渋谷凛には弟がいる。
その事実は、2人を驚かせた。
「えっ!しぶりんって弟いるの!?」
プロダクションの一室のソファーでニュージェネレーションズの3人がなんでもない雑談をしていた時、偶然兄弟の話題になった。
その時、メンバーの1人である渋谷凛が弟が1人いるとこぼしたのだった。
新田美波に弟がいることは聞いたことがあるが、凛に弟がいるなど聞いたことがなかったため、2人は大きく驚いた。
「うん、そうだけど…言ってなかった?」
凛は対面のソファーで、不思議そうにすました顔で首を傾げた。
「初めて聞いたよー!えー、みたいなぁ!」
「私もです!凛ちゃんに弟さんがいたなんて!きっと、凛ちゃんに似てかっこいい子なんですかね?」
「いやいや、しまむー、きっとしぶりんの熱血な所を受け継いだ熱い子…かもしれないよー!」
凛と島村卯月と本田未央は弟を想像し、キャッキャと騒ぎ出す。
「多分すぐ来るから、少し待ってて」
凛は少し頬を弛めながら、優しく言葉をこぼした。
その言葉の意味を2人が探ろうとする─その前に
ガチャ
そう音がして、入口のドアが開く。
そこから現れたのは、小学生くらいの男の子であった。
二人から見たその少年は、ストレート気味で、ところどころ跳ねている黒髪に、同僚に似た落ち着いた瞳をした男の子だった。手には手提げカバンを持っている。
「…こんにちは。姉の忘れ物を届けに来ました」
少年は少し緊張気味に言った。
未央と卯月は目を輝かせて、その少年に近づき、目の前でしゃがんだ。
「か、かっわいー!この子がしぶりんの弟!?名前は?」
「確かに似てますねー!この瞳とかそっくりです!何年生なんですか?」
未央と卯月は興奮した様子で話しかける。
清は、目を逸らしながら答えた。
「…渋谷
清は少し詰まりながら話す。目は絶対に合わそうとしない。
「あららー?…嫌われちゃったかな?」
「いきなりごめんなさい。怖かったですよね?」
2人はしょんぼりとする。そんな二人を見た凛がソファーから立ち上がりドアまで歩いていく。
「照れてるだけだよ、いつもテレビ見ながらキラキラした目をしてたから」
そう言いながら、清の後ろに周り、微笑みながら頭をやさしく撫でた。
「ほら、いつも見ている2人だよ、言いたいこと言ってごらん」
凛がそう言われた清は、少し
「…いつも見てます、本田さんは元気いっぱいで、島村さんは笑顔で、2人ともとても見ていて楽しくなります、いつも元気をありがとうございます。2人とも大好きです」
そう言って清は頭を下げた。
彼は彼なりにに精一杯の気持ちを伝えた。言葉はつたないが、思いが乗った言葉だった。
その言葉を聞いて2人の表情は花が咲いたように明るくなる。
そして感極まった結果──
「そんなこと言ってくれるなんて嬉しいよ!清くん!」
「ファンからの言葉はうれしいですね!ありがとう、清くん!」
「えっ」
清に抱きついた。
清の顔は突然2人の熱い抱擁を受けたことにより、恥ずかしさに赤く染まった。
憧れのアイドルである2人に抱き着かれるとは、清は夢にも思っていなかった。
姉以外の、女の子の甘い香りや、果実のようなさっぱりとした匂いがして、清の頭は、いっぱいいっぱいになった。
さらに、追い打ちをかけるように、柔らかい体や、鼻先をくすぐる髪が彼を襲った。
今まで感じたことがない感情に彼は、顔を熟れたトマトのようにして固まってしまった。
「はい、そこまで。これ以上清を困らせないの」
凛が2人を清から引き剥がす。清はほっとしたような、残念なような複雑な気分になった。とりあえず、助けてくれた姉に礼を言った。
「ありがとう、姉さん」
凛は少し口元を弛め、どういたしましてと小さく呟いた。
「にしても…清くん可愛いね!ウチの弟と全然違う!」
未央が言う。
「そうですね、とっても可愛いです!」
そう言って卯月も笑った。
そして2人は抱き着いた時とは違い、ゆっくりと手を伸ばし、清の頭を撫でた。
清は心地よい感覚に、頬が緩むのを感じながらも、男なのに可愛いと言われた事実にもやもやし、複雑な表情になっていた。
一方、頭を撫でられて、複雑な表情をしながらも、緊張が解けた弟の姿を見て、うれしいと思う反面、凛は弟がとられるような気がして寂しくなった。
「多分もう来ないから」
そう言って凛は弟の頭を、雑に撫でた。
その顔は2人が姉弟であると強く感じさせた。
卯月と未央はそんな様子に笑いながら、
「たまにでいいからさ!一緒に遊ばせてよ!ね?」
「時々でいいですからー!」
そう言いながら五分ほど説得をし、次の日程を決めるのであった。
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小学生組
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中学生組
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高校生組
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大学生組(19-24未満)
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大人組