「さて、まずはこの特別対応班が出来た理由だが、君達は最近行われている改革は知っているかね?」
「はい。総隊長主導の貴族層を含めた瀞霊廷の改革ですね?」
「そうだ。簡単に行ってしまえばこれはその一角なわけだ。複雑化している近年の瀞霊廷内の事件に対して部隊の枠を超えて対処出来るかつ少人数で迅速に対応出来る組織を作ろうというお考えだそうだ。」
なるほどねぇ。確かに檜佐木副隊長の言った何でも屋ってのは言い得て妙だな。
「聞いてはいると思うがこの特別対応班は常設ではない。上から依頼があった際に私が呼び出して任務にあたってもらう。そして依頼が完了したら通常の任務に戻ってもらう。ここまでで質問あるか?」
「ちょっといいっすか?」
「なんだ比企谷?」
「この班の人選ってどうやって決めたんです?いくらなんでもこんなに顔見知りばかり揃うってのはどうも出来すぎてると思うんすけど・・・。」
「ああ。今回人事権は私にあったからな。総隊長からは三席未満の席官で実力に問題がない隊士を5、6人という条件で好きにやっていいと言われたので相性などを考えて選ばせて貰った。まぁ私の贔屓も多少あるがな。他にはあるか?」
「はい。予想される任務の内容はどのようなものがあるのでしょうか。」
「いい質問だ雪ノ下。総隊長曰く表立って護廷十三隊を動かせないが専門的な能力が要求される任務を任せたいだそうだ。他には質問あるか?・・・・・・無いようなら本日は解散だ。」
えぇ・・・。なんていうか業務内容ざっくりしすぎてない?コピペしまくった報告書でももう少し内容あるよ?
同じような事を思ったのか雪ノ下も頭を抱えていた。しかし、これ以降質問は出なかったので解散となった。
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数日後、いつも通り隊舎で仕事をしていると材木座が持ち込みにやってきた。瀞霊廷通信で小説といえば「双魚のお断り!」なんかが看板だったが作者の元十三番隊浮竹隊長はお亡くなりになったために編集部としては次の看板小説が欲しいところではある。
だけど材木座の書いたラノベはなぁ・・・。なんかどっかで見たことある設定と内容で、ハッキリ言って面白くねぇんだよなぁ。
当然の事ながら持ち込みの時点でボツにして連載会議には回してない。
「ムホンムホン!八幡よどうだ今回の出来は!今現世で流行りの異世界転生物ににしてみたんだが・・・。」
「いやお前これ流行りってより流行ってたって感じだろ。今回もボツだな。」
「そんなぁ、何とかしてよはちえもーん」
「俺が仮にジャ○プの有能編集者だったとしても無理だ。んじゃ俺は仕事に戻るから。」
「まぁ待て八幡よ。少し話でもしないか、あの特別対応班についてな。」
「なんだ?質問なら平塚先生にすればいいだろ。まぁ色々相談したい気持ちは分かるが・・・。」
「そうであろう。早速なんだが・・・・・・。ん?地獄蝶か。」
俺と材木座の腕にそれぞれ地獄蝶が止まる。どうやら噂をすればなんとやら、特別対応班の呼び出しらしい。前回の部屋に集合せよとの事だ。
「・・・・・・。八幡よ。」
「ああ。行きますか。」
俺達は一番隊隊舎に向かった。