筋をまっすぐにして沈黙する。

 階段を降りてやってきたのは、ゆったりとした部屋着を着た一組の男女だ。リビングにやってきた長い髪と優し気な目つきの特徴的な女性は、いろはとういによって既に料理の並べられつつある食卓をみると悶絶するような悲鳴をあげて口元を覆った。

 

「おはよ――、っ、うわぁ……! 良い匂いすると思ったら、こ、これまさかいろはちゃんとういちゃんが用意してくれたの……!?えええっ、どうしよう腕をあげてるのは知ってたけどこうしてご飯並んでるのみると感動と寂しさが一緒にやってきちゃう――!」

「も、もうお母さんってばおおげさだよ!」

「お母さん泣いちゃってるの……。ええ……?」

「うえええ泣きもするよもぉーーー」

 

 ガチめの感涙をしている母親の姿に困惑を露わにして顔を見合わせるういといろはだったが、やがて2人して相好を崩し困ったような笑みを浮かべるとよしよしと母の頭を撫でハンカチをあてがう。

 そんな彼女たちの姿を眺めていたシュウは、自分たちに遅れ目を覚まして寝室から降りてきた()()をみあげ穏やかな笑みを浮かべた。

 

義父(とう)さんは混ざんなくていいの? 義母(かあ)さんはもうあんな調子だけど。朝ご飯でああだと学校で友だちと駆け回って遊んでるういの姿とか見たら号泣じゃ済まないんじゃないかな……」

「いやそれは僕も泣くが。親の愛を見くびるなよ病気吹き飛ばした娘が元気に駆け回ってるのなんか見ちゃったらもう恥も外聞も投げ捨てちゃうからな」

「声がガチじゃん。……まあそのくらいこれからは幾らでも見れますよ、涙腺枯らさないようにしてくださいね」

「参ったな既に自信がないや」

 

「……おはよう。シュウくん、ななかちゃん」

 

「おはよう、お義父さん」

「…………おっ、おはようございますっ!」

 

 ―― …………………………。

 ――ななか、流石に緊張しすぎだって。

 ――す、すいません。つい……。

 

 いろはとういの両親が来た時から明らかにガチガチに固まるななかの頭を撫でて落ち着かせる。寝室から降りてきた家族と挨拶を交わすなかも上擦った声を張り上げた彼女が隣から漂わせている緊張感を知覚するシュウは思わず苦笑しそうになっていた。

 

(今更知らない仲でもなし。必要な話はぜんぶ済ませたし、ここまで固くなることはないと思うんだが……)

 

 気持ちはわからないではない。

 シュウだって逆の立場ならそれはもう緊張することだろう。なにせ――

 

 彼と、そしていろはと将来の契りを交わしたななかが連れてこられたこの家は、他でもない恋人の実家なのだから。

 

 

 

***

 

 

 

 恋人()()に婚約を申し込んで、受け入れてもらえた。ならば次は実家の挨拶である。

 

 ……言うは易しだ。実の娘を含めた2人の少女との関係性、魔法少女やら魔女やらの諸々、将来的に結婚するに至るまでの絵図やそれを実現するにあたっての目処……。普通のカップルではそうそう直面することのないハードルがシュウたちの前に聳え立つ。煩悶するシュウの様子を愉し気に見守っていたのもつかの間、『ななかさんも来てくれるよね♡』の一言により心の準備を整えることもできないままいろはに誘われ両親への挨拶に連れてこられたななかなどは環家の玄関前で半泣きになる始末だった。

 

『シュウさん私、どんな顔をしていろはさんのご両親に会えばいいんですか……? 私傍からみれば、いや見なくても私の立場なんか幼馴染の頃からの付き合いの異性の間に唐突に割り込んで婚約まで取り付けた間女ですよ、到底ご家族に合わせる顔なんてぇ……』

『そんな卑下したことは言うな。そのことで責任を取るべきなのは俺なんだから……、まあでもあんまり心配はいらないと思うぞ』

『?』

『それなりに話は通してるってこと』

 

 僥倖だったのは、ななかの人となりを既にいろはから聞かされていたこと。魔法少女や魔女にまつわる話もシュウや智江の努力で共有できていたこと。

 

 婚約こそ今回挨拶に出向くまでは報告していなかったものの、ななかは既にいろはとシュウのかけがえのない友人であり同胞でもある存在としていろはの両親に対する自己紹介も済ませていた。

 いろはの両親も流石に()()()()とは予想していなかったようだが、娘や家族同然の幼馴染の少年が紅髪の少女に寄せる信頼はその時点で見て取れていたようだった。いざ挨拶に訪れた昨日も彼女が危惧したように嫌厭されることもなく落ち着いた話し合いの末にななかは家族として受け入れられていた。

 

『さて、それはそれと……シュウくん、ちょっと表に出ようか。な?』

 

 ……まあ、何のOHANASHIもなしという訳にもいかなかったが。結果としていろはの両親にシュウとななか、いろはの婚約は認められ、挨拶を済ませた彼らは一晩を環家で過ごしささやかな団欒を楽しんでいた。

 ななかはといえば、まだ引け目があるのかまだ少し佇まいが固いが──それもともに過ごす時間が増えて行けばおのずと解消されていくことだろう。

 

「――ねえ、本当に手伝わなくていいの? 遠慮なんかしなくたってお掃除くらいいくらだってするのに……」

「いーのいーの。いろはだって義母さんたちと過ごすの久方ぶりだろう? せっかくの休みなんだから家族水入らずでゆったり過ごそうぜ。俺もすぐに終わらせて戻ってくるからさ」

 

 ――ななかのことちょっと見てやってくれよ。まだ少し緊張してるみたいだからさ。

 桃色の少女とそう言葉を交わしながら身を屈めたシュウ。こくりと頷いては彼の首に腕を絡めながら身を乗り出したいろはが目を瞑るのに応じ唇を重ねた。

 

「……えへへ……♡」

 

 触れ合わせる唇。数秒の接吻を名残惜しげに身を離すことで終えたいろはがいってらっしゃいとふわふわとした笑顔で手を振る姿に全身から溢れるような幸せオーラを幻視した気がした。いってきますと手を振り返しながら環家の玄関を出て行った少年は、背後で扉の閉まる音を聞きながら胸の中心に手をあてる。

 掌から伝わる心音は忙しなくバクついていた。

 

 ……キスくらい慣れたもんだとはいえあんな顔されちゃったらやたら照れ臭くなるな……。

 

 落ち着かなさそうに頭を掻く仕草をするシュウ。あのくらいのスキンシップとっくに慣れただろうに、桃色の少女が浮かべる心底からの情愛と信頼の表情は未だ彼の心を強く揺さぶってやまなかった。

 向かいの我が家の鍵を開けて中に入った彼はそこでようやく一息をつく。

 

(──いろはとも約束しちゃったしな、とっとと済ませるか)

 

 ここ数ヶ月、シュウの家に彼が戻ることはなかった。

 昨年まではいろはと2人きりの時間を作る口実のために泊まり込みでの掃除をしにいくこともないではなかったが……高等部に進学してからの学業、神浜市にやってきた魔法少女との抗争、ミラーズの調査、高校に進学してから入った野球部、カミハマギカのマネージャー業と少年のスケジュールは過密。そのなかで恋人との時間を確保するのに使っているウワサを使った時間拡張(インチキ)もホテルフェントホープ内での限定的なものだ、多忙を極める彼が実家の掃除に戻ることはできていなかった。

 

 ……わざわざスケジュールを調整してまでやるほどモチベーションがなかったともいう。

 

「埃くっせえ……」

 

 そもそも居住者がいなくなっている以上生活ゴミの類は発生していないが、それでも数ヶ月も放置されていれば溜まるものもある。玄関に踏み入るなり渋い表情で鼻を覆うシュウは一刻も早く屋内の空気を総取っ替えすることを決めた。

 

 掃除を始める彼の首元には未だ、きらりと光りを放つ宝石をつけたネックレスがかけられている。

 通常、魔法少女の魂そのものであるソウルジェムとその肉体の繋がりが保つ距離はおよそ数十メートル。それ以上離れれば肉体は昏倒し()()。しかし学業も部活もマギウスの一員としての仕事もあるなかで四六時中いろはと一緒というわけにもいかない。困り果てたシュウから相談されたねむの協力の甲斐あり、特別製のネックレスによる保護によって少年はある程度距離の概念を無視して恋人の魂(いろは)を所有することをできるようになっていた。

 

『ずっとシュウくんに魂をもってもらえてるのって、なんだかすっごい安心するんだよね……。あたたかくって、大きくって……ふふふっ♡』

『……喜んでくれてるならいいんだけどさ……』

 

 あれで仮にもアイドルなのだから世も末だった。

 

「さて、と……」

 

 彼も恋人たちが団欒を楽しんでいるなかでひとりだらだらと掃除をする気はない。足早に家中を駆け回っては窓を開いて換気をする。途中で回収した掃除機を片手に全部屋の窓を開いていく彼は、最後に開けた部屋の中を見渡し僅かに動きを止めた。

 

「……」

 

 みかづき荘には持っていかなかった漫画の残っている本棚と、ベッドと、机だけの残っている部屋。懐かしささえ感じさせる自室と──その一角に開いた、穴。

 綺麗に片付けられた部屋で不釣り合いに床にできた大きな傷はかつて、魔女の置き土産であった『枝』のあった場所。

 

「……血痕ももう残っちゃいないんだがこればかりはな。業者でも呼べば直してもらえっかな」

 

 シュウにも老婆にもこの家を引き払うつもりは特段ない以上、将来的にはみかづき荘をでたらまたここで暮らすことになるだろう。将来のことを考えれば直せるところは直してもらうに越したことはない。

 まあその場合は、()()()神浜に引っ越すことになるだろうが──。

 

「ん」

 

 掃除機をかけようとしたところで自身の知覚が捉えた気配。眉を顰めて窓から身を乗り出し、周りを見渡して当たり前のように2階から飛び降りたシュウは玄関前まで来ていた自身と瓜二つの容貌の少年に声をかける。

 

「来るなら連絡くらいしろよ、お前俺と同じ面でややこしいんだから……。何の用だ、護人(モリビト)

「パパ上」

「いやお前を認知する予定は金輪際ねえんだわ」

 

 護人(モリビト)のウワサ。

 元『魔女守のウワサ』だった、ねむに創られた最初のウワサである少年に、シュウは口元を盛大に引き攣らせた。

 

「お前のことは流石に義母さんや義父さんにも伝えてないからあんまここに来られても困るんだけどな……」

「ふむ……。今日はそうか、実家へのご挨拶というやつだな。二股……ああいや五股も目前という状況だと相当話が拗れるだろうと想像がつくが大丈夫だったのか?」

「何が五股だボケ! そこまで節操ない性格はしてねえからな俺‼︎」

「いやしかし今は大人しくしてるだけでういたちはかなり本気でシュウを堕とそうとしていると思うが……」

「やかましい。アイツらだってその内好きになれる同年代の子でも見つけられるだろ」

 

 かつてのマギウスによって半魔女の守護を担う役目を与えられていた魔女守は、今はその役割を変えヒトを、魔法少女を守るために神浜市のパトロールとシュウや一部の魔法少女と共同での鏡の結界での『間引き』を担当している。

 それがどうしてシュウの姿をしているのかは、護人を創造したときはういの危機に無我夢中だったというねむに聞いても釈然としなかったが……。まあそれはとっくに過ぎたことだ。

 

 問題は、基本ねむや灯花、智江の指示によって運用されるこのウワサがわざわざ宝崎市にまで来てシュウのところに来たことの方だが……。

 

「それで、何か緊急の案件か?ういじゃなくて俺のところに来たってことは神浜の自動浄化システムのことではないと思うけど。……今から行かなきゃいけないような案件か?」

「いや、それは平気だ。トモエが明日シュウに案内してほしい魔法少女がいるとのことだったが」

「明日か、聞いたことあるような話だ。……いやそんな用件なら電話で済ませりゃ……あーアイツまたミラーズにいるのか、察した。なんか最近表に出てくるの見かけないしそろそろガタが来てるんじゃないか……?」

「……」

 

 わざわざシュウを案内の相手に指名したということは共通の知り合い……恐らく魔法少女をミラーズの秘密基地にでも連れて行ってほしいということか。智江やシュウ、いろはたちは割と気軽に調査やら鍛錬やらにミラーズに入ったりもしているがあそこは本来下手な魔法少女では命が幾つあっても足りない危険地帯だ。案内とはいっても合流地点まで護衛の必要もあるだろう。

 

 ……まあそんなところを呼び出し場所に指定するなという話ではある、が……。

 

(多分婆ちゃんは、そろそろ──)

 

「で、相手は?」

「ああ。暁美ほむら。……どうかしたのか?」

 

「……いいや、人選にまたなんか面倒ごとの気配がするなあと」

 

 

 




そのうち3000〜5000くらいで書きたいけど尺的に微妙とか時系列的に本編にいれるの難しいみたいなシュウくんと魔法少女のコミュ短編回とか更新したりするかもしれぬ
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