アメリカ合衆国も日本国召喚に全力出演したいようです   作:スカイキッド

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第一章 異世界へ
第2話「自力開通」


 

 2015年8月──

 

 あのあと日本の転移したと見られている惑星は、惑星α(アルファ)と仮称されるようになった。

 

 本来なら惑星αにはちゃんと正式名称があるのだが、それは長ったらしすぎるので仮称の惑星αで呼ばれている。

 

 さてそんなことより、NASAからの報告を受けて米連邦議会にて決定した惑星αへの日本滞在米国人及び在日米軍救出部隊の派遣、だがその部隊派遣にはかなり大きな障害が存在していた。

 

 というのもそれは単純に距離的な問題があり、日本が転移したと考えられる惑星αは地球から約105光年(=光の速さで進んでも到着に105年かかる距離)も離れていた。

 

 一体なぜそんなに離れた星から米第7艦隊の通信電波が地球に届いたのか甚だ疑問ではあるが、おそらく第7艦隊が転移途中に通信電波を発してその発した地点が地球から半光年程度離れた場所だったのでは、と考えられた(電波も光と同じ速度で進む)。

 

 しかしそんな事はどうでもよく、それではあんなに離れた惑星αに到達するのは例え宇宙ロケットでも困難極まりない。

 

 こんなこともあろうかと米国は、1980年代に計画した戦略防衛構想(SDI)の一環で火星の裏側に宇宙基地を極秘裏に建設。

 

 そこに『オリオン型恒星間宇宙船』という核融合パルス推進の亜光速飛行型宇宙船を設置しており、これはメガトン級の核爆発を後方で繰り返し発生させ、その衝撃で推進するという方式であり、これにより宇宙船オリオンは光速の5分の1の速さで宇宙空間を飛行出来る。

 

 だが、光速の5分の1()()の速さでは105光年も離れた惑星αへと到着するためには単純計算で525年も掛かるので、宇宙船オリオンによる部隊派遣は最終手段とされた。

 

 ちなみに色々変な噂の絶えない秘密基地、エリア51でも実は何十年か前に墜落機を鹵獲する形で入手したUFOが存在しており、これは謎技術によって超光速航行――つまり光より速く飛べるとされる。

 

 が、あまり解析が進んでおらず不明点が多すぎるため、こちらも後回しとされた。

 

 

 次に出された別案はもっとヤバいものだった。それはなんと「ワームホール」を生み出し惑星αへ瞬間移動するという、つまりワープするというのである。

 

 1943年のフィラデルフィア計画における実験の際に米海軍は偶然にもワームホールを生み出す方法を発見した。

 

 このワームホールというのは時空のある一点から別の離れた一点へと直結する空間領域でのトンネルのような抜け道であり、フィラデルフィア計画における実験の際は米海軍の軍艦がこのワームホールを経由してフィラデルフィア沖から2,500㎞も離れたノーフォーク沖に転移したのだ。

 

 このワームホールの入り口を地球に、出口を惑星α上に作れば救出部隊を瞬間移動させることが出来るというわけで、早速、米国は太平洋上にワームホールの入り口を形成し出口を惑星αの大洋上に形成した。

 

 さて、これにて惑星αに行く方法が決まったので、後は救出部隊であり、日本国民らは後回しとするにして米国民らの救出を優先したいが、それでも米国民の数は数十万人。

 

 これを全て運びきるには大量の輸送手段が必要であり、またあの惑星の環境がよく分かっておらず、一応地球と似た環境程度には分かるが逆に言えばそれしか分からない。

 

 そのため、まず調査部隊としてNASAの宇宙飛行士らに宇宙服を着させてあちらに展開させ、安全が確認されてから救出部隊を派遣させることとした。

 

 本来なら宇宙飛行士なんかよりもドローンなり無人探査機なりをトンネルの向こうに渡した方が安全なのだが、不安材料をすべて排除するには、人間による調査が必須なのだ。

 

 やがて形成は完了した。

 ワームホールは空間上に形成されたトンネルのような見た目で――しかしトンネルの先は見ることが出来ない。

 ただ船舶がそのままトンネルを通れば、惑星αの大洋上に瞬時に移動することが可能である。

 

 やがて宇宙飛行士2人からなる調査部隊がワームホールの反対側へと渡り、ワームホール内に通した通信ケーブルを介して通信を入れてきた。

 

──「惑星αの環境は水平線が遠く感じる事を除いて、重力・気圧・気体・気温・気候・大気中の細菌、全て地球と大差がない。救出部隊の活動の阻害となる要素は一切なし」

 

 不安材料は無くなった。

 

 これにて即座に救出部隊派遣が決定した。

 

 




解説
・戦略防衛構想(SDI)
80年代米国でレーガン大統領が立案した宇宙計画。通称スターウォーズ計画。現実では計画中止されたが本作では秘密裏に計画が継続されていた。

・オリオン型恒星間宇宙船
50年代米国にて計画・研究されていた原子力推進宇宙船計画。様々な理由で計画中止。本作では秘密裏に計画が継続されていた。

・フィラデルフィア計画
1943年に行われた実験の計画名で、米艦隊の軍艦が瞬間移動したとされる。でも調べてみるとかなりウサンクサイ都市伝説。本作の米国はこの計画でワームホール生成の方法を入手した。
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やっぱ異世界アメリカは自力開通ですわ
 
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