絵本や童話テイストで書こうとして盛大に失敗しているプロローグです。
ネタバレも含むため、本編の次話から読み始めるのを強く推奨します。
あるところに絵本を読むのが大好きな神様がいました。
だけれども、神様は持っている絵本を全て読んでしまい、退屈をしていました。
だから神様は手もとにあった自前のトランプをシャッフルしてみました。
神様の引いたカードはクラブの王様。
急に呼び出されたクラブの王様はカンカンです。
クラブの王様は「欲しい物をくれたら言うことを聞いてやる」と神様に提案しました。
神様はその提案を是としました。
クラブの王様の欲しがった物なんて、神様にかかればチョチョイのチョイと出してあげられたからです。
神様はクラブの王様が欲しがったオモチャを上げました。
そして神様はクラブの王様を好きな絵本のページの一つにしてあげました。
クラブの王様は上機嫌になりました。
神様がその絵本を読むとクラブの王様はアリスを虐めていました。
神様から貰ったオモチャを使って。
だけど、神様はそのまま本を読み続けました。
クラブの王様も構わずアリスを虐めました。
アリスはその絵本の主人公でしたが、クラブの王様にその座を奪われてしまったのです。
理由なんてありません。
クラブの王様は傲慢でしたから主人公だったアリスを虐めたのです。
そんなアリスでしたが、クラブの王様を怨んだりなんてしませんでした。
アリスは怒りませんし、泣きませんし、笑いませんでした。
そんな光景を、そっと覗いている者がいました。
白兎です。
白兎は虐められているアリスを可哀想に思いました。
なんでアリスはあんなにいい子なのに虐められるのだろう、と。
アリスを虐めるクラブの王様はなんて悪いやつなんだろう、と。
白兎はアリスに問います「クラブの王様に仕返しはしたくないか?」と。
アリスは答えます「いいえ、白兎さん」と。
それを聞いて、白兎はもっとアリスを哀れに思いました。
だから、白兎はアリスに提案します「いつか、あのお空の向こうに連れて行ってあげる」と。
「本当に?楽しみに待っているよ」とアリスは嬉しそうに言いました。
アリスはやっと笑ったのです。
白兎はアリスを抱いて泣きました。
アリスは白兎を抱いて笑いました。
白兎は何時までも泣き続けました。
アリスは何時までも笑い続けました。
神様は、そっと絵本を閉じます。
その絵本はクラブの王様の絵本ではなく、やはりアリスの絵本でした。
表紙には楽しそうに夜空の上で遊ぶアリスと白兎の絵が描かれていました。
神様はその絵本を本棚に戻してしまいました。
神様はまた退屈になってしまい、トランプを取り出しました。
クラブの王様はもうその中には戻りたくても戻れません。