アメリカ合衆国も日本国召喚に全力出演したいようです 作:スカイキッド
第24話「先進11ヵ国会議、帝国の蛮行」
2018年4月。
神聖ミリシアル帝国の港町カルトアルパスで先進11ヵ国会議が開催された。この世界の主要国計11ヵ国の代表が集まるためそのように呼ばれているこの会議は、実際には今回米国と日本も参加したので12ヵ国会議になっていたりする。この会議には今回、米国は国務省から外交官2名を派遣した。
彼らの送迎という名目で最新の原子力航空母艦 USSジェラルド・R・フォードが派遣され、外交官らはそれに乗ってきていた。つい最近米海軍に就役したこの最新空母は、演習訓練も兼ねてわざわざ地球から派遣されたのである。
またそれの護衛としてイージス巡洋艦2隻、イージス駆逐艦3隻、フリゲート2隻、強襲揚陸艦1隻、戦艦1隻がついている。あくまでも護衛というのが名目だが原子力空母ゆえの巨大鋼鉄艦である彼らの存在は人々の目を引き、十分に砲艦外交としての意義を果たした。
もちろん、人々の目を引いた存在はアメリカ艦隊だけではない。例えば日本からやってきた外交官送迎の海上自衛隊の護衛艦8隻や、遠い地の列強であるムーの機動艦隊も十分に人々の目を引いた。今年は巨大な鋼鉄製艦艇ばかりが入港するもので、人々はそれらに注目しっぱなしだった。
中でも大勢の目を惹いたのがグラ・バルカス帝国の戦艦「グレードアトラスター」率いる帝国海軍の機動艦隊だ。グラ・バルカスは今回の会議会場のカルトアルパスに戦艦1隻、空母2隻、重巡洋艦1隻、駆逐艦5隻の機動艦隊を送り込んでいた。
奇妙なことに、何故か「グレードアトラスター」は細かな違いを除けば旧日本海軍の戦艦「大和」にそっくりで、この戦艦が率いる艦隊は何故か旧日本海軍の艦艇とそっくりだった。大和と同様の威容を誇るグレードアトラスターは、人々にある種の威圧感を示していた。
さて世界各国の艦隊がカルトアルパスに入港したところで、とある奇妙なことに米国と日本は気付いた。彼らは本国から、偵察衛星からグラ・バルカス帝国の艦隊の総数は33隻であると伝えられてた。だがカルトアルパスにいるのは9隻だけである。
この消えた艦隊が何処にいったのか不明であったため、米国は駆逐艦1隻をカルトアルパス湾の外へと移動させた。
それはともかく開催された先進11ヵ国会議。この会議ではまずミリシアルとムーからアメリカと日本の列強加盟が伝えられるところから始まった。両国ともに列強パーパルディアに優位に戦い、魔王撃退、エスペラント王国解放、グラメウス大陸の安全確保など、この世界で急速にその影響力を出し始めたのが原因だ。
これには強いて言えばグラ・バルカスの代表が「なぜ同じ列強を倒したのに我が国は列強入りできないのか」と不満をもらした程度でどの国も賛同を示し、各国代表者による多数決を経て決定となった。
続いてアメリカの代表がグラメウス大陸にて見つかった何かのビーコン――魔帝復活ビーコンに関する意見を聞こうと挙手しかけたが、先にエモール王国の代表が手を挙げたために発言の機会は奪われてしまった。
ところがエモール王国の代表――外務卿モーリアウルの口からとんでもない発表がされる事となった。エモール王国にて空間の占い(魔法を使ってるため的中率98%)を行った結果、古の魔法帝国――魔帝、ラヴァーナル帝国の近年中の復活が確実となったというのだ。
ミリシアルなどのこの世界の国の代表ならともかく、グラメウス開拓の際に鬼人族から最低限ながら魔帝の情報を少しは手にしていたとはいえ、別世界からやってきた日米の代表は困惑するしかなかった。彼らからすれば「何で伝説の存在なんかを国際会議で話してるんだ?」くらいの認識である。
しかし会議参加者が驚愕してたり唖然としてたり、といった変な反応をしてることから、何か重大なことなのであろう程度には日米の代表にも察しはつく。だがやはり、国際会議でいきなりこんな事になられては今後の進展が不安でしかない。
そしてその不安は直後に訪れた。
なんとグラ・バルカス帝国代表の外交官シエリアが、突然笑い声を上げ、「この世界の国は列強ですら占いを信じるんだな、なんと野蛮な」とこの世界の列強や主要国を嘲笑した挙げ句全世界に宣戦布告したのである。どうやら端からこの会議で会議らしいことをする予定は全くなく、シエリアはただこう言いに来ただけだった。
「この世界の国々に告ぐ。自分たちの軍門に下れ。従わぬのならば、よろしい、ならば戦争だ」
そう言い残したシエリアは現在、戦艦グレードアトラスターに乗り、グレードアトラスター率いる機動艦隊はカルトアルパスから立ち去った。だが日本と米国の偵察衛星が現在、消えたグラ・バルカス帝国軍の空母機動艦隊を発見している。
この艦隊はカルトアルパスを目指しており、おそらくこの先進11ヵ国会議を襲撃するものと見られている。少なくとも今回の会議でグラ・バルカスはこの世界の国に宣戦布告したが、
なので宣戦布告は受けてないも同然である。だが米国は売られた喧嘩は買う主義だ。このグラ・バルカスの蛮行に米国は本気で対抗することにした。カルトアルパスに停泊するUSSジェラルド・R・フォード率いる米艦隊は行動を開始した。
戦闘回に入りたかったんですけど会議回挟みたかったので、戦闘回は次回以降となります。