アメリカ合衆国も日本国召喚に全力出演したいようです 作:スカイキッド
とりあえずグラメウス大陸の密林は針葉樹林と考えてもらえれば
二週間と五日後、グラメウス大陸の海岸から上陸した合衆国の米陸軍と海兵隊からなる陸上部隊および空中機動部隊。
彼らは、空軍と海軍航空隊の近接航空支援を受けつつ、着実に密林を制圧しながらグラメウス大陸の奥地にまで侵攻していた。
この数日の間にアメリカ軍は、南はトーパ王国、北西はエスペラント王国、北はまもなく鬼人族の国といった位置まで到達している。
比較的早い進軍だったとはいえ、密林に潜んでいる魔獣たちの掃討は着実に行われている。
人を食べる魔獣は当然ながら行動中の米軍にとっての脅威であり、当然人を襲うため脅威度が高い。
そのため当たり前だが魔獣は進軍中の米軍にも襲いかかってくるし、それらが突然密林の中から飛び出してくれば、それはもはやゲリラ兵そのものだ。
かつてのベトナム戦争、さらにいえば冷戦時代の中南米、太平洋戦争の硫黄島を始めとする地域でゲリラ兵相手に何度も手を焼かされた米軍は、今回のグラメウス大陸制圧において徹底したゲリラ制圧――もとい魔獣制圧を行った。
こんな言葉がある――『密林の制圧作戦は、駆逐艦による対潜戦闘と同じだ。敵を叩き潰したと確信が持てない限り、そこで戦い続けさせるべきなのだ。それを行わねば、どれほど兵力を投入したところで、おっつくものではない』。
かつて米国が介入したベトナム戦争では、アメリカ軍はヘリコプターを用いた歩兵の空中機動のみによる地域制圧を行った。
だがこれは、地域から地域を空中から移動するために広域制圧には向いておらず、取りこぼしが多いため、ベトコンを一掃出来ないという問題があった。
そうして取りこぼしとなったゲリラ兵が、米軍の補給路に潜み、制圧済みとされた地域で補給部隊などに攻撃を行った。
だから米軍はベトナムを制すことが出来なかった――もっともこれは誇大表現で、実際には国内世論による批判も大きかったが。
とはいえどやはり、ベトナムではゲリラによる影響が大きかったのは事実で、今回は容赦無しの対ゲリラ戦を行う。
そのため今回は、ヘリを用いた空中機動も行うが、それよりも地上から森を切り開いて少しずつ地域を制圧して、確実に地域を制圧し、魔物を一掃する。
それこそゲリラ狩りは、先の言葉にあるような駆逐艦の「対潜戦闘」の勢いでだ。
今回はこれに加えて、世論の都合――もし枯葉剤など撒けば本土で「米軍による悲劇のベトナム戦再び」と罵られかねない――で枯葉剤なんかは使えない。
よって地域の地上制圧のために、歩兵部隊の数も、装甲車輌の数も、さらには熱赤外線暗視装置、近接航空支援機の数まで多量に増やされて投入された。
もっとも、これには別の理由もある。
それはモンスター狩りとはいえ、かつて自衛隊が戦闘した『魔王ノスグーラ』なるものや、それに相当する驚異的な魔獣がこの密林にいるかもしれないからだ。
そのノスグーラとやらは人間を食べる身長3.5mほどのバケモノで、35mm口径程度の機関砲弾なら弾き、50m近いジャンプが可能で、魔法で1km離れた地域を焼き払うことも可能という、かなり危険な存在だ。
自衛隊もこの魔王ノスグーラとやらには苦戦したらしく、地対空ミサイルによる攻撃と10式戦車による砲撃でようやく仕留めたらしい。
そのため、もしもこれやその亜種に遭遇した場合に備え、M1エイブラムス戦車やM2ブラッドレー歩兵戦闘車、LAV-25装輪装甲車、105mm砲または
実際、『ゴウルアス』とかいうデカい魔獣が何体か出現してるのだが、そいつは自動小銃で倒せるくらい防御力は低いのに、AAV7水陸両用装甲車を一撃で大破させれる威力の爆裂魔法を放ってくるような危険生物だ。
これらを制圧するためにも、大量の戦闘装甲車輌、そしてそれらを密林で動かすために必要な多数の工兵と、装甲ブルドーザを始めとする多数の工作車輌が持ち込まれていた。
ちなみにこれら工作車輌はあまりにも数が足りなかったため、日本の建機・重機メーカーにブルドーザやユンボ(ショベルカー)を大量発注、グラメウス到着後に運転席のガラスを防弾仕様に張り替え、スラットアーマーを張り巡らせ、運転席を中心に防弾板を貼って装甲化、機関銃の装備をするなどして装甲化させて戦闘工兵車輌に仕立てあげていた。
これによる影響は、転移後に営業が不安定となっていた建機メーカーや重工企業に多額の外貨を投下させ、彼らの財源を充分以上に潤すこととなった。
加えて、今回グラメウス大陸における地域制圧を目的として地球からGBU-43/B
稀に気化爆弾の一種として間違えられることのあるこの爆弾は、ただただ炸薬量の多い通常の爆弾である。
だが総重量で約10tにもなるその爆弾の威力は、実地試験の際、その凄まじい爆発のため、原子爆弾のようにキノコ雲が発生したという事から容易に想像出来るだろう。
これを米軍はすでに6発もグラメウスの大地で使用している。飽くまでもヘリの着陸地帯確保や前哨基地を建てるための土地を確保するために、森を薙ぎ払うのに使用されてるが、たまに対魔物で直接使われている。
なにせ、グラメウス大陸の火山でキ○グギドラ擬きの三つ首巨大怪獣、じゃなくて巨大魔獣が出現してきたりもしたので、そういう時に切り札として使われる。
この時、エスペラントの住民が「もう一体いたのか」と驚いてたが、米軍にはそれがどういう意味かはよく分からない。
余談だが、件のキングギ○ラ擬きの魔獣が現れた時には、日本特撮映画オタクでもあった侵攻部隊指揮官の米軍大将がその魔獣が「
これによりトーパ王国・日本に置かれた前線飛行場や基地から
結果として
というか、その地点を中心に半径150mのクレーターが出来てしまった。
まあそういったヤバい兵器を多用したお陰なのか――それとも米軍が空中機動と陸上移動の双方に移動手段を分けたためか――どうかは知らないが、すでにグラメウスの四割は制圧できている。進軍度なら大陸の七割くらいは進んでいた。
グラメウス大陸の完全制圧まで、あと少しの辛抱だ。
※蛇足
ちなみに、件のキ○グギドラ擬きが現れた時、半ばパニクってた指揮官の米軍大将は在日米軍司令部に「自衛隊にメカゴ○ラかス○パーX何機か寄越せと伝えとけ!!」と電話で怒鳴り付けたとかなんとか。
もちろんそれを伝えられた自衛隊はそんなもの持ってなかった(それにキングギ○ラ擬きは一個航空隊分の戦闘機部隊で撃破可能でもあった)ので丁寧に断ったらしい。
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解説
・MOAB
米軍の超大型通常爆弾。読み方は「モアブ」。現代において核兵器と燃料気化爆弾を除く通常兵器としては史上最大の破壊力を持つとされる爆弾である。たまに間違える人がいるが燃料気化爆弾ではない(戒め)
・ゴウルアス
日本国召喚の外伝に登場する魔獣。こいつの放つ爆裂魔法は日本軍のチハ戦車を撃破できるらしい(←外伝Ⅰ未読勢)。詳しいことは外伝か日本国召喚@wiki参照。
・キ○グギドラ擬き
日本国召喚 外伝・新世界異譚Ⅱ「孤独の戦士たち」に出てくる伝説の魔獣。でも本物ほど強くない。でも強い。ちなみにここで描写はないが死体は残らなかったのではなく、実際は魔王のように絶命時に消えたというのが正しい。ネタバレになるので、詳しいことは外伝Ⅱか日本国召喚@wiki参照。
・メ○ゴジラ、ス○パーX
自衛隊の対怪獣決戦兵器。もちろん映画の中の話なので本作中の自衛隊は持ってない。もちろん現実の自衛隊も持ってるはずがない。……多分。
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先日ようやく日本国召喚の六巻読了しました。いやー小説を1日で読み終わらせれる人達が羨ましいです。遅読家なのが災いしてか、ここ数日間で日本国召喚読むためにめちゃくちゃ時間消費しました……
まぁでも面白かったから……OKです!(インタビュー並感)
それにしても、外伝Ⅱと六巻読んでみて思ったんですけど、文章描写からして みのろう先生か編集氏は怪獣映画好きなのでは……?