魔法少女まどか☆マギカ〜謎の少年と魔法少女〜 作:TRcrant
第3話です。
ちなみに、本作のオリ主の浩介は、私が主に使っている人物です。
そのため設定が私が書いている他の作品とでかぶっているかもしれませんが『同一人物に近い他人』といった解釈でお願いします。
「ん………」
翌日、マミはカーテンの隙間から差し込む陽の光で目覚めた。
上半身を起こして、ぼんやりする彼女の脳裏に、先日の事がフラッシュバックする。
(確か昨日は、魔女の男の人……高月君と出会って、それで……)
マミは、そこまで思い出すとはっとしてベッドから飛び降りた。
そして地面を確認するとほっと胸を撫で下ろした。
(襲撃はしなかったようね)
マミの立っている周囲にはこれでもかと言うほど紙が敷き詰められていた。
マミは寝る前に紙を敷くことで、誰かが入ってきたのかどうかが分かるようにしたのだ。
見ず知らずの男と一緒の家に寝るというのに、何の抵抗もないのかと聞かれれば、答えは”No”だろう。
そんな事で、この対処をしたのだ。
(お休みなさい、か。そんな事を言われたのは、何年ぶりかしら)
ほっとした彼女が感じたのは、そんな事だった。
数年前の事故で、彼女は両親を亡くしているのだ。
そして自身も命を落としかけるが、その際にキュウベぇと契約をしたのだ。
そのような経緯があり、孤独と言う最大の敵と戦っている時に、浩介と出会ったのだ。
彼の事を信用できないというのと、彼と一緒に戦いたいという思いが今マミの心の中で渦巻いているのだ。
「はぁ……取りあえず、これを片づけちゃいましょ」
マミはため息をつくと、地面に敷き詰めた紙を片づけ始めた。
それだけで30分かかったのは、関係ない話だ。
「これでよし、と」
地面に敷き詰めていた紙を片づけたマミは制服に着替えた。
(早く朝ごはんを作らないと)
この家にいるもう一人の人物の為に、マミは慌てて自室を飛び出した。
「へ?」
そこで見た光景に、マミは固まった。
その光景とは……
「あ、おはようございます巴さん。朝食適当に作っちゃいましたけど、食べますか?」
テーブルの上に置かれた朝食と、椅子に座っている浩介の姿だった。
★ ★ ★ ★ ★ ★
「……ッ!?」
僕は、突然体を襲った痛みで目覚めた。
誰かに襲われたのかと思って辺りを見回すと、カーペットが見えた。
どうやらソファーから落ちたようだ。
「いつつ……」
おそらく顔面から落ちたのか、鼻がとても痛かったので軽くさすりながら立ち上がる。
「巴さんはまだ寝てるのかな」
巴さんのいると思われる場所から発せられるエネルギー量を”視て”僕はそう呟くと、キッチンの方へと向かった。
「何か食材はあるかな……」
僕は冷蔵庫を開けて食材を確認する。
「うーん………まあ、作ってみるか」
微妙な食材に、首を傾げながらも、僕は調理を始めた。
そして僅か数十分で朝食(目玉焼きとお味噌汁、ウインナー)は完成した。
それをお皿に盛りつけると、テーブルに並べて行く。
「よし、配膳完了。後は保温魔法でもかけて巴さんが起きてくるのを待とうと」
僕は、すべての料理に保温魔法をかけると、巴さんが起きてくるのを待った。
それからほんの数分が経った時だった。
「へ?」
「あ、おはようございます巴さん。朝食適当に作っちゃいましたけど、食べますか?」
ドアが開く音共に間の抜けたような巴さんの声が聞こえてきたので、僕は爽やかな笑顔を浮かべて尋ねた。
「作ったって……高月君が?」
「ええ。ああ、安心してください。毒なんて入っていませんので」
僕は、巴さんが考えてそうな事を先に言っておくことにした。
「別に、そんなこと考えてないわよ」
僕の言葉に、目を細めながら答えると昨日と同じ、僕の対面の椅子に座った。
「いただきます」
「いただきます」
お互いに手を合わせて呟くと、料理に手を伸ばす。
巴さんはウインナーを一口食べた。
すると、その表情は見る見るうちに驚きに染まって行った。
「おいしい……おいしいわ、高月君!」
「はは、喜んで頂けてうれしいです」
巴さんの笑顔につられて、僕は笑いながら答えると、朝食を摂るのであった。
「それじゃ、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
カバンを持って学校に行く巴さんを僕は玄関先まで見送る。
そして巴さんは家を後にした。
「ふぅ……さて、やることやっちゃうか」
僕はもう一度自分に喝を入れると、やらなければいけないことをやることにした。
まずは洗濯物。
これは巴さんの考えで、それぞれの下着は別のネットに入れておき、手を触れないようにするということで丸く収まった。
なので、僕は黄色のネットには手を付けず青色のネットに手を伸ばす。
それらを物干し竿に掛けて、洗濯物は終了した。
「あとは掃除と……」
その時、お腹が鳴った。
当然この場には僕しかいないので、僕のお腹の音なのであるが。
「…………とりあえず、昼食にしよう」
巴さんから食材は自由に使って構わないと言われていたので、僕はその言葉に甘えることにした。
お昼は簡単にトーストとハムを使った簡単なサンドイッチで済ませた。
いくら構わないと言われていてもさすがに限度と言うものがある。
昼食を済ませた僕は、掃除を始める。
(ものすごく広い)
本腰を入れてやったら確実に日が暮れてしまうので簡単に済ませることにした。
「キュウベぇ、そこ退いて」
『分かったよ』
先ほどから床の上でこちらを興味深げに見ていたキュウベぇに告げると、やれやれと言った様子で歩き出した。
僕はその場所に掃除機をかける
(それにしても、やけに気になるんだよね)
先ほどから興味深げな視線を向けてくるキュウベぇが気になって仕方がなかった。
いっそのこと声をかけてみようかとも思ったが、何だか嫌な予感がしたためそれができずにいた。
その後、掃除を終えた僕は、乾いた洗濯物を取り込むとそれを畳んでいく。
(とりあえずこれはソファーにでも置いておこうかな)
そう思って僕はソファーに先ほど畳んだ服をソファーの端の方に置いた。
「にしても僕が手を付けていない洗濯物、いったいどうするつもりなんだろう?」
手を付けるなと言われていた洗濯物のことが少々気になったが、手を付けるなと言われているため何もできないが。
「……暇」
やることがなくなってしまった僕は、ただ窓から外の景色を見つける。
(ちょっと散歩に行こうかな)
ここの土地について知ることもでき、また時間をつぶすことができるというまさに一石二鳥の案だった。
そう思い立った僕は、玄関先に向かう。
「どうしてついてくるの?」
『マミに君を監視するように言われているからだよ』
それで何となく納得がいった。
今まで僕の方を見ていたのは監視だったようだ。
(普通に出て行ったかと思ったら監視を置いておくなんて、巴さんって抜け目がないね)
巴さんの用心深さに舌を巻いた僕は、ふとある問題に気付いた。
「靴がない」
そう、僕の靴がないのだ。
そもそも最初から靴を履いていたのかすら疑問だ。
おそらくは履いていなかったとは思うが。
「裸足で行くのもあれだし。大人しくしておこう」
僕は散歩をあきらめリビングに戻ると、窓から外の景色を眺めて時間をつぶすことにするのであった。