気まいよく、クペリカはホテルを用意してくれた。俺は今そのベッド横になっている途中だ。他のみんなはと言うと街を見に行くとはしゃいで行ってしまった。
俺は、この部屋で少し休もうと思う、何せ俺の異世界の始まり方は海の中心からスタート。全く冗談も大概にしてくれよ、神様。
そう言えばと思い出すが、ネルトと戦闘していた時、もっと詳しく言うのなら刀を抜いた時、あの時何か脳の中で何か言ってたな。
確か・・・。
【ユニークスキル《ツヴァイアームズ》が解放されました】
【同時に《フューリング》が解放されました】
だったけか? 的なことを脳でいわれたきがする。単純に考えれば新しいスキルが解放されたと考えるべきだ。
ユニークスキルと言言うことはこれは俺だけのスキルということか・・・。ユニークスキルというのはたった一つのスキル。例えばの話だが炎を出すというスキルがあるのならそれは一人以上は使えないということだ。
今回はそのユニークスキルが俺に手に入ったわけだ。【ツヴァイアームズ】?このスキルは大体分かっているつもりだ、多分だが2つの武器を同時に使えるということだろう。
でなければ、槍職業の俺が刀など使えるわけがない。
問題は次のスキルだ【フューリング】これを何を示すかは分からない。
だから、俺は今この場でこのスキルを使ってみようと思う。爆発系統のスキルでないことは確かだから部屋の中で使っても大丈夫だろう。
右腕を前に出す。
「スキルリベレーション・・・【フューリング】発動!!!」
スキルを発動させる。するとあの時見たく俺の脳内に何かが話をかけてくる。
【スキル使用、《フューリング》が発動されました】
なんなのだろうか?このスキルは?
と思った時だった。
【このスキルは言わばナレーションです。スキル解説は勿論、素材、モンスターなどの情報も解説するスキルです】
そう言う・・・ことか。
このスキルは、【フューリング】を発動中の間にモンスター情報を記入すると解説をしてくれるのか。そして、このスキルの解放条件は俺が思うに【ツヴァイアームズ】つまり、ユニークスキルの解放後にこのスキルが解放されるという仕組みなのだろう。
何にせよ、俺の暮らしが良くなる一歩にはなったということだ。
そうだ、キングゴブリンについて調べておくか。
脳内キーボードでキングゴブリンと検索をかける。
【キングゴブリン・・・このモンスターは上位モンスターに匹敵します、ゴブリンはかな棒を持っていますがキングゴブリンはハンマーを持っています。キングゴブリンの得意な攻撃・・・キングゴブリンは性格が荒いため、頭は良いとは言えません。自慢のハンマーで襲いかかって来ます、ただハンマーのダメージ量は瀕死まで追い込む位のパワーはあります。ここまでが今まで記録されている。キングゴブリンの情報です。】
脳に【フューリング】のナレーションがキングゴブリンの情報を提供してくれる。
なかなか、便利なスキルだ。
思ったのだがこの異世界にはNPやHP、レベルと言った概念は存在しない。存在しない理由はそれこそ積みゲー等になってしまうからだろう。NPがあればスキルの使用、魔法の使用は限られてくるし、HPがあれば、ゼロになればGAME OVER。レベル性になれば当然自分より高い敵に勝てる理由はない。
だから、RPG風と言っても優しい異世界なのだろう。
ベットから見える天井を見ながら異世界についてのことを考えた、それから、数時間俺は睡眠へとついた。
◇
「ん・・・く・・・ふぁ〜・・・」
腕を伸ばしながらあくびをする。まだ、少し眠い。平均睡眠時間は超えてる筈なんだけどな・・・。異世界だからだろうか?
「さて、俺も暇だし・・・この街、少し観光するか」
1人での部屋でそんな事ポツリと呟き部屋を出ていく。
ホテルを出て真っ先に向かったのが飲食店だった。これでも、お腹は空くのだ。
別にいいじゃないか。
レストランらしきお店に入る。
別に食べられるならどこでも良かった。
「いらっしゃぁぁぁぁい!!!」
「ーーッ!?」
なんだろうかこの人・・・。
いや、分かっている。店員だって事は分かっているけど。
「えっーと・・・」
「可愛い子が来たものねッ! アタシ、意外と好みよ!ンフゥ!」
そんな、ウィンクされても困る。
これは、言わいるあれなのだろうか?ゲイバーと言う奴だったのだろうか? いや、否定は良くない・・・。けど受け入れたくもない。
「あ、ごめんなさいね。マスターはいつもこんな感じで・・・。見る様子から1名様かな? 席に案内するよ」
「あ、はい」
言われるがままに席に誘導され、席に座る。
「あの、すみません」
声を最小限に抑えあのマスターという人に聞こえないくらいの声で俺を案内してくれたお姉さんに質問をする。
「どうしたの?」
「あの人は何者何ですか?」
マスター・・・つまりは店長という事は分かる・・・。けど、それだけなのか?店長というだけであんなにも傷はつかないだろう。そう、マスターの体は傷だらけなのだ、簡単に言えば歴戦の勇者見たいな顔してるし。
「ん〜・・・。私達も詳しくは知らないんだけどね・・・」
続くように言葉を発言した。
俺はその言葉に驚きと絶望を少々覚えた。
「元勇者らしいよ!!」
は?
「マスター、魔王を倒してからこのレストラン『レビアン』を建ててね、魔王を倒した報酬金でこのレストランを建てたんだって、ほぼレストランを建てるために魔王を倒したみいね」
そんな勇者がいてたまるか。
理由もハチャメチャだし、レストランを建てるから魔王を倒した!? ふざけるのも大概にしてくれ! 魔王をなんだと思っているんだ!
勇者の最後の目標であり、平民達を脅かす存在だぞ!
「それは・・・凄いですね・・・」
聞いたことに損をした。
「で? お客様ご注文は何にする?」
メニュー表を取り取る。
「じゃあ、この『キノリリスタン』と言うのをお願いします・・・」
「はいよ〜!」
注文を終えると先程のマスターがまたこちらへとやってきた。ロクでもはい事は話さいないでくれと願いながらマスターの方に顔を向ける。
「先程は失礼したね」
「あ、いえ」
さっきのノリはどこへ行った・・・。
そんなノリでこられても困るけどさ。
声のトーンも若干低くなってるし。
「私が元勇者と言うの耳にしているかな?」
「はい。先程お聞きしました」
こう見ると、意外にも顔を整っている美しい顔なんだな。おねぇ要素を抜けば完璧の人なのかもしれないな。
「私は魔王を・・・・・・」
「はい、聞いております、その報酬金でこのレストランを建てたんですよね?」
「そうだとも。だけど君の考えている事には語弊がある。それは・・・」
「それ・・・は?」
「はーい! お待ちどうさん! 沢山食べてってね! 行きますよ店長!こんな所でサボってないで!」
そんな、いいタイミングで料理が到着してしまった。店長も強引に連れていかれてしまった。俺は目の前のホクホクのキノリリスタンに目をやる。俺はこの時こう思った。
ーー眠い。
◇
レビアンのキノリリスタンを食べ、俺は店を出た。それにしても、キノリリスタンは美味しかった。キノリリスタンは『キノリス』をと言うキノコに似た物を主に使っている料理で野菜等の物と混ざり合わさっているものだった。また、食べに来ようかな今度はクレハ達とも一緒に。
「あれ? 月兄ー!」
ホテルに戻る途中、クレハとまなねぇに遭遇する。因みにカリスとネルトは任務を終え明日に向け今は休んでいる。
「おう、もう観光は終わったのか?」
「うん、大体は終わったし買いたいものも買えたからね!」
そう言えば、まなねぇとクレハは買い物袋を持っていた。そんな金どこにあったんだ。
「それより、月兄こそいつ外に出たのさ? 部屋で寝てるんじゃなかったの?」
「俺だって腹は減る」
「なるほど、じゃあこれ持って」
買い物袋をどしどしと渡される、流れに乗ってクレハも買い物袋を「えいっ!」と俺に持たせる。・・・・・・重い。
「じゃあ、行こっか!温泉に!!」
「温泉!!?」
「そう!温泉行くよ、ここら辺にいい温泉があるって聞いたんだ」
「1回帰らないか?」
「そのまま行こう! もしかしたら混浴かもしれないよ?」
「じゃあ行こう! 今すぐ行こう!」
「だから・・・ツキヤはツキヤのままなんだよ・・・」
もしかしたら混浴という言葉に俺は耳を引かれ結局荷物を持ったまま行く事にした。
荷物・・・重い。
◇
荷物を脱衣場のロッカーに入れ、俺も服を脱ぐ服をぬぐロッカーはこれでもかと言うほど大きく買い物袋は余裕で入った。
「さ~て、入るか」
結局混浴ではありませんでした・・・が俺は諦めないぞ!
温泉の風呂と言ったら定番。ただ、竹の仕切りがあるだけ、これさえ何とかしてしまえば
あとは不慮の事故と言うことで。犯罪?いやいや、もしかしたらこの世界では犯罪なんて概念はないのかもしれないんだぜ? さぁ、行こう。
「スキルリベレーション!」
俺は【クリエイト】を発動し、長いはしごを作り竹の仕切りに立てかけた。こんな事にスキルを使うなって?こういう時だからこそ使うんだよ。そして、仕上げはこのスキル。【クラルテ】という新スキルを使う。このスキルは言わば少し気配を消せるスキルだ。
俺は基本慎重に行くタイプでね・・・失敗しはしないッ!!!はしごを登り女子風呂を覗こうとする。ーーーすると。
「ツキヤ?」
「ま、まなねぇ・・・」
そこにはタオルに包まれているまなねぇがいた。タオルを巻いていても分かるまなねぇの大きな胸。まなねぇ違うんだ君じゃない、君じゃないんだ・・・目的はクレハと他のお客さんが目的なんだ。
「お決まりの、お約束って奴かな……ガハッ!」
「次やましい事考えてたらそれこそ、スキル使うから」
俺は決めた。今度こういうことをする時はまなねぇには気をつけようと、今度は絶対に見てやる。
そんなことをはしごから落ちる俺は思ったのであった。