アメリカ合衆国も日本国召喚に全力出演したいようです   作:スカイキッド

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今日は特にニュースはないです
では本編どうぞ
 


第38話「大陸沖大海戦①」

 

 

 4月20日 夕刻

 

 ブランシェル大陸が夜を迎えようとしていたとき、アニュンリール皇国海軍は稼働しているすべての艦艇を出撃させ、ブランシェル大陸へと接近している米海軍空母艦隊へと艦隊決戦を挑もうとしていた。

 

 米海軍の目的はおそらく制海権の確保、または皇国海軍の殲滅。皇国海軍はこれを残存する戦力をぶつけて対処する。

 

 皇国艦隊の陣容は空母11隻、魔導戦艦8隻、魔導巡洋艦20隻、駆逐艦及びフリゲート35隻、潜水艦21隻、海上要塞パルカオン8隻。

 

 皇国海軍の艦艇は全艦が誘導魔光弾、およびVLSを搭載しており、射程40kmの長SAM、射程180kmの対艦誘導魔光弾を搭載している。レーダー等はフェイズドアレイレーダー式だが、光翼人の運用を前提とするそれは出力不足で大した探知能力を持たない。

 

 また艦船のほかにも、これに艦載型のラフシーズ戦闘機が約400機とランバート攻撃機が約100機、その他の海軍機約200機に、何とか無事で航空支援に参加できた空軍機120機の合計約800機が戦力となる。

 

 本来なら皇国海軍はこれの倍の規模を誇るのだが、ここにいない艦艇はすべて港湾停泊中のところを米空軍の徹底的な空爆により、港湾施設ごと無力化されていた。

 

 米空軍の空襲部隊は、洋上の皇軍艦艇に対する攻撃は行わなかった。皇国陸上施設への攻撃に専念したのと、無闇に攻撃して下手に損害を受けないようにするためである。

 

 だがそれでも艦艇数は約100隻、艦載機は800機もいるし、それに何より切り札的存在の海上要塞パルカオンも12隻中8隻が出撃している。

 

 海上要塞パルカオンは俗に言う超兵器であり、単艦で敵国艦隊――皇国の場合は主にミリシアル艦隊を殲滅することを目的に作られた、全長400mの巨大戦艦だ。

 

 武装はパルキマイラと同じアトラタテス砲や150mm3連装魔導砲、各種の誘導魔光弾とそれを運用するVLS、さらに航空戦艦よろしく全通甲板に艦載機まで搭載する。

 

 本来のパルカオンは対空レーザー砲や対艦用のレールガンも搭載していたが、これらは使用に膨大な魔力を必要とするため、皇国軍では運用不能だった。

 

 それでも皇国海軍は強大であるという自信があった。なにせ自分たちはかの魔帝の子孫であるから――そんな裏表のない根拠が、彼ら皇国海軍に自信を与えていた。

 

 しかし易々と皇国空軍の防空網が突破された挙げ句、1時間もせずに皇国内の各種軍事施設はすべて無力化され、皇国海軍司令部すら音信不通だ。

 

 彼ら皇軍艦隊に、皇国海軍司令部は空爆で指揮機能を喪失する寸前に命令を発していた。

 

――死守せよ。

 

 これだけだった。

 まだ開戦から一日も経っていないのに、皇国は末期戦に突入しつつあった。

 

 

 

 これに対する米艦隊は8個の空母打撃群を皇国近海で集結させていた。

 

 この8個の空母打撃群は空母 USSカール・ヴィンソンが率いるのを除き、すべてがエンタープライズ級、キティホーク級、フォレスタル級などの旧式改造空母を旗艦に据える新編艦隊である。

 

 合計の戦力は空母8隻、戦艦5隻、巡洋艦16隻、駆逐艦40隻、沿海域戦闘艦14隻、攻撃型原潜16隻、戦略ミサイル原潜2隻、この他に揚陸艦、補給艦などが後方海域に45隻ほど。

 

 艦載機はF/A-18F、F-35C、F-14Fなど最新鋭の艦載戦闘機160機、モスボール機を復活させたA-4、A-6、F-4など旧式改造機240機、EA-18G、E-2Dなど電子戦機80機、MH-60、V-22など回転翼機160機。

 

 戦闘艦の数、艦載機の数は皇国海軍、米海軍ともにほぼ同等であるが、この現代において艦船200隻と艦載機総計1000機がぶつかりあった海戦など存在しない。

 

 

 そのためこの際に発生した『大陸沖大海戦』は、現代史上最大規模の大海戦と化した。

 

 

 両艦隊は相手を艦対艦ミサイルの射程圏内に引き摺り込んでいたが、戦闘はまず航空戦から始まった。ミサイルを比較的近距離で発射し、ミサイルの集中攻撃による効果を高めるためである。

 

 また万全を期して空海両面からの飽和攻撃を施行すべく、両者ともに戦闘機を出して制空権を確保しようとしたのも、その一因である。

 

 米空母8隻から次々にF-35C、F-35B、F-14F、F/A-18F、さらにF-4やA-6までもが飛び立つ。その数300機。米空軍機は補給・整備のためにすべて帰還しており、空軍機による航空支援は望めない。

 

 対する皇軍空母からはラフシーズ戦闘機、対艦誘導魔光弾を満載のランバート攻撃機が飛び立つ。それを援護する空軍機のラフシーズと、ラタプラセ爆撃機。その数600機。

 

 両者ともに保有機の半数以上、投入できる最大数の艦載機を飛ばす。全力投入である。数で2倍以上に勝る皇国軍機だが、先の米軍による空襲においては空軍機が圧倒的遠距離から一方的に中距離AAMで攻撃されている。

 

 そのためまともな戦闘にはなりそうもないことから、皇国軍は敵戦闘機に対し、レーダーに見つからないよう超低空を速力最大で急接近、ドッグファイトを仕掛けようとした。

 

 マッハ1.5で皇国軍戦闘機ラフシーズが、マッハ1.1で米海軍戦闘機F-35、F-14F、マッハ0.9でF/A-18が真正面からぶつかり合った。

 

 が、空戦の結果は先の空襲と同じく、あえなく皇国軍機の惨敗。

 

 そもそもステルスと電波妨害を受けて皇軍機は敵戦闘機の位置を把握できなかったし、接近中にAIM-120中距離対空ミサイル――各機合計で1200発もあった――を撃ち込まれては、接近すらままならない。

 

 とはいえど急接近によるドッグファイトを狙ったのは効果があったようで、中距離AAMで全滅する前に40機弱のラフシーズが米軍機とのドッグファイトに突入することに成功した。

 

 しかし、結果はまたも皇国軍機の惨敗。

 

 低中速での機動性でかなり優れるF/A-18、HMDで後ろにすらミサイルを照準できるF-35とF-14F、そして50Gの高機動も発揮できるAIM-9短距離AAMを載せる米軍機に対して、ドッグファイトでも勝てるはずがなかったからだ。

 

 結局、皇国軍の戦闘機ラフシーズ 300機は、今回の空戦でまたも惨敗することとなってしまった。

 

 

 

 ラフシーズが殲滅されると、今度は対艦攻撃のために対艦誘導魔光弾を搭載した皇国軍の攻撃機、爆撃機に対する攻撃が始まった。

 

 護衛機を失った攻撃機ランバート、爆撃機ラタプラセには対抗手段がなく、米軍機にとってはいいカモである。瞬く間に米軍機のAAMを喰らった6割の機体が火を噴き、海面へと転針していく。

 

 しかしどんな存在であれ、己の死期を悟った生物というのは最後まで足掻こうとするものである。攻撃機ランバート、爆撃機ラタプラセの編隊は、最後の足掻きを見せた。

 

 全滅させられるくらいなら、と搭載していた対艦誘導魔光弾を艦隊よりも先に米艦隊へと一斉に発射したのである。

 

 制空権が確保されていない状態での対艦誘導魔光弾発射、さらにこれを受け、皇国艦隊までもが半ば引き摺られる形で対艦誘導魔光弾による飽和攻撃を開始してしまった。

 

 

 

 米海軍艦隊の水上艦艇95隻に対して行われた飽和攻撃で、皇国艦隊の発射した対艦誘導魔光弾――対艦ミサイルは距離150kmの地点で、驚異の712発に到達した。

 

 うち1割以上が動作不良で飛翔中に海面へと叩きつけられたが、それでも605発もの対艦ミサイルが依然として飛来していた。

 

 人類の歴史上、おそらく経験したことがないほどの対艦ミサイルの雨あられ。E-2Dホークアイが居たから良いものの、あまりの多さに、イージス艦の追跡上限可能数すら軽く上回っている。

 

 米海軍にとって幸運だったのは、皇国軍の対艦ミサイルはレーダーによる探知を避けるようには作られておらず、低空ではなく高空を飛翔しており、またマッハ0.9と比較的低速であることだった。

 

 さらに上空にはAAM満載の最新戦闘機120機が展開し、洋上にも対艦ミサイルによる攻撃に対処すべく造られたイージス艦が50隻以上も展開している。ミサイルを迎撃する上で、これほどまでに条件が整ってるのだ。

 

 それでも対艦ミサイルが艦隊に到達するまでの所要時間はミサイルの加速を考慮しても4分程度しか残されていない。

 

 

 米海軍にとって、そして人類の有史上にとって、一度も行われたことのない600発以上の対艦ミサイルの同時迎撃。

 

 それがいま、夜を迎えようとしているこの洋上で行われようとしていた。

 

 




・攻撃機ランバート
皇国海軍の主力艦載攻撃機。最高速度は亜音速だが対艦爆弾複数発or対艦誘導魔光弾2発を搭載可能で、見た目は主翼F-4の胴体バッカニア。

・爆撃機ラタプラセ
皇国空軍の主力爆撃機。対艦誘導魔光弾4発を搭載可能。見た目は主翼B-58の胴体B-47。

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