デジモンアドベンチャー 優しさの少女と転生デジモン   作:Zelf

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アニメの感想書くと思ってたのに…早く再開してほしいけど声優さんとかアニメ製作側の方々に何かあったら嫌だから何とも言えない。

というわけで今回はピヨモン回です!


第六話  灼熱!バードラモン

 シードラモンとの戦闘から数時間後。俺達は今、森の中を進んでいた。時間は多分昼前って所か?仮眠して、すぐ起きて、朝飯か昼飯か分からない食事を食って出発。それからずっと森の中を進んでいるわけだが…サバンナはいつになったら見えるんだ?

 

「…?ねぇ、今何か聞こえなかった?」

 

「…ああ、上だな」

 

 結衣の言う通り、というか俺はさっきから聞こえてはいたんだが、今俺達の上空を何かが飛んでる音がした。目視で黒い物体が、木々の隙間から確認出来た。これが恐らく黒い歯車だろう…あれの行く先がピョコモンの村周辺で良いのか?

 

「歯車みたいだったな」

 

「空飛ぶ円盤じゃないの?」

 

「歯車型の隕石だったりして…」

 

「何にしても、良い感じのするもんじゃないな…」

 

 空飛ぶ円盤、歯車型隕石…結構ぶっ飛んだ発想するんだな。小学生だからこれくらいが当たり前か?テレビの見過ぎだろ。

 

「あ、タケル。そこ足下気をつけろ」

 

「え?あ、ホントだ!ありがとうロップモン」

 

 タケルが足下の木の根っこを避けるようにして進む。この森、たまに落とし穴みたいな部分があるんだよな。腐ってるというか、脆い根っこがある。それこそタケルくらいの体重でも穴が空くくらいに脆い奴が。スッカスカだからか、風の通り抜ける音が微かに聞こえる。多分これはロップモンというデジモンならではの聴力のおかげだろうな。

 

「気をつけろよ、タケル」

 

「うん、分かった」

 

「さあ、行きましょうか」

 

「そうだ、泣き言言ったって始まらないからな」

 

「そうは言っても、どっちに言ったら良いかなんて誰にも分からないし…」

 

「それはそうだけど…」

 

「アタシは空がいてくれればそれであーんしん!」

 

 太一達が話し合っている中、ピヨモンが空に体をスリスリと擦りつける。やってることが犬みたいだな…鳥なのに。

 

「そんなぁ…100%安心されても困るんだけどな。責任取れないよ」

 

「ひゃくぱー?」

 

「い、良い良い、気にしなくて」

 

「せきにんとれ?」

 

「良いってば、気にしないで」

 

 

 

 じゃれ合っている二人は置いといて…何となくで進み始める俺達。成り行きで見守っているが…歯車飛んでいった方角とは違うんだよな。じゃあメラモンに埋め込まれる歯車は別ってことなのか?結構な数ばらまかれているはずだからな、出来れば何とかしたいが…どうすれば良いのか分からん。やっぱデビモンぶっ倒すしかないのか?

 

「…あ!森から抜けるぞ!」

 

 ヤマトの見る先に、やっとお目当てのサバンナが見えてきた。うん、やっぱ変な感じするな。サバンナに無数の電柱が建っている様は。

 

「これって、テレビで見たアフリカのサバンナってとこに似てる…」

 

「え?じゃあ、ライオンとかキリンとか出てきちゃうのか?」

 

「さあ…そんな普通の奴が出てきたらまだマシだけどな」

 

「ここにはそんな動物いないよ?」

 

「その通り、ここにはデジモンしかいてません」

 

「デジモンしかいない、か…」

 

「…ライオンにキリンに似たような奴ならデジモンにもいるけどな」

 

「そうなんですか?」

 

「ああ。最も、ここにいるかは知らねぇけど」

 

 デジモンって動物モチーフの奴も多いからな。というかライオンとかよりヤバいはずの恐竜型がすぐ近くにいるんだけど。

 

「…私も光子郎君が言うサバンナをテレビで見たことあるけど、電柱なんて無かったよ」

 

「はい、僕が見たのもそうでした」

 

「きっと、人間が近くにいるんだ!そうに違いない!」

 

「えぇー?でも、海岸の公衆電話とか、湖の電車みたいなことだってあるじゃん」

 

「いや、違う!絶対ゼッタイ人間がいるんだって!!」

 

「まーだ言ってるよ…いい加減その妄想は止めた方が良いぞ丈」

 

「こら、そんな口聞いちゃダメだよ」

 

 コツン、と俺の頭に結衣の拳が優しく当てられた。お前は俺の母親か?

 

「…あんまりさっきみたいなこと言っちゃダメだよ」

 

「は…?」

 

 俺にだけ聞こえるくらいの声量で結衣にそう言われた。

 

「フンフンフン…ここは一体どこでしょう?ジャーン!!」

 

 

 

 方位磁石を取り出したミミを、全員で見守る。あれ、でもここって確か…

 

「いや~、何コレ~!!」

 

「…砂みたいに見えるけど、よく見たらこれ鉄の粉だ。磁石にくっつきますよ」

 

「やっぱり私達、とんでもないとこに来ちゃったのかしら」

 

「それにしても暑いですね…早く水を確保した方が良いんじゃないですか?」

 

「そうだね、このままじゃ脱水症になっちゃう…あ、そうだ。ロップモンなら氷作れない?」

 

「…仕方ねぇな。“ブレイジングアイス”!」

 

 結衣の腕から飛び降りて、その辺にあった鉄の棒を掴み、冷気の息を吹きかける。すると俺の頭と同じくらいの大きさの氷の塊が形成されていった。

 

「ほれ、出来たぞ」

 

「すごーい、綿飴みたい!」

 

「ちょっとまった!ガブモン、これを鉄の棒から切り離してくれ」

 

「えぇ?でも、多分バラバラに割れちゃうよ?」

 

「それで良いんだよ、どうせ全員欲しいだろ?一口大くらいが丁度良い」

 

「分かった!えぇい!」

 

 ガブモンがその両手の爪で氷の塊を切り刻み、キレーイに全員に一口大の氷が行き渡るようになった。まあ、16等分だからホントに小さいけどな。

 

「うっひゃー!生き返る~!」

 

「でもどうするよ?俺だって技を何度も出すのに限界がある。早く水源を探さねぇと」

 

「森の湖に戻って、水を十分に確保して来るのもアリかもしれないよ?」

 

「僕もそう思う。戻った方が良いんじゃないか?」

 

 ピョコモンの村まであとどれくらいあるのかも分からないからな。まだサバンナ入ってから十分程度しか経ってないし…今後のことを考えたら、ちゃんと水分を確保しておく必要があるな。原作だったらピョコモンの村で確保してたんだろうが…

 

「うーん、もうちょっと進んでみようぜ!何か見えるかも知れないだろ」

 

「そうね、まだ森を出てからそんなに経ってないし…」

 

「そうしよう。いつでも湖には戻れるしな」

 

 子供だから体力が切れるかと思ってたんだが…いや、寧ろ逆に体力有り余っているのかもしれないな。一部を除いてだけど。

 

「結衣せんぱ~い、氷欲し~い」

 

「僕も~」

 

「…っお前らぁ!結衣じゃ無くて俺に言えよっ!」

 

 全く、ガキみたいな奴もいたり大人っぽい奴もいたり…ホント、統一性がないメンツだな。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 進み始めてしばらく、先頭を歩く太一君が何かを発見した。単眼鏡を取り出して、村を見つけたと叫んだ。それを聞いた丈君が、やっぱり人間がいるんだと言っているけど…予想通りというか、人間の姿は無かった。

 

 でも、そこはピョコモン達が沢山いた。空ちゃんのパートナーデジモン、ピヨモンの幼年期の姿。沢山の花が踊っているみたいで、可愛い子が、いっぱい…!それに、ピヨモンがピョコモン達に色々教えてあげてるのも可愛い…

 

「空~、ピョコモン達が皆にご馳走してくれるって~!」

 

「ほ、ホント!?」

 

「ひゃっほ~!!」

 

「ピョコモン様大感謝!」

 

「私、お腹ペコペコ!」

 

「腹一杯食っちゃおうぜ!」

 

「一体どんなご馳走なんでしょうね?」

 

「…あくまでピョコモンにとってのご馳走だからな。まあ食えねぇもんではないってのは確かだ」

 

「お家も全部ピョコモンサイズ…可愛い」

 

「おい、結衣?聞いてんのか?」

 

「あ、うん。ちゃんと食べれるなら大丈夫じゃない?」

 

 ピョコモンのご馳走か~…きっとピョコモンが食べやすいような一口サイズのものとか…それを食べてる所、早くみたいな。夕食が待ち遠しい。

 

「お水~!噴水がある~!」

 

 そんな時、タケル君が噴水を見つけた。良かった、ここで水分補給出来るね。それにピョコモン達に聞けばこのサバンナもどきがどこまで続いているのかも聞けるし。

 

「この辺りは、皆見晴山に水源があるの。とってもおいしいんだ」

 

「これがあの有名な、見晴山の美味しい水ですわ!」

 

「見晴山?」

 

「「「あの山!」」」

 

「あの山?」

 

 ピョコモン達が見る視線の先に、大きな山があった。結構遠い…でも水路があるってわけじゃないし、どうやって水をここまで引っ張ってきたんだろう?地下に水路があるのかな?

 

「とりあえず水分摂取だ、お前も飲んどけよ」

 

「あ、うん」

 

皆が噴水の傍に集まって水を飲もうとして…そしたら。

 

「うわっ!?何だ!?」

 

「まだお水飲んでないのに!」

 

「皆、大丈夫!?怪我してない!?」

 

「う、うん…」

 

 噴水から突然火柱が立ち上った。噴水にあった水は多分蒸発してしまっている…何で急に?

 

「だ、大丈夫!あっちに池があるから!」

 

「行ってみよう!」

 

 ピョコモン達の案内で向かった先には、大きな池だったと思われる場所があった。しかし水は一滴たりとも残っておらず…池に元々浮かんでいたであろう、またしても人工物らしき船があった。

 

 また、人工物…これが、この世界がインターネットの世界ということを物語っているように思えてしまう。自然と機械が不自然にごちゃ混ぜになっているのって、インターネットの情報がこっちにも流れ込んできているからだと思えちゃう。

 

「村の中にある井戸なら!」

 

 ピョコモン達と共に慌てて村に戻り、井戸にロープ付きの桶を投げ入れる。でも普通は聞こえるはずの水に落ちるポチャンという音じゃなくて、ボッという何かが燃えたような音がした。

 

「ボッ?」

 

「とにかく上げてみろ!」

 

「気をつけて、さっきみたいになるかも」

 

「あ、ああ…あ!?」

 

 太一君がロープを引き上げると、先には桶がついておらず…焼け焦げたような痕があった。

 

「太一君、離れて!」

 

「うわっ!?」

 

 先程と同じように井戸の中から真上に向けて火柱が立ち上った。一番近い位置にいた太一君も間一髪で無事だった。

 

「そういえば、さっき見晴山に何か落ちるの見た!」

 

「…ああ!俺達が見た、あれか!」

 

「黒い歯車、ですね」

 

「でも、見晴山に歯車が落ちたからって…どうして?」

 

「何が起こってるんだよ…」

 

「この辺りは全て見晴山の水が水源なの。だから見晴山に何かあったら水は全部干上がっちゃう!」

 

「そうなんだ…」

 

「でも見晴山にはメラモンがいるの!」

 

「見晴山はメラモンが守ってくれてるはずなの!」

 

「見晴山だな、見てみようぜ!」

 

 

 

 太一君が単眼鏡で見晴山を観察し始める。すると、見晴山の頂上が突然、炎が燃え上がった。私達でも視認できるくらい、大きく。そして見晴山を真っ直ぐ下りてくる、ギラギラと光る何かがいた。

 

 

 

「な、何だ!?」

 

「メラモンが山から下りてくる!」

 

「メラモンが山から下りてきた!」

 

「どうして!?」

 

「いつものメラモンじゃない!」

 

 

 

『燃エテイルー!!俺ハ、今!燃エテイルンダゼーーーーー!!!』

 

 

 

 メラモンのものと思われる狂気じみた声が、辺り一帯に響いていた。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「皆、逃げろーっ!!」

 

 

 

 俺達はまず、あの池の所にある船へとピョコモン達を避難させることにした。

 

 

 

「皆、急いで!!」

 

「足下に気をつけて!」

 

子供達が協力し合い、ピョコモンの避難誘導をする。俺達デジモン達もそれを手伝っていたが、一体だけ見当たらないことに俺は気づいていた。

 

「空ちゃん、ピヨモンは!?」

 

「それが見当たらなくてっ…!まさか!?」

 

 村からこの船へ向かう場合、そこそこ高い崖を下りなければいけないのだが…アイツ、ピョコモンの誘導の為に崖の上にいた。ピョコモンに仲間意識があるピヨモンは、ピョコモンを助けようと必死になっている。

 

「あのバカ、仲間を助けてるんだ…ピヨモン!!」

 

「空ちゃん!!」

 

「あ、おい!お前らは戻れ!!」

 

 

 

 ピヨモンの下へと空が、それに続くように結衣と俺も走り出す。そしてついに、ピョコモン達が崖を下り終わった頃、ついにメラモンが姿を現した。

 

 

 

「あっ!ピヨモン、後ろ!!」

 

 

 

 空の叫びでメラモンがすぐ後ろにいることに気づいたピヨモンだったが、メラモンの攻撃を掠めてしまい、崖をゴロゴロと転がり落ちる。

 

 

 

「ピヨモーーン!!!」

 

 

 

 空は走るスピードを上げ、スライディングしながらピヨモンをキャッチした。

 

「空ちゃん、ピヨモン!大丈夫!?」

 

「は、はい…っ、ピヨモン!」

 

「空…ピヨモンのこと、助けに来てくれた?」

 

「もちろんだよ…大事な、仲間だからね!」

 

「ありがとう、空!」

 

「…!お前ら、話は後だ!来るぞ!」

 

 メラモンが掌に炎を集め、攻撃体勢に入ってやがる…何とか空と結衣だけでも逃がさねぇと!

 

「ピヨモン、行くぞ!」

 

「うん!今度はあたしが空を助ける!!」

 

 ピヨモンが先行してメラモンへと向かい、俺は崖をピョンピョンと飛び移りながら向かう。少し遅れる形にはなるが、ピヨモンが注意を集めてくれているうちに不意打ちしてやる!

 

「“マジカルファイアー”!“マジカルファイアー”!」

 

 炎属性の攻撃ではやはりメラモンを倒すのは不可能みたいだな…今度は俺の番だ!!

 

 崖を登り切り、下からメラモンを見上げる形になった俺は、口から冷気を放つ。

 

「“ブレイジングアイス”!」

 

「グッ……“バーニング、フィスト”!!」

 

「うあっ!?」

 

「うぅっ!」

 

 炎を集めた拳を俺に叩きつけ、そのまま反対の手に溜めた炎の塊をピヨモンに投げつける。俺は躱しきれず崖から落とされてしまい、ピヨモンはまともに食らって墜落してしまう。

 

 くそっ、思ったより速ぇし痛ぇ…!俺の攻撃ならまだ効果はあるってのに…けど、まだ掠っただけだ、皆と力を合わせればやれる!黒い歯車さえ、メラモンの中にある黒い歯車の位置さえ分かれば…!

 

 さっきのピヨモンみたいにゴロゴロと崖を転がり、何とか耳を使って途中で止まることに成功した。

 

 

 

「お、おい、マジかよっ…!」

 

「“バーニングフィスト”!!」

 

 

 

 アイツ、俺に追撃してきやがった…!だがさっきと違って距離があるし、今度は躱せ――

!!

 

 

 

「結衣、危ねぇっ!」

 

「きゃっ!」

 

 

 

 あの野郎、狙ってやがったのか!?俺と結衣が直線上にいる瞬間に撃ってきやがった!っていうか、何で結衣がまだこんな所にいるんだ?さっきの場所から殆ど動いてねぇ…それどころか、ほぼ崖の真下だぞ?空もまださっきの場所にいるし…

 

「結衣、ここは危ねぇぞ!とっととここから離れろ!」

 

「っ…結衣先輩!早く行きましょう!」

 

「う、うん…分かった」

 

 …?何か、変だな。アイツ、いつもなら俺より先に空を連れて行くはずなのに…

 

とにかく、結衣は空と一緒に太一達の方へと走って行った。どうやら、アグモン達が応援に駆けつけてくれているみたいだな…よし、だったらまだ時間はあるな。

 

 確か、さっきその辺に…いた!

 

「おい、ピヨモン!大丈夫か?」

 

「うぅ…」

 

「流石にまともに入っちまったからな…無理ねぇか」

 

 すぐにピヨモンを起こせれば進化タイミングが早まるかと思ったが、無理そうだ。だったら、原作通りにアグモン達と一緒にピヨモンが起きるまで時間稼ぎするしかないな。あの野郎、さっきのお返ししてやる。

 

「そういや、まだ試してないことがあったな…やってみるか!」

 

 まず、“プチツイスター”の要領で回転を始め、その回転の最中に“ブレイジングアイス”を使う。デジモンって俺みたいに必殺技が二つあるやつがいるから、一人合わせ技みたいなことができないか試してみたかったんだよな。上手くいけば、氷の竜巻みたいなのが出来るはずだ。メラモンには水氷系の技が聞くのは間違いない!

 

「行くぞ…“プチツイスター”!…からの、ブレイジング…うおっ!?」

 

 回転で竜巻を起こすことには成功したが、口から冷気を出すのが威力調節できず、俺はあらぬ方向へと吹っ飛んだ。

 

 これ…調節出来ねぇな。同時使用はやっぱ無理か……出来たら色々出来そうなんだけどなぁ…

 

「“ベビーフレイム”!」

 

「“プチファイアー”!」

 

「“プチサンダー”!」

 

「“エアショット”!」

 

「…あ」

 

やっべ…間に合わなかった!メラモンを火炎系の技で倒すには、メラモンの炎吸収能力を超えるパワーで勝つしかない。しかし、成長期四体の攻撃で成熟期のデジモンのパワーを上回るはずがなく…原作通りメラモンはアグモン達の攻撃を吸収して大きくなる、はず…?

 

「おいおい…こんなデカくなんのかよ…」

 

 デカすぎるだろ…!最初はまだ大人の人間と同じくらいだったのに、見た感じもうすぐグレイモンと同じくらいになるんじゃないか?

 

 

 

「燃エテルゼェ―――――ッ!!!

 

「っ…ヤベェ!」

 

 

 

 飛び降りやがった!このままじゃ下にいる俺達も…潰される!

 

 

 

 そんな時、ある方向から光が見えた。それは、電話ボックスがあった海や、路面電車のあった湖の時と同じ現象。勿論、ある方向というのは…アイツがいた場所だ。

 

 

 

「ピヨモン、進化――――!!バードラモン!!」

 

 

 

 ピヨモンは灼熱の巨鳥となり、メラモンを崖の上へと押し上げる。そして一度距離をとり、再度突撃を仕掛ける。

 

 メラモンも黙っていない、“バーニングフィスト”を何度も連発しバードラモンを迎撃するが、バードラモンはそれでも進んでいく。

 

 

 

「バードラモン、頑張ってーーーっ!!!」

 

 

 

「“メテオウィング”!!!」

 

 

 

 バードラモンから放たれた炎の連弾を、メラモンは吸収しようとした。しかし体は耐えきれず、やがて元の大きさにまで縮んでいき…メラモンの体の中から、黒い歯車が飛びだし、上空で粉々に砕け散った。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「ハァ…」

 

「どうしたの?ロップモン」

 

「いや、ちょっとな…」

 

「ちゃんと食べれるよ?」

 

「いや、そうじゃなくて」

 

 メラモンが正気を取り戻し、元の見晴山へと帰って行った。もう日が暮れており、約束のピョコモン達のご馳走が今目の前にあるのだが…これは、やっぱ何かの種なんだろうか?あの変に真面目な丈でもよく咬めば食べれないことも無いとか言っていたが…あれか?ヒマワリの種みたいな感じ。いや、前世でもヒマワリの種がどんなのか見たことねぇから実際そうか分からねぇけど。

 

「じゃあ、昼間のこと?」

 

「ああ、まあな…今回何も出来てなかったからな、ちと反省中だ」

 

「そっか…あれ、何か失敗したような感じだったけど、何やろうとしてたの?」

 

「“プチツイスター”と“ブレイジングアイス”を合わせたら強力な技になると思ったんだが…結果はご覧の通りだよ。“ブレイジングアイス”だけ使ってれば良かったぜ…」

 

「…多分、それじゃ倒せなかったよ。グレイモンとか、ガルルモンくらいのパワーが無いとどっちみち倒せなかったと思う。時間稼ぎくらいにはなったかもしれないけどね」

 

 まあ…他にやろうとしてたのは、パタモンの“エアショット”と“ブレイジングアイス”を合わせることくらいだったんだが、多分結衣の言う通りだったな。時間稼ぎが出来るならそれでも良かったしな。ピヨモンが起きるまで時間稼いどけば何とかなったわけだし。

 

「そういやさ、お前あの時変じゃなかったか?」

 

「…というと?」

 

「いや…ほら、俺がお前を庇った時。俺はてっきり空を連れてあそこから離れたもんだと思ってたんだけど…」

 

「…そう、だね。そうすれば良かった」

 

「…?思いつかなかったのか?ちょっと意外だな」

 

「そんな時も、あるよ」

 

 結衣はそう言って、横に座っていた俺を持ち上げそのままいつもの体勢に入った。って、いつもの体勢って認めたら俺が人形みたいじゃねぇか!

 

「おい、まだ飯食ってる最中だろ!つーか俺をぬいぐるみ扱いすんなっ」

 

「このままでも食べれるでしょ?」

 

「そういう問題じゃ…!」

 

「お願い。今日だけ、このままでいさせて」

 

 俺の背中に隠れるように顔を埋める結衣。少し、体が震えていることに今ようやく気づいた。

 

 

 

………そう、か。まだ、小六なんだもんな。一番大人っぽい結衣でも、まだガキなんだ。

 

 

 

それを、本当に今更だが…ようやく、俺はそれを身をもって実感した。

 

 

 

 




今更なんですが、投稿ペースを早めるか悩み中。皆さんはどっちが良いでしょうかね??

このままなら、無印完結まであと少なくとも50話くらいあるので、五年くらいかかる計算なんですけど…実はこれ、無印で完結にはしないつもりなんですよねぇ………どうしよ(^^;
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