アメリカ合衆国も日本国召喚に全力出演したいようです 作:スカイキッド
2016年6月6日――
あれからさらに数ヶ月が経ち、この日パーパルディア皇国は1日で米国に降伏した――一体何があったのか、その過程について今から説明しよう。
5日深夜にロウリア王国各地の基地と日本の在日米軍基地から出撃したアメリカ軍異世界進駐軍は、パーパルディア皇国を降伏させるために動いた。
ついに米国がパーパルディアを完全に下すための本格的な行動に出たのだ。米軍の戦略は基本的に徹底的に準備を行い、準備完了と同時に一気に敵国内部へ急速侵攻、これを落とすとすというものである。そしてその戦略をぬかりなく行うため、米国の侵攻は今さらとなったのだ。
作戦第一段階として、数百隻の戦列艦や竜母を抱えるパーパルディア皇国各地の軍港に対し、沖合いに展開した米海軍空母打撃群から飛び立った戦闘機による空爆とイージス艦及び攻撃原潜による巡航ミサイル攻撃を実施し、制海権を奪取する。
航空母艦は米本土から回航されたニミッツ級原子力空母『USSカール・ヴィンソン』の他、先の在日米国民救助艦隊に所属し、つい最近近代化改装を受けて前線投入された旧式のキティホーク級空母、フォレスタル級空母の計5隻がそのまま参加。
そのほか、地球から回航された元新編第7艦隊の通常動力空母『USSジョン・F・ケネディ』、さらにこの日のために現役復帰した世界初の原子力空母『USSエンタープライズ』が参加した。
艦載機は主力のF/A-18E/Fスーパーホーネット、戦力補填で緊急生産された最新鋭機F-35CライトニングⅡ、旧式ながら依然主力のF/A-18C/Dレガシーホーネットのほか、以前同様に参加するF-14Eスーパートムキャット、そしてF-14Eをさらに改造したF-14Fが主力を努める。
だが、さらには数的不足を補うために「航空機の墓場」から引っ張り出された数百機のF-4、F/A-18A/B、A-7、A-6のような退役済み旧式機までもが、現役復帰という形で存在していた。
そう、この日のためにかき集められた艦載機500機はこういった旧式機を墓場から引きずり出した上で計上された数なのだ。一体F-4だけで何百機が墓場にモスボールされてると思っているのだね?
え、そんな旧式機なんて今時役に立たないって? 何を言うか、外見はお古だが中身は最新機器でアップグレードしているのだ。確かに機体耐用年数は中古だから短いし、最新鋭機には歯も立たないが、鈍足なドラゴンしか持たぬ皇国相手には戦力的には問題ない。
この作戦に参加した艦載戦闘機・攻撃機の数は前述の通り三桁に及び、空母は8隻、巡航ミサイルを放つ巡洋艦と駆逐艦、原子力潜水艦の数は合計して二桁に上った。
おい待て、お前らつい最近まで第7艦隊消失からの軍事力不足で困ってたんじゃないのか、と問い質したくなる規模の兵力であるが、フロンティア開発により好景気化しはじめた米国の底力でそこは何とかしている。これぞ米帝プレイ。米帝プレイは余裕が出来た時こそ、その本領を発揮するのだ。
弾薬もどうしたんだと聞きたくなるが、経年劣化し始めた旧式弾薬の一斉在庫処分セールだ、問題ない。
そんなこんなで作戦開始日となった6日早朝、パーパルディア皇国各地に点在する、数百隻もの戦列艦やら竜母を擁する海軍軍港や港湾では、爆発音が途切れることなく響き渡っていた。
空からはF/A-18やF-4、A-7の編隊が500トンにおよぶ大量の爆弾の雨を降らせ、その編隊が去った後は駆逐艦や巡洋艦、原潜から放たれたタクティカル・トマホーク巡航ミサイルが空を埋めつくしながら飛翔し、これでもかと撃ち込まれる。
そうこうしていると、今度はF-35CやF-14Fといった艦載機の編隊がやってきて何十発もの誘導爆弾を落としたり、港に接近したタイコンデロガ級イージス巡洋艦複数隻が5インチ主砲で直接的に港を艦砲射撃したりしていく。
仕舞いにはつい最近に現役復帰したアイオワ級戦艦『USSアイオワ』『USSミズーリ』の2隻の戦艦が沿岸部に向けて16インチ砲弾(40.6センチ)を何十発も連射してブチ込んだり、トマホークを乱射したりとやりたい放題である。
何千発もの航空爆弾と空対地ミサイルにロケット弾、機関砲弾、そしてタクティカル・トマホークと、戦艦の16インチ砲弾の集中砲火を受けた港湾は、当然ながら跡形もなく吹き飛んだ。
もちろんその港湾に停泊していた戦列艦や竜母にも爆弾や砲弾やミサイルが降り注ぎ、何もかもが木っ端微塵に吹き飛ばされた。
まぁそんな感じで、皇国の海軍基地とその港湾機能はほぼ全て潰され――ほんの一部が戦後を見据えて攻撃されなかったが――、そこに停泊していた戦列艦や竜母数百隻は全て撃沈された。
もちろん、防空のために竜母や付近の基地から合計して1,000騎近いワイバーンロードとワイバーンオーバーロードが上がってきたのだが、それらは艦隊防空中のF-14FやF-35Cの中距離AAMと、十数隻のイージス艦の長距離SAMの餌食となり、全く米艦隊に近づけぬまま、すべてが上空に散った。
まぁ要するに、パーパルディア側の戦力は米軍側の攻撃に対して、まともに対抗することが出来なかった訳である。
これによりパーパルディア皇国の保有する総計1,000隻近い艦艇は本国に居たものに限りほぼ全て撃沈、制海権は完全に奪取される形となり、アメリカ軍の攻撃開始から15分でパーパルディア皇国海軍は全滅する形となった。
解説
・F-14F
何を考えたのか、現役復帰したF-14Eをさらに改修した機体。エンジンをF135へ変更し超音速巡航能力の追加と機動性の向上、AN/APG-81 AESAレーダーの搭載、フライ・バイ・ワイヤとCCVの装備、機体全周にFLIRの装備、HUDからHMDへの変更、CFT装備、エアインテークの小型化・傾斜と尾翼のV字傾斜によるRCS低減、機載コンピュータの高性能化による単座化などの改修がされている。記述は無いが複座型であるF-14Gも存在する。飽くまでも最新鋭機への繋ぎだったが、この改修の結果繋ぎなのか何なのか分からなくなり始めている。
・USSアイオワ、USSミズーリ
米海軍最後の戦艦となったアイオワ級戦艦の一番艦と三番艦。現実では記念艦となっているが、本作では異世界進出に合わせて再就役した。CIWSをブロック2型に変更、SeaRAMと57mm砲CIGSの装備、トマホークSLCMをタクティカル・トマホーク対応型へと変更、他艦とのデータリンク能力の強化をするなどの改修が施されている。国定歴史建造物? そもそも古びて動かせない? ナ、ナンノコトカナー