アメリカ合衆国も日本国召喚に全力出演したいようです   作:スカイキッド

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第37話「アニュンリール大空襲」

 

 

 米軍ステルス攻撃隊による皇国空軍基地・レーダー基地への空爆から1時間後、米空軍・米海軍混成の戦略爆撃機・戦闘爆撃機ほか軍用機の大群からなる爆撃隊の群れは皇国内の各軍事施設の制圧を目的に飛来した。

 

 

 作戦戦力は以下のようになる。

 今回の作戦参加戦力は、基本的にパーパルディア大空襲のときと同じである。大量の爆弾で広域の制圧を目的とする戦略爆撃機、誘導兵器を載せ精密爆撃を行う攻撃機および戦闘爆撃機、そしてそれらを護衛する戦闘機だ。

 

 その数は空軍・海軍あわせて総計して800機であり、パーパルディアのときの2倍だ。

 

 爆撃機B-52、B-1B、B-1Rには2000ポンド爆弾、BLU-121サーモバリック爆弾などの大型爆弾が搭載量ぎりぎりの重さにまで載せられたほか、数発の大規模爆風爆弾兵器――MOAB――を載せたMC-130W特殊輸送機も出撃している。

 

 他にも空飛ぶ戦車ことA-10攻撃機、空飛ぶトーチカことAC-130ガンシップなどの攻撃機も載せられるだけの弾薬を載せ、重武装を施してアニュンリール各地に向けて飛来していた。

 

 そして護衛および主力を務める戦闘機・戦闘攻撃機・戦闘爆撃機も、先の空襲から引き続き参加するF-22A、F-35Aを含め、F-16、F-15、F-15E、F-4、F-111まで何でもかんでも飛ばされている。

 

 通常爆弾、小直径爆弾、地中貫通爆弾、サーモバリック爆弾、クラスター爆弾、ペイブウェイ、バンカーバスター、JDAM、JSOW、デュランダル、マーベリックミサイル、JSM、LRASM。

 

 各航空機に搭載された、ありとあらゆる航空兵装は皇国各地へ次々と投下され、そしてそれらの地域に破壊を広げた。

 

 

 

 皇国の防空網がズタズタにされまくったことを受け、皇国空軍防空司令部は戦闘機ラフシーズほか全ての空軍機を、まだ破壊されていないブランシェル大陸内陸の空軍基地へ撤退させることを決定した。

 

 残された空軍機を内陸へと撤退、皇都マギカレギア含む内陸部の主要都市の周辺にそれらを集中させることで、主要都市周辺の制空権だけでも維持しようという算段であった。

 

 実際、沿岸部の空軍基地・レーダー基地はすべて叩き潰されていたが、それらが叩き潰される直前に離陸に成功し、さらに米軍機の要撃も受けなかった空軍機はかなりの数におよんでいた。

 

 ブランシェル大陸には撤退した戦闘機ラフシーズ200機がスクランブル待機を行い、空中魔探警戒機(AWACS)4機が空中哨戒態勢と迎撃網を設置し、他の空軍機も周囲の飛行場へと移動させられている。

 

 そして米軍はこの防空網を完全に無力化することも含め、皇都などの都市を叩き潰すために大規模な航空戦力を向かわせていた。

 

「――ッ! これは!!」

 

 皇都マギカレギア周辺に展開するシェズナ型AWACS――魔導電磁レーダーを搭載した早期警戒機――に搭乗する管制官が驚愕の声を上げる。敵機の大群をレーダーが捉えたからだ。

 

 先ほどの米軍の空爆はレーダーに映らないという一方的なズルをしてきたが、逆に今度は堂々と、しかもとんでもない大群を送り込んできたようである。

 

「至急!至急! 敵大編隊が皇都に接近中! 迎撃機は直ちに離陸し、これを迎撃されたし!」

 

 シェズナの管制官は皇都周辺の各空軍基地へと指示を飛ばす。また命令は陸軍にも伝わり、周辺の陸軍基地では高射砲兵が対空魔光砲やSAMの射撃準備を開始していた。

 

 そして各空軍基地からは、迎撃機たる戦闘機ラフシーズが緊急発進の準備を整え、管制塔から離陸許可を得たのち、最大推力で滑走路から飛び立とうとした

 

――瞬間、ラフシーズが滑走路ごと爆散した。

 

 ラフシーズだけではない。空軍基地にある他のあらゆる物も吹き飛ばされていく。つまるところ、迎撃機が発進する前に、米軍の攻撃が成功してしまったのだ。

 

 基地より数百キロ離れた空域から米軍のF-35やF-15Eより投下されたJSOW-ER滑空誘導爆弾が、ラフシーズが離陸しようとした段階で基地に着弾、離陸途中のラフシーズを吹き飛ばしたのである。

 

 着弾したJSOW-ER滑空誘導爆弾はクラスター爆弾の子弾を撒き散らし、皇国の空軍基地の滑走路・格納庫・管制塔ほかあらゆる施設を爆発で一瞬にして叩き潰してしまった。

 

 JSOW-ERの空軍基地への着弾により、基地に待避していた多数の空軍機は吹き飛ばされ、この時点で皇国が米軍の空爆を防ぐ手段はなけなしの対空砲火を除き、もはや残されていない。

 

 

 

 皇国内へと侵攻した米軍機約800機の大群は部隊ごとに分かれ、アニュンリール皇国各地の陸軍基地、海軍基地、残存していた空軍基地、レーダー基地といった軍事施設へと襲いかかった。

 

 物騒な航空兵装を抱えたF-22、F-15E、F-16、F-4など戦闘機の群れは皇国軍事施設の上空に飛来するや否や、それら航空兵装を次々に投下した。ペイブウェイやJDAMなどの誘導爆弾が次々に投下される。

 

 誘導爆弾の直撃を受けた基地施設は吹き飛び、周辺に置かれたあらゆる施設や人員すらも、衝撃波や爆風に巻き込まれて蹴散らされる。

 

 さらにA-10が30mm口径のアヴェンジャー機関砲からモーター音を唸らせ、毎分3,900発の連射速度で30mm機関砲弾をバラ蒔き、要塞化された陣地を片っ端から粉砕していく。

 

 逃げようとする皇国陸軍の車輌にはAC-130ガンシップが空から105mm砲、40mm機関砲、25mm機関砲により大量の砲弾を撃ち込み、それでも逃げようものならA-10から放たれるマーベリック空対地ミサイルが襲来する。

 

 

 他にも便器、バスタブ、キッチンシンクに信管と炸薬をしこたま詰めこんだものまで落としていく、といういつか見られた光景もあった。どうにも米軍は、こういうおふざけが楽しくて楽しくて仕方ないらしい。

 

 

 

 またMOABも使用されていたが、それすらも凌ぎ特に猛威を振るったのが、B-52やB-1爆撃機から投下されたBLU-121サーモバリック爆弾だった。

 

 核兵器に次ぐ威力を持つとされるサーモバリック爆弾は、主に皇国内の要塞型の基地へと投下されていた。しかしあまりの威力にキノコ雲が立ち上ぼり、要塞だろうが何だろうが木っ端微塵にしてしまったのである。

 

 あまりの威力に使い勝手はかなり悪いが、むしろ都市への戦略爆撃などであれば、少数機でもかなりの戦果を生み出すことが出来そうである。そして都市への戦略爆撃など経験したことがないであろう皇国への効果は高そうだ。

 

 

 少なくとも今回の戦果はいくつかの兵器の実地使用によるテストが行えたこと、そして皇国軍軍事施設の大半を叩き潰すことに成功したことだ。

 

 先述のような戦闘機による誘導爆弾の大量投下や、攻撃機による地上掃射、爆撃機によるサーモバリック爆弾はじめ大型爆弾の多数使用により、ブランシェル大陸内にある皇国軍の軍事施設はそのほとんどが叩き潰された。

 

 都市部への被害はかなり抑えられたが、それでも皇国が負ったダメージは計り知れない。

 

 

 皇国は米軍の侵攻開始からわずか数時間で大打撃を被ることとなった。皇国陸軍の一部や、洋上の皇国海軍はまだ無事だったが、彼らとてそう長くは持ちそうになかった。

 

 4月20日の夕刻――。

 

 皇国近海で遊杙していたはずの米海軍空母艦隊の艦艇が集結し、艦隊決戦でも挑もうと言うのか、アニュンリール皇国へと一直線に舵を切り最大戦速で突っ込んできたからである。

 

 皇国海軍もまたこれへの対抗のため、海上要塞パルカオンも含めた艦隊を結集し、艦隊決戦を挑む運びとなってしまった。

 

 




解説
・JSOW-ER
滑空誘導爆弾。WWZの原作小説で、ヨンカーズの戦いで味方を巻き込みながら使用されたアレ。爆弾なのに射程90km。ER型はターボジェット付き(射程560km)なので実質ミサイル。

・BLU-121
2000ポンドサーモバリック爆弾。俗に言う燃料気化爆弾の燃料を高性能爆薬に変えた兵器。爆発力そのものはMOABと大体同等。
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多分サーモバリック爆弾の描写、派手にしすぎたかも
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