比企谷八幡 護廷十三隊九番隊第七席。機関誌『瀞霊廷通信』ではコラム『やはり俺の瀞霊廷生活は間違っている』を連載しており、ひねくれた文章が割とウケてそこそこの人気連載である。
偽物、模造品、贋作、パチモン。世の中には偽物が掃いて捨てるほど出回ってる。それも本物と見分けがつかないようなよく出来たやつが。だけどそれはあくまで偽物。比べれば両者には越えられない壁があることを忘れちゃいけない。
これは俺、比企谷八幡が最近遭遇した偽物の話。どうして俺たちは往々にして本物を求めるんだろうな・・・
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「あー忙しい忙しい忙しい忙しい!乱菊さんの原稿まだか?」
「まだです!」
今日も我が九番隊は、編集作業に追われていた。ってかなんで締切って守れないんだろうね?ある人は余裕ですよ!ガハハと笑いながら、またある人は締切?何それ美味しいの?と言いながら締切を踏み倒していった。お陰で連日徹夜である。九番隊マジブラック。
「すまん比企谷!ちょっと乱菊さんの所行って原稿貰って来てくれ!」
「マジっすか・・・。俺もちょっと締切がアレで・・・。」
「お前のコラムならきっちり締切守って出しただろ。スマンがよろしく!」
「えぇ・・・。俺あの人苦手なんだよなぁ・・・。」
俺が所属している護廷十三隊九番隊は、瀞霊廷の守護の他に機関誌『瀞霊廷通信』を編集、発行を担当している。俺はそこの第七席として日夜、今みたいに編集作業と守護任務追われている訳だが、更に色々あって瀞霊廷通信にコラムを連載しているので仕事にがっちり拘束されている。
・・・新しい縛道じゃないか?この仕事とかいうやつ。
ちなみにそこで忙しいbotと化したイケメンが俺の上司、檜佐木副隊長である。多分副隊長業務もあるから俺以上に仕事で拘束されたさしずめ社畜副隊長である。
そんな社畜七席の俺の元に新しい仕事が舞い込んだのは、乱菊さんの原稿を間に合わせて編集が一段落ついた頃だった。
「悪い比企谷、ちょっといいか?」
っべー副隊長からの呼び出しだよ。自分より上の立場の人の呼び出しはろくな事がない、ソースは俺。しかし訓練された社畜なので上司からの呼び出しには考えるより先に体が従ってしまう。悲しいね。
副隊長は大事な話だからと普段編集会議で使う部屋に場所を移し、話始めた。
「今度一番隊直属で新しい部署ができることになってな。なんでも各隊から隊員を少数集めて様々な事態に対応する部署だそうだ。まぁ要するに何でも屋だな。」
「はぁ・・・。んでその部署がどうしたんすか?まさか・・・。」
「あぁ。そのまさかだ。お前にはその部署で仕事をしてもらう。」
やはり上司からの呼び出しはろくな事がない。
「それってお断りすることは・・・。」
「スマンが上司命令だ。」
「マジかよ・・・。まぁ命令なんでやりますけど・・・。話の感じだと俺は一番隊に異動ってことでいいんですか?」
「いや、その部署は常設ではないらしくてな。依頼があると呼び出されてその解決にあたるんだそうだ。だから所属は変わらないぞ。まぁ詳しくはこの顔合わせの時にでも聞いてくれ。」
そう言って副隊長は日時と場所が書かれたメモを渡した。
やはり労働なんてするもんじゃねぇ・・・。
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