デジモンアドベンチャー 優しさの少女と転生デジモン   作:Zelf

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毎週更新、二回目です!

今回、タイトル詐欺入ってます…でも他に思いつかないのでこのままで。


第十四話  エテモン、悪の花道!

 ホエーモンと出会ってから四日目の夜。私達は順調に航海を続けていた。まあ、ホエーモンのおかげで順調なのは間違いないけど。この四日間、私達がやることといえば釣りをして食料を調達することくらい。たまに海のデジモンにも遭遇するみたいだけど、ホエーモンには近寄ってくることはなかった。

 

「いよいよ、明日はサーバ大陸かぁ」

 

「明日に備えて早めに休みましょ」

 

「一応、上陸場所の確認をしておこう」

 

「光子郎君、お願い」

 

「はい、上陸予定地はこの場所です。形状から考えると、この入り江が最も最適だと思います」

 

 パソコンの画面を見ながら、明日からの予定を確認し合う。サーバ大陸のあちこちにある紋章を手に入れるには、サーバ大陸を踏破するくらいの気持ちでいた方が良いと思う。手がかり、何にもないし。

 

「上陸の後はどうする?」

 

「出来れば、水や食料の補給をしたいわね」

 

「そうだね…筏が壊れた時に大分無くなっちゃった」

 

「そうなると、村がどこかにあれば良いのですが…ホエーモン、村や町の場所に心当たりはありませんか?」

 

『皆さんが上陸する予定の場所からは少し遠いですが、南の方にコロモンの村があります。彼らなら、補給の心配も無いでしょう』

 

「コロモンって…」

 

「アグモンの進化前だよね?」

 

 知らないデジモンよりは、知っているデジモンの方が安心出来る。ピョコモンの村の子達も良い子ばっかりだったし、コロモンの村も同じ感じかもしれない。

 

 詳しい位置を教えて貰うと、確かに上陸場所からは少し遠い…あ、でもこっちの方からなら近くて良いかも。

 

「ねぇ、私達は今、南東の方角にいるんだよね?だったら上陸場所をこの岩場にすれば、コロモンの村までもそう遠くないし、上陸時刻も早められるんじゃない?」

 

「成る程…ホエーモン、どうでしょう?」

 

『上陸は可能でしょう。そこからなら、半日も歩けばコロモンの村がある森に辿り着けるかと』

 

「私も賛成」

 

「俺も」

 

「決まりだな!じゃあ、上陸をここにしよう!」

 

 太一君の言葉に皆が頷く。と、ここでタケル君が小さく欠伸をした。

 

「もう休もう、明日も早い」

 

「そうだな、それじゃお休み!」

 

 そう言って、皆が眠りにつく。まあ、話し合ってる段階で既に寝てた子もいたけど…幸せそうな顔してるし、そっとしておこう。

 

「ポヨ…!」

 

「どうしたの?ポヨモン…わっ!」

 

「眩しっ…」

 

 ポヨモンが突然、小刻みに震え始めた。その直後、ポヨモンの体が光に包まれる。光が収まった後、目にしたのはタケル君の手の上にいるトコモンの姿だった。

 

「トコモンだ!」

 

「またよろしくね、タケル!」

 

「良かったわね!」

 

「次に進化したらパタモンだ!」

 

「じゃあ、ココモンも…!?」

 

「あっ…!」

 

 ココモンに目を移すと、ココモンも小刻みに震えていた。そしてポヨモンと同じように、光を放つ。

 

「…!」

 

「はぁ~…やっと喋れる」

 

「チョコモン…!」

 

「ちょ、おい、苦しっ…」

 

 久々に聞いたチョコモンの声。声は高いのに荒っぽい言葉遣いが、とても懐かしく感じる…声を聞いただけで泣きそうになって、それを誤魔化すためにチョコモンを抱きしめて隠す。

 

「良かったですね、結衣先輩!」

 

「うん…!」

 

 チョコモンの体の感触が、余計に懐かしく感じる。ロップモンも抱き心地最高だったけど、チョコモンはプニプニしてて気持ち良い。

 

 …今まで赤ちゃんデジモンだから、抱きしめすぎないようにと思って出来るだけ抱きつかないようにしてたけど、これでもう我慢しなくて済む。

 

「や、か…ぐふっ」

 

「結衣君、ストップ!チョコモンが苦しそうだ!?」

 

 丈君からストップが入るまで、遠慮無く抱きしめていたら…チョコモンが目を回してた。あれ?

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 はぁ……死ぬかと思った。久々に喋れるようになったかと思ったらこれだもんな。あの後、結衣は何度も頭を下げてくれたので、それで不問として明日に備えて休むことになった。時間も時間だったし。

 

そして今、俺は何故か朝早く目が覚めてしまい、皆はまだ眠っている。何でこんな時間に起きてしまったんだ…あれか、幼年期だから睡眠時間が他の奴らよりも少ないってことか?いやでも、トコモンはまだ寝てるしな…

 

「…ホエーモン、サーバ大陸まではどれくらいだ?」

 

『そうですね。日が昇りきった頃には見えてくるかと思いますが』

 

「そっか…もうすぐ、だな」

 

 もう太陽は顔をだそうとしている。一面海の景色で日の出を拝めるというのも、中々出来ない経験だと思う。ホエーモン様々だ。

 

 ココモンだった間も、ちゃんと意識はあった。ただ、ポヨモンみたいに鳴き声しか出せないのは分かってたから、出来るだけジェスチャーだけで反応するようにしてた。ココ!しか言えないの、不便すぎる。

 

 おかげで俺がこの数日間、どれだけイライラした生活を送っていたか…!最初は勝手なことをしたなと結衣に申し訳なさがあったが、アイツ…俺が赤ちゃんデジモンになったからって完全に赤ちゃん扱いだぞ。食べ物をほぐすとか、添い寝するとか、そこまでしなくて良い!って何度思ったことか。しかも、チョコモンになるまでに一週間ちかくかかるとは…

 

 俺とポヨモンの件で少しストーリーにずれがあるかと思ったが、概ね同じで良かった。特にホエーモンに会えなかったらどうしようかと思ったぜ…計算したけど日数は一緒だったしな。会えない方がおかしいとは思うが。タグも結衣の分がちゃんとあって良かった。多分神様の力だな、これは。別に光が解雇されたわけではない、はずだ。

 

「ん……んんーっ!」

 

「お、起きたか」

 

「…チョコモン?おはよう、早いね」

 

「お前もな」

 

 結衣が起きたらしい。一番最初に起きるのは太一かと思っていたが…コイツ、昨日の懲りてねぇな。

 

「おい」

 

「ちょっとだけ、ね?」

 

「…ハァ。分かった、ちょっとだけだぞ」

 

「えへへ」

 

 俺を抱きしめて満面の笑みを浮かべる結衣。若干寝惚けてないか?…とりあえず、昨日みたいに絞め殺されそうになることはなさそうだ。

 

「…あの時は、悪かったな。あれしか思いつかなかったんだ」

 

「…デビモンとの戦いのこと?あの時は…その、色々取り乱してたから考える余裕無かったんだけど、あれはどうなってたの?」

 

「エンジェモンの集めた聖なる力を、俺が預かったんだ。エンジェモンの体が消えないようにな」

 

「聖なる力…そっか、だからあの時のロップモンは白かった(・・・・)んだね」

 

「…何?」

 

 白かった?どういうことだ?確かに俺はエンジェモンの聖なる力を調節するためにこの体を貸したが…っていうか、白かったか?あの時は無我夢中だったからな…覚えてねぇ。

 

「覚えてないの?」

 

「ああ…俺、白くなってたのか?」

 

「うん。エンジェモンにくっついてる間、ずっと」

 

「そうか…あ」

 

「何か分かったの?」

 

 俺は結衣に、白いロップモンのことを話した。そういえばデジモンクロスウォーズでそんな特別なロップモンがいたというだけだが。あれって、どういうロップモンだったか…そもそもあれって、ネオヴァンデモンに食われたロップモン達が力を集めたことで白くなったんじゃなかったか?あれって自力でなれるのか?

 

「うーん…思ったんだけど、それって聖なる力がそのロップモン達の力の代わりになったんじゃない?」

 

「そういうこと、なのか…まあ、白いロップモンは多分、無理に力を宿している状態だろうし、まさに諸刃の剣ってやつか……もうそんな姿になることはない、と願いたいな」

 

「ホント…もう勘弁してほしいよ」

 

「…ああ」

 

 少し力を強めた結衣。その時、俺達は日の光に照らされる。眩しいけど、美しい光景だ。

 

「ん…っくぅ~っ!」

 

「あ、太一君。おはよう」

 

「結衣さん、おはよう…ふわぁ~……そうだ。サーバ大陸は?」

 

「まだ見えないよ。私もさっき起きたところ」

 

「そっかぁ…」

 

 太一が起きて、そのまま食料のある方へと向かっていった。多分、朝飯を食いにいったな。

 

「そういや、お前は朝飯食わねぇのか?」

 

「食べるよ?チョコモンは?」

 

「俺も食う、ちゃんとエネルギーとっとかないとな!」

 

 早くロップモンに進化したいな…手足のある生活、バンザイ。前にも思ったが、常時成熟期計画を本格的に考えるべきか?

 

 …つーか、まさか、エテモンとの戦いが終わるまでこのままってことは……ない、よな??

 

 

 

 

 

 

 あの後、サーバ大陸はすぐに見えた。予定していた上陸場所に到着し、俺達はホエーモンに教わった通りにコロモンの村へと向かう…のだが。約一名、ビビってホエーモンから下りていない。

 

「さあミミちゃん!勇気を出して!」

 

「何でこんな所から上陸しなきゃいけないの!?もっとマシな場所なかったの!?」

 

 まあ、上陸がしやすいとは言えないな、これは。そのまま滑るだけだったらまだ良いが、それだけだとホエーモンと岸の間の海に落ちる危険もある。

 

「確かに、ここから少し北の方に上陸しやすそうな入り江があるんですが…」

 

「だから皆で相談して、ここから上陸することに決めたんだ!君は寝てたけど!」

 

「もう!そんな大切なこと勝手に決めないでよ!あぁ、いや~!!」

 

「うぐっ!」

 

「もう、いや~…」

 

 ホエーモンが体を揺らして、ミミは足を滑らせて滑り台のように下りてきた。さらにタイミング良くホエーモンが体を揺らしたことで無事に着地…光子郎を押し倒す形にはなったが。所謂ラッキーシーン?だが、この頃の光子郎はまだミミのことを何とも思ってないんだっけか?

 

 ホエーモンに別れを告げ、今度こそ予定通りに移動を開始する。

 

「で?これからどこ行くの?」

 

「ホエーモンが教えてくれたの、ここから半日くらい歩いた森の中にコロモンの村があるって!」

 

「コロモン?…聞いたことがあるような」

 

「僕が昔コロモンでした」

 

「そうだっけ!」

 

 昨日の会議で既に寝てたミミに説明しながら、広大な砂地のような場所を進んでいく。タケルでさえまだ起きていたのに…何でコイツだけ既に寝てたんだ?

 

 道中は、それは退屈なもんだった。デジモン一匹見当たらず、景色の代わり映えもなく。流石は大陸と言われるだけのことはある。日差しがやや強く、水分補給のペースもその分多くなる。

 

「ん…!」

 

「アグモン、どうした?」

 

「こっちからコロモンの匂いがするんだ」

 

「なんだって?」

 

 アグモンが匂いを嗅ぎながら、ある方向を向いて立ち止まった。アグモンの言葉を聞いた太一が少し高めの場所まで行くと、単眼鏡を覗く。

 

「森だ!」

 

「コロモンの村がある森か?」

 

「多分な!」

 

「あ、待って太一!」

 

「太一さーん!」

 

アグモンと太一の後を続いて行くと、確かに森があった。その中を進んでいくことしばらく、森の木々がない広い場所に出た。遠目から見ても大きな…テント、なのか?ドーム状のテントらしきものが見え、その中心に上に大きい、こけしみたいな形状の大きなものが目立つ。多分、あれがコロモン達の住処なんだろうな…明らかにピョコモンの村みたいな小ささではないらしいが、何でだ?単純にファイル島とサーバ大陸における文化の違いだろうか…

 

「コロモンの村だ!」

 

「ピョコモンの村みたいなの想像してたけど…野宿はしなくて済みそうだね」

 

 同じ事考えてる誰かさんがいるな…と、ここでまたトラブルメーカーが動き出した。

 

「お風呂ーっ!」

 

「ちょっと、ミミ待って!」

 

 まーた考え無しに向かう奴もいるし…っていうかはえぇな!パルモンが追いつけない速度で走って行くミミ。そんなに走れたのか、アイツ!

 

「……あれ?」

 

「どうした、アグモン?」

 

「違う、ここ」

 

〈え?〉

 

 アグモンの話では、コロモンの匂いもするが、それと同様に他のデジモンの匂いもするらしい。ああ、パグモンが今は乗っ取ってるんだっけか…

 

「早くミミちゃんを追わなきゃ!」

 

 全員でミミの後に続き走って行く。村の中まで入ると、ミミが灰色のコロモン…いや、コロモンの触覚の代わりに耳があるデジモンに担がれて連れて行かれているのが見えた。一緒にいたパルモンは咄嗟のことに気圧されて尻餅をついたらしい。

 

「ミミちゃん!」

 

「あの角を曲がったわ!」

 

「ここはコロモンの村じゃなかったのか!」

 

「そうみたい!」

 

 パルモンが言う角を曲がると、パグモンがそれぞれの建物の前で塞ぐようにいる。唯一塞がれていないのがあの、外から見ても一際デカかった建物のみ。確か、この先って…

 

「どっちだ!?」

 

「きゃあーーっ!」

 

「あそこだ!」

 

「わっかりやすい悲鳴だな……」

 

「え?」

 

 俺の呟きに僅かに結衣が反応する。他の子供達は全員建物の中に入っていった。

 

「結衣、とりあえず太一と光子郎を止めろ。それがお互いの為だ」

 

「う、うん。よく分からないけど分かった」

 

 大きな建物の中は、外観とは裏腹にやたらと豪華だった。なんか、城っぽいというか…エントランスに、両サイドに二階へと続く階段がある。コロモンが作ったにしては豪華すぎるよな、ここ…

 

 結衣と俺が入った頃には、空が階段でミミの帽子を拾っている所だった。その後ろを太一と光子郎、丈の三人が登っていく。あ、もしかしたら間に合わないか?俺は別に良いんだが…光子郎的にはラッキーかもしれないしな。でも、やっぱ結衣達女性陣からすれば忌避されることになるだろう。こんなことで仲間の関係に亀裂が入るのはちょっと…なぁ?

 

 結衣は太一達を見た直後に階段を登って空に追いつき、そのまま空と一緒にミミの鞄を拾っている丈の隣を通り過ぎる。そのまま太一と光子郎が入っていったと思われる部屋に入り…太一が一直線に禁断の扉を開けようとしていて、その後ろを光子郎が追っていた。あ、これ間に合わないな。

 

「ここって…」

 

「……!ダメ、太一!」

 

「ハァ…“ダブルボブル”」

 

「うわっ…!」

 

「うおっ!?何すんだよ!」

 

 久しぶりの泡攻撃を放ち、太一と光子郎がギリギリで回避する。まあ、躱せるように遅いのを撃ったんだが。当たっても目の前でパァン!って泡が割れる程度だし。

 

「お前ら、人の話聞け」

 

「太一君、光子郎君、そこは開けちゃダメだよ」

 

「何で?」

 

「ミミちゃん、入浴中だからよ!太一のバカ!!」

 

 それを聞いた太一と光子郎は顔を真っ赤にし、結衣と空が代わりに禁断の扉の中を確認し、ミミの安否を確かめる…というかカーテンだけで遮っているこの部屋もどうなのか。つーか、ホントにミミってトラブルメーカーすぎじゃね?

 

「ミミちゃん、大丈夫?」

 

「あ、空さん!結衣さん!お風呂ですよ、お風呂!一緒に入りましょうよ!」

 

「確かに入りたいけど…でもミミちゃん、勝手にいなくなったら心配するからもう止めてね?」

 

「えぇ~?だって、お風呂ですよ!折角お風呂に案内してくれたんだしー」

 

「や・め・て・ね?」

 

「は、ハイ!?」

 

 …うん。まあ。その…奴の説教は結衣に任せておこう。俺は太一と光子郎と一緒にその場を後にした。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 ミミちゃん、まさかお風呂に入ってるとは…初対面のパグモンをそこまで信用するなんて、不用心というか何というか…これが元の世界だったら、完全に誘拐事案なんだけど?

 

 まあ、あの後とりあえずミミちゃんとは軽くお話して、その後全員お風呂入らせて貰ったけどね…デジモン達と一緒だったら、まあ大丈夫かな?って思うし。

 

 一悶着あった昼間だったけど、今は夕方。パグモン達が私達を大広間みたいな場所に案内して、おもてなしをしてくれることになった。今はパグモン達が、クリスマスに被るあの三角帽子を被って踊りを披露してくれている。コロモンの村じゃなかったみたいだったけど、パグモン達も良いデジモンみたいで良かった。

 

「ここはパグモンの村だったんだ」

 

「おかしいなぁ~、確かにコロモンの匂いだと思ったんだけど」

 

「お待たせしました!」

 

「まるで竜宮城に来た乙姫様の気分!」

 

「それを言うなら浦島だろ?」

 

「まさか、偽物ってことはないわよね?」

 

「そう何度も同じ手にかかってたまるかよ!うん、うめぇ!ホンモンだ」

 

「太一君、あの時のご飯も美味いって言ってたけどね…」

 

 あの時とは、デビモンの館のご飯を食べた時のこと。あれが幻覚だったなんて、まだ少し信じられない。本当に美味しかったし…あ、でも食べても食べたことにならないなら、ちょっと得した気がする。

 

「変やな、パグモンは意地の悪い性格って噂やったのに」

 

「ただの噂だよ、きっと」

 

「そうそう、ただの噂!」

 

「ホントは良いデジモンなのよ」

 

「そうそう、良いデジモン!」

 

 皆、それぞれご飯を食べている…けど、ふと横を見たら凄い勢いでご飯を食べているチョコモンに目がいった。ど、どうしたんだろ…そんなに食べたらお腹壊すんじゃ…?

 

「チョコモン、ちょっと食べ過ぎじゃない?朝も結構食べてたし…」

 

「まあな…ん!よし、結衣!ちょっと頼みがあるんだが」

 

「何?」

 

「俺が進化出来るか試してみてくれないか?」

 

「そんなにロップモンになりたいの?私としてはもう少しこのままでも…」

 

「頼む。ちょっと試しておきたいんだ」

 

 沢山食べてたのって、進化のエネルギーを蓄える為だったんだ。でも、昨日ココモンから進化したばっかりなのに、もう?こんな連続で進化するのって、体への負担が大きいんじゃないかと思うんだけど。

 

「ダメ、今はご飯中だし…昨日進化したばっかりでしょ?体の負担とか…」

 

「あー…そういやそうか」

 

「チョコモン、昨日進化したんだ~」

 

「それなら、トコモンもだよ!」

 

〈おめでと~!〉

 

 パグモン達が耳を使って拍手してくれている。ちょっと可愛い…けど、何か違う。たまに、ギラッとした目をする時があるみたいなんだよね、パグモンって。素直に可愛いって思えないんだよね…

 

 それにしても、チョコモン…あっさり引き下がったけど、何だったの?別に進化したかったわけじゃないってこと?

 

「ねぇ、さっきのどういうこと…?」

 

 チョコモンに小声で話しかける。いつもチョコモンは私が抱えているから、コソコソ話しやすい。周囲は騒がしいし、聞かれる心配はあんまりしなくて良いかな。

 

「あぁ…急に悪かったな。パグモン達に俺が最近進化したってことを伝えたかったんだ」

 

「…?何で?」

 

「ここ、本当はコロモンの村で合ってんだよ。コイツらはコロモン達を近くの滝の裏の洞窟に監禁してる」

 

「か…っ!?」

 

「シーッ…で、俺がつい最近進化したって分かれば、気に入らないって理由で俺を連れてくはずだ。結衣、お前は皆を連れてコロモンと俺達を助けに来てくれ。多分、夜中に連れて行かれる…ホントは、トコモンのことは隠すつもりだったんだが」

 

 な、何その計画!?いくら何でも危険すぎる…!いくら相手が幼年期とはいっても、チョコモン達も幼年期なのに…でも、もう既にパグモン達が動くのは確定してるみたいだし……手遅れ、かな。

 

 とりあえず、チョコモンの計画を詳しく聞いてみると…敵はパグモンとガジモンっていう成長期のデジモンらしい。これから対峙する、デビモンより強い敵の子分らしいけど、その敵は今は遠い場所にいるらしく、すぐには襲って来れないみたい。

 

「…チョコモン、今後はちゃんと私に話してから動いてね?約束したよね?」

 

「…?ああ。元々、そのつもりだぞ?」

 

「……ハァ。何か、今日は怒ってばっかり。ミミちゃんのこと、チョコモンは悪く言えないね」

 

「何でだよ!?」

 

 そりゃあ、二人ともトラブルメーカーっていうことには違いないんだもん。ミミちゃんは不用心すぎる感じだけど、チョコモンはトラブルが起きるのが分かってるのに自分からトラブルに突っ込んでくんだよ…どっちにしろ、気苦労が絶えない気がする。

 

 今後は、ちゃんとチョコモンに頼りっぱなしになるんじゃなくて、ストッパーの役目も頑張らなきゃ。もう、チョコモンが無茶して傷つかないように、一緒に考えていかないと。

 

 

 

 

 

 

その日の夜、皆が寝てる時…チョコモンの言う通り、パグモンが動いた。寝たふりをしていた私の横で、チョコモンとトコモンを縄で縛り始める。

 

 我慢、我慢……出て行くまで、我慢、我慢……!

 

 パグモン達がチョコモンとトコモンを担いで部屋を出て行った直後、私は勢いよく起き上がる。

 

「皆、起きて…起きて」

 

「ん、んー…?」

 

「どうしたんですか…?」

 

「パグモンが、チョコモンとトコモンを連れて出て行ったの!」

 

「え…トコモン?トコモン!」

 

 タケル君も心配そうな顔でトコモンを必死に探す。その声で、まだ寝惚けている皆も目が覚めてきたみたい。

 

「パグモン達がそんなことするなんて…」

 

「やっぱり良いデジモンじゃなかったんだ」

 

「急いで追いかけよう!」

 

 全員急いで準備して、外に出て、手分けして探し始める。チョコモンは、連れて行かれる時に分かりやすいように痕跡を残すって言ってた。

 

「皆、これ…」

 

「濡れてる?」

 

地面には所々に濡れた場所があった。これだ…これが、チョコモンが残していくって言ってた痕跡。

 

「きっと、チョコモン達が残していったんだよ。これを辿れば…」

 

「でも、おかしくないですか?この後、村の外まで続いてるみたいですが…」

 

 追っていくと、森の入り口へと続いている。とりあえず、手がかりはこれしかないから、追おうとしたら…アグモンが、木の傍で立ち止まる。

 

「ん?…あれ?」

 

「どうした、アグモン?」

 

「何か…いる!?」

 

「お化け!?」

 

 暗かったから分かりづらかったけど…アグモンの足下に、真っ黒の何かがいる。アグモンがその子を拾い上げると、顔をこっちに向けた。あれ、この子って確か…

 

「この子、始まりの町にいなかった?」

 

「いたよ!確か…」

 

「ボタモンや!」

 

「どうして、ボタモンがここに?」

 

「どういうことだ?」

 

「ボタモンはコロモンに進化する前のデジモン。パグモンの村にいるはずない!」

 

「それじゃ、ここはやっぱり…」

 

「ここ、コロモンの村だったんだ!」

 

「皆、急ごう!」

 

 痕跡を辿っていくと、大きな滝を見つけた。滝の裏側に回れそうな道を見つけた。その反対側には、二足歩行の…なんだろ、犬?狼?みたいなデジモンが三人。

 

「誰だ?アイツら…」

 

「ガジモンだ!」

 

「あ、パグモン達が出てきたよ!」

 

「何か喋ってるぞ…?」

 

「一人どこかに行きましたね」

 

「もしかして、パグモンの仲間じゃない?」

 

 あれがガジモン…成長期のデジモンだって言ってたから、チョコモン達を助けるのは簡単なはず。

 

「ガジモンの相手は俺がする!」

 

「よし、任せたぞヤマト!」

 

「ああ」

 

「ヤマトさん、手伝います」

 

「わてもやりまっせ!」

 

 ヤマト君とガブモン、光子郎君とテントモンがガジモン達を相手にしてくれることになり、私達はその隙に滝の裏側に続く道を進むことにした。

 

「何者だ、お前ら!」

 

「待て、人間だと!?」

 

「“プチファイアー”!」

 

「“プチサンダー”!」

 

「今の内に!」

 

 滝の裏側に入ってみると、そこには大きな洞窟があった。中には檻が沢山あって、一番手前の檻には…

 

「トコモン!」

 

「チョコモン…!」

 

「見て、コロモン達もいるわ!」

 

「僕に任せて!」

 

 アグモンが檻についていた錠を爪で壊して、開けてくれた。アグモンは次々とコロモンの入っている檻を壊していく。

 

「トコモン!」

 

「タケル、心配かけてごめん!」

 

「チョコモン…良かったぁ」

 

「結衣…ありがとな」

 

 こんな危ない作戦、また次にやったら許さないんだから…とりあえず、今回は一日モフモフの刑で許してあげる。

 

 コロモン達を助け終わった頃、外では大きな音がした。多分、ヤマト君達が上手くやってくれたんだと思う。

 

「ヤマト!光子郎!」

 

「こっちは無事に終わりました」

 

「アイツら、エテモン様がどうって言ってたぞ」

 

 エテモン…それが、デビモンより強い敵の名前。チョコモンが言うには、見た目はふざけているサングラスをかけた猿みたいな姿だって話だけど…グレイモン達成熟期のデジモンが束になっても勝てないくらい強い、らしい。アンドロモンと同じ完全体だって聞いた。

 

「不味いな…エテモンがこっちを襲ってくるのは間違いない。来る前に逃げないと」

 

「何でだ?」

 

「エテモンは、“ラブセレナーデ”っていう技を持ってるんだ。戦う力を奪うっていう」

 

「それを聞くと、力が抜けてしまうんや」

 

「何か対策はないんですか?」

 

「今のままやと無理や、もっと進化せな」

 

「ガルルモン以上に進化しろってことか」

 

「だからゲンナイさんは、タグと紋章を手に入れろって言ったのね」

 

「とにかく、逃げなきゃ!」

 

「逃げるってどこへ?」

 

「それなら、こっちの方に来て!」

 

 コロモン達が、滝の奥へと進んでいく。私達もその後についていってみると、すぐに行き止まりに辿り着いた。壁には、不思議な紋様が描かれている。これ、もしかして…?

 

「ここは?」

 

「村に何かあった時は、ここから逃げろって言い伝えがあるんだ!」

 

「この紋様は…!?」

 

 太一君の胸元、正確には太一君が首から掛けているタグが…光ってる。同じように、壁全体も光を放って、視界がオレンジ色に染まる。

 

 太一君が服の内側に入れていたタグを外に出すと、部屋の光がどんどん小さくなっていって…太一君の目の前に、小さな何かとなった。オレンジ色で、太陽みたいな紋様が書かれている。

 

「これは、紋章だ!」

 

「なんだと?」

 

 紋章が、太一君のタグに吸い込まれるように、ピッタリと収まった。サーバ大陸に来て早々に、太一君の紋章が見つかったんだ!

 

「紋章が、手に入ったんだ!」

 

「やった!」

 

「あ、見て!」

 

 空ちゃんが指差した先には、外が見えた。さっきまで来ていた道とは反対、つまりさっきまで行き止まりになっていた場所が、外への出口になっていた。後ろを振り返ってみると、こっちは行き止まりになっていた。どういうこと…?もしかして、一方通行だったのかな?

 

「ここは、僕達の村から遠く遠く離れた森の中だ!」

 

「じゃあ、僕達!」

 

「うん、暫くはエテモンから見つかることもないんじゃないかな?」

 

「やったぁ!」

 

「あ、でもコロモンの村に戻れないんじゃ…」

 

「大丈夫!ここは食料も一杯あるし!」

 

「エテモンが来たら、村もただじゃ済まないだろうし…」

 

「もしかしたら、村も消えちゃうかも…」

 

 そんなに強いんだ…しばらく、エテモンから逃げる日々が続くかも。早く、全員の紋章を見つけなきゃ。それにしても、私の紋章…どこにあるんだろ?

 

 

 

 




「あー、もしもし?選ばれし子供達、聞こえる?…アラ?」

「子供達、消えた消えた!」

「探せー!」

「ちょっと、これどういうことよ!」

子供達一行が移動した数時間後、エテモンの声がパグモン達がいる村に悲しく響き渡ったという…




というわけで、エテモン登場せず!いやー、回避しようと思えば回避出来ちゃうので、こういう展開になりました。おそらくエテモンの登場は次回になると思います。

そして地味に、バトル描写が無い回っていうのも久々な気がする。

次回は来週の日曜日に更新予定です!

ここからは、アニメ感想コーナーへ行くので、ネタバレが嫌な方はここでブラウザバックでお願いします。読んで下さり、ありがとうございました!















































はい、というわけで今週のアニメ振り返りのコーナー!

今日放送された最新話の「子供達のサバイバル」を振り返りたいと思います。

今回はエンジェモンとダークナイトモンの戦闘から始まりました。エンジェモンの翼が大きくなって、ヘブンズナックルを使った後にどちらも退化したようですが…またエンジェモンがデジタマになるんじゃないかとヒヤヒヤでしたwここで戻ったらグダるのは間違いないので、流石にないとは思いましたけどね。

で、何故か全員バラバラになってしまう子供達。いつの間にエンジェモンはワープスキルまで付いたのか…まあそれは置いておいて、デッカードラモンが見えた時は少し興奮しましたね!クロスウォーズ、結構好きなんですよね…でも皆さん、ご存知でしょうか。先日、デジモン図鑑でクロスウォーズ組にも進化レベルが追加されまして、それによるとデッカードラモン、成熟期らしいんですよ……嘘でしょ?って思いましたよ。明らかに、少なくとも完全体だろって思ってましたし……しかも、成熟期の筈のデッカードラモンがサイバードラモン(完全体)をミサイルで落として捕食って…あり得るのか、こんなことが……

…話を戻します。メタルグレイモンとヴォルクドラモン戦では、またもや出てきたシルエットのウォーグレイモン。しかも、普通より明らかにデカかった様子。太一さんや光ちゃんが頭の上に乗っているという…あれは、光ちゃんの力でしょうねぇ…で、その後あっけなくスカルナイトモンに攫われる光ちゃん。しかも、若干自分から行った感も出してましたね。まさか、また暗黒サイドにいるのか…テイルモンや。

クラウド大陸から落ちてから、ちょっと…ストーリー進行が遅い気がしますが、まだ見続けます。ここまで見たら、最後が気になるので。少しモチベ下がってる、ような気がしますが、多分究極体が出る回が来たらモチベも上がるはず!そろそろ出しても良いんですよ、ウォーグレイモンを。

と、今回はここまで。次回は来週の日曜日に更新です。蛇足にも付き合って頂いた方、ありがとうございました!また来週もお願い致します!




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