対魔忍独立遊撃隊『ソレスタルビーイング』   作:自己満足です

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18件もあるとはビックリでした(笑)

励みに頑張ります!

久しぶりにダブルオーのドラマCDを聞いたら、思わず吹いちゃいました(笑)

いつかあのノリを書きたいですね^_^


3年前──
第1話「天使の再臨と傷付いた執事 Ⅰフェーズ」


ふうま刹那が井河アサギと戦って2年の時が経過した。

 

その間に、刹那を取り巻く環境は大きく変わっていた。

 

アサギに勝利した事によりふうま家の取潰しの話が消え、名実ともに『当主』として認められた。

 

それに合わせて──『アサギに勝利したのだから対魔忍として任務遂行は可能である』、と最年少対魔忍としてわずか12歳にして実践任務に着くことになった。

 

それは老人たちの策略であったが、刹那は拒否することはなかった。

 

それを良いことに老人たちはあわよくば亡き者にしてやろうと、上級対魔忍でも危険な任務に着かせようとしていたが、良識ある1部の大人たちや()()()()()()()となったアサギの猛反発を受けて回避された。

 

危険度は下がった。

 

それでも任務で命の危険があるのは変わらない。

 

刹那は与えられた任務を次々に完了していった。

 

その任務は対象抹殺や情報収集、護衛等の様々。

 

任務において、また個人でも、集団においても刹那の有能さは際立った。

 

刹那より歳上である若手対魔忍たちと比べると、任務達成確率95.89%というのは驚異的な数字である。

皮肉なことに老人たちの策略は刹那を追い詰めるどころの話ではなく、真逆の効果を生み出した。

 

実戦による刹那の急速な成長、底辺だっだ評価が鰻登りする手助けを果たした。

 

まさに策士策に溺れる、である。

 

これは刹那は魔力の亜種である対魔粒子と同じく、魔力の亜種である『GN粒子』を使用できるようになっていたことが大きい。

 

アサギとの戦いの中で、()()()()()()()()()()()()()()()()のだが、()()()使()()()()()()()()()()()()()()

 

そのため未だに刹那を『目抜け』として嘲る者たちもいるが、以前のように彼に堂々と言える者は大人や子供を含めても極一部となり、陰口が主になっていた。

 

表面上ではいくら強がろうとも、今まで刹那を本気で嘲ていた者たちはほとんどが()()を抱いているのだ。

 

今までGN粒子による身体能力拡張が無かったにも関わらず上位に食い込んでいた刹那が、GN粒子を扱えることになったことにより()()()()()()()()にまで成長している。

 

力の差は以前とは比べ物にならない。

 

愚かな彼らでもそれははっきりと理解できており、故に恐怖を抱くのだ。

 

即ち──いつ()()()()()のか、と。

 

深刻に考えるのは今の対魔忍たちの割りと多くは、『力ある者は裏では好き勝手に出来る』という歪んだ考えを持っているためである。

 

それは老人たちの影響が大きく、そう教え込んできたのだ──態度で、時に行動で。

 

また、対魔忍の術で戦闘向きの者が『戦闘特化』する傾向にあるのも老害からである。

 

──選ばれし、優れし者が対魔忍である!! 我らは弱者を庇護しなければならぬ! この選ばれし者だけが使える特別な『力』を持って『悪』を殲滅せよ!!

 

()()()()()()は入学式でそう声高らかに叫んだように、『力』を過信しすぎた『ゴリ押し主義』が横行している。

 

その点、()()()()老人たちから見棄てられていた刹那にそんな考えは無く、直接戦闘だけでなく様々な任務に役立つ用に知識も蓄えていた。

 

何よりも、彼の執事であり、時に師である義姉──『ふうま時子』がオールマイティーな対魔忍であることが彼が『戦闘特化型』の対魔忍にならなかった大きな要因である。

 

 

「・・・・お館様、何をなさっているんですか?」

 

 

昼。

 

ふうまの屋敷。

 

お館様──ふうま刹那──の姿に、仕える執事──ふうま時子──は今日も頭を抱えてきた。

 

時子は真面目な性格である──自分にも厳しく、他人にも厳しい女性である。

 

才能に溢れ、訓練も勉学も優秀で、小中高一貫教育である『五車学園』での学生時代には常に()()であった。

 

ファンクラブも存在していたが、学生時代はその性格故に、異性と付き合ったことも、浮わついた噂さえでなかった。

 

文武両道でさらに飛び抜けた美少女であった時子は、男には近寄りがたい存在で、女には憧れられた『お姉さま』であった。

 

それはともかく──

 

彼女はその性格故に、主である刹那にも嫌われるのを承知で()()()()()()()()()()接している。

 

学業をサボったり、自堕落な生活を送ろうとするものなら()()()()()()()()のは間違いない。

 

けれどもその手の問題で時子が刹那を叱ったことはここ数年はまったくない。

 

彼女が頭を悩ますのは、その()()のことである。

 

「・・・・・・・・」

 

 

刹那は無言。

 

否、()()彼には時子の声は聞こえていない。

 

それを彼女も気がついている。

 

だからこそ、彼女は()()()大きな声を出した。

 

 

「お館様!!」

 

「・・・・ああ、時子か」

 

「ああ、ではありません!! 今日は()()()するように私は言いましたよね!? 」

 

 

「すまない」

 

 

時子の一喝に、刹那は素直に謝った。

 

 

「・・・・どうか、ご自愛して下さい。 任務で負った傷が癒えない状態で、修練に励まれても何の身にも成りませんよ」

 

 

先日、任務を達成して帰って来た刹那。

 

報告書も同日に提出し、今日から学生として五車学園に通う予定だった。

 

しかし任務で受けた傷を心配した時子が、学園に連絡を入れて3日は休みを取るように手配していた。

 

時子は午前中、買い物で屋敷を離れていた。

 

その隙に刹那は休むどころか、鍛練をこなしていたのだ。

 

刹那は基本的に『休む』ことができない少年だ。

 

誰かが見ておかないと、すぐに()()()()()をやる。

 

時子は、まさか()()()()()()()させなければならない事態になるとは思いもしなかった。

 

「・・・・そうだな」

 

 

刹那はアサギとの戦いで始めて使用した武器──ソードとライフル、小型シールドが組み合わされた──GNソードを霧散させた。

 

GNソードは()()()()()()()()()()()されており、剣も、ライフルもGN粒子の密度を変化させることにより、威力を調整できる。

 

さらに二基のGNビームサーベル、GNダガーをシールド内に搭載している。

 

何よりGNソードは、刹那の意思次第で顕現・霧散が可能であるために利便性が非常に高い。

 

便宜的に、刹那は忍術──『武装展開』を使用できることになっている。

(はぁ・・・・)

 

 

時子はもう何度このやり取りをやっただろうと、ため息を着いた。

 

刹那は生来努力家であった。

 

努力により覆せない差があったとき──能力覚醒前──も努力を欠かさなかった。

 

特に戦闘訓練では『命を削る』、までに至ってしまったのはアサギとの戦いの後であった。

 

時子も学生時代から努力家として知られていたが、その彼女をもってしても刹那はやり過ぎていた。

 

 

(・・・・また、見てないところでは無理をするんでしょうね)

 

 

時子はあまり効果がないと知りつつも諫めることは止めない。

 

止めてしまえば刹那はさらに無理をやる。

 

限界点を越えさせない最後の防波堤となっていることを時子は理解していた。

 

 

「やあ、二人とも」

 

 

何となく重い空気を放っていたところに1人の青年が現れた。

 

浅緑の髪と紫の瞳。

 

深い知性を思わせる、どこか人間離れした秀麗な顔立ち。

 

その青年は──

 

 

「リボンズ・アルマーク・・・・」

 

 

刹那の()()と深く関わる者だった。

 

 

 

 

 

第1話「天使の再臨と傷付いた執事 Ⅰフェーズ」

 

 

 

 

 

ふうま刹那とリボンズ・アルマーク。

 

 

二人の真の関係性を知る者は、この()()()にはいない。

 

二人は約20m前後の人型機動兵器──モビルスーツが存在する世界での前世を持つ者同士であり、敵対して幾多の戦いを繰り広げた。

 

刹那とリボンズは最後の一騎討ちの後、刹那が勝利した。

 

リボンズは刹那に敗れた後、人造生命体『イノベイド』であった彼は、肉体は失ったが量子型演算処理システム『ヴェーダ』に人格データは転送された。

 

その際に、()()()()()()()()()()にて対話した二人は紆余曲折の末に、人類の革新を信じ望んだ世紀の天才──イオリア・シュヘンベルグに選ばれた者同士であることを再認識し、()()した。

 

刹那はリボンズが肉体を再び得て、ソレスタルビーイングとして『戦争根絶』のために力を貸して欲しいと願ったが、リボンズは断った。

 

 

──僕が犯した罪を考えれば眠っておいた方がいい。

 

 

彼は刹那や他のガンダムマイスターたち、ソレスタルビーイングに未来を託し、贖罪のためにヴェーダにて眠りに着いた。

 

しかしその眠りは長くは続かず、眠りについた2年後に地球が地球外変異性金属体──『ELS』による脅威が迫って来たことにより、ガンダムマイスターでイノベイドであった『ティエリア・アーデ』の説得で再び肉体を得て、()()()()()()()()()()()()()としてソレスタルビーイングで改良された──『リボーンズガンダム(リヴァーレ)』で出撃した。

 

人類初の純粋種──イノベイターとして覚醒し、ガンダムマイスターで最も高い技量を持っていた刹那と互角に戦いを繰り広げたリボンズの戦いぶりは凄まじかった。

 

ビーム粒子に呑まれて討たれた者、機体ごと侵食・融合された者、疑似GNドライブを暴走させて特攻した者──数多くの犠牲者を出したが、リボンズの獅子奮闘の働きで死者は3割は減った、と後に地球連邦平和維持軍の『戦術予報士の才女』は報告書を上げている。

 

多くのELSを撃破し、同じく刹那に固執して敵対して和解した地球連邦平和維持軍エースにして、精鋭ソルブレイブス隊隊長──グラハム・エーカーと共に、GNドライブを暴走させて刹那の望む『対話』を実現するために、『未来への水先案内』として散った。

 

リボンズはこの戦いで、()()()()()での終わりを迎えた。

 

ELSの特性──侵食・融合──を考え、自らの人格データのヴェーダに送らなかったのだ。

 

霧散していく意識を感じながら量子空間でリボンズは笑っていた。

 

その満ち足りた笑顔は()()()()()()()()ものだった。

 

 

──あとは任せたよ

 

 

リボンズ・アルマークの名は後世に残された。

 

英雄として。

 

人類支配を目論んでいた事実はヴェーダを利用して徹底的に消され、人類のために命を投げうって戦った英雄とすることで人類とイノベイドの早期相互理解の架け橋とすることを、ソレスタルビーイングや地球連邦平和維持軍の代表は決めたのだった。

 

 

「お前とあの男のおかげで、俺や人類はELS(エルス)とわかり合えた。 ──ありがとう」

 

「ふふふ、僕はただ償いをしたに過ぎない。 礼を受ける立場ではないよ」

 

 

ふうま邸の応接間。

 

刹那は珈琲、リボンズは紅茶を飲みながらの会話だ。

 

二人の間には前世ではあり得ない、穏やかな空気が流れていた。

 

 

「さて、僕たちの姿形が前世(むかし)と似ているけど、過去の話はこれぐらいにしよう」

 

 

ちなみに刹那は前世では浅黒い肌だったが、今世では東洋人の父と母であるため肌は褐色であるが、容姿は全世とほとんど変わりない。

 

 

「そうだな。──では本題に入ってくれ」

 

 

リボンズは紅茶をテーブルに置く。

 

 

「君は、ふうま刹那ではなく・・・・()()()()()()()()()として戦う気はあるかい?」

 

 

前世で所属していた『私設武装組織ソレスタルビーイング』でのコードネームを出してきたことから、リボンズの意図を刹那は瞬時に理解した。

 

 

「・・・・」

 

 

ソレスタルビーイングはイオリアが創設した。

 

その目的は──武力介入を発端とすることによって世界の統合を促し、人類の意思を統一させ、争いの火種を抱えたままに外宇宙へ進出することを阻止、いずれ巡り合うであろう()()()()()()に備え、人類を変革させるためであった。

 

前世での刹那は中東のテロ組織に少年兵として育てられて悲惨な経験をし、間接的ではあったがリボンズの搭乗する『Oガンダム』に死にかけていたところを助けられた。

 

祈り続けても何も助けてくれなかった神を呪い、信仰を捨てた刹那を助けたのは『ガンダム』であり、助けられた時の記憶を彼は生涯忘れなかった。

 

それが刹那の行動原理であり、あらゆる困難に打ち勝った強靭な精神を育み、ELSとの対話を実現させた要因だった。

 

 

「・・・・記憶を取り戻し、GN粒子を感じれるようになってから考えていた。 だが──」

 

「前世よりその思いが弱くなってる」

 

「・・・・その通りだ」

 

「それは当然だよ。 武力による戦争根絶──人類の歴史から考えて不可能であり、一般的にはそんな考えはしない。 さらに武力により武力を消すという矛盾を孕んでも戦争根絶をやろうと思えるのは、戦争やテロ等による()()()()()があってこそだ。 君は対魔忍となるべく一般人より厳しく育てられたが、()()()()()()()()ではなかったようだしね」

 

 

刹那の戸惑いを予想していたリボンズ。

 

わずかな沈黙の後、刹那は言った。

 

 

「だが、俺には戦うことしか出来ない。この世界には()()()()()が存在する。 その歪みはただ穏やかに生きようとする者を貪り、身勝手なエゴイズムを剥き出しにする邪道を生きる者を豊かにする。 ──それは許されない」

 

「それは君のエゴではないのかい?」

 

「構わない。 俺は──歪みを破壊する。 人とは違う『力』を持った者の責任だ」

 

『特別な力』を望んでいなかったかもしれない。

 

しかし、その力を放棄しようとは刹那は1度も思わなかった。

 

普通とは()()()()を許容している──ならば自身が歩む道が平坦であるはずがない。

 

 

「そうか。なら、僕もその『破壊』を手伝わせてくれ。 イノベイドではなく、1人の人間──リボンズ・アルマークとして」

「・・・・いいのか?」

 

「ああ、それは僕の()()でもあるからね」

 

 

二人はGN粒子を制御を出来る── 純 粋 種 (イノベイター)である。

 

完全な覚醒には至っていないために、前世より制御できるGN粒子量は減り、『脳量子波』による意志疎通能力を使いこなせてはいない。

 

それでも刹那は()()()に、リボンズの言葉に裏が無いことを理解していた。

 

「わかった」

 

 

リボンズは穏やかに微笑むと、さらに刹那に言った。

 

この世界においてヴェーダはまだ完成度2割程度であるが、現行のあらゆる演算システムを越える性能を持ち、軌道衛星に擬態して存在していること。

 

ヴェーダのおかげで、作戦行動はかなり優位に立てるということ。

 

さらに資金面では、リボンズの使える資金は莫大であるということ。

 

「この際だから語っておくけど、何も僕は理由もなくこの世界で戦いを選んだ訳ではないよ」

 

 

リボンズは自身の過去を語った。

 

リボンズは欧州のとある資産家の家に生まれた。

 

優しい両親や友達に囲まれ、何不自由なく生きてきた。

 

──12歳までは。

 

リボンズは文武両道で飛び級で大学生になっており、実家から離れた大学に通うために下宿先を借りて通っていた。

 

多忙な両親は卒業式には予定が合わせられず、翌日にお祝いのディナーを家族3人で行くことになっていた。

 

同級生や教師たちとの賑やかな卒業式を終え、3時間かけて帰って来た。

 

そこで彼は──()()を見た。

 

帰った実家の門が、()()()()()が無理やり体当たりして壊れた残骸となっていた。

 

いつも迎えてくれる使用人もおらず、()()()()()が庭や屋敷から漂ってくる。

 

まるで壊れた人形のように全身がバラバラにされた父、上半身が無くなっていたが明らかに下半身には凌辱された後の残った母。

屋敷で働いていた使用人たちの亡骸も間ともなモノは無かった。

 

リボンズは自身に起きた悲劇に精神が追い付かず、その場で気絶した。

 

否──現実を受け入れられずに、()()()()()()()()()()は死んだ。

 

そして──()()()()()()()()()()が宿ったのだ。

 

現状を理解したリボンズは犯人たちを特定するための調査と同時に、イノベイターとして覚醒した自身の力を鍛えた。

 

──復讐するために。

 

その犯人はわずか1ヶ月でわかった。

 

父を邪魔に思ったある男が『魔』の犯罪組織と繋がりがあり、そこに依頼してリボンズの家族を奪ったのだ。

 

犯罪組織はリボンズを相手にするには力が足りず、1日とかからずに組織は壊滅した。

 

その際には、依頼した男も合わせて処分した。

復讐を果たしたリボンズは大学院生として学校に通うことはなく、身分を捨てて『世界の歪み』により不幸になった者たちのために戦うことを決意した。

 

ヴェーダの製作と平行して、来るべき時のための人材・資金確保に奔走した。

 

その過程で刹那を見つけ、イノベイターとして覚醒するのを待ったということだった。

 

「1ヶ月前、あの喫茶店で再会したのはやはり偶然ではなかったか」

 

「そうだね。 君を見つけられたのはちょうど2年前だよ」

 

「井河アサギと戦った時だな」

 

「まあね。 正確には戦う前の1週間前だけどね。 もっと早く接触しようとは思っていたけど、君の説得には()()が必要だと思ったのさ。 結果として必要なかったけどね」

 

「準備?」

 

「ふふふ」

 

リボンズは含みを持たせたように笑った。

 

 

「・・・・まさかっ!!」

 

 

刹那はリボンズの言わんとしていることに思い当たった。

 

 

「案内するよ。そう君の、君だけのための──」

 

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