アメリカ合衆国も日本国召喚に全力出演したいようです   作:スカイキッド

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第7話「遭遇、パーパルディア皇国皇軍」

 

 米空母『ロナルド・レーガン』率いる救出艦隊は、ここが惑星αであることを完全に確信した。

 

 なぜなら、日本の自衛隊の戦闘機――日の丸を描いた灰色のF-15Jイーグルと、同じく日の丸を描いた緑色のF-4ファントム――濃緑色の塗装からして恐らく偵察機型のRF-4Eレコンファントムだろう――の三機編隊と遭遇したからだ。

 

 確かに彼らは以前まで地球に存在していた存在だが、日本列島が惑星αに消えた以上それについていった彼らは地球には存在していない、つまりここは惑星αで間違いないようだ。

 

「やはり間違いなかった」

 

 彼らの不安の種は一つ消えたが、依然として消えない悩みが存在し、それは西から迫る謎の艦隊――要するにパーパルディア皇国のフェン侵攻艦隊であった。

 

 なおもその艦隊は接近し続け、やがてお互いがお互いを視認出来るほどの位置に来てしまった。

 

 

 もちろん皇国側は奇襲のはずのこの作戦が、何故か所属不明艦隊(米空母艦隊)の目の前に来てしまったことに大混乱となっていた。

 

 それだけではなく、しかもその所属不明の艦隊の艦はどれもこれもかつてのフェン沖海戦で監査軍が戦ったとされる日本の軍艦――護衛艦『みょうこう』と報告通りの形状ではないか!

 

 ……実際は、その日本の軍艦――護衛艦「みょうこう」はアメリカのアーレイ・バーク級イージス駆逐艦をベースに建造された艦なのだから、瓜二つなものなのだが。

 

 だが皇国側は勘違いを確信に変えた。

 

 日本の船だ。

 ならば敵だ。

 敵なら殺す。

 殺してやる。 

 殺すしかない。

 

 何とも理不尽ながら、完全に敵国の艦隊と信じきった皇国艦隊は先制攻撃として竜母から一斉にワイバーンロードを発艦させ、戦列艦隊は帆を張り一斉に突撃、砲戦距離の2㎞圏内に足を急がせた。

 

 

 このようにパーパルディア艦隊が戦闘準備をしている間にも、偵察にきていた空自のRF-4EとF-15Jは繰り返し空母『ロナルド・レーガン』率いる謎の米空母艦隊に警告を発した、「早く退避しろ」、「危険だ」、と。

 

 だが状況を掴めていない米空母艦隊は空自側の連絡に困惑し――というか退避ってどこに退避するんだよ――、しばしして空自偵察隊はおそらく残燃料の問題からであろう、この米空母艦隊と皇国艦隊を空撮したのちに飛び去ってしまった。

 

 で、さらなる問題が出てきた。

 西からこちらに迫る帆船の大船団(皇国艦隊)から次々とドラゴン(ワイバーンロード)が飛んできているではないか、それもこの艦隊に向けて!

 

 まさか――まさかあいつら、この米空母艦隊にケンカ売ろうって言うのか、だから先ほどの空自偵察隊はこちらに何度も警告を行ったのか、だとしたら非常にマズイ事態だ。

 

 緊急事態と判断した米艦隊は即座に戦闘準備に取り掛かり、護衛のイージス艦7隻はすぐさま陣形を変更して対空戦闘準備に移行、空母からはAAMを抱えたF-14とF/A-18が連続してカタパルトから投げ出され、発艦していった。

 

 米海軍人らの血は騒いだ。

 ここで()り合おうってのか、面白ぇ! と。

 

 それは長らく本格的な海上戦闘をしたことがなかった米海軍人らにとっての、本能というか戦争欲が沸き上がって生まれた結果だったからなのかもしれない。

 

 売られた喧嘩は買って出る、それがヤンキー魂の流儀というものなのだ。

 

 いずれにせよ、空母ロナルド・レーガン率いる艦隊はこの異世界でパーパルディア艦隊を相手に、米海軍にとって72年振りの、そして21世紀で初めての空母を利用した本格的な大海戦が勃発しようとしていた。

 




結局今回も戦闘に入れないっていうね
各話2000文字以内に制限したから早く展開が進まないんだよなぁ・・・
(次回は戦闘回となります)

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