デジモンアドベンチャー 優しさの少女と転生デジモン   作:Zelf

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皆さん、明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願い致します!

今回も短めになっており、さらにオリジナル展開となっております…!




第二十六話  早すぎる遭遇

 八月一日、深夜。もう間もなく八月二日になる頃、一匹のコウモリが芝浦付近を飛んでいた。

 

「ヴァンデモン様、ご報告があります」

 

 そのコウモリは、普通のコウモリではない。人間界とは別の、デジタルワールドから来たヴァンデモンの手下、ピコデビモンである。

 コウモリ型の通信機で、先程の芝浦での出来事…レアモンとゲソモンが選ばれし子供達に倒されたこと、さらに彼らにとってはそれ以上に重要な情報をヴァンデモンに報告する。

 

「奴らが倒された付近で、九人目の反応を感知しました。他の選ばれし子供の付近で常に反応していたことから…恐らく、既に選ばれし子供達に合流している可能性があるかと」

 

 苦々しい表情でそう話すピコデビモン。過去の経験から、このような報告をしたらお仕置きされると身構えていたが、ヴァンデモンの反応は思っていたものとは違っていた。

 

『ふむ…ピコデビモン、お前はそのまま九人目の反応を追え。奴らに気づかれぬように注意せよ』

 

「はっ!…その、ヴァンデモン様は如何成されるのですか?」

 

『私も準備を終え次第そちらに向かう。明日、選ばれし子供達がバラバラに行動したら報告せよ』

 

「はっ、了解しました!」

 

 通信が切れたことを確認したピコデビモンは内心ホッとしつつ、九人目の反応を追って飛び去っていった。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 朝、目が覚めたら見知らぬ天井だった…いや、昨日から見知った結衣の部屋の天井だった。

 

 久々のベッドで、俺も結衣もよく眠ってしまったみたいだな…今、何時だ?今日は午前中に他の奴らと集まる予定があるから、早く起きないと…

 

 

 

 そう思って、ふと窓の外を見た。ベッドから見たからか、外が白い。最初は雲なのかと思ったが、何かがおかしい。

 

 今日は八月二日、確か東京タワーや渋谷でデジモン絡みの事件がある日だ。俺の記憶では、原作のこの日は晴れていたはず。いや、天気までは詳しく覚えているわけじゃないし、雲があったかどうかまでは覚えていないが、日差しが強い日だったのは覚えている。ミミがそんなことを言っていたのが印象深い。だというのに、今日はそれ程暑くも感じない…

 

「結衣、起きろ」

 

「ん…どうしたの……?」

 

「ちょっとな…まずはどいてくれ」

 

 結衣の抱き枕状態だった俺は、結衣を起こして窓際に移動する。結衣も眠そうにしながら起き上がって、俺の傍に来た。

 

「これは…」

 

「…霧?」

 

 外が霧に覆われている。日差しは見えず、遠くの景色は見えない。恐らく、というかこの霧は十中八九ヴァンデモンの仕業だろう。だが、この霧は本来なら明日に展開されるはずだ。少なくとも、これ程濃い霧にはなっていなかった。

 そもそも、ヴァンデモンがこの霧の結界を張った理由は、光をお台場から逃がさない為。原作ならヴァンデモンが、光のパートナーデジモンがテイルモンであると気づいたから結界を張ったはずだ。テイルモンを使えば光をおびき出せると。

 

 

 

 つまり…ヴァンデモンは既に、九人目のことを嗅ぎつけている?まさか、昨日の芝浦でピコデビモンが…?

 

「結衣、急いで太一達の所に行くぞ!」

 

「う、うん!」

 

 とにかく、全員集合だ。まさかとは思うが…ヴァンデモンが動き始めているかもしれない。原作よりも早く…どう動くつもりなのか分からないが、この状況で単独行動は不味い気がする。

 

 

 

 

 

 

 準備を整え、俺と結衣は約束していた集合場所までやって来た。霧の結界がほぼ出来つつあるから、もしかするともう既にバケモンとかが動き始めているのかと思ったんだが…どうやらそれはまだらしい。

 それにしても…これからのヴァンデモンの動きが読めない。他の子供達は、まだこの霧がヴァンデモンの仕業だとは思ってもいないだろうし…

 

「ロップモン、大丈夫?」

 

「あ、ああ…いや、あまり大丈夫じゃないかもしれねぇ」

 

「まだヴァンデモンは動いていないよ、落ち着いて。皆と話せば、何か良い考えが浮かぶかもしれないし」

 

「にゃー」

 

 俺の代わりに昨日の猫を抱いている結衣。何とも人懐っこい猫だな…飼い猫だからか?まあ…少し和んだ気がしたから、良いか。

 

 それから少しして、他の子供達が次々とやって来る。ひとまず問題無く全員が集まることが出来たのは、良かった。

 

「あ、ミーコ!?」

 

「この子、太一君の所の猫なの?」

 

「あ、ああ!だけど何で結衣さんが…?」

 

「太一さん、その猫は昨日、芝浦で保護したんです」

 

 昨日の夜の出来事を、光子郎が皆に説明する。特に太一は驚いたようだ…自分の家の飼い猫が、レアモンに襲われるなんて大冒険を繰り広げていたとは思わなかったんだろうな。そして、ミーコがデジヴァイスを持っていたという話にもさらに驚いた。

 

「え、それじゃあそのデジヴァイスって…」

 

「うん…昨日話した通り、やっぱり太一君の妹さんが九人目なんだと思うの」

 

「光が…」

 

「ねぇ、だったら早く光ちゃんの所に行った方が良いんじゃないかしら?」

 

「そうだな、こうしている間にもヴァンデモン達が狙っているんだ。急ごうぜ、太一」

 

「ああ!」

 

 本来なら、この話し合いで丈が名簿を押しつけられることになっていたんだが、もう光が九人目で確定だと思って移動しているからサクサク話が進むな。

 

「み、皆!ちょっと待ってくれ!」

 

「なんだよ。丈?」

 

「悪いんだけど、僕は一度別行動をさせてくれないか?明日から夏期講習なんだけど…その、両親や塾の先生に今日は休むって連絡しておきたくて」

 

「夏期講習って、お前な!今は世界のピンチなんだぞ!?」

 

「太一君、しょうがないよ。元々私達は受験生だしね…でも、丈君がサボるなんてビックリしたかも」

 

「ホント、こんな時でも夏期講習は行くって言うかと思ったわ」

 

「うっ…そりゃあ、出来るならそうしたいけど。今はそれどころじゃないだろう?人の命がかかっているというなら尚更、塾に行ってる場合じゃないと思うんだ」

 

 …へぇ。丈の奴、原作とは違って成長していたんだな。ちゃんと命の重さを分かっている辺りは、流石は医者の息子って感じがする。

 

 だが、ここで単独行動させるのは不味い。ヴァンデモン側は別に光を狙わなくても、俺達の中の誰か一人でも始末出来れば良いんだし。せめてゴマモンが超進化出来るようになっていれば、まだ安心出来るんだけど。

 しかし、これは予想できた展開だな。結衣と目を合わせると、小さく頷いた。

 

「あ、私も夏期講習あったんだ」

 

「えーっ、結衣さんもなの?」

 

「ごめんね、ミミちゃん。そういうわけだから、皆は太一君と一緒に行って?私達も後から追いかけるから」

 

 これは予め考えておいた嘘だ。丈を単独行動させない為に二人で考えた作戦。これなら自然に丈と一緒に離脱出来るし、この後丈と分かれたとしても、後からついて行けるし。

 

「そうだ、これはどうするの?名簿」

 

「その中に九人目がいる可能性があると思ったんですが…今は光さんに会って確かめてみる方が良いでしょう」

 

「そうだな。それじゃ、行こう!」

 

 というわけで、皆は太一の家に向かって行った。良かったな、丈。名簿を押しつけられて電話させられることはなくなったぞ。

 

「それじゃあ、僕達も行こう」

 

「うん。でも、丈君の家だと厳しそうだよね…お父さんがお医者さんなんでしょ?」

 

「そうなんだよ……今から何を言われるのかと思うと、ハァ。お腹が痛いよ…」

 

「大丈夫だって!丈は心配性なんだよ!」

 

「というか、お前らケータイは持ってないのか?」

 

「ケータイ?何だそれ?」

 

 ゴマモンはまだ知らないらしい。あれ、確か原作で丈は持っていたような気がしたが…と思っていたら、丈が鞄からケータイを取り出し電話をかけ始めた。

 

「それが、繋がらないんだよ。発信しても…ほら!」

 

 聞こえてきたのは、電話が繋がらない時のアナウンスの音声だった。これも霧のせいなのか…もしかすると、既にお台場が隔離されてしまっているかもしれないな。

 

「ホントだ…私は持ってないし、どこかで公衆電話で試してみる?」

 

 

 

 そんなことを話していた時だった。俺の耳が、微かな音を捉えた。一瞬だけだったが、今確かにバサッ、みたいな音が聞こえた。この音は、前にも聴いたことがある。

 

「二人とも、止まってくれ」

 

「ん?どうしたんだい、ロップモン?」

 

「敵が来ているみたいだ…ゴマモン、臨戦態勢だ」

 

「おう!」

 

「て、敵だって!?」

 

「丈君、シーッ…」

 

 ゴマモンと共に地面に立ち、俺は目を閉じて音に集中する。聴覚をより研ぎ澄ますように意識する。

 

 ――異音を、複数キャッチ。

 

 

 

「…そこだ!“ブレイジングアイス”!」

 

「ギャア!?」

 

 俺の攻撃が、ピコデビモンにヒット…はしなかったが、どうやら掠めたらしい。悲鳴を上げながら体勢を崩した。

 

「お前は、ピコデビモン!」

 

「な、何故分かった!?」

 

「お前の音は、もう覚えてんだ!何度も欺けると思うなよ!」

 

 前のヴァンデモンに襲われた時には、まさかお前に苦汁を飲まされることになるとは思わなかったがな。もう二度とあんなミスはしねぇ。

 

「チッ、だがここに来たのは俺だけじゃないぞ!」

 

 憎たらしくそんなことを言うピコデビモンだが、そんなことは俺も既に把握済みだ。足音からして、どんな奴なのかも大方察しが付いている。

 

「結衣!」

 

「うん!」

 

「丈、行くよ!」

 

「頼むぞ、ゴマモン!」

 

「ロップモン、進化――っ!!トゥルイエモン!!」

 

「ゴマモン、進化――っ!!イッカクモン!!」

 

 

 

 成熟期に進化した俺は、ピコデビモンがいる方向とは別方向に向かって駆け出す。その先には、コートを着た大柄な男がいた。

 

「イッカクモン!」

 

「分かってる!“ハープーンバルカン”!!」

 

「“巖兎烈斗”!!」

 

 イッカクモンのミサイル攻撃が、その大柄な男に直撃。爆煙で殆ど何も見えなくなったが、俺はお構いなしに必殺技をぶち込む。

 ガキィン!と、固い何かにぶつかったような感触。それを感じた瞬間、俺はすぐに退く。

 

「全然効いてねぇな…」

 

「アイツは!?」

 

 全身が青い炎に包まれた大男――デスメラモン。さっきまではもう少し小さかったが、今はイッカクモンよりも大きいサイズになっている。やはりというべきか、俺達の攻撃じゃそれ程ダメージが通らなかったらしい。ダメージが少しでもあるならこのまま連携で倒したかったんだが。

 チラッと結衣の様子を見る。デスメラモンの見た目に、少し萎縮してしまっているようだが…

 

「結衣…大丈夫か?」

 

「うん……うん、大丈夫。行こう、トゥルイエモン!」

 

 結衣の持つデジヴァイスが、さらに光を放って。色が水色から赤紫色に変化する。

 

 

 

「トゥルイエモン、超進化――っ!!アンティラモン!!」

 

 

 

 デスメラモンと同じくらいに巨大になった俺は、デスメラモンに対して臨戦態勢を取る。

 

「イッカクモン、お前はピコデビモンを警戒してくれ。奴は俺に任せろ」

 

「分かった!」

 

 イッカクモンの返事を聞いて、俺はデスメラモンに集中する。イッカクモンには悪いが、デスメラモンは炎攻撃を吸収して大きくなる。イッカクモンのミサイルなら効くかと思ったが、あれも炎攻撃に分類されるようだから、イッカクモンには相性が悪い。

 

「“マントラチャント”」

 

「“ヘヴィーメタルファイアー”!」

 

 デスメラモンの炎…いや、確か正確には体内で溶かした重金属か。それを避けて、クロンデジゾイド合金レベルまで硬化した右腕で下からアッパーを食らわせる。大きく宙に浮くデスメラモンは、隙だらけだ。

 

 

 

 デスメラモンの攻撃は周囲への影響が大きすぎる。辺りを燃やし尽くされる前に…斃させて貰う。

 

「ハアァァァッ!!」

 

「グ、ガ…ッ、グハァッ!」

 

 “マントラチャント”で硬化した両腕でラッシュ攻撃。デスメラモンは一切身動きが取れず、ただ攻撃を食らい続けた。そして……粒子となっていった。

 

 

 

 まだだ。これで終わりじゃ無い。デスメラモンの命を無駄にしない為に、あれを試すんだ。

 

 デスメラモンの粒子を、自分の体の中に取り込むように意識してみる。すると、俺の体の中にデスメラモンの粒子が吸い込まれていく。

 

「アンティラモン…?」

 

「…大丈夫だ、心配ない」

 

 突然の行動に驚いたんだろう。デジモンロードについては、何も言っていなかったからな。結衣が不安そうな顔をしていたが、俺は安心させるようにそう伝えた。

 

 デジモンロードとは、デジモンテイマーズでレナモンがやっていた現象だ。倒して粒子化させた相手デジモンのデータを取り込み強くなる。確か、取り込めば取り込む程強くなれるとか言っていたような気がするが…まあ、俺にとってはそこは重要じゃない。死んだデジモンのデータを俺も取り込むことが出来るかどうかが重要だった。

 

 とにかく、成功したことは喜ばしいことだ。今はまだやらなくてはいけないことがある。この場に向かっていたのは、デスメラモンだけではないのだ。

 

「後はお前だけだぞ、ピコデビモン!」

 

「く、くそぉ…!」

 

 …イッカクモンがピコデビモンをジワジワと追い詰めているようだ。ピコデビモンはどうやら気がついていないようだな。

 

「イッカクモン、退くぞ」

 

「な、何で?今は僕らが優勢じゃないか!」

 

「このままここにいるのは危険だ。別のデジモンが近づいてきている」

 

「別のデジモンって?」

 

「分からないが、音は複数だ。このまま連戦は厳しいだろう」

 

 複数の音…そのほぼ全てが羽ばたくような音。ピコデビモンと同じような羽ばたく音だ。それが意味するのは、ただ一つ。

 

 

 

「はっはっは!もう遅い!あの方はもう間もなくここへいらっしゃるのだ!」

 

 そんなことを言い始めるピコデビモンを攻撃したくなったが、今はそれどころではない。結衣を頭の上に乗せ、丈をイッカクモンの上に乗せる。早く移動しなければ――

 

 

 

「どこへ行こうというのだ?」

 

 

 

 良く響く低い声。忘れもしない…ヴァンデモンの声だった。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「お待ちしておりました、ヴァンデモン様!」

 

 ピコデビモンが、ヴァンデモンの近くまで飛びながらそう言った。ヴァンデモンは薄ら笑みを浮かべながら、こっちの様子を窺っている。

 

「どうしよう、アンティラモン…?」

 

「…逃げるのは不可能だ。結衣、俺に考えがある。丈と一緒にあそこに向かってくれ。こっちにも助っ人が来るみたいだ」

 

 アンティラモンの視線の先は…さっきまで私達が集まって話していた場所?あんな開けた場所に…助っ人って、もしかして太一君達が?だとすれば、この状況も何とかなるかもしれない。

 

「分かった。無茶しないでね、アンティラモン」

 

「ああ、任せろ」

 

 私を降ろして、ヴァンデモンに集中するアンティラモン。イッカクモンも同じように、丈君を降ろしてアンティラモンと並び立つ。

 

「丈君、私達はあそこまで行くよ」

 

「え?変に移動すると危ないんじゃ…」

 

「アンティラモンの考えなの、一緒に来て!」

 

「わ、分かった!」

 

 

 

「“ハープーンバルカン”!」

 

 イッカクモンの攻撃が始まったのを見て、私達は走り出す。ヴァンデモンは…私達のことは気にも掛けていないみたい。だったら、今の内にさっさと移動しよう。

 

「“ナイトレイド”!」

 

「“マントラチャント”!」

 

 ヴァンデモンがイッカクモンの攻撃を迎え撃っている間に、アンティラモンが別方向から高速で殴りかかる。ヴァンデモンはヒラリと躱し、アンティラモンは連続で攻撃し、ヴァンデモンはまた躱す。そんなやりとりがずっと繰り返されていた。アンティラモンは出来るだけ時間を稼げるように動いてくれている。急がなきゃ。

 

「つ、着いたけど…これからどうするんだい?」

 

「ちょっと待って…」

 

 辺りを見渡して、誰か人影が見えないか探す。

 

「おーい!」

 

「あれは、ヤマト!」

 

「タケル君も!」

 

 来てくれたのは、ヤマト君とタケル君だった。タケル君まで一緒にいるなんて、少しビックリした…ヤマト君なら、タケル君は危険だからって連れてこないと思ったのに。

 

「二人とも、来てくれたのか!」

 

「ドカーンって音が聞こえたから、戻って来たんだ!」

 

「何があったんだ!?」

 

「ヴァンデモンに襲われているの。今はアンティラモンとイッカクモンが戦ってくれてる」

 

「ヤマト、俺達も行こう!」

 

「タケル!僕も戦いたい!」

 

「パタモン…うん!行くよ!」

 

 ヤマト君だけじゃなく、タケル君もデジヴァイスを手に持った。すると、進化の光が二人のデジヴァイスから溢れ出す。

 

 

 

「ガブモン、進化!ガルルモン!ガルルモン、超進化――っ!!ワーガルルモン!!」

 

「パタモン、進化――っ!!エンジェモン!!」

 

「パタモンが…!」

 

「進化出来た!」

 

「…行くぞ、エンジェモン」

 

「ああ!」

 

 ワーガルルモンとエンジェモンが、アンティラモン達が戦う場所に向かう。ワーガルルモンは、ヴァンデモンに急接近して必殺技の構えをとった。

 

「“カイザーネイル”!」

 

「ふっ」

 

 ワーガルルモンの技を躱したヴァンデモンだけど、逃げた先にはエンジェモンが武器を構えている。

 

「はっ!」

 

「む…聖なる力を持つ者か」

 

 ヴァンデモンがエンジェモンの攻撃を受け止めた後、すぐに距離を取った。その直後、アンティラモンの体が光り出し、チョコモンに戻ってしまった。

 

「チョコモン…お疲れ様」

 

「悪い、もう少し戦えると思ったんだが…」

 

「だが、これでも三対一だ!」

 

「お前たちがいくら束になろうと無駄だ。“ブラッディストリーム”!」

 

「ぐっ!」

 

 ヴァンデモンの赤い鞭のような攻撃がそれぞれに襲いかかる。ダメだ、このままじゃ徐々に追い詰められてしまう。一度、撤退するべきかもしれない。

 

「皆、ここは一旦逃げよう!」

 

「逃げるの!?」

 

「ヴァンデモンは、ガルダモンとアンティラモンの二体でも倒せなかった…このままじゃ私達が不利だよ!」

 

「そう、だな…そうしよう!」

 

「逃がすと思うか!」

 

「“円月蹴り”!」

 

 ワーガルルモンとヴァンデモンの攻撃がぶつかり合う。その隙に、私達は一斉にある方向へと駆け出した。

 

「イッカクモン!」

 

「おう!皆、乗って!」

 

「“ナイトレイド”!」

 

「“カイザーネイル”!!」

 

「“ヘブンズナックル”!!」

 

 

 

 ヴァンデモンとワーガルルモン、それにエンジェモンの必殺技がぶつかり合って、空中で大きな爆発が起こった。その爆発に乗じて、退化してしまったガブモンとパタモンを抱えて、私達はイッカクモンの背に乗る。そのまま海上を進み…何とか、ヴァンデモンの魔の手から逃げることが出来たのだった。

 

 

 

 





あまり話が進んでいないのは、申し訳ありません…言い訳をさせて頂くと、仕事が忙しくあまり書く暇がありませんでした(-_-;)

もしかするとまた来月の更新がお休みしてしまうかもしれませんが、気長にお待ち頂けると嬉しいです。

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