アメリカ合衆国も日本国召喚に全力出演したいようです   作:スカイキッド

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今回少し改行のタイミングを変えてみました。
 


第23話「会議参加に向けて」

 

 

 2018年1月。

 

 米国のワームホールを通じた異世界介入からおよそ2年、日本の列島異世界転移からおよそ3年が経過し、フィルアデス大陸や文明圏外のロデニウス大陸、グラメウス大陸、その周辺の文明圏外国は主に米国と日本によってこれまでの常識では考えられない勢いの開発が行われた。

 

 米国によるこれら大陸地域での大規模な土地開発作業および移民による大規模開拓、日米の貿易競争、高品質製品の流入などがその原因である。国の繁栄は文明水準と生活水準の向上をもたらしつつある。

 

 それは遠く離れたムーやミリシアルも同様である。かの国では巨大な市場と十分な経済力、比較的発展した文明があることを理由に日米共に進出が激しい。両国は国土開発により高速道路や鉄道路線が整えられ、都市部では超高層ビルの建設がいくつも始まっていた。

 

 

 閑話休題。

 

 

 米国と日本が参加予定の先進11ヵ国会議、この会議に米国は試験航海も兼ねて最新原子力空母 USSジェラルド・R・フォードを送ることにした。

 

 USSジェラルド・R・フォードは合衆国海軍でも最大の排水量を誇る大型空母であり、2017年7月に就役したばかりの最新鋭艦でもあった。艦載機数はざっと70機前後であり、一隻で中小国(地球基準)の空軍戦力に匹敵する。しかも電磁カタパルトにより連続した航空機発艦も可能だ。

 

 有事に備えて護衛にイージス巡洋艦2隻、イージス駆逐艦3隻、フリゲート2隻、強襲揚陸艦1隻、戦艦1隻が随伴する(攻撃型原潜を随行させることも考えられたが、ミリシアル周辺の海底地形の情報は不鮮明のため見送られた)。

 

 砲艦外交だ、と罵られる規模かもしれないが、先進11ヵ国会議ではこれが普通だ。この世界はとにかく覇権主義がまかり通っており、国際会議だろうが実力を示すために艦隊が送られるのだ。

 

 戦艦――アイオワ級戦艦 USSミズーリが艦隊の編成に含まれているのも、文明力が自分たちより発達途上の国々相手には巨大な大砲を見せた砲艦外交として意味を出すからだ。

 

 ちなみにUSSミズーリは米軍がグラメウス大陸に侵攻していた2017年1月に一時的に地球へと帰還しており、その際にサンディエゴにドック入りしている。SLEP(寿命延長プログラム)を施し、今後米海軍に就役予定の大型艦艇に搭載するいくつかの兵装の試験を行うテストベッド艦として、大改装が施されていた。

 

 米海軍の水上戦闘艦艇の中では特段に大きく、大馬力の機関を搭載した戦艦であるミズーリは、今回VLSを搭載したり新型砲を搭載して新型砲弾・ミサイルのテストに使われていた。

 

 改造された戦艦に最新鋭の航空母艦、公に認められた砲艦外交、非常識のような常識、これを行えるだけの力があるのなら、是非ともしなくてはなるまい。日本もアメリカがするのなら、と仕方なく海上自衛隊から一個護衛隊群の護衛艦8隻を送り込むこととなっていた。

 

 

 さらに閑話休題。

 

 

 今回の先進11ヵ国会議に参加するイレギュラーはアメリカ、日本だけではない。西の転移国家(イレギュラー)――グラ・バルカス帝国もまた、参加予定だ。侵略的な侵攻で第2文明圏西の文明圏外地域の大半を制し、列強レイフォルを下ろした彼らもまた、神聖ミリシアル帝国から招待を受けていた。

 

 ミリシアルとしては、国際協調を謳う会議である以上、グラ・バルカスを西方世界の長として招かざるを得ないのだ。どうせならミリシアルは度の行きすぎたグラ・バルカスの侵略行為に一言や二言や文句を言いつけてやるつもりである。

 

 もちろん、グラ・バルカスだってただ会議に参加しにいくわけではない。砲艦外交が公的に認められてる会議なので、どうせなら帝国海軍の精鋭艦隊でも送ってやろうかと考えていた。

 

 ……もう一度伝えるが、グラ・バルカスだってただ会議に参加しに行くわけではない――彼らはこの会議で、この機会に()()()()()()()()するつもりであった。列強とされたレイフォルですら数日で滅んだのだ、世界征服も不可能ではない、そう考えた訳だ。

 

 最近は、情報局や先進技術実験室が異世界国家に対する警戒を強めるべきと主張しており――無論、パーパルディアで撮られたM1戦車の写真が原因だ――、万全を期すに越した事はないとの理由で、会議に送られる艦隊の規模も増強されていた。

 

 本来なら正規空母4隻、超大型戦艦(グレードアトラスター)1隻、高速戦艦2隻、重巡洋艦3隻、巡洋艦2隻、駆逐艦5隻の合計17隻からなる監査軍艦隊を会議開催地であるミリシアルに送り付ける予定だった。ところが今はもう少し数を増やすべきとの考えが主流だ。

 

 その数は大いに増やされ、正規空母6隻、超大型戦艦1隻、大型戦艦2隻、高速戦艦2隻、重巡洋艦5隻、巡洋艦3隻、駆逐艦14隻、帝国海軍の本国艦隊までもから艦艇の一部を引き抜いた合計33隻、およそ2倍近くにまで数を増やされていた。

 

 それなりに財布を逼迫する規模ではあるが、これから返ってくるであろう見返りを考えれば大したことではない。すべてはこの世界の国々を帝国の前に跪付かせるためなのだ。

 

 それが実質的に不可能なことなのだと、当然彼らは知る由もない。

 




 
解説
・USSジェラルド・R・フォード
米海軍最新の原子力空母。でも電磁カタパルトと着艦関係の機器の問題で現実では欠陥空母扱いもされてる。

・USSミズーリ
久々の登場故に大改装が施された模様。詳細は次回以降を予定。
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