アメリカ合衆国も日本国召喚に全力出演したいようです   作:スカイキッド

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第20話「好景気の渦中」

 

 

 2017年7月――

 

 半年が経過し、米国はさらに多くの地域を支配していた。惑星α――異世界において魔物大陸ことグラメウス大陸を完全制圧したのち、米国による異世界での経済活動は活発化の一途にあった。

 

 現在、グラメウス大陸では大規模な入植活動が行われている。

 グラメウス大陸は大陸南部海域を暖流が流れているため緯度の割には温暖な地域であり、農地としては充分活用可能だからだ。

 またクイラ王国に匹敵する莫大な量の地下資源が眠っているようで、米国・日本・エスペラント王国・鬼人族国家・第三文明圏周辺各国により資源開発が行われていた。

 

 日本もまぁ、一枚噛むことが出来ているので一応は満足している。それに、米国が開発のために大量の物資を発注し、大量の外貨を投下したお陰で特需も起きており(特需は経済的に少なくない危険も孕んでいるが)、悪い話ではなかった。

 

 今のところ、フロンティアことグラメウス大陸の開発はものすごい勢いで行われており、米国から低所得層の人間を中心として大量の移民が開拓目的で異世界へ送られている。

 

 現在、異世界移民者数は1000万人に上り、多くの人々がロウリア王国、クイラ王国、グラメウス大陸などの土地へ渡っている。

 もちろん、他国のスパイや諜報員らが紛れ込まないよう、人選はFBIによる徹底した身元検査のもと行われるのだが。

 

 

 また、米国は日本に仲介してもらい、異世界の数少ない近代国家、神聖ミリシアル帝国とムーとも国交を締結していた。

 

 この国々は米国の市場として製品輸出に大きな需要を上げており、民製品はもとより各種兵器にまで及ぶあらゆる製品を米国は輸出して儲かっている。

 無論、技術的優位を維持できる範疇で、だが。あとそのままでは相手国の経済がいずれ詰みかねないようなマズイ行為なので、現地に工場を建設することなども行っている。

 彼らは日本と異なり新世界技術流出防止法など持っていない。

 

 対するミリシアルは一部の魔導製品や魔法技術、『ミスリル』という希少金属の輸出を、ムーは自分たちが必要としない鉱物資源――空洞山脈で採れる『アンオブタニウム』と呼ばれる超伝導物質――の輸出、海外領土の共同開発提案を米国に対して行っている。

 

 米国は巨大な市場を手にして大量の製品を売り上げ、ムーとミリシアルは国内工場建設により新たな技術の入手・蓄積が出来る。

 もちろん列強である彼らの立場も尊重した政策もとっており、双方Win-Winなこの関係には米国もミリシアル・ムーも喜んでおり、今度の国際会議『先進11ヵ国会議』に米国も是非とも参加するようにミリシアルとムーは依頼している。

 

 ちなみにだが日本もこの会議に参加することが決まっている。

 それは魔王討伐の功績、エスペラント王国および鬼人族の国の発見と救助の実績、パーパルディアでの戦争におけるアルタラス王国解放、皇国軍勢力に打ち勝った経験があるなどの実績が買われ、実質的に強国としてこの世界に認識され始めているためだ。

 

 ・・・日本は日本で対パーパルディア戦を進めており、その過程の一環で皇国占領地のアルタラス島を解放したのだが、直後に米軍が勝手にパーパルディアを降伏させたのだ。

 あと、会議への参加理由は第三文明圏とその周辺国家を束ねていることも原因の一つではある。

 

 現在のアメリカの好景気ぶりは凄まじい。その好景気ぶりは過去最高と言っても過言ではなく、日本転移後に低迷の続いていた米国経済は回復からの上昇傾向にある。

 

 日本も米国にそれに負けじとばかりに販売競争をしており、ミリシアルとムーの間で米国も貿易をしてるとはいえ、文明圏外国や大半の第三文明圏内国、そしてムーも比較的日本の独壇場に近い。

 しかしながら米国もロウリア・パーパルディア・ミリシアルという市場を抑えているのであり、どっちがどれだけ市場を獲得するかの勝負でもある。

 

 

 また米国経済回復の要因の一部は、各種軍需産業が多大な需要を手にしているのも一理ある。

 

 今のところ、米国は異世界国家への武器兵器輸出をまだ認めてない。

 にも関わらず軍需産業が儲かっているのは、何よりも常に戦力が枯渇している異世界進駐米軍の戦力拡充が原因である。

 今現在、異世界進駐米軍の装備は保管状態にあった予備の物を生き返らせたものばかりで、それらの更新を急いでいる。

 そして更新の兵器を軍が各企業に発注し、軍需産業が潤うという算段である。米国経済活性化の後、軍の国防予算も久々に大量増額されていた。

 そして作られた兵器は、フロンティア開発のために惑星αへ送られるのだ。

 

 

 また、フロンティア開発には欧州にも一枚噛ませようという話すらある。

 イギリス(元宗主国)の連中が何かやらかしそうな気もしないでもないが、とりあえず彼らも一枚噛ませても良いんじゃないかと、米政府は考えていた。

 

 まぁすでに日本がそれに一枚噛んでいる。

 それはもちろん地理的な――文字通り地理的な関係があり、また米国としても、人材も資材も協力者も多い方が良いからだ。

 前例があるし、日本だけ例外じゃなくたって、まぁ良いのではないかと、そういう話だ。

 

 そのため米国のみならず日本もいろいろと好景気であり――こちらは技術格差を活かした製品輸出による面が大きいが――、その好景気ぶりはかつてのバブルに追い付きそうだとも言われている。

 

 

 無論、その影響は地球でも出ている。

 特に欧州は米国の異世界開拓における物資調達のために大量の米ドルが投下され、それら物資を米国に輸出するという形で特需景気が発生している。

 

 同じ出来事は、米国から欧州と同じ事をされたアジア全域でも起こっている。

 異世界での投資を睨んだ各企業への投資により、株価も緩やかながら軒並み高騰しており、強いて言うなら資源国の経済が低迷し始めているくらいである。

 

 

 そんな形で、今世界は好景気である。

 

 

 ただ、当然ながら。

 

 

 米国のフロンティア開発を快く思わない国だって、地球には存在するのだ。

 

  




解説
・アンオブタニウム
映画とかでたまに出てくる架空の超伝導物質。本作ではこの資源が空洞山脈に特殊な磁場を生み出し、空洞山脈を生み出したという設定。米国が現在多数輸入している。

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今日は12時半にもう1話投稿します。

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